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フェルミ推定の教科書【テクニック編 3/6】例題3 カフェへの来客数 & 例題4 存在するカフェの店舗数:ケース面接における数式分解の適切なアプローチとは?

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本コラムでは、前回までの「基礎編」(例題1例題2)に引き続き、「応用編パートA」の2つの例題(例題3と例題4)を解説していきます。

ここまでのコラムを読んでいることが前提ですので、併せてご覧ください。

今回の記事の要点は下記3点です。

【テクニック編 3/6】の要点

  • 解き方がわからない場合、同じテーマで計算できそうな別の数値を、まず洗い出せ
  • 同じテーマの計算できそうな別の数値を組み合わせて、計算式を定義せよ
  • 存在する数は、「市場規模」などを、「数1つあたりの供給」で割ると、計算できる事が多い

 

◆「フェルミ推定の教科書」バックナンバー◆

【原則編】:他の学生と差がつくポイントとは?
 ➢Step1 目的数値を因数分解【原則編 1/7】
 ➢Step2 振れ幅の大きい項目を細かく分解【原則編 2/7】
 ➢Step3 全体像に過不足がないか確認【原則編 3/7】
 ➢Step3 全体像に過不足がないか確認(続き)【原則編 4/7】
 ➢Step4 各項目の具体的な数値を設定 & Step5 数値の設定理由を説明【原則編 5/7】
 ➢Step6 数値の計算を実施【原則編 6/7】
 ➢Step7 計算結果を総括【原則編 7/7】

【テクニック編】:数式分解の適切なアプローチとは?
 ➢例題1 カフェ市場の売上【テクニック編 1/6】
 ➢例題2 とあるカフェ1店舗の売上【テクニック編 2/6】
 ➢例題3 カフェへの来客数 & 例題4 存在するカフェの店舗数【テクニック編 3/6】
 ➢例題5 都のカフェ市場の売上 & 例題6 スタバ全店の売上 & 例題7 デカフェコーヒーの売上【テクニック編 4/6】
 ➢例題8 訪日外国人によるカフェ市場の売上【テクニック編 5/6】
 ➢例題9 ニューヨーク州におけるカフェ市場の売上【テクニック編 6/6】

【一歩差がつく回答編】
 ➢缶ビールの市場規模は?(1/2)【一歩差がつく回答編1】
 ➢缶ビールの市場規模は?(2/2)【一歩差がつく回答編2】
 ➢ディズニーランドの客数は?(1/3)【一歩差がつく回答編3】
 ➢ディズニーランドの客数は?(2/3)【一歩差がつく回答編4】
 ➢ディズニーランドの客数は?(3/3)【一歩差がつく回答編5】

 

例題による解説:応用編 パートA

さて、前回のコラムまでに、基礎的な問題を2つ解説し、フェルミ推定の数式分解の「基本中の基本」を解説してきました。今回からは、基礎編の内容を踏まえつつ、応用が必要な問題を見ていきます。ここでは、まず「数」を計算するフェルミ推定を見ていきます。基本的には、基礎編を応用することで解けるものばかりです。

この応用編パートAでは、「アプローチ方法がわからない」場合の対処として、「アプローチがわかる数値は何かを考える」というプロセスを説明します。使用する例題は以下の2つです。

 

【例題3】 カフェへの来客数

このテーマは非常に簡単です。来客数の単位が、「1店あたり」「市場全体」のどちらも、基本的に、「例題1 カフェ市場の売上」「例題2 カフェ1店舗の売上」の問題の分解から、「単価」の項目を外せば、この例題3の回答になります。

そのため、基本的には、「例題1」「例題2」と同じ解き方でアプローチすれば十分です。

客数の議論に集中するため、単価を省いて出題される

以前のコラムでも言及した通り、ケース面接は、あくまで受験者の「思考力」を見るために実施しており、しかも面接時間は30分など極めて短いです。

つまり、効率よく思考力を判断する必要があるのですが、「原則編」でも解説した通り、基本的に「単価」よりも「数」のほうが、議論の題材として優れていることが大半です(もしくは、数の議論があって、単価が意味を持つなどの場合も多いです)。

そのため、議論をわかりやすく&効率的に実施するため、あえて売上や市場規模から、「単価」の要素を抜いて、「客数」として出題していると考えていただければよいと思います。
※「数」に絞って出題されやすいテーマとして、「娯楽施設(ディズニーランド)」や「旅行」などが代表例としてあげられます。一度練習してみましょう。

【例題4】 存在するカフェの数

さて、このようなフェルミ推定を出題されたとき、どこから手を付けてよいかわからず、思考停止してしまう方が少なくありません。さて、どうアプローチすべきでしょうか。

数そのものにアプローチして、分解しようとすると、うまくいかない

たとえば、カフェの数を、無理やり分解しようとして
・「不動産の数」 × 「カフェ不動産の割合」
などと分解しても厳しいでしょう。

まず、カフェとして利用されている不動産の割合は、感覚的に考えても、0.1%未満のとても小さい値になると思われます。つまり、「極端に小さい数値」であるため、すでに解説した通り、数値を適切にイメージ・設定することが困難です。

また、母数である、不動産の数も、日本人口のような一般常識の数値でもなければ、世帯数のように別の明確な指標(人口)を起点に簡単に計算できるような数値ではないため、明確な数値を計算しにくいです。不動産の数は、「イメージしにくい数値」であるため、すでに解説した通り、数値を適切に設定することが困難だと思われます。
※すでに述べた通り、「不動産」というなじみのない切り口を起点にしてしまったことが原因でもあります。

うまくいかない要因は、「数式を分解しようとする」ことにある

この問題の場合、いわゆるロジックツリーを作成するように、数式を「細かく分解」するというアプローチでは、難しいでしょう。

では、どのような方法が有効でしょうか。今回の場合、ツリーの1段上を考えるような思考が有効です。結論から言うと、以下のように、
・「市場規模」 = 「店舗数」 × 「1店舗あたりの売上」
を考え、
・「店舗数」 = 「市場規模」 ÷ 「1店舗あたりの売上」
と式を変換するのです(ちなみに、ツリーとして記述すると、下記のようになります)。

このように言われると、「なるほど」となりますが、「細かく分解」するのではなく、「1段上を考える」ような、この手の思考は、現実的に考えて、思考の流れとして不自然かつ難しいものになります。

現実的な思考プロセスとは?

さて、どのように考えて、このような思考にたどり着くべきでしょうか。その現実的な方法を見ていきましょう。

プロセス1: どんな数値であれば、計算できそうか、洗い出してみる

このような場合、一旦、「カフェの数」という単語から離れてみて、テーマとしている「カフェ」のうち、「どんな数値なら計算できそうか」を考えてみるとよいでしょう。

これまでの議論だと、「市場規模」や「1店舗あたりの売上」が計算できることは、簡単にわかるでしょう。

プロセス2: 計算できそうな数値を組み合わせて、目標とする数値を計算できる式を考える

さて、この「市場規模」と「1店舗あたりの売上」のお互いの関連を考えたり、「市場規模」というマクロ数値をどう分解できるかを考えたりできれば、先ほど議論したような
・「市場規模」 = 「店舗数」 × 「1店舗あたりの売上」
といった式の定義が容易になり、計算へ進むことができます。

あとは、「店舗数」以外の2つの項目をフェルミ推定すればよいでしょう。

例題3と例題4のまとめ

さて、例題3と4の両方を通してわかったことをまとめてみましょう。

※補足: 「存在する数」の計算の公式化

「数」の計算、正確には「存在する数」(客数などではない)というフェルミ推定に限って公式化してしまえば、一般的には以下のような数式になるはずです。

・○○数 = 「市場規模 or 総需要 or 総供給」 ÷ 「○○の単位あたり供給」

店舗数以外にも、「タクシーの台数」「携帯電話の台数」など、様々なパターンが出題されます。

数にも、様々な種類があることに注意

しかし、「存在する数」ではなく、「客数」の場合は、あくまで「例題1」や「例題2」のアプローチを起点とした方が、計算しやすい場合が多いでしょう。「数」と言われたとき、どのような「数」なのか、抽象的に意味を判断するよう、注意してください。

アプローチがわからない場合は、まずわかりそうなものを洗い出し、それらを起点に考える

「例題4」のように、全くアプローチが頭に浮かばない場合は、テーマ(カフェ)に対して、まず「計算できそうな数値」を洗い出し、それらを起点に考えていくことで、突破口が開けることもあります(大学入試の数学でも、似たような話があったと記憶している人もいるのではないでしょうか)。
※例題3の「カフェの客数」に対して、そのままアプローチできない場合でも、「カフェ市場の規模」をベースに考えれば、よくある市場規模の計算の中におさまることがわかり、解きやすくなります。

様々なパターンのフェルミ推定を解いたことがあれば有利である

この「計算できそうな数値」というのは、様々な種類のフェルミ推定を解いたことがあれば、想像しやすくなります。このコラムでは、カフェをテーマに、様々な種類のフェルミ推定が紹介されますので、出題パターンの整理にもご活用ください。

【数式分解のアプローチ】 第2段階

さて、応用編パートAの2問からわかったことを加えたうえで、フェルミ推定における、数式分解時のアプローチをまとめておきましょう。

➢ 複数の分解方法を考案する
  ➢ 「需要(消費者)」と「供給(企業)」から、それぞれ分解していく
  ➢ うまく数式が分解⇒計算できない場合は、どんな数値であれば計算できるか考える
    ➢ 計算できそうな数値を組み合わせて、目的とする数値が計算できないか考える
➢ より計算に適した式を選択する
  ➢ イメージ・計算が難しい、曖昧さが大きい項目を含む式を排除する
    ➢ 需要アプローチ: 母数の範囲が明確である。割合・頻度などの値が極端に小さくならない
    ➢ 供給アプローチ: 供給の最大値を明確に制限できる箇所・項目が存在する

それでは最後に、今回の記事の要点を改めてまとめると下記3点です。

【テクニック編 3/6】の要点

  • 解き方がわからない場合、同じテーマで計算できそうな別の数値を、まず洗い出せ
  • 同じテーマの計算できそうな別の数値を組み合わせて、計算式を定義せよ
  • 存在する数は、「市場規模」などを、「数1つあたりの供給」で割ると、計算できる事が多い

 
さて、 次回のコラムでは、「応用編パートB」として、3つの例題に対する、式の分解アプローチの解説を行っていきます。併せてご覧ください。


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