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フェルミ推定の教科書【原則編 7/7】Step7 計算結果を総括:ケース面接で他の学生と差がつくポイントとは?


本コラムでは、前回に引き続き、「とあるカフェ一店舗の売上金額は?」というフェルミ推定の回答例に沿って、ケース面接で「やりがちな間違い」や「差がつくポイント」を解説していきます。

ここまでのコラムを読んでいることが前提ですので、併せてご覧ください。
※本記事の最下部にバックナンバーのリンクがあります。

今回の記事の要点は下記3点です。

【原則編 7/7】の要点

  • 数値の規模感チェックは、何か知っている数値から簡単に概算した数値と比較せよ
  • 「改善ポイント」を尋ねられたら、最後のアピール・チャンスと捉えよ
  • 短い時間で完璧な回答など作れない。最後に、自分の議論の難点や見落としを隠さず伝えよ


 

【Step7】 計算結果を総括する

さて、数値計算を実施し、最終結果(売上金額)を導出しても、まだ終わりではありません。面接官から、「計算結果をどう思う?」といった趣旨の質問をされることが多いです。

この質問におけるチェックポイントは、以下の2点に分類できるでしょう。

➢ 数値の規模感があっているか(定量的な視点)
➢ どこが最も弱い・曖昧な箇所か(定性的な視点)

「ポイント」としてあげるほどではありませんが、アプローチや考え方を示しておきます。

数値の規模感をチェックする

さて、なぜこのような質問をするのでしょうか。これは、主に以下の理由から、大きく最終結果の数値がずれていないかを確認させるためです。

➢ 「数値計算」時に、単純な計算ミスが発生している
➢ 「計算式の分解」や「数値の設定」に、明確な間違いが発生している

数値の規模感のチェック方法のパターン

ところで、このようなとき、どのように数値の規模感を判定するのでしょうか。

原則として、「何か知っている数値から、超大まかな概算をする」ことで、比較数値を作成することが有効です。

例えば、今回の場合、「1日1店舗のカフェの売上金額」がテーマでしたが、「他の数値からの類推」によって、下記のように、簡単に計算できるでしょう。

➢ コンビニエンスストア(CVS)の1日1店舗の売上は50万円くらいと聞いている。これと似たような数値だろう
  ➢ ただ、CVSは他のメーカーの物を仕入れて売るのがメインなので、利益率が低そうだ。カフェは、CVSより少ないくらいの売上になりそうだ
➢ 従業員を4人雇えば、1日6万円くらいは、人件費が必要だ。人件費率が2~3割と仮定すれば、1日の売上は20-30万程度になりそうだ

大雑把な計算ほど、ミスによる大きな規模のずれが発生しにくい

これらの比較数値は、超簡略な計算であるからこそ、「計算ミス」などが原因による、数値の大きなずれが起こりにくいです。つまり、ある程度曖昧な数値ではあるものの、数値の規模感が大きくずれにくいというメリットがあります。規模感の大きなズレがないかを確認するのに、このような類推による比較数値が有効です。

数値が大きくずれている場合は、見直しをする

仮に、フェルミ推定の結果が、「200万円」や「5万円」だった場合、どこか計算がまちがっていると言えそうです。「単純な計算ミス」から、以下のような、「式の分解や数値設定」までを見直しして、どこを修正すべきか確認しましょう。

➢ 分解した式の中で、必要な項目が抜け落ちていないか
➢ 四則演算が間違っていないか(例:掛け算すべき箇所を、割り算していないか)
➢ 式はあっているが、よく見たら、とある項目に不自然な数値を設定していないか

 

改善ポイントを提言する

さて、数値が大きくずれていなかったとしましょう。その場合でも、「どこが弱いと思う?」「直すとしたらどこ?」といった質問がなされます。その質問の意図として、主に以下の内容が考えられます。

➢ 自分の回答を「客観的に検証」「自己批判」できるか否かを見ている
➢ 受験者が、気が付いてはいたが、議論や結果に反映できなかった視点などを、念のため聞いておく

イメージをあげると、今回の回答の場合、以下のような自己批判が考えられるでしょう。

➢ 今回の計算結果は、数値としては小さいと思います。なぜなら、席数をベースに計算しましたが、これはイートインのみを考えており、テイクアウトが抜けているからです。そのため、もし直すのであれば、テイクアウトの数値を加えるため、○○の計算をすると思います

さて、もう少し整理しながら、「改善ポイント」の提言パターンを解説します。

回答パターン1: 無理やり対応してしまった個所を、計算式の弱点として伝える

自分の実施した計算を、客観的に見て、自己批判することは重要な思考力です。

「テイクアウトの視点が漏れていることに途中で気が付いて、係数で大雑把に対応した」場合など、ある程度無理やり計算した部分も存在するでしょう。

このような部分を、改善ポイントとして提言しましょう。この「テイクアウト」の部分の場合、計算式の弱点として、係数で簡易的に対応したことを伝え、改善策として、「レジの供給」で計算式を構築すべきだったことなどを、面接官に提示しましょう。

回答パターン2: 全く計算に反映できなかったが、気が付いていた視点を、ここで共有する

また、最悪の場合、「テイクアウトの視点が漏れていることに気が付いたが、遅すぎた(数字の計算をしている途中に気が付いた)ため、計算に組み込めなかった」というような場合もあり得るでしょう。

その場合も、最後に「テイクアウトを式に組み込めなかった」ことを、正直に伝えましょう。面接官からすれば、「一応、気が付いていた」という意味で、ある程度加点できるでしょう。

決して、テイクアウトの視点を、隠してなかったことにしてはいけません。面接官は、面接前にケース問題の妥当性を検討する段階で、間違いなく「テイクアウトの視点」が存在することに気が付いています。また、受験者が見落としたことも把握済みでしょう。

面接官から与えられた、最後の思考力アピール・チャンスと考える

面接官からすると、このような最終確認の質問を行うことは、受験者が考える事はできていたが、面接官が把握できていなかった視点を拾うことができる、有効な質問です。

受験者からしても、短い面接時間で、色々と考える中で、途中で気が付いた、様々な視点や自身の回答の改善ポイントがあると思います。30分で完全な回答など作成することはほぼ不可能です。それらを踏まえつつ、最後の思考力アピールをしてください。

決して、「特に問題ないです」などと回答して、せっかくのアピール・チャンスを無駄にしないよう、しっかりと考えて、何かしら回答しましょう。

まとめ: 結局、数値計算ではなく、思考力が重要

以上のように、「ケース面接として行われるフェルミ推定」において、数字の計算が占めていた部分はわずかです。大半は、定性的ながらも論理的な思考力によって、議論が進められていきます。

フェルミ推定と言われると、「数字の計算」と考えてしまいがちです。しかし、いわゆる売上向上系の施策を求めるような「普通のケース問題」との違いは、「計算式の構築の重要性が高まる」程度に過ぎないと考えておきましょう。

論理的思考力において、具体的イメージが不足しており、机上の空論になりがち

まず、「机上の空論」に陥る方が多いです。「ポイント3」でも指摘した通り、具体的なイメージなしにフェルミ推定を行うと、問題のテーマ(カフェ)の特性に見合わない、「一般論的」かつ「不適切」な議論や計算をしてしまいます。

多くのコンサルティングファームの選考を進み、多数のジョブに参加するような学生であっても、議論の中で不足しているのは、意外にもこの「具体的イメージ」です。

本番の面接中は難しいかもしれませんが、普段の練習中は、考えたことを全てメモに取るなど、意識しながら、具体的なイメージを基に考える訓練をしてください。

面接官とのコミュニケーション内容を、客観視しながら選択する

また、面接官とのコミュニケーションについても、問題の多い方が多いです。

まず、「ポイント6」でも指摘した通り、全体像を共有する前に、個別の議論を進めてしまった場合、面接官からすると、議論の方向性がわからず、その議論方針で正しいのか不安になりながら、受験者の話を聞かなれればなりません。また、全体像がないまま話をされると、話された内容を頭の中で整理することが難しくなり、話を理解しにくくなることも多いです。

また、「ポイント9」で指定した通り、面接官と話がかみ合わない場合、話の論理性が乏しいというよりも、お互いが想定している前提や状況が異なる場合が少なくありません。話がかみ合わなくなったと感じた場合、自分が当たり前と感じている前提や、想定しているイメージから、面接官と明確に共有しておくべき前提や条件がないか、冷静に確認してください。

1人で完璧にこなそうとするのではなく、急がず柔軟に考える

「ポイント7」「ポイント8」で言及した通り、ケース面接は、時間の制約が厳しいなどの理由から、そもそも一人ですべてを考える必要はありません。

最初の3分間、1人で考えるときは、方針レベルを確実に押さえることに時間を使えば十分であり、最後まで計算を進める必要はないでしょう。

また、面接官から指摘を受けたら、「自分の意見が正しい」と主張するのではなく、自分の考えた内容は表現しつつも、指摘の内容を踏まえつつ、自身の回答をブラッシュアップしましょう。

それでは最後に、今回の記事の要点を改めてまとめると下記3点です。

【原則編 7/7】の要点

  • 数値の規模感チェックは、何か知っている数値から簡単に概算した数値と比較せよ
  • 「改善ポイント」を尋ねられたら、最後のアピール・チャンスと捉えよ
  • 短い時間で完璧な回答など作れない。最後に、自分の議論の難点や見落としを隠さず伝えよ

 

今後の解説の進め方: より良い因数分解の切り口を考案するノウハウとは?

さて、「ポイント3」にて、分解の切り口を複数考え、比較検討すべきであるという解説をしました。この部分は、この先のStepの議論に大きな影響を与える、きわめて重要なポイントです。また、難易度が高く、受験者の間で差がつくポイントでもあります。

そのため、次の「テクニック編」では、この「ポイント3」の解説を集中的に行います。そのためには、複数のフェルミ推定の問題の比較が有効なので、カフェ系の様々なタイプのフェルミ推定の問題を利用しながら、解説を行っていきます。

それ以外のポイントについては、今後の解説で取り上げる例題において、随時言及・解説していきます。フェルミ推定の問題タイプが変われば、ポイントの応用方法も、多少異なってきますので、例題を通して、考え方を身につけていただければと思います。

 


◆バックナンバー・関連記事◆

【まず初めに読んでおきたい】
 ➢ ケース面接って、どう対策していけばいいの?
   ➢ケース面接で差がつくポイント総まとめ〜多くの指導から見えた「失敗のパターン」と「対策ノウハウ」
   ➢コンサルのケース面接対策に~思考力を鍛えるための書籍

【フェルミ推定の対策がしたい】
 ➢ 原則編(フェルミ推定の教科書):他の学生と差がつくポイントとは?
   ➢Step1 目的数値を因数分解【原則編 1/7】
   ➢Step2 振れ幅の大きい項目を細かく分解【原則編 2/7】
   ➢Step3 全体像に過不足がないか確認【原則編 3/7】
   ➢Step3 全体像に過不足がないか確認(続き)【原則編 4/7】
   ➢Step4 各項目の具体的な数値を設定 & Step5 数値の設定理由を説明【原則編 5/7】
   ➢Step6 数値の計算を実施【原則編 6/7】
   ➢Step7 計算結果を総括【原則編 7/7】

 ➢ テクニック編(フェルミ推定の教科書): 数式分解の適切なアプローチとは?
   ➢例題1 カフェ市場の売上【テクニック編 1/6】
   ➢例題2 とあるカフェ1店舗の売上【テクニック編 2/6】
   ➢例題3 カフェへの来客数 & 例題4 存在するカフェの店舗数【テクニック編 3/6】
   ➢例題5 都のカフェ市場の売上 & 例題6 スタバ全店の売上 & 例題7 デカフェコーヒーの売上【テクニック編 4/6】
   ➢例題8 訪日外国人によるカフェ市場の売上【テクニック編 5/6】

 ➢ 例題編(基礎): 練習問題をたくさんこなしたい!
   ➢NGケースへの対策【実践講座その1】

 ➢ 例題編(発展): 少し変わった問題への対策がしたい!
   ➢“ビジネス的視点”に立った論点設定(前編)【実践講座その17】
   ➢“ビジネス的視点”に立った論点設定(後編)【実践講座その18】
   ➢将来予測における論点の洗い出し(前編)【実践講座その19】
   ➢将来予測における論点の洗い出し(後編)【実践講座その20】

【ケース問題の対策がしたい】
 ➢ 基礎的なケース問題にトライしたい!
   ➢『ケース面接の失敗』とは?【実践講座その3】
   ➢情報収集プロセスを阻害する誤った『仮説思考』【実践講座その4】
   ➢公共政策系ケース問題の注意点(前編)【実践講座その11】
   ➢公共政策系ケース問題の注意点(後編)【実践講座その12】

 ➢ 応用問題で練習したい!
   ➢戦略コンサルタントがケース問題を解く方法【実践講座その2】
   ➢現状分析でよくある見落とし【実践講座その5】
   ➢問題文に隠された面接官の意図【実践講座その6】
   ➢具体的思考の重要性~「シェア2位」の意味(前編)【実践講座その7】
   ➢具体的思考の重要性~「シェア2位」の意味(後編)【実践講座その8】
   ➢「自社分析」の重要性 (前編)【実践講座その9】
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   ➢業界の特徴から課題抽出する(前編)【実践講座その13】
   ➢業界の特徴から課題抽出する(後編)【実践講座その14】
   ➢“現実的”な思考プロセスで論点を特定する(前編)【実践講座その15】
   ➢“現実的”な思考プロセスで論点を特定する(後編)【実践講座その16】
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