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はじめに
学生や社会人に向けてケース面接の指導や執筆活動をしている戦略コンサルタントにフェルミ推定やケース問題のポイントについて解説していただく、【プロによる実践講座】シリーズの11回目です。
本コラムの趣旨
本来のケース面接では、現状整理から打ち手の提案など一連の流れの中で、様々な考えるべきプロセスや論点があり、複数の重要なポイントがあります。しかし、これらの重要なポイントを、いきなりフルセットで学習するのは、難易度が高いと思われます。
そのため、本コラムでは、それらのプロセスや論点から、一部分を切り出した例題を出題し、それらの解答のコツの解説に絞ることで、学習内容を明確にした解説を行います。
今回のテーマは、「公共政策系のケースの特徴」です。例題を以下に示します。「よくあるミスを修正する」のが本コラムの趣旨ですので、皆さんも同じようなミスをしてしまうか否かを判断するため、ぜひ一度問題を20~30分程度で解いてみたうえで、解説をご覧ください。
今回の例題
(1)まず、そもそも交通渋滞にはどのような「渋滞のパターン(発生理由)」があるのでしょうか。全体感をもって洗い出してください。
(2)次に、施策を考えるためには、上記で洗い出した一覧から、重点的にアプローチする対象を決める必要があります。アプローチ対象を決定するうえで、重要となる視点や考え方を複数リストアップしてください。
よくある解答の傾向
さて、今回の 「交通渋滞」に関する問題は、いわゆる公共政策系のケース問題として度々出題されています。 その場合、問題文には今回のような、(1)や(2)のような小問はなく、シンプルに「東京都内の交通渋滞を緩和する施策を考えてください」という形で出題されます。
さて、もし今回のような2つの小問がない場合、どのような解答がなされ、どのような問題が頻発するのでしょうか。解説を始める前に、簡単に整理しておきます
小問(1)がない場合
今回のような小問(1)がない場合、半数くらいの方は、 「交通事故」などを原因とした「突発的な渋滞」について見落とす傾向 にあります。交通渋滞を、「交通量の多さ(需要)」や「道の狭さ、信号や踏切(供給)」など「定常的に発生する渋滞」のみとしてしまうパターンです。(※注: 交通渋滞の分類方法については、他にも様々な方法が考えられます。重要な要素さえつかめていれば、分類方法は何でもいいです。)
小問(2)がない場合
小問(2)がない場合、解答として、主に2段階で問題が発生します。これらは、いずれも優先順位付けに関するものです。
まず、第1の段階は、すべてのタイプの渋滞に対して、対策を考えようとすることです。考えた問題点や課題に対して、特に理由もなく順番に打ち手を考えようとするのですが、これは全く「仮設思考」ができておらず、非効率な方法です。
次に、第2の段階は、“重要”なものから考えようとはしているのですが、それが不十分であるパターンです。一般論としては、「インパクト × フィージビリティ」で優先順位をつけるのですが、今回のテーマの場合、このインパクトを「渋滞発生の頻度や程度」といった、若干甘い内容を置いてしまうパターンです。 公共政策において「インパクト」をどう考えるかは、ビジネス(例:売上、利益)と異なり、単純ではありません。
面接を受ける側の最初の解答としては、単純に「インパクト」としても問題ないかもしれません。しかし、面接官からすると質問しやすく、かつ考える力を見るうえで良いポイントなので、質問を通した深掘りへの対策を含め、しっかりと深く考える場合の論点の整理ができるようになりたいところです。
さて、それぞれの詳細を解説していきます。
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