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現役コンサルが語る、ケース面接で業界の特徴から課題抽出する方法(前編)【プロによる実践講座:その13】

本コラムの趣旨

学生や社会人に向けてケース面接の指導や執筆活動をしている戦略コンサルタントが、フェルミ推定やケース問題のポイントについて解説する【プロによる実践講座】シリーズ。その13回目です。

今回のコラムでは、業界やビジネスの特徴から、課題を抽出し、打ち手につなげる方法を解説します。

これまでのコラムでも解説した通り、“感覚的”な回答はついつい視野が狭くなりがちです。たとえば、3C(市場、競合、自社)で見たとき、「市場、特にその中でも消費者Needsばかり考える」「競合比較ばかり考える」といったバイアスが、問題の特性に応じてかかってしまうことを見てきました。

また、「自社」の視点は、抜けがちであり、意識的に分析すべきであることも示してきましたが、もし「とあるカラオケBOXの売上UP」「カラオケBOX業界の市場規模向上」といった自社の情報がない問題の場合、どうすべきでしょうか。

このような場合、業界全体(業種)に共通する特徴を考えることが重要です。各業界には、ビジネスとして見たとき、「キー・ファクター(競争優位性の源泉となる機能)」や「ボトルネック(ビジネスの構造上の問題・難点・負担など)」があり、それは業態によって異なります。これらを踏まえていない施策は、たいして効果のない要素を改善する打ち手となってしまうため、業態の特徴は、打ち手の方針を決めるうえで、大きな示唆になります。

今回のテーマは、「カラオケBOX業界」です。例題を以下に示します。「よくあるミスを修正する」のが本コラムの趣旨ですので、皆さんも同じようなミスをしてしまうか否かを判断するため、ぜひ一度問題を20~30分程度で解いてみたうえで、解説をご覧ください。

今回の例題

都内の某ビジネス街に位置するカラオケBOXの売上向上施策を考えてください。

※さて、施策を考える前に、カラオケBOXの現状をイメージしながら振り返ってみましょう。まず、売上の基礎となる「単位時間(1時間)あたりの利用料金」について考えてみます。

問1:カラオケBOXの「1時間当たりの利用料金」は、とある「軸・分類」をもとに、大きく異なった体系になっています。さて、その「軸・分類」とは何でしょうか。(複数思いつく場合は、すべて記述したうえで、最も重要なものを特定してください)

問2: 次に、その「軸・分類」がどのような場合に、料金が高く・安くなっているのかを具体的に明示したうえで、なぜカラオケBOXがそのような料金体系を取っているのか、理由を述べてください。

問3:その「軸・分類」の中から、特定の箇所・項目について、売上向上施策を考えることにしました。まず、最初にどの箇所・項目から検証を始めるべきか、仮説を述べてください。

よくある解答の傾向

さて、今回の問題を、単純に「都内の某ビジネス街に位置するカラオケBOXの売上向上施策を考えてください」とした場合、どのような解答が頻出するのでしょうか。

よくある解答のプロセスは、以下のようなものです。

・まず「カラオケBOXの客層」や「ビジネス街の客層の特徴」を加味する
・「ターゲットとすべき客層やオケージョン」を特定する(例:サラリーマンの2次会需要 など)
・それらの客層の方々が求めている需要を整理してみる(例:食事、価格、グッズ、備品…)
・整理した需要を満たす、新しいサービスの提供を打ち手とする

業種の特徴への考察が不十分

さて、上記の解答プロセスは、非常に“一般論”的になってしまっていることに気づいたでしょうか。例えば、「カラオケBOX」の部分を、「ファミレス」「美容院」「弁当屋」などと置き換えても、同様のプロセスで考えることになると思います。

これまでの解説では、上記のような3C(市場、競合、自社)でいうところの「市場」について考えるばかりでなく、「自社」や「競合」についてもっと考えるべきという話をしてきました。

今回も、よくある解答として、やはり「市場」ばかりを分析するという部分は変わりません。しかし、今回は別の視点で、「商品や業界の特徴は何なのか」という視点で物事を見てみたいと思います。

これは自社分析に近い概念です。しかし、自社分析は自社の情報がないとできません(つまり、「とある店舗」や「業界全体」の場合、自社分析が限定的になる)が、業界が指定されていないケース問題は、まず出題されないはずです。そのため、業界視点による分析はほぼ毎回必要と言えます。

解説の中で、業界の特徴を抽出するには、「業界比較による差異の特定」や「現実のビジネスで実施されている打ち手の背景を推測する」ことが、有効であることを、例題の問1~3への解説を通して提示していきます。

課題の特定例: 業界・ビジネスの特徴から導く

今回、抑えておくべき業界やビジネスの特徴について、解説の都合上、最初に提示してしまい、それらの特徴に合わせた具体的な課題も1つ例示しておきます(以前のコラムでも少し触れましたが、主に「消費者目線」と「企業目線」を行き来しながら、特徴を抽出していきます)。

現実のケース面接においても、少なくとも以下のポイントに気が付くべきかと思います。

特徴1: カラオケBOXは物理的制約の大きい場所貸しのビジネス

わかりやすいように、小売店(コンビニなど)と比較しながら、考えてみましょう。

まず、大前提として、カラオケBOXのビジネスが「時間単位で場所を貸す」ビジネスであることを認識する必要があります。これはコンビニで商品を買うのと異なり、「まとまった空き時間」がないと消費することが物理的に不可能であることになります。

また、アマゾンのようにネット&宅配もできないため、場所の制約も大きいです。よって、店舗があるエリアで行動している人しか、顧客になりえない、商圏の狭いビジネスになります。

以上の様に、消費者サイドから見て、「時間的」「物理的」に制約の大きいビジネスです。

特徴2: カラオケBOXは固定費の負担、特に場所・家賃の負担が大きい

カラオケBOXがビジネスとしてサービスを提供するうえで、必須なものは何でしょうか。まず、「カラオケルーム」という部屋・スペースが必須です(※それに加えて、特有のものとして、機材や曲のライセンスなども必要になります)。一方、飲食物はサービスとして必須とは言い難いものです(最悪、持ち込み可とすればよい)。

さて、どのコストの負担が高いのでしょうか。カラオケBOXは、たいていの場合、駅前など家賃の高い場所に位置していることが多いです。今回は、問題文の中で「ビジネス街」と指定されているため、特に家賃が高いと想定されます。

一方、他のコストはどうでしょうか。そもそも、お客さんはカラオケルームの中にいる時間が長いため、顧客の数と比して多くの従業員の数が必要だとも思えません。また、それ以外だと、光熱費などがありますが、そもそも他の業態と比較して、それほど大きな値になるとも思えません。

今回、厳密な計算・考察はしていませんが、なんとなく考えても、おそらく固定費、特に家賃の負担が、他のビジネスと比較して大きいと推測できるのではないでしょうか。

以上のように、企業サイドから見て、場所や家賃の負担が大きいビジネスです。

特徴3: カラオケBOXの部屋の稼働状況は、平日休日や時間帯によって大きく異なる

カラオケBOXの最大需要はいつでしょうか。今回の場合、特にビジネス街ですので、社会人による飲み会や2次会の需要が大きいと想定されるため、「平日の夜」に大きな需要があると想像できます(また、ビジネス街は立地がいいことも多いので、一定の学生客もいるでしょう)。「平日の夜」は最も需要が大きく、部屋の稼働率が高いと推測されます。

一方、それ以外の時間帯だとどうでしょうか。例えば、「休日」であれば、カラオケ好きな人たちが、友達と一緒に来店しているでしょう。一概に言えませんが、一定の需要があると想定されます。

では、上記以外の時間帯である「平日の昼間」はどうでしょうか。まず、社会人は仕事がありますし、学生も学校の授業があるので、カラオケのような「1時間単位」で場所を借りるサービスを利用することは、物理的に不可能な場合が多いです。そのため、ターゲット層が、主婦や年配者などかなり限定されることになり、これらの客層は、他の客層と比較して利用頻度や単価が“非常に”高いとも思えないため、「平日の昼」は需要が少ないと想定されます。

特徴4: 客層ごとに価格感度も大きく異なる

特徴3の解説の中で、稼働率だけでなく、時間帯ごとに客層が異なることにも言及しました。さて、当然ではありますが、客層ごとに価格感度が異なります。

まず、「平日の夜」の社会人による需要ですが、そもそも所得を得ている方々ですので、お財布に余裕があります。また、飲み会的な利用ということは、居酒屋のように比較的高価格であっても、受け入れられやすいオケージョンであると思われます。学生、主婦、年配者のカラオケ需要と比較して、価格感度は低めであり、高価格でも受け入れられやすいと思われます。(逆に、「学生」「主婦」「年配者」といった客層には、低価格であることがより重要になるでしょう)

示唆1:カラオケBOXビジネスのお金を稼ぐ仕組み(ビジネス・収益モデル)とは

以上より、カラオケBOXの収益を稼ぐ仕組みが見えてきます。まず、特徴3と4から、需要が平日夜に偏っており、しかもその時間帯は価格感度が低い客が多いため、高単価が取れると推測されます(時間当たりの価格、追加サービスの両面で、客単価が高い)。つまり、客数と客単価のどちらで見ても、売上や利益への貢献が高い時間帯と推測されます。

もっと踏み込めば、特徴2にあるとおり、場所・家賃のコスト負担が大きいため、平日昼の時間帯だけで見れば、赤字の可能性もあります。そのため、平日夜の高売上・高利益にて、平日昼や休日の低売上・低収益(赤字)をカバーしている可能性が高いとも言えるでしょう。

示唆2:各種特徴を踏まえた、カラオケBOXの業界・ビジネスの課題とは

以上の各種特徴を踏まえると、カラオケBOX業界の構造的な課題が、1つ見えてきます。

まず、特徴2にある通り、全コストの中で家賃が大きな割合を占めていると推測されます。そして、家賃は「固定費」にあたることからもわかる通り、お客さんの有無にかかわらず、同じだけのコストがかかります。つまり、「部屋が空いている」ことは、大きな損失になります。

そして、特徴3にある通り、時間帯による稼働率の差が大きいこと、具体的には「平日の昼間」の稼働率が低いため、ここに大きな機会ロスがあることになります。カラオケBOXへの来店は、「娯楽としての需要(ビジネスや自己鍛錬などの需要ではない)」「みんなで楽しむ(複数人の予定を合わせる必要がある: 特徴1)」の条件を満たすことが多いため、構造上、平日の昼間の需要が小さくなってしまうのは避けがたいと言えます。

以上の様に、「平日の昼間の稼働率が低いことが問題であり、これは特にカラオケBOXが家賃という固定費に当たるコストの割合が高く、客が入っていないことが大きなロスを発生させている」というポイントは、カラオケBOXの業界・ビジネス共通の大きな問題と言えます。このことから、「平日昼間の稼働率の向上」は、カラオケBOX業界の課題といえるでしょう。

補足: 今回提示した1つの課題に対する打ち手の例

さて、別の視点を含めて、いろいろと深く考えていけば、複数の様々な課題が出てくると想定されます(例えば、客単価について特に何も考えていません)。

しかし、いったん、この「平日の昼間の稼働率の低さ」という課題や、この課題に至るまでの現状分析のみに限定して話を進め、打ち手を考えてみましょう。例として、2つの打ち手を示します。

まず、1つ目の打ち手の方針としては、課題と対応させて、平日の昼間の客数を上げることに集中することになります。また、それまでの現状分析(特徴3)において、時間的制約をクリアできる顧客がどのようなタイプかについても、すでに判明しています。ターゲット顧客の大半である、「主婦」や「年配者」に対して、需要喚起する方法を考えることになるはずです。

次に、2つ目の打ち手の方針として、課題に直接答えるのではなく、あえてこれまでの現状分析に対して別の解釈を行い、ボリュームゾーンである「平日の夜」を攻略することもありえるでしょう。今回カラオケBOXは、このような「場所貸しビジネス」においても若干特殊な例だと思うのですが、最繁時間である「平日の夜」においても、まだ空いている部屋がある場合も多いです。また、別の現状分析(特徴4)から、最も客単価が大きいと思われる時間帯でもあることから、稼働率を上げることによる売上や利益への寄与が大きい時間帯と言えます。(余談ですが、客数だけでなく、客単価を上げる余地もあるでしょう。「平日の夜」の客層は、価格感度が低いので、そもそものプライシングの変更や、付加サービスによって、客単価を上げやすい可能性もあります)

次回コラム「その14」の予告

今回は、業界やビジネスの特徴を踏まえた回答を行うことがテーマでした。そのために、まずイメージを持ってもらうため、カラオケBOXのケース問題にて、業界やビジネスの特徴を踏まえた課題特定の具体例を提示しました。

次回のコラムでは、様々なケース問題にて、同様の回答ができるようになるため、汎用性のある根本的な考え方やアプローチに関して解説したいと思います。ぜひ「その14」も併せてご確認ください。


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