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現役コンサルが語る、具体的思考の重要性~「シェア2位」の意味(前編) 【プロによる実践講座:その7】

本コラムの趣旨

本来のケース面接では、現状整理から打ち手の提案など、様々な考えるべきプロセスや論点があり、複数の重要なポイントがあります。しかし、これらの重要なポイントを、いきなりフルセットで学習するのは、難易度が高いと思われます。

そのため、本コラムでは、それらのプロセスや論点から、一部分を切り出した問題を出題し、それに対する解説に絞ることで、学習内容を明確にした解説を行います。

今回のテーマは、「具体的に考えることの重要性」です。問題文を以下に示します。「よくあるミスを修正する」のが本コラムの趣旨ですので、皆さんも同じようなミスをしてしまうか否かを判断するため、ぜひ一度問題を20~30分程度で解いてみたうえで、解説をご覧ください。

今回の問題文

あなたのクライアントは、野菜ジュース市場で2位につけています。1位企業とのシェアの差は大きく、日々シェア拡大の方法を模索しています。

さて、野菜ジュースの売上・シェアを構成する要素は様々ありますが、どの部分がシェアの差の決定的要因となっているでしょうか。

売上・シェアを構成する要素を分解するうえで、「全体像を示し」つつ、「特に重要な要素について言及」してください。

よくある解答の傾向

さて、今回の問題を、「要因特定」について指定せず、「野菜ジュース市場2位企業のシェアを上げるには」という形式で出題したとき、「顧客Needs・Trendの分析とそれに合わせた商品の開発を行う」といった視点で解答を作成するパターンが、非常によく見かけられます。

もし、今回のケース問題が、一般論としての「野菜ジュース市場の売上を上げるには」であれば、これも一つの解答方針だと思われます。しかし、今回の問題は、「シェア2位」という「特定の企業」です。

少し考えてみてほしいのですが、「顧客Needsにバッチリ合う商品」を開発できれば、それだけで、シェア2位の企業は売上増加&シェアUPが実現できるのでしょうか(シェアUPのために、他に必要な条件や満たすべき条件はないのでしょうか)。

今回の問題・解説のまとめ

それでは、解説に入ります。まず初めに本解説の結論として、今回の「問題」と「解答」の特徴や傾向について述べておきます。

問題の特徴

まず、最低限押さえておくべきなのは、今回のテーマが市場規模ではなく、「特定の企業」の「シェア」にあることです。(つまり、競合メーカーの視点が一つ重要です。例えば、改善の打ち手を考える場合、新しい市場を開拓して自社の売上を伸ばすだけでなく、単純に競合の売上を奪うだけでもいいことになります。)

次に押さえておくべきなのは、今回のクライアントが「業界2位企業」であることです。「とある企業A社」ではなく、わざわざ「業界2位」と指定されており、しかも「1位とのシェアの差は大きい」とあることから、当然、解答の方向性に制限がかかるはずです。

解答の特徴

今回の問題では、「小売店の店頭」における事象に気が付くことが非常に重要です。詳細は、解説内で順を追って説明していきます。

また、問題の特性でもあるのですが、「野菜ジュースという商品特性」を考慮する必要があることを簡単に述べておきます。特に「他の消費財」との違いを考えるとわかりやすいです。これらのソフトドリンクは、「お店に特定の商品の在庫がなければ、別の店まで買いに行く」という行動がなされる可能性が、他の消費財と比較して相対的に低く、「お店に在庫がある商品から選んで買う」という選択になりがちです。

具体的にイメージすることの重要性: そもそも現実の野菜ジュース市場は?

ケース問題では、「具体的に考える」という視点が非常に有用です。ケース面接は、「架空の企業」について議論する場合も多いですが、これを「現実の企業」を例に考えてみるのです。

現実の1位企業と2位企業はどこか

日本で野菜ジュースのシェアNo1企業がどこかご存じでしょうか。大半の方は想像がつくと思いますが、「カゴメ」であり、「野菜生活,」「野菜一日これ一本」といったブランドを展開しています。

では、シェア2位の企業はどこでしょうか。これは難しいかもしれませんが、「伊藤園」であり、「充実野菜」「一日分の野菜」などのブランドを展開しています。

なぜ認知度に違いが出るのか考えてみる

野菜ジュースの中にも、野菜100%のものや、果物を含むものなど、様々ありますが、ここで、いったんイメージをつけやすくするため、最もメジャーだと思われる、果物を半分程度含む200mlパックのもの(野菜生活、充実野菜などのブランド)を想定しながら、話を進めていきます。

さて、このように言われても、伊藤園の「充実野菜という商品を知らない」といった方も、少なからずいるのではないでしょうか。もしかしたら、そもそも「カゴメ以外の野菜ジュースのブランドを見た記憶がない」といった方もいるかもしれません。

一方、同じく飲み物でも、ビールであれば「アサヒ(スーパードライ)」「キリン(一番搾り)」などを複数思い付くでしょうし、コーラであれば「コカ・コーラ」「ペプシコーラ」など、やはり複数思い付く方が多いと思われます。そして、ここが重要なのですが、「普段ビール・コーラを飲まない人であっても、ビール・コーラの複数ブランドを知っている」のではないでしょうか。

さて、野菜ジュースの場合、なぜカゴメのブランドしか思い付かないのでしょうか。これにはいくつか理由が考えられますが、いったん一つの論点に絞りたいと思います。特に、伊藤園のブランドを知っている人だと、「充実野菜がお店(コンビニ)に置いてあるのを、あまり見ないな」と感じる方もいるのではないでしょうか。(この話を、伊藤園のブランドを知らない人に置き換えると、「そもそもお店の棚に置いていないから知らない」となります)

当たり前の話ですが、「お店に置いていない」のであれば、商品は売れようがありません。そうなれば、全体の売上が小さくなり、当然シェアも低いままとなります。

現実を考えたときの感覚は、新たな視点を思い付く“きっかけ”になる

以上のように、現実の話で具体的に考えてみると、いろいろとわかることがあります。今回の場合、「2位の企業の商品・ブランドがわからない」、もしくは「2位の企業の商品・ブランドは知っているが、あまりお店に置いているのを見ない」といった感覚が、考えを深める“きっかけ”として、非常に有用です。

要因の特定: シェア1位企業との差はどこにあるのか

前置きが長くなりましたが、ここから要因特定に入ります。今回のクライアントは、シェア2位企業であり、シェア1位の企業とはかなりのシェア差があることを思い出してください。さて、この要因はどこにあるのでしょうか。

2位企業の商品力が低い?

さて、よくある解答が、「顧客Needs・Trendに合わせた商品の開発」ですので、その前提として必要な、売上2位企業の商品力が低い、商品が顧客Needsに合っていない場合を考えてみましょう。

まず、商品力が低い場合、どうなるでしょうか。これは小売店側、特にコンビニをイメージして考えるとわかりやすいでしょう。野菜ジュースの販売チャネルは、様々なものがありますが、具体的なイメージを持つために、いったんコンビニに限定してみます。(「様々なチャネルがある」という、“ふわっと”した考え方をしていると、具体的に考えるのが難しくなります)

「売れ行きが悪い ⇒ 棚に置かれない」が2位企業で発生している?

もし、2位企業の商品の売れ行きが悪ければ、小売店はその商品をそもそも店頭に並べなくなります(これは、特に棚の大きさに制限のある、コンビニ、ドラッグストア、都市型の小型のスーパーに顕著です)。その代わりに売れそうな商品、例えば1位企業の商品力の高い商品を棚に並べるでしょう(代わりに置く商品は、コーヒー、果汁ジュース、炭酸飲料などの別カテゴリ商品もあり得ます)。そうなると、お店の棚には、1位企業の商品は多くの種類の商品が並びますが、2位企業の商品は比較的売れ行きの良いわずかな種類の主要な商品が並ぶのみになります。

これは、実際の状況とも、ある程度合致します。特に、棚の大きさに制限のあるコンビニに行っていただけるとわかりますが、野菜生活は、多くの種類の商品が棚に置いてありますが、充実野菜は、相対的に置いてある商品種類が少ないです。

お店に置いていない商品は、そもそも売れようがありません(そのお店における売上は0です)。特に野菜ジュースのようなソフトドリンク系の商品は、化粧品などと異なり「なければ別の店で買う」といった行動に結び付く可能性が低いです(そもそも、ほとんどの店で棚に置いていないのであれば、別の店に行っても、やはり棚にない可能性が高いので、別の店までわざわざ行っても無駄になります)。

以上のように、そもそも「商品力がない」⇒「棚から商品が排除される」という流れが成立します。そのため、商品力がないという現状であれば、棚にも置いていないという現象を引き起こすはずです。

一方、たとえ2位企業の商品であったとしても、棚に置かれている少数の種類の商品は、一定の売れ行きを達成できているからこそ、棚に残されている可能性が高いです。そのため、1位企業と比較して、棚に残っている2位企業の商品は、種類こそ少ないかもしれませんが、1種類あたりの売れ行きに、著しい差があるとは想定し難いです。(もし、1種類あたりの売れ行きが大きく劣っているのであれば、1位企業の商品や、他の飲料カテゴリの商品が、棚の位置を奪いに来るでしょう)

最低限押さえておきたい重要な要素

以上のように、2位企業のシェアが低い理由は、「商品の売れ行き(正確には、1種類あたりの売れ行き)が悪い」ことも原因の1つですが、「商品が棚に置いていない(正確には、「棚に置いてある商品の種類が少ない」「1種類あたりで見て置いてある店舗数が少ない」)」ことも原因です。

結論としては、この両者「商品の売れ行き」「商品が棚に置いてあるか否か」の掛け算が「シェアに大きな差がある」原因のはずです。(このような分類を示したうえで、さらに販売チャネル別に、上記数値の予測や妥当性の検討をすると、より深い要因特定になると思われます)

本コラムのまとめと「その8」のコラムの予告

今回は具体的にイメージすることの重要性について、「野菜ジュース」の「シェア2位企業」のケース問題を題材に考えてみました。

商品の売れ行きについては、ほとんど全ての方が言及されます。しかし、棚に置いてあるという視点については、見逃す方が大半です。

では、どのようにすれば、見落としを防ぐことができるのでしょうか。次回の前半にて、まず見落としを防ぐための指針を解説します。後半は、「実際のケース問題(打ち手まで含めた提案)」の場合において、今回の現状分析がどう生きるのかを解説する予定であり、本解説で最も重要な部分になりますので、ぜひ「その8」も併せてご確認ください。


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