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こんにちは、トイアンナです。
私はP&Gのマーケターからライターになったという変わった経歴を持っています。
おかげで私自身はちゃらんぽらんの極みでも、付き合いの長い友人たちはまっとうに外資や日系トップ企業でキャリアを積んでいます。
ところが、そんな彼ら・彼女らに 今年から、キャリアの革命が起きています。
トップ企業に入った30代のリアルな暮らしとは?
そもそも、「トップ企業へ入った普通の30代」はどんな暮らしをしているかご存じでしょうか。
日本企業でも30代になると、大きなプロジェクトを任せてもらえるようになります。管理職として活躍する人も出てきます。朝から晩まで長時間労働をする対価として、誰もがうらやむ給与と福利厚生を手にし、家族と忙しいながらも楽しく暮らしている人が大多数です。
新宿や池袋、渋谷、梅田など基幹駅へ1本で通える好立地に一軒家やマンションを購入し、子どもが育ちやすい環境を整えている人も多くいます。家族を日本に置いて本人はクウェートやベトナムへ単身赴任……なんてのも、30代・トップ企業勤めにとっては「普通のキャリア」です。
この記事を読んでいる皆さんの大半もきっと、こういう30代を迎えられることでしょう。安心してください。人生はわりといい感じです。
新型コロナウイルスで変わる「普通のキャリア」
ただし、「普通のキャリア」は、今後も継続できるとは限りません。といっても、不景気の話ではありません。新型コロナウイルスの影響で、私の周囲でも いくつかの外資系企業が、「生涯リモートワーク(在宅勤務)」になる可能性を社員へ打診 しています。
もともと外資系企業ではリモートワークが盛ん
外資系企業では、新型コロナウイルスの流行前からリモートワークが盛んでした。
私が勤めていたP&Gジャパンでは、 新卒1年目から上司が海外にいて、完全リモートでしか指導を受けられない人もいました。 さすがにふびんがられて他のマネージャーも積極的に面倒を見ていましたが、「ないこともない」働き方だったわけです。
とはいえ当時、リモートワークは家族が病気で介護する必要があったり、自分の体調がすぐれないときや、休暇中にメールチェックをするとき(……)など、限定的なタイミングで使われていました。
記憶が正しければ、完全在宅勤務の「フルリモート」は、私が在籍していた2014年当時、全くいなかったかと思います。
フルリモート化は企業にとってメリットが大きい
ところが、新型コロナウイルスで外資系企業を中心に、完全在宅勤務=フルリモートが急速に普及しました。上記の通り、リモートワークの仕組み自体は整っていたわけですから、原則出社を想定している保守的な企業よりもスムーズに移行はできていました。
今回、 フルリモートを実施する際に多数の企業で「もし会社のオフィスを極限まで縮小したら、生産性はどうなるのか」をテストしていたはず です。
たとえば私は小さな会社の取締役をしていますが、オフィスの家賃は就活生のみなさんがドン引きするくらい高く、削れるものなら削りたい、できればゼロにしたい、というのが本音。
私が検討していた都心ど真ん中からやや外れたエリア(自由が丘、要町、住吉など)で 「自宅よりちょっと大きいくらいの小さめオフィス」を探しても、月60万円とか平気でする わけです。さらに敷金は6~12カ月。 敷金1年ってどういうこと!? と、起業初心者の私はチビりかけました。
そしてこの会社については2017年からフルリモートにすることを決断し、私は今でもそれを後悔していません。その分をスタッフの給与に還元できるなら、そのほうがいいと判断したからです。
日本でも企業のオフィス削減の動きが活発化
今回、フルリモートを試してみた企業でも、同様の判断をした企業は少なくないでしょう。(社員へ給与で還元するかはさておき……)その結果として、 オフィスを最低限まで削減する動きが出ています。
20年10月からは、ヤフーが全社でテレワークへ移行。凸版印刷もフルリモートを解禁しました。さらに社名は記載できませんが、これまで「出社しないなんてありえない」とされてきた金融業界でも生涯テレワークの指針が出ています。
最も影響を受けるのは新卒!? オンラインでは身に付かないこととは
そして、 原則フルリモート勤務になったとき、最も影響を受けるのが新卒社員 です。新卒の会社員は、プレゼンテーションスキルや戦略的思考うんぬん以前に「日本社会でまかり通っている常識」を知らない状態で入社してきます。
たとえ外資系企業でも取引先は日本企業ですから、飲み会ではグラスが空になる前に次のオーダーを取れ、ゴルフは予習しとけ、メモは取ってるフリだけでもいいからしろ、あの上司はこういう態度だと激怒するので事前にこうやって根回ししておこうな……といった、 オンライン指導では身に付きづらい「知識」が求められます。
私も学生時代は「ゴルフなんて、きょうび誰がやるんだよ。私はそういうの苦手だから外資行きますけど?」とイキっていましたが、今やゴルフクラブを楽しくスイングしています。
今の皆さんが 「うげえ」と思うような古い慣習だって、取引先が望むならやらざるをえません。それで100億円の案件が動くこともザラにある からです。
そして、リモートワークはこういった旧来の慣習を教えるには不向き。いくら自社が完全リモートワークでも、先方が飲み会を求めるなら、ここは飲むしかあるまいよ……なんてシーンもあります。
ところが、リモートワークが原則となれば、「頼むからヘタな振る舞いをしないでくれよ……」と、遠隔地の先輩は祈ることしかできません。そしてアウトな振る舞いをしたが最後、新卒のあなたは理不尽に干されるかもしれないのです。
「相談」と「自律」。“生涯在宅社員”のサバイバル術
では、実際に新卒から上司が遠隔地にいたり、諸事情でフルリモートだったりした社員はどうサバイブしてきたでしょうか。 答えは「会社にいる先輩を頼りまくる」でした。
上司依存から脱却し、全ての先輩に相談しよう
“上司以外に頼ってはいけない”と考えると、どうしても社会人としての所作に遅れが出ます。とにかくあらゆる先輩に「助けてください」と声を上げ、リモートワークといいつつもランチを一緒にとってもらったり、対面での会議を依頼したりして、会社員としての所作を教わりましょう。
とはいえ、業務についてやみくもに相談すると、上司から「なぜ自分にまず相談しないのか」と叱られるはず。 入社したらすぐ、「業務以外の社会人としての常識も身に付けたいので、対面でお会いできるメンター(相談しやすい上司以外の先輩社員)を付けていただきたいのですが」と相談してみる と、スムーズにことが進むはずです。
「ノースキルおじさん・おばさん」にならないために。自律を今から身に付けよう
また、リモートワークでは自分で業務を計画・遂行する「自律」の精神が求められます。散漫にリモートワークをしてしまうと「今日はメールの返信以外、やることないなあ……」とか「とりあえずe-ラーニング回しとくか……」など、生産性の低い働き方を選びがちです。
代わりに 「1年目の終わりまでに、ここまで業務ができるようになりたい。だったら何をすべきか」とゴールから逆算して、やるべきことを計画 しましょう。2年目の先輩を見て、自分と比べて何ができているかを書き出してみると、タスクリストもできるはずです。
また、GoogleやOutlookカレンダーを活用して、1時間おきに時間割のように課題を入れ込んで「〇時~〇時はこれをやる」と書いてしまうのもありです。そうすることで業務にメリハリができ、休憩時間も計画的に取れます。
完全リモートワーク時代においては、受け身の新卒がどんどん置いていかれ「ノースキルおじさん・ノースキルおばさん」になる恐れがあります。30代以降で市場価値を下げたくないのであれば、 就活に挑む今の段階から自分でゴールを設定し、日々の行動計画にまで落とし込む訓練をしてみてください。
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