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こんにちは、トイアンナです。
外資系企業、日本のトップ企業でよしとされている話し方には共通点があります。よく知られているのは「考えたことを結論から話す」話法で、エントリーシートでも結論を冒頭に書くよう指導されるのは同じ理由によるものです。
就職活動で「話した中身」だけを精査して採用が決まればフェアであるとは思いますが、 人間は「話し方」に強く影響される生き物です。
有名な「メラビアンの実験」を引用してみましょう。
メラビアンの実験とは、好意や反感など、矛盾した感情を混ぜ合わせたコミュニケーション方法をとったとき、人が「メッセージの内容」「声のトーンや口調」「ボディーランゲージや見た目」のどれを最も信頼するかを調査した実験です。
結果、メッセージの内容を最優先で信頼したのはわずか7%。残りは声のトーンや口調、ボディーランゲージなどを信頼する結果となりました。就活の例に置き換えれば 「いかに口で志望動機を語っても、声のトーンやボディーランゲージがやる気なさそうだったら、やる気なく見えやすい」 ということです。「そりゃそうだ」というもので、ふに落ちない方は少ないのではないでしょうか。
では、面接で大きなインパクトを持つ「話し方」をどう身につければいいのでしょうか。今回は、外資の研修で広く教わる、話し方のコツをご紹介したく思います。
就活で内定する話し方のコツ(1) 結論から話す
まずは、結論から話す(Conclusion First)というクセを付けましょう。といっても、 多くの就活生は結論から話そうと努力し、そして失敗しています。 どこが失敗しているのか、まずは実例をご覧ください。
「私が大学時代に頑張ったことは、アルバイト先の飲食店で他のバイトスタッフを説得してお客様への配膳方法を改善し、お食事を提供する速度を上げたことです」
これは、結論ではありません。 あまりにも余計な情報がつきすぎているからです。改善例を見てみましょう。
「私はアルバイト先の飲食店で食事の提供速度を〇%上げました」
ここまで端的に説明できるものが結論です。学生時代に力を入れたことを聞かれたら「誰が、どういう成果を出したか」しか冒頭には要りません。どんな飲食店か、周りをどう率いたか、質問文の単なる繰り返しなどは冗長な表現につながります。カットして話すクセをつけましょう。
仕事では偉い人ほど多忙で、時間を取るのが難しくなります。そこで微細な情報をいちいちくっつけて話しても「もういいよ」とさえぎられてしまいます。結論だけを端的に話すのは、トップ層の心をつかむ訓練と心得てください。
就活で内定する話し方のコツ(2) 1文1意
話し方が下手な人は、「一気に話そう」とします。そのため、1文が長くなりがちです。これも具体例を見てみましょう。
「エントリーシートの提出が遅くなり申し訳ございません……もともと学祭……あっ、学園祭の前に完成させようとしていたんですが、大道具の制作が間に合わなくて徹夜が続いてしまいまして、その状態ではクオリティの高いエントリーシートが書ききれないと思ってしまって、結局学園祭の後に回してしまいました」
なんと、「結論」「謝罪」「理由の概要」「理由の詳細」まで、1文に詰まっています。聞いていても理解しづらい文になっているのが見えたはずです。対して、「1文1意」を意識して話すとこうなります。
「エントリーシートの提出が2日遅くなりました。申し訳ございません。理由は学園祭のスケジュールが遅延したためです」
端的な説明になったうえ、なぜ提出が遅れたかもクリアになりました。このように1文に2つ以上の意味を詰め込みすぎないよう気を配るだけで、明朗な話し方につながります。
就活で内定する話し方のコツ(3) ナンバリング
外資といえば、コレ! と思われがちな話し方……「理由は3点あります」が、ナンバリングです。 ナンバリングには論点や根拠を何点あるか最初に明示することで、相手を安心させる効果があります。
何なら、理由は1点だけでも構いません。「私がこの案を推す理由は1つです」でも、相手はどれくらいあなたの話を聞く必要があるか筋道が見えるため、ほっとします。
なお、 個人的なおすすめは「2点」に根拠を絞ること です。3点が相手を最も心理的に安心させる数字なのですが、 面接で緊張していると「3点目を忘れる」トラブルに出くわしやすいから です。
さすがにアガっていても、2点目までは忘れない……はず。「結論を端的に話す」→「根拠を2点で話す」→「もう一度結論を話して、何について話したかリマインドする」だけで、ロジカルに見える話し方の完成です。
就活で内定する話し方のコツ(4) サインポスティング
サインポスティングとは「最初に~を話します」「次に~を説明します」など、要所で「いま、どこを話しているか」を示すこと。ナンバリングとも似ていますが、ケース面接の説明や長いプレゼンのタイミングでより使うことになります。
人は「どこまでこの話が続くのか」が分からないと不安になる生き物。極端な話、「今まで~を話しました。次は~を話します」と毎回言うだけでも効果があります。また、こういう話し方を身につけると「今どこについて話しているかを説明できるくらい、自分を客観視する余裕がありそう」に見えるため、説明全体への信頼度も高まります。
就活で内定する話し方のコツ(5) ペーシング
英語でPacingと書かれる話し方のコツ、ペーシングは「話す速度のコントロール」を意味します。普段、自分がどんな速度で話しているか意識している方は少ないはず。しかし、一度でも 模擬面接をするときっとあなたも驚きます。大半の就活生は、信じられないほど早口だからです。
就活生にとって面接は緊張するうえ、「ガクチカ」「志望動機」「挫折経験」と同じような質問を何度もされて、飽きてもいます。そのような場面では誰しも、普段より早く話してしまうもの。意図的にペースを落とさない限り、相手に聞き取れない速度となってしまうケースも。
まずは、ご自身の声を録音してみましょう。そして、NHKのニュース音声より早くなっていないか比較してください(おそらく、早くなっているはずです)。意図的に速度を落とし、当日は相手に届くペースで話せるよう、練習を積んでください。
就活で内定する話し方のコツ(6) イントネーション
最後に、イントネーションです。日本人は特に抑揚をつけて話すのが苦手な傾向にあり、まるで金太郎あめをひたすら切っているかのように、一定の速度と音量を維持します。
これが、聞いている側にはとてもつまらないのです。
たとえあなたがアフリカで象に踏まれて生還していようが、学部生なのに学術論文を投稿していようが、話し方がフラットなだけで魅力は半減。いわんや、より普通の体験しか持ち合わせていない学生をや。抑揚ごときで「減点」されるなんて、もったいないことこの上ありません。
大事なところは強調しましょう。具体的には「大きく、ゆっくり」話すのです。例を書いてみますので、以下の太字部分をゆっくり、大きくしながら音読してみましょう。
「志望理由は、 恩返しをしたい からです。私は、神戸の町工場で育ちました。しかし〇〇〇〇年には不景気が家計を襲い、 廃業の危機 に立たされました。そのとき唯一融資を通じて父を助けてくれたのが、御行でした。それから 父を助けてくれた御行へ恩返し をしたく志望しています。入社後は父と同じように 地方で融資を必要とする人 を支援することで、私を育ててくれた 地域にも報いていきたい と思っています」
ただフラットに読むよりも、志望動機にメリハリがついたはずです。面接ではエントリーシートをそのまま音読したような志望動機を語るのではなく、イントネーションをつけるよう意識してください。それだけでも通過率はぐっと上がります。
就活で内定する話し方は、訓練次第で手に入る
ここまで、面接を突破する話し方のコツを6つ挙げてきました(←このように、今まで何を伝えてきたかを明示するのも「サインポスティング」です)。
これを書いている私は、就活生だったころ早口でまくし立てる最悪の学生でした。ですが、何度も落とされて声を録音して「なんじゃこりゃ」と焦って学び、さらに新卒で入った外資企業で研修を受けて今に至ります。
話し方は、訓練できます。話すのが苦手なあなたも、アガリ症なあなたも、研さんを積みましょう。 初心者は特に「結論から話す」「サインポスティング」の2点から練習することをおすすめします。私の経験上、この2つは実践が簡単なうえ成果を実感しやすいからです。
プレゼンの名人だって、訓練の果てに結果を出しています。あなたの成果も、努力次第ですぐそこにあるのです。さあ、まずはあなたの模擬面接を録音してみてください。
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