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【マーケター志望必見】「ラグジュアリー vs 消費財」新卒で目指すべきはどっち?

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こんにちは、トイアンナです。

私は新卒でP&Gジャパンに入り、その後LVMHグループへ転職しました。

P&Gはファブリーズ、ジョイ、アリエールをはじめとする日用品(消費財)に強い米系外資メーカー。対してLVMHはLouis Vuitton、CELINE、Loeweなどラグジュアリーブランドを多数抱える仏系外資メーカーです。

こうして抱えるブランドの例をご覧いただくだけでも「社風が大きく異なりそうだ」と、察しがつくかと思います。もし私が人事としてこの自分の職務履歴書を見たら、「業界No.1をとにかく渡り歩きたいミーハー人間かな」と推察するでしょう。「消費財」「ラグジュアリー」という大きな業界の枠組みを超えて転職する方は、そこまで多くないからです。

そこで今回はこのミーハーな職歴をもとに「新卒でどちらに行くべきか」をご提案できれば幸いです。

<筆者プロフィール>
トイアンナ
慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。
▶ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」
▶Twitter:@10anj10

 

 

ラグジュアリー業界のマーケターは戦略と現場の「バランス型」

ラグジュアリー業界の強みは「戦略と現場」のいずれも経験できることです。例えば私がラグジュアリー業界で働いたときの業務内容には、下記が含まれていました。

(戦略立案)
・ 百貨店の催事で呼ぶゲストの選定
・ VIP顧客向けのイベント立案

(現場)
・ 招待状作成
・ プレスリリース作成
・ 本社のカタログを翻訳
・ メールマガジン作成
・ 雑誌などに掲載される記事の校正
・ VIP顧客へのイベント同行

ラグジュアリーブランド、特に一点が100万円を超える高価格ブランドともなれば、VIP顧客のお買い上げ如何で業績が一変します。「VIP」とひとくくりにして語ることすらできません。「△△様と○○様」と、個人単位でお客様の好みを把握し、お喜びいただける企画を立案実行することとなります。

したがってマーケティング施策においても立案から実行まで細かくチェックし、招待状の一文字、装飾の一点一点まで気を配る業務となります。

「細かい業務ばかりでダイナミズムがない」と誤解されるかもしれませんが、美は細部に宿ります。

このあとご説明する消費財は良くも悪くも施策が大がかり。ダイナミックな戦略は組める一方、忙しさのあまり仔細の抜け漏れが発生し、「ちょっとした記載ミスから公式サイトが大炎上」などのトラブルも起こりえます。コールセンターの苦情1つまで見逃さない細部への気配りは、ラグジュアリー業界で磨かれるといえるでしょう。

新卒でラグジュアリー業界に入ると、なかなか他の業界へ転職しづらいといわれています。新卒の学生はそれを「スキルがないから」と誤解しがちですが、実際には「福利厚生が充実していてホワイトな職場なのでたとえ他業界へ転職してもその先で耐えられないから」……というよい理由があることにも目を向けていただければと思います。

実際にラグジュアリー業界から日系消費財メーカーへ転職したある社員の話を伺うと、

「弊社は日系だから福利厚生は充実しているし、給与面も前職の据え置きで、同年代の社員より高い設定だから満足しています。ホワイトな会社ですしね。ラグジュアリー業界で磨かれた催事や高所得者への理解を生かせる他業界もたくさんありますし、転職で困ることはないんじゃないかな」

「ただ、もし転職先が外資コンサルや外資消費財だったらしんどいだろうな、とは思いますね。帰る時間が全然違うので。私はもう30代でバリバリ働く体力もないし、家族も大事にしたいと考えて日系消費財にしたのです」

と、おっしゃっています。

消費財は修羅場を乗り越え成長する「マーケティング訓練場」

外資系消費財メーカーで得られるスキルは、ラグジュアリー業界と対照的です。まずは私が担当したことのある業務をご覧ください。

(戦略立案)
・ ブランド・エクイティ(ブランドとは何たるや、の定義)制作
・ 消費者リサーチに基づき「新製品をどう売るか」の提案
・ 商品パッケージ刷新
・ 出稿するメディアの選定
・ 店舗什器の制作案作成
・ Web広告/TVCM/電車内広告/雑誌広告/OOH(屋外広告)などを広告代理店と作成
・ 公式サイトのリニューアル案制作
・ EC販促企画作成
・ 商品サンプリングプラン企画
・ シェア分析およびそれに基づく出荷量予測のサポート

多種多様な戦略立案が飛び交う一方、現場で実際に「この画像を2mm左へずらして」といった細部の指示は出しません。「クリエイティブは広告代理店やデザイナーがプロとして担う業務であり、マーケターはむやみに口を出すべからず」としている外資系消費財メーカーも多いからです。

自らは全方位の企画屋に特化することで、手を動かして作品を作るプロセスは各作品の専門家の手にお任せするのが、大手外資系消費財メーカーによく見られる働き方となります。

消費財メーカーのメリットは全分野のまんべんない施策立案を経験できるため、転職の幅が広がること。デメリットは現場知識が浅くなりがちで、転職先で「現場の知識」を求められても右往左往するところです。

例えば「この店頭に使う什器、素材は○○でいきますか。それとも××がいいですかね」と印刷会社さんからご相談をいただいても、とっさに理解できず「それってどんな素材ですか?」から始めなくてはいけないのは、年次が上がってくると結構恥ずかしいものです。

しかし戦略の全体像を一度つかむとキャリアのつぶしがきくので、「業界ごと吹き飛んでもサバイブしたい」キャリアを狙うなら、外資系消費財メーカーをおすすめします。実際に経験者の転職先を見ても、GAFA、総合商社、NPO、メーカー、ITベンチャー、起業と幅広く、どこでも活躍できるバイタリティを鍛えられることは間違いなさそうです。

ただし業務量はラグジュアリー業界より多いため、激務となりがちです。入社するのであれば「マーケターとして一皮むける訓練場へ行こう。数年で成果を出して卒業し、どこでも通用する人材を目指そう」といった期待値で向かえば、まず裏切られないでしょう。

安定を狙うなら、常にスキルを磨こう

こうしてラグジュアリー業界と消費財業界の特徴を列挙すると、「こっちが合いそう」と感覚でも相性が見えてくるのではないでしょうか。その直感はえてして正しいので、まずは合いそうな業界の新卒採用に応募してみましょう。

そしていずれの道へ進んでも、「どの業界がこれから盛り上がるか」を意識し、いざとなったらジャンプできるようスキルを磨き続けてください。会社があなたのキャリアを決めるのではありません。あなたが積み上げるスキルが、あなたの未来を決めるのです。


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