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こんにちは、トイアンナです。
突然ですが、あなたが普通に話しているだけで、周りが驚くことはありませんか。そして「なんでそんな風に考えたの?」「どうしてそんなことしようと思ったの?」と、まるで面接官ばりの質問を友人から日常的にされていませんか。
ここに当てはまったあなたは十中八九、協調性がない方です。
協調性がある方は、誰かから「なんでそんなことをしようと思ったの?」と言われるという経験をしません。 大学の交換留学や、塾講師や飲食店以外のちょっとしたアルバイトすら、協調性が高いタイプにとっては大きな冒険だからです。
きっとこれを読んで 「えっ、自分って普通じゃないの?」と驚いているあなたは、普段から知的好奇心が高くてフットワークが軽く、やりたいことをそのままチャレンジできる人材 なのでしょう。
そして 就活の観点から申し上げると、あなたは企業とのミスマッチが最も起きやすい人材 でもあります。なぜでしょうか。
企業が求める「尖った人材」と、「尖った学生」の隔たり
協調性がない自覚がある方にとって刺さりやすいのは「尖った人材を求める」企業のメッセージです。
多くの企業はこれまでのやり方にとらわれない人材が欲しいと、新しいタイプの学生を採用したがります。そこで登場するのが、 “既存の方法にとらわれない自由な発想ができる学生がほしい”、“自分の意見を持ち新しい提案ができる学生が欲しい” といった言葉です。
しかし、これらの 採用メッセージの意図には、学生と企業の間に大きな隔たりがあります。
◆学生が想像しがちな「尖った人材」の意図
新しいタイプの学生が欲しいなら、きっと協調性がない自分のことも受け入れてくれるだろう。アイデアを出すのは得意だし、学生時代の経験も尖ったものが多い。
起業で年商1,000万を達成したけれど、仲間に裏切られて解散した悲喜こもごもをエントリーシートに書いてみよう。あとは大学1年で出産し、シンママとして子供を育てるのに必死だったあの頃のエピソードはどうだろうか。
◆企業が求めがちな「尖った人材」の意図
うちの社員はよくやってくれているが、それだけでは頭打ちだ。ここで新しい風を取り入れて、さらなる成長を目指したい。
例えば海外留学経験者で強い個性の持ち主でありながらも、自社の協調性を重んじる風土もおもんぱかって、上手に案を通せるような学生はいないだろうか。先輩のメンツを立てつつ、根回しをきちんとしながらコミュニケーションができるような学生がいてくれたら、弊社で長く育てていきたいものだがな。
このように、企業が求める「尖った人材」とは、えてして「協調性+革新性」のハイブリッド人材です。どんなに優れた経営戦略を立てられる学生も、 新入りならば接待で宴会芸をせよ、あるいは営業も最初は工場で備品を組み立てよ・・・・・・「まさかその程度も耐えられない学生に、優秀な人材はいまい」と考えることが多いのです。
なぜなら、 尖った人材を募集する企業の採用担当者は協調性を重んじる風土で何十年も育っており、協調性がない人材のことなど想像もつかない からです。
しかし学生はそう考えません。わざわざ「尖った人材、募集」と書くぐらいなら、会社にも相応の準備ができているだろうと考えるのです。まさか、海外留学中に現地の学生とは交わらず、日本人コミュニティ内で勉強会をやったレベルを「尖った経験」などといえるはずもないであろう・・・・・・と。
こうして企業が求める如才なき学生は集まらず、協調性がないと自覚しているはずの学生は内定どころか一次面接で敗退。結果、企業も学生も苦悩します。
実はこれは、2011年に私自身が経験した実話です。当時、尖った人材を求める日系電機メーカーを次々と受け、起業経験や変わったアルバイト体験を語ったところ面接官が顔面蒼白となりました。こちらも「理由は分からないけれど、とりあえずドン引きされたことは分かった」と、やりきれない思いで帰路につきました。
尖った人材は、「自分が引くほどの」社員がいるところへ行こう
では、協調性がない人材は就活で不利になるのでしょうか。
もしあなたが 伝統的な日系大手企業に行きたいのでしたら、そうなります。 しかし、 外資やベンチャーも視野に入れるならば、話は別 です。
例えば、「社内にどれくらい変わった人がいますか?」とあなたが面接官に質問したとします。
協調性を重んじる日系企業であれば、「経理でありながら人事採用でも活躍しており、社内副業を実現した社員」「女性初の部長」など無難な答えが返ってくるでしょう。 協調性を重んじる会社では、尖ったエピソードを聞いてもその会社に貢献するような例ばかり出てきます。
しかし、ぶっ飛んだ企業では「あの課長は従軍経験があって、会社でトラブルが起きると“あのときの戦闘よりマシだ”とニタニタ笑い始める」「入社後にDJとして有名になり、そっちが本業で弊社が副業となるよう契約を切り替えた」「少年院の更生事情にやたら詳しくて、部下の指導に少年院で採用されているコーチングの手法を使ってくる」など、もはや企業の利益になっているか分からない話が出てくるはずです。
この、協調性がない学生にすら「よく分かんねえ・・・・・・」と思わせる会社こそが、協調性がない学生にとって居心地のいい場所となります。
もちろん、すべての外資やベンチャーがこうではありません。これまで直接ヒアリングした企業は100社以上ありますが、外資でも日系企業よりコテコテの伝統的な社風を守る会社もあれば、ベンチャーでもメガバンク並みの社内政治を拝見したこともあります。
しかし、 外資やベンチャーのほうが尖った人材を許容しやすい「傾向」はあります。 それは優秀な人材でいてさえくれれば、その他の要素はどうでもいいと割り切ることで、日系大手からは落とされる人材を採用したいからです。
差別に直面したら、自分にとって居心地のいい場所を探そう
特に学生結婚・出産経験者、LGBTQ、片親だった方などは、伝統企業でいまだに差別の対象となりがちです。それ以外にも、起業経験があるだけで「いずれ辞めそうだから」と敬遠されたり、「親との関係が不仲なら落とす」と決めていたりする企業すらあります。都内でも今年「妊娠したからには管理職をあきらめろ」と通達された女性社員がいました。すべて取材に基づいた事実です。
いまだにそんな差別があることに驚くかもしれませんが、逆にダイバーシティを重んじる企業にとっては、優秀な学生を手に入れるチャンス。あなたのような王道ではない人生を歩んだ方が歓迎されます。
協調性がないと自覚がある学生こそ、 ぜひ説明会で「尖った人材を募集されているとありますが、社内にはどういった尖った方がいらっしゃいますか?」と質問してみましょう。 そして、その答えからどれくらいの“尖り”が許容されているのかを推測し、自分にとって居心地のいい会社を見つけてください。
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