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こんにちは、トイアンナです。
私は外資系メーカーのマーケティング部門へ就職し、現在もライター兼マーケターとして活動しています。
しかし、 就活時点では「外資系コンサルティングファーム」「広告代理店」を筆頭に類似性を感じた職種へエントリー していました。現在でも、マーケターを志望する学生にはこの2職種を併願される方が多いかと思われます。
少なくとも説明会を受けた段階では、
「マーケターとコンサルタントはどちらも戦略的にプロジェクトを進める仕事」
「マーケターと広告代理店はどちらも広告にかかわる仕事」
と、共通点を見出すからでしょう。
そのためか、就活イベントでもこれらの差を意識した質問をよくいただきます。
「コンサルタントになったら、専門性がなくて転職できないって本当ですか」
「マーケターとして就職したらその後のキャリアはどうなりますか」
そこで連載の前回は、広告代理店との差異を説明させていただきました。
今回は外資系コンサルタントを中心に他職種と外資メーカーのマーケターを比べ、 あえて新卒から「マーケター」になるメリット・デメリット をご紹介します。
「30歳までが下積み」とは対照的! フリーランスでも十分稼げる
マーケターになるメリットの筆頭に挙がるのは「生涯スペシャリストでいられる」点 です。
普通の日系企業では、ある程度仕事へ慣れるとジョブローテーション(異動)が発生します。そこで人事や営業、経理に企画とさまざまな職種を体験し、何でも理解しているジェネラリストを目指していくのです。
一方、外資系企業や花王などの一部企業では新卒から「マーケティング部」という分野のスペシャリストを目指します。そのため入社2~3年である程度の専門スキルを手に入れられるのです。
マーケターをはじめとするスペシャリストになると、転職が楽になります。 「さまざまな分野を広く浅くやりました」という方よりも「〇〇なら負けません、実績は△△です」と言える方のほうが、雇う側も能力を査定しやすいからです。
実際、私は3年目に最初の転職をしていますが、わずか3年目の私に管理職としてのオファーが来たのもスペシャリストたるゆえんでしょう。「30歳までが下積み」といわれる商社などのキャリアとは対照的です。
また、 マーケターは専門職であるためシングルマザーやLGBTQなど、大手企業では「受け入れる」といわれながら暗に落とされる人材も採用されやすくなります。 特に結婚して子育てをしながら働きたい方にとっては、マーケターは確実なキャリアのひとつでしょう。
例えば知人に、マーケティングの中でも「モデレーター」と呼ばれる専門特化型の仕事に就いた人がいます。モデレーターとは、消費者へヒアリング調査を行うプロ。事前に質問する製品知識も必要とされるうえ、限られた時間で消費者の心を開かせて本音を聞かねばなりません。
そのため人によっては日給10万円を超える貴重な人材です。 フリーランスで独立しても、十分に稼ぐ仕事に就ける のは大きな魅力です。
さらに、時短勤務など裁量権が限られがちな状況でも、マーケターならプロジェクト単位で仕事を持てるため、やりがいが損なわれにくくなります。「どうせ早く帰るんでしょ、じゃあ裏方だけやって」と言われずに堂々仕事ができるのは、長く仕事を続けるうえで重要な要素でしょう。
「何でも一定程度できる人」になる道を捨てられるか否か
ただ、スペシャリストになることは、逆に言えば「何でも一定程度できる人」にならないという決断でもあります。
マーケターになるなら「財務のプロ」「営業の王」「総務の神」といった他職種の称号につく可能性はほぼ捨てる こととなります。「今自分が何に向いているか分からないから全部を経験したい」という学生にとって、マーケターは向かないキャリアともいえます。
あまりいませんが、マーケターになってから「やはり他職種へ行きたい」とおっしゃる方も中にはいます。そういう方は一度コンサルティングファームなどへ転職し、それから別職種へ進まれることがままあります。コンサルなどを間に挟まないと、次へ行きづらくなるイメージです。
また、マーケターの中にもさまざまな細かいジャンルがあります。
Web広告、消費者リサーチ、PR、CRM(顧客管理)・・・・・・。 細かい分野のプロになればそれだけ人材の希少性は上がりますが、一方で「この狭い範囲を突き詰めたところで、同じ仕事は30年後もあるんだろうか」と不安は募ります。
特に同業界で何度も転職される方は「自分はここ以外行けないんじゃないか」と悩まれることが多いようです。そして勇気を出して別業界へ飛び込み、あまりの文化差にショックを受けてすぐ前にいた業界に戻る・・・・・・なんて話もよく聞きます。
とはいえ、逆に私のような「戦略からCRM、店頭ツールのデザイン、PRまで何でもかじります」というマーケターは、逆に専門性がなく「これでいいのだろうか」と悶々とする日々。いずれにせよ、悩みが消えることはないのです。
「優秀なら内定」というわけじゃない!?
しかし、それでも新卒でマーケターになるのは「アリ」です。なぜなら、マーケターは良くも悪くも向き・不向きがハッキリ分かる職種だからです。
マーケティング職とは、優秀であれば内定を取れるとも限らない、ちょっと偏った狭き門。 だからこそ新卒でマーケターに内定した人が「実は全くフィットしなかった。もう二度とマーケターになりたくない」と、この仕事を去ることはそうありません。
それぞれ企業には社風こそありますが、マーケターとして「合わない」人は選考段階ですぐに分かります。もしこれからマーケ職の選考を受け、あなたが内定するなら、すでに「マーケター」の適性はあるのです。そして、おそらく幸せにマーケターをやれる可能性も高いでしょう。
一生幸せに働けて、専門職として重宝される。そんな仕事、そうありません。
「とりあえず受けて、内定したら素質があるってことで」くらいの気持ちで、まずはエントリーしてみませんか?
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