日系企業は今から何をすれば良い?
こんにちは。外資就活 編集部です。
外資就活ドットコムというサイト名を見て、「自分は日系志望だから、このサイトを見るのはやめよう」と思ったそこのあなた!
最優秀層向けの就活サイトである外資就活ドットコムは、実は外資に限らず、優秀な学生が目指すべきさまざまな企業の情報を発信しています。
25卒向け第1回のコラム 【25卒保存版】トップ業界志望者の就活スケジュール・対策内容まとめ ~コンサル・投資銀行・マーケ編~では、コンサル、投資銀行、メーカーのマーケティング職など、外資系企業が多い業種・職種についてご紹介しました。
本編では、総合商社、広告代理店、総合デベロッパーの3業界に関する、仕事内容、年収、選考対策に加えて、日系就活の始め方についてもご紹介します。
日系大手の人気業界
前編でもご紹介しましたが、もう一度、人気企業ランキングを振り返ってみましょう。
このランキング表は外資就活ドットコムのユーザーの24卒(主に現在の学部4年生、修士2年生)に実施したアンケートを基に作成した人気企業のランキングです。
また、2023年6月現在外資就活ドットコムの25卒(主に現在の学部3年生、修士1年生)ユーザーは18,000人をこえています。25卒の学生にアンケートした結果も見て、周りの学生がどのような企業を目指しているのか確認しましょう。
外資就活ドットコムは東大京大一エ早慶の学生の50%以上が利用しており、日本のトップ層の学生に絞った人気企業を把握することができます。これを見ると日系企業では、
・総合商社
・広告代理店
・総合デベロッパー
が人気であることがお分かりいただけると思います。
ではそれぞれの業界の「業務内容」「年収」「選考対策」についてお伝えします。
総合商社
仕事内容
総合商社の祖業は貿易などでモノの取引を仲介する「トレーディングビジネス」です。しかし現在ではトレーディングで培った基盤を生かしつつ、事業会社や資源権益へ、商社が保有する経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を投資してリターンを得る「事業投資」、その会社を直接経営する「事業経営」へと事業領域を拡大しています。
総合商社の魅力はいくつかあります。まず、「ラーメンからミサイルまで」というキャッチフレーズで知られているように、商材を限定せず幅広いセグメントで事業展開をしています。
また、複数の業界のインサイダー情報を有するからこそできる包括的なビジネスや、世界中にあるネットワークを生かしたグローバル規模のビジネスに携わることができます。加えて社員に対する投資にも積極的で、語学研修やMBA制度などの社内制度も充実しています。
一方でデメリットとしては、扱う案件の規模が非常に大きいため、若手から裁量を持って働くことが難しいという側面も持っています。そのため近年では、入社数年で退職していく新卒社員も少なくはないようです。
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年収
総合商社の新卒の年収は500万円台前後と言われています。外資系企業と比較するとそこまで高くはありませんが、日系企業としてはかなり高い水準です。また入社3~4年目からの上がり幅が大きく、20代後半で年収1,000万円に到達するそうです。
30代からの伸びは緩やかですが、課長職で1,500万円、部長職で2,000万円、従業員の全体平均年収は1,200〜1,500万円と言われています。
・国家規模の大きなプロジェクトに関わりたい
・経営を担える人材になりたい
・海外に駐在し、現地で主体的にビジネスを創りたい
広告代理店
仕事内容
広告業界は、テレビや新聞といったメディアとPR活動をしたい広告主をつなぐ役割をしています。職種は大きく営業担当、マーケティング、クリエイティブ、メディアに分かれ、それぞれが調整を行いながら広告の出稿を目指します。
広告の企画・出稿までには、企画作成・マーケティング・広告枠の調整、また広告を実際に作成する段階にも、必要に応じてタレントのキャスティングや撮影といった仕事も行います。これらを一手に担いクライアント企業のPR活動を代理で行うのが広告代理店です。
また近年では、広告代理店業にとどまらない領域にも手を広げています。これはテレビや新聞といった従来のメディアから、インターネットメディアやサブスクリプションサービスなど、消費者との接点が広がったという時代背景も大きく関わっています。
例えば、クライアント企業の商品開発から関わり、PRとその検証まで一貫して行うといったように、単なる代理店業務の領域を越えた業務を行うこともあります。
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年収
大手広告代理店2社の新卒初任給500万円程度と言われており、日系大手企業の中では大変高い水準となっています。若手のうちは年功序列の風潮が根強いため、30歳を目安に年収は1,000万円に到達するようです。
しかしながら、それ以降は実力主義の側面が強くなるとも言われており、個人の能力によって年収に開きが出ます。またこれまでは広告代理店では残業代で稼ぐことが常であったため、昨今の社会情勢や働き方改革を皮切りに、以前よりも年収が低下する可能性もあります。
・クリエイティブな仕事をしたい
・旺盛な好奇心を生かしてさまざまな業界の人と関わりたい
総合デベロッパー
業務内容
デベロッパーの仕事は、一言で表せば「街づくり」です。具体的な業務としては大きく分けて、
①土地を手に入れる「用地取得」
②取得した土地を計画に従い開発していく「企画・開発」
③テナントや、入居者を誘致する「営業」
④建てた物件を実際に管理・運営していく「運用」
の4段階があります。
デベロッパーの社員は、ゼネコンや地主など、さまざまな関係者をまとめてプロジェクトを進行させなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。また、物件開発と言っても種類はさまざまで、オフィスビルや住宅、商業施設、ホテル、リゾートなどがあります。
総合デベロッパーで働く魅力は、さまざまな物件に携われることでしょう。
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年収
デベロッパーでは新卒の初任給は24万円程で、ボーナスを含めると500万円前後になるそうです。入社3~5年で年収800万円程度、30歳前後で年収1,000万円程度、入社20年目ごろの42歳の時点では、年収1,500万円前後になると言われています。
・形に残るものを作りたい
・人の暮らしに寄り添う仕事をしたい
選考スケジュール
では各業界の例年の選考スケジュールと、25卒で予想される傾向についてお伝えします。まずは業界別の例年のスケジュールと、選考対策を見ていきましょう。
総合商社
総合商社は日本特有の業態で世界に7社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)しかありません。各社80~140人程度を毎年採用します。すなわち採用枠は700名前後になります。
総合商社にはインターンやOB訪問などで高評価を得られた学生だけの優遇ルートが一部あります。
一方、経団連のルールが改定された25卒の選考日程には十分注意する必要があり、多少前倒しになる可能性はあります。大方の予想では、従来通りコンサル・外資系投資銀行よりは遅い時期に選考が行われると予想されますが、注意をして早めに就活を開始するのが賢明です。24卒では、三井物産における選考に、インターンシップ参加が選考ステップとして含まれました。他の商社にも同様の動きがある可能性が高いため、早期選考の可能性などに備え、インターンシップにも積極的に参加しましょう
総合商社内定者は、下記のように就活スケジュールを計画することをオススメしていました。
・むしろ夏の間は、難易度の高いと言われるコンサル・投資銀行など別の業界のインターンシップや本選考を受けるなどし、「選考慣れ」をすることがオススメ
・24卒同様のタイムラインの場合、3月初旬の情報解禁の時期までにテストセンターの対策を完了させておき、3月解禁後はエントリーシートのブラッシュアップに勤しむこと
広告代理店
国内選考に限ると、大手広告代理店2社は、4月から総合職採用の面接が始まり、6月1日までに内定を出すこともあるようです。また会社によっては6月1日に面接が行われることがありますが、それは入社意思の確認程度であることが多いとも言われています。
広告業界各社の選考の筆記試験は、SPI(テストセンターで行う、もっとも一般的な筆記試験)が活用されており、ボーダーは総合商社などと並び比較的高いと言われています。
そのため、選考が始まる2024年の3月までに入念な対策が必要です。人によって得意不得意もありますが、数学的な思考に苦手意識のある方は、念のため3か月から半年ほど見ておくとよいでしょう。
大手広告代理店2社の面接は個人面接です。30分~1時間の短い時間で面接官に簡潔に自身の魅力を伝える必要があります。近年ではデジタル領域に業務拡大している背景もあり、当該分野への知識を問うような質問がされることもあるようです。
しかしながら23卒内定者は「基本的には面接官との会話を楽しむ姿勢が最も重視されていたのではないか」と語っていました。目上の人との会話に慣れて、初対面の社会人相手にも緊張することがないようにしておく、もっと言うと、その会話を盛り上げるぐらいの勢いで臨めるようになっておくのは良い対策になるかもしれません。
総合デベロッパー
近年は海外案件の増加で新卒採用数も増えていますが、なおも各社採用人数が20~50人ほどという狭き門です。デベロッパーは基本的に解禁日の6月1日から選考が始まりますが、インターンやOB訪問の評価によっては、優遇ルートを獲得できる可能性があります。
3年生(または大学院1年生)の夏から、サマーインターンの参加を狙いましょう。当然、インターンやOB訪問をしなければ内定を獲得できないというわけではありませんが、有利であることには間違いありません。
また、デベロッパーは志望動機などから人間性を評価する傾向にあります。「自分がどういう人間か」ということをうまく伝えられるように、まずは徹底した自己分析から始めましょう。
2025年卒就活の傾向
オンライン選考の定着
24卒の就活でも、23卒と同様、多くの面接やインターンがオンライン上で行われていました。加えて24卒の就活では、新型コロナの制限解除などもあり、対面面接を行う割合も増えてきましたし、インターンも対面ということが増えてきました。
以上を踏まえると、25卒の就活では、オンライン・対面でのコミュニケーションに慣れておく必要がありそうです。特にオンラインでのコミュニケーションは、皆さんご存知の通り、対面のものとは異なるため対策が必要です。オンラインでの就職活動の対策についてはぜひ以下のコラムをご覧ください。
【オンライン選考】TOP就活生が語るウェブ面接・GDのTIPS
インターンシップのさらなる増加
近年、企業は学生をより早い段階で囲い込むため、インターンシップの開催が多くなっています。インターンシップとは、学生の就業体験のことで、1dayの説明会とほとんど変わりがないようなものから、3days、5daysのように本格的な業務体験をできるものまでさまざまです。
今までは、夏のインターンは選考に関係しませんという文言のもと裏で優秀な学生を選考に呼ぶという流れでした。しかし、25卒採用からインターンシップを通じて表向きでも採用することが可能になりました。したがって、今までよりもさらにインターンの重要性、インターンからの採用が増えてくるでしょう。
昨今は、なるべく早く学生との接点を持って、囲い込みをしようとしており、早期選考ルートに乗れたり、場合によっては年内に内々定を獲得することができるかもしれません。25卒の就活ではさらに、早期のインターンシップに参加することは有利に働くでしょう。
クローズドイベントの増加
クローズドイベントとは、イベントの存在自体が公表されず、招待者を限定して開催される説明会・選考会などのイベントのことです。このようなイベントは、コンサルや投資銀行など、外資系の企業がよく行っていました。
しかしここ数年、徐々に日系企業も、招待者を選抜コミュニティなどに限定したイベントを行うようになっています。日系トップ企業の採用担当者も、コンサルや投資銀行のインターンに参加したり、そのような企業から内定を獲得した学生から日系トップ企業への就活を考えている場合でも、選抜コミュニティへの応募を考えてみてもいいかもしれません。
職種別採用の増加
日系大手企業のほとんどでは、総合職と一般職という区分で採用を行い、その中で、営業職、企画職などさまざまな職種を何年かずつ経験していく、ジョブローテーションが通例となっています。しかし、最近は徐々に職種別採用が始まり、この動きが加速すると考えられます。
職種別採用に応募する場合は、「なぜその職種を志望するのか」、総合職採用に応募する場合は、「なぜ特定の職種ではなく、総合職に応募するのか」について、より深い志望動機が必要になります。説明会やOB訪問など企業研究の機会を利用して、志望動機をより深いものにしていきましょう。
25卒の学生が今すべき準備
社会人と話すことに慣れる
あまり意識していない方は多いのですが、正式な場で社会人と話すだけで緊張してしまい、本来話したいことの半分も話せないという就活生はかなりいます。
特に広告業界やデベロッパーなどの面接では高いコミュニケーション能力が求められるため「台本通り」感が出てしまうと逆効果になってしまいます。
ただしこれは、場数を踏むことでかなりの改善が可能です。
面接をたくさん受けたりOBOG訪問を繰り返したりするのも良いですが、アルバイトや趣味を通じてなるべく様々な立場の人間との交友関係を広げておくと、様々な話し方を使い分ける練習になります。
コロナ影響で直接集まるのはなかなか難しいかもしれませんが、SNSやオンラインサロンを使うのも手です。本選考まではかなり時間がありますので、面接に慣れておきましょう。
自己分析をする
適切に自己分析を行う2つのメリット
自己分析とは、自分の過去・現在・未来についてを整理して、自分の「モチベーションの源泉」「強み」「弱み」「価値観」を知ることです。
なぜそれが就活において必要なのでしょうか?実際に自己分析を始める前に、正しい自己分析は就活においてどのようなメリットをもたらすのかについて、お伝えしたいと思います。
メリットその1 納得する会社選びをすることができる
キャリアプランを考えるときに、自分がどのような時にモチベーションが上がったのか、自分が最終的に何を成し遂げたいのかを知っておくのは重要です。なぜなら、モチベーションの源泉を知ることによってはじめて「自分がどのような仕事なら活躍でき、満足するか」を認識できるからです。
また、入社先の会社とは、「自分が将来身を置く環境」のことです。会社を選ぶ際には、「自分自身が楽しく働けるか、やりがいを感じることができるか」が一番大切となります。だからこそ、自分が大切にしている価値観を知ることで、どの会社に入れば幸せなのかがわかるようになります。
メリットその2 自分と企業を結びつけるための根拠とすることができる
面接で高評価を得るためには、「自分と受験先の企業を根拠とともに結びつける」ということが不可欠です。「結びつけるという行為=志望動機を語ること」とすれば、それには必ず「根拠」が必要になります。
かといって、「御社の〇〇という点を魅力に感じました」と述べるだけでは不十分です。これでは企業の良いところを述べているに過ぎません。
ここで重要となるのが自己分析です。「なぜ自分は〇〇という点を魅力的に感じるのか」を述べて初めて面接官を納得させることができます。
徐々に早まる就活に適応しよう
いかがでしたか。
今回は日系人気企業の就活の全体像をご紹介しました。
就職活動で今後の人生のすべてが決まるわけではありませんが、人生の大きな選択であることは間違いありません。
自分の理想のキャリアを描くために、今から少しずつ就活の準備を始めてみてはいかがでしょうか。
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