目次
はじめに
外資コンサル・外銀と並び、トップ就活生からの人気が高い業界といえば「総合商社」が挙げられます。
総合商社の中でも際立った業績を誇る五大商社には、それぞれ10,000人以上の応募があると言われており、各社100~150名程度の採用人数のため大変狭き門となっております。各商社の採用大学を確認すると、東大・京大・慶應・早稲田・一橋・東工大といったトップ校の学生が、内定者の多くを占めるのが現状のようです。
総合商社の場合、エントリーシート・筆記試験→面接というのが一般的な選考プロセスとなっています。
面接は通常3~4回ほど行われ、就活生にさまざまな質問が投げかけられます。そこで今回は総合商社対策として、過去に5大商社の面接で質問された項目をまとめてみました。
商社の面接では、なぜ商社なのか、なぜその会社を志望しているのかをロジカルかつ端的に、印象に残るように伝える必要があります。そのためには自分なりに納得がいくまで業界・企業研究を行い、結論を得たうえでエントリーをすること、自分の考えを端的に話せるまでブラッシュアップすることが大切です。
OB訪問、参考資料の読み込みなど、一定以上の時間的コストを早期に投入しなければ、内定は見えてこないものと言えます。これらの準備を十分にしたうえで、本記事に掲載した質問への回答を用意しておけば、面接での質問の大半には対応可能になるでしょう。
総合商社以外の業界にもあてはまる部分が多くありますので、これから本選考に臨む方はぜひ面接対策に活かしてみてください。
1.学生時代の経験を問う質問
・大学時代頑張ってきたことは?
・リーダーシップ経験について教えて
・リーダーシップを身につけるにはどうすれば良いか?
・自分がリーダーになるのに足りていない要素は?
・サークルは何をやっていたの?
・サークルの活動内容について教えて
・大学生活を通して得た最も貴重な経験は?
・大学で勉強してたことについて教えて
・今までに経験した挫折について教えて
・部活動で理不尽な指導を受けたときに、どのように考えてどのように乗り越えた?
・学生時代頑張ったことは、社会や総合商社にどのように生かしていきたい?
他業界と同様に、学生時代の経験やそこからの学びなどを問われます。特に、大学時代の勉強内容を問われることが多いので、これまで学問にあまり励んでいなかった人も、興味のある分野を中心に学習内容をまとめてしっかり質問に答えられるようにしておきましょう。
2.商社特有の質問
・総合商社のなかで、なぜうちの会社を志望するの?
・なぜうちの会社が第一志望なの?
・他の商社と比べて、うちの会社はどういうポジションにあると思う?
・うちが競合他社に優っている点は何か?
・総合商社の魅力って何?
・商社とメーカーの違いについてどう思う?
・商社は物流と投資の2つの機能があるけれども、どちらの機能が大事だと思う?また物流と投資のバランスはどうすればよいと思う?
・投資だけに特化すべきだとは思わない?
・円高が総合商社に与える影響は何がある?
・投資する業界を3つ選ぶとしたらどこ?
・君を採用したらどういうメリットがあるの?
・なんで君は利益貢献できるの?
・どんな風に利益貢献してくれるの?
・志望部署は?
・もし、志望部署に配属されなかったらどう思う?(配属リスク)
・配属希望が叶わなくともやり甲斐をもって働ける?
・現状の個別部署の問題と、問題を改善するにはどうすれば良いか?
・A社から商品を買ってB社に売っているモノがある。B社がある日値段が高いと言ってきた。あなたならどうするか?
・会社の名前でビジネスをするのか、自分の名前でビジネスをするのか?
・自分のアイデアを形にしたいのなら、なぜ自ら起業しないのか?
・IT社会が進んだ世の中で、総合商社はなぜ生き残っているのか?
総合商社のビジネスは基本的にBtoBであり、普段の生活でその実態を身近に感じられるような企業ではありません。そのため各商社ごとの違いや、各部門でやっていることが大変見えづらい側面があります。
よって面接では必ずと言っていいほど「なぜ、うちの商社を志望するのか?」と聞かれることが多いです。そのときに自分の言葉で志望理由を言えるようにしておかなければ、それまでの選考で高い評価を得ている人でも落ちてしまう可能性が高まるので気をつけましょう。
OB訪問を積極的に行って、社風や社員の資質といった各社固有の情報の収集につとめましょう。
3.企業特有の質問
・三菱商事におけるリーダーシップとはどのようなものか?
・「組織の三菱」と呼ばれるが、そのような中で自分のアイデンティティを保つためにどう働いていくか?
・三井物産のミッション「世界中の未来をつくる」についてあなたはどう思う?
・「人の三井」と言われるが、それはなぜだと思う?
・伊藤忠商事の企業理念「三方よし」の精神の三方って何か知ってる?
・伊藤忠商事は中国でプレゼンスがあるけど、今後どう変化すると思う?
・「住友の事業精神」について知ってることを教えて
・住友商事ではチームワークを大切にしているけどそれはなぜだと思う?
・「丸紅スピリット」って何かわかる?
・丸紅の他社にはない強みはどこだと思う?
企業ごとに特有の質問も問われることがあります。各企業の経営理念やカルチャーを踏まえた上で回答することが重要です。通り一遍の返答が求められているわけではないので、その点に注意しながら十分に練りあげましょう。
4.学生のタイプに応じた質問
学生のタイプに応じて質問内容も変わってくるでしょう。
A.留学経験者、帰国子女 B.理系院生 C.女子学生
それぞれのパターンに対する質問例をまとめましたので、自分がどのタイプに当てはまるかを考え、どのように回答するかを対策しておきましょう。
A.留学経験者、帰国子女の場合
・英語のレベルはどれくらい?
・なぜTOEICを受験していないの?
・この英語ちょっと読んでみて
・留学先の国でどのようなことを感じた?
・留学先の国に特別なこだわりはある?
・留学先以外の国で興味をもっている国は?
・外国人学生と日本人学生の違いは?
・第二外国語は何?
・海外生活でどのような影響をうけた?
・海外にはどれくらいいたの?
・海外ではどのような活動をしてたの?
・海外にいたときはどの言語を使っていたの?
・言語には強そうだが、数字はどうか?
B.理系院生の場合
・なぜその研究をはじめたの?
・大学時代の成績は?
・なぜ研究者にならないの?
・なぜメーカーに行かないの?
・研究について英語で説明して
・研究のほうが自由そうでいいんじゃない?
・研究室で苦労したことは?
・研究内容は商社の仕事には直接関係ないと思うけどどう思う?
・研究と社会ってどのようにつながっていると思う?
C.女子学生特有の質問
・男性社員の多い部署だがやっていけるか?
・体力に自信はあるか?
5. 過去の意思決定を問う質問
・なぜその大学に入った?
・なぜその学部を選んだの?
・なぜそのサークルを選んだの?
・なぜその部活に入ったの?
・なぜそのアルバイトをしようと思ったの?
・なぜそのゼミに入ったの?
・なぜその研究をはじめることにしたの?
・なぜ学生時代取り組んでいたことを仕事にしようと思わなかったの?
エントリーシートにあるこれまでの経歴や活動を見て、応募者の大学進学やサークルへの参加、留学等、意思決定について聞いてくる場合があります。対策としては過去に決断したさまざまなことを思い出し「Why」と自問自答して、奥底にある「決断に至った要因」を自分で探し出すとよいでしょう。
6. 人物に関する質問
・自己PRしてください
・君がほかの人と違うのはどういう点?それはなぜだと思う?
・他の学生と比べて優れていると思うところ、負けていると思うところは?
・これまでに人から説得されてしまった経験はある?
・君が高い成果を出せた秘訣って何?
・人付き合いはいい方ですか?
・協調性はある?
・激務に対するストレス耐性はある?
・友達にどんな人だと思われている?(周りからはどんな人だと言われる?)
・自分の弱さとそれが出てしまった経験は?
・親から教わった信念はある?
・幼いころから続けている習慣や癖はある?
・あなたが好きな言葉を教えて
・最近読んだ本で感動した本は何か、またなぜその本を選んだのか?
性格や人間性に関する質問です。特に面接が進むほどこの手の質問をされるようです。パーソナリティに関する質問は応募者の論理性を見ているというより「この人と一緒に働きたいか?」を判断するために行われているといえるでしょう。
7. 知識、思考力を問う質問
・日本の経済をよくするために必要なことを3つ挙げて
・イギリスのEU離脱に対して思うことを述べよ
・日本という国家についてどう思うか?
・アフリカの食糧問題についてどう思うか?
・サッカーとはどのようなスポーツか、他のスポーツと比べて良い点は何か?
・アメリカのトランプ大統領についてどう思うか?
・TPPについてどう思うか?
・社会貢献とビジネスは両立する可能性があるか?
・1億円あったら何がしたい?
・日中韓の関係が悪化しているがどうすればよいと思うか?
一般的な教養や論理的思考力を問う質問がされます。普段から新聞に目を通すなどして、最新の情報に対して敏感になっておきましょう。
金融や経済の話については、就活仲間と一緒にディスカッションをするなどして知見を深め、自分の考えを素早く端的に話せるように心がけておくと良い対策になります。
8. 入社の意思確認、他社の選考状況に関する質問
・他社の選考状況はどうなっているの?
・今、内定を出すといったら入社してくれるか?
・いま選考中の企業を受けている理由は何?
・他の総合商社に行く方があなたにとって幸せだと思うけど、本当にうちに来たいの?
人事側からすると、内定を出した学生が入社するかどうかは非常に重要な問題です。そのため選考が進むにつれて、志望度や他社の選考状況を聞かれるようになります。
9. その他
上記に当てはまらないタイプの質問項目もされるので、以下の質問を参考に対策しておきましょう。
・最後にどうしても言っておきたいことある?
・将来の夢を熱く語って
・将来どういったビジネスマンになりたい?
・30年後の自分はどうなっていると思うか
・その質問は何のための質問なの?(逆質問に対しての面接官の切り替えし)
・友人はどのようなところに内定している?
・合コンにいくとしたら、どんな働きをするか?
・これまでの選考で一番困った質問は何か?
・今日の日経新聞を読んだか?(商社のニュースが当日の新聞に載っていることもある。)
・その仕事を君が絶対にやらないといけない理由はなに?
内定者は何を心がけていたか
ここまで質問の実例についてまとめましたが、内定者は面接において以下のことを意識していたようです。
・姿勢を良くし、目を見て話すことを意識した
・どの質問も30秒以上話さないように心がけた
・弱気に見えないよう、元気に、堂々とふるまった
・質問で聞かれたこと以外は答えず、新しい質問を誘発させるようにした
・わかりやすい言葉で論理的に話した
・分からない質問では下手に誤魔化すのではなく、素直に『わかりません』と答えた
・マニュアル的な回答ではなく、自分の言葉で伝えるようにした
・お礼をきちんと伝えるようにした
・的外れな質問をしないようにした
・エピソードの凄さ等に頼らず、自分らしさを全面に出した
・説得力のある雰囲気を態度で作るようにした
話す内容はもちろん、それをどう伝えるかもコミュニケーションでは重要です。面接官にあっと思わせる発言をすることも大事かもしれませんが、それ以前に上記の基本的な点を最優先に心がけましょう。
また、多くの内定者が20分~1時間早く到着するようにしたという経験談を寄せています。面接への気持ちの準備、交通機関の乱れへのケア、そうした面で「準備万端」にしていたということですね。
ぜひ意識してみてください。
おわりに
総合商社は大変人気の高い業界であるため、多くの就活生との競争になります。そのような競争の中で内定を勝ち取るには、面接で自分の魅力を100%伝える必要があります。
自然体で臨むことはもちろん重要ですが、事前に入念な準備を行い全力を尽くすこともまた重要です。多くの質問に対する回答をあらかじめ考えておけば、どんな変化球が来てもある程度対応することができます。
当コラムの面接過去問を活用し、万全な対策をして面接に臨みましょう。
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