FASとコンサルティングファームの違いを解説。あなたに向いているのはどちら?

FASとコンサルティングファームの違いを解説。あなたに向いているのはどちら?

2025/03/13

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金融・財務コンサルタントとして就職を望んでいる方はコンサルティングファームへの就職を目指す、または投資銀行などの金融機関への就職も選択肢の一つとして考えているのではないでしょうか。
また、職種としても金融・財務コンサルタントに限定せずに、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)を職種として選ぶべきかと悩んでいる方も多いようです。

この記事では金融・財務コンサルタントとFASはどう違うのか、2つの職種の専門性や仕事内容について説明すると共に、将来性や給与、待遇などについても説明します。
合わせてFASを求めているコンサルティングファーム、金融機関も紹介しますので、 是非あなたの職種選びと就職先選びのために参考にして下さると幸甚です。

そもそもFASとは何か?

FASとはFinancial Advisory Service(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)の略であり、財務に関連する専門的な助言を行う職種です。
主にM&A支援に関わる事が多いため、FASはM&Aだけを行う職種だと思われがちですが、もちろんそれ以外の業務も行います。
具体的には各種デューデリジェンス(信用調査)や企業再生支援、財務不正防止など金融・財務コンサルタントが行う経営戦略の立案支援なども行います。

FASの魅力・キャリアを徹底解説!コンサルや投資銀行との違いとは?

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FAS、コンサルティングファームの紹介

FASに携わるには、主にFASを主力事業としているコンサルティングファームのグループ企業に就職するルートと、投資銀行(IBD)に就職するルートの二通りがあります。
各社の事業内容や募集職種は年次ごとに異なるため、企業研究を入念に行い、最新の情報を入手した上で検討するようにしましょう。

主要なFAS企業

1.デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)

■M&Aライフサイクルにトータルに関与でき、M&Aの専門性を高めていくことができます

DTFAは、日本有数のビジネスプロフェッショナル集団、デロイト トーマツ グループの一員として、日本におけるFAの分野の核を担う会社です。主要サービスであるM&Aにおいては、クライアントが成長できるようにようにDealを成功に導くCFA(コーポレートファイナンシャルアドバイザリー)部門、財務デューデリジェンスを主軸とし、企業価値評価に向けた財務分析を行うTS(M&Aトランザクション)、企業価値評価サービスを行うVAL(バリュエーション&モデリング)部門、およびPreM&A、ビジネスデューデリジェンス、PMI(Post Merger Integration)まで各フェーズにおける戦略策定サービスを提供するStrategy部門、Digital/Technologyを軸にM&A等のトランスフォーメーションにおける各フェーズをご支援するDigital(デジタル)部門が連携して、戦略立案からディールの実行支援、統合後におけるPMIまで、M&Aライフサイクルにおいてトータルにサービス提供しています。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA) 企業紹介ページ


2.KPMG FAS

■FAS事業での圧倒的な実績

M&Aの戦略立案段階から契約締結後のPMIまで、KPMG FASではクライアント企業に寄り添いながら一貫したサービスを提供。M&Aのプロセス毎に専門的なアドバイザリーサービスを提供しつつ、常に全体を見すえたサポートを行うことが可能です。
それぞれのフェーズにおいては、例えば戦略立案の段階やビジネスデュ―デリジェンスでは戦略コンサルなどと、価格交渉・契約交渉の段階では投資銀行などと競合することになりますが、守備範囲の広さを活かした幅広いサービスと各分野における専門性の高さこそが、他のサービスプロバイダーとの大きな違いと言えるでしょう。

KPMG FAS 企業紹介ページ


3.PwCアドバイザリー

■「Deal」を伴う変革を通じた価値創造を支援

PwCアドバイザリー合同会社は、PwCの日本におけるメンバーファームとして、世界151カ国のグローバルネットワークと緊密に連携し、企業にとって重要な経営判断が必要となる「有事(Deal)」を伴う変革を通じて企業価値をより向上させるべく、クライアントにディールアドバイザリーサービスを提供します。
「ディール戦略策定」、「M&A」、「事業再生」、「公共インフラ/社会インフラ」の4つのビジネス領域において、それぞれの専門家の力を結集しながら、グローバルネットワークを生かして、クライアントの重要な経営判断を支援することで、企業・社会が抱える大きな課題の解決を支援しています。
PwCアドバイザリーの強みはグローバルな活躍環境です。世界各国へ2~3年間赴任する長期出向に加えて、入社2~3年目を中心とする日本を含むアジア各国オフィスメンバーを対象とした3カ月から1年程度の短期交換アサインの制度も用意されています。

PwCアドバイザリー 企業紹介ページ


FAS業務を行っている投資銀行

1.野村證券

■「グローバル金融サービス・グループ」として

野村證券は、日本の金融機関の中で唯一本格的なグローバルネットワークを有し、同時に国内において圧倒的な顧客ネットワークを築いている独立系金融機関です。
これまでに培った知識と経験を活かし、「グローバル金融サービス・グループ」として、お客様のニーズに対して付加価値の高い商品やサービスを提供しています。

野村證券 企業紹介ページ


2.SMBC日興証券

■会社概要

私たちは1918年の創業以来、資本市場を通じて、持続的成長を志向する企業とその成長を期待する投資家の方々をつなぐことで、生産的な資金の流れを生み出し、豊かな人生・社会の実現に貢献してきました。
お客さまと共に発展し、最高の信頼を得られる会社を目指す私たちSMBC日興証券のベースにあるものは、創業以来、変わることのないお客さまとの「共存共栄」、「親切で正直」の精神です。

SMBC日興証券 企業紹介ページ


3.みずほ証券【みずほフィナンシャルグループ】

■つなごう、拡げよう、超えよう。自分らしく。

みずほ証券は、「総合金融コンサルティンググループ」としてお客さまのベストパートナーを目指すみずほフィナンシャルグループの中核を担う総合証券会社です。
みずほ証券は、株式や債券等の証券関連分野において、個人から国内外の機関投資家や事業法人・金融法人・公共法人まで、多様なお客さまの幅広いニーズに応えるため、部門・グローバル・グループ企業間の連携をさらに深化させた「一体運営」によってコンサルティング機能の高度化とソリューション・プロダクツ提供力の強化に邁進しています。

みずほ証券【みずほフィナンシャルグループ】 企業紹介ページ


4.三菱UFJモルガン・スタンレー証券

■リーディングカンパニーの"Trusted Advisor"として

クロスボーダーM&Aや国内大型再編、大胆な事業ポートフォリオの見直しなどを検討する場合、経営者にとって、グローバルに通用する質の高い投資銀行アドバイスや、ソリューションの提供を受けられる信頼できるAdvisorの存在は不可欠です。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、国内外のリーディングカンパニーに対し"Trusted Advisor"として常に質の高いアドバイスやソリューションを提供しています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 企業紹介ページ


5.フーリハン・ローキー

■フーリハン・ローキーについて

フーリハン・ローキー(ニューヨーク証券取引所上場)は、M&A、キャピタル・マーケット及び財務リストラクチャリングにかかわる業務を提供する独立系のグローバル投資銀行です。2021年にGCAと経営統合しました。
世界各地の企業、公的機関、政府等のクライアントに対し、米国、欧州、中東、アジアパシフィックにある各拠点からアドバイスを提供しています。グローバルの全取引におけるM&Aアドバイザリー業務でNo.1、米国の全取引におけるM&Aアドバイザリー業務において過去8年連続でNo.1を獲得しています。

フーリハン・ローキー 企業紹介ページ


6.大和証券

■企業紹介

大和証券は、リテール、ホールセール、投資を主な事業とする大和証券グループ傘下において、国内の個人の顧客向けに幅広い金融商品の提供、国内外の法人向けにブローカレッジやM&Aアドバイザリー、投資銀行業務などを行う企業です。1999年に開業しリテールを専門としていた大和証券グループは、2012年にホールセールの大和証券キャピタル・マー ケッツ株式会社を吸収合併、経営統合し、現在は世界に多数の拠点を持ち、アジアを主にリードする企業を目指し拡大しています。

大和証券 企業紹介ページ


FASとコンサルタントはどう違うのか?

ここではFASと金融・財務コンサルタントの違いについて解説します。

仕事内容はどう違うのか?

FASと金融・財務コンサルタントでは仕事内容が全く違うわけではなく、ほぼ似通っていますが求められる知識やスキルには少々異なる点があります。
端的にまとめるとFASは財政に特化しているため、コンサルタントよりも専門的な知識、スキルを求められる傾向が強いです。
一方、コンサルタントも専門的な知識、スキルをある程度は求められますが、それよりも現場における施策の指示や実施、会社経営における課題解決を重点的に求められます。

どんな人が向いているか?

FASや金融・財務コンサルタントの仕事内容は大きく変わらないと説明したように向いている人物像もほぼ変わりませんが、特に以下のような能力、及びスキルがある人は適性があると言えそうです。

■FASに向いている人

1.数字に強い人
 企業の経営、財務に携わってアドバイスを行う為、業務において数字は切っても切り離せません。よって、数字に強い人は向いていると言えます。

2.経済の話題、ニュースに興味がある人
 政府の新しい経済政策はもちろん、世の中の流行や関心がどのように経済活動に繋がっているか興味を持って接している、情報感度が高い人は向いています。

■金融・財務コンサルタントに向いている人

1.論理的思考能力が高い人
 コンサルタントはクライアントである企業の課題や問題点を解決することを求められるため、課題を切り分けて要因を探り、改善案を提案するための論理的思考が必要となります。

2.柔軟性、臨機応変に対応できる人
 1の論理的思考と相反する部分でもあるのですが、正論かつ正解であったとしても実現できない、クライアントの現状に則するとマイナスであったりリスクになってしまう場合もあります。そのような時に代替案を提案できる人、柔軟に対応ができる人は向いていると言えます。

投資銀行とコンサルを比較するのはナンセンス!? 多くの就活生が知らない両者の違いとは

新卒採用として内定を得るには?

実は新卒でFASや金融・財務コンサルタントとして就職するのは意外と難しいことです。
なぜならば学生に人気がある職種なので競争率が高いだけでなく、特に経験があることを重視される職種でもあるため、ポテンシャルがあると見込まれた新卒にしか内定の門が開かれないからです。

FASや金融・財務コンサルタントを新卒で募集している企業は、以下のような選考ステップ及び選考スケジュールで行われます。

【業界研究】 投資銀行編

【業界研究】コンサルティング編

また、FASや金融・財務コンサルタントとして内定を得るには以下のような資格を所有していることで、ある程度の知識を所有していることの証明にもなるので有利になります。
取得を目指して勉強するのも良いでしょう。

日商簿記検定(2級以上)

企業の財務会計、財政状況などを明確にするためにも、簿記の知識は必要となります。
最低でも簿記2級を取得するぐらいの知識と能力がないと、業務もスムーズに進めることができないでしょう。
財務系の資格を何も持っていないのであれば、先ずは簿記の知識、資格を取得することをおススメします。

公認会計士

簿記の取得を経て基礎的な知識を身につけた後は、公認会計士を取得するのも良いでしょう。
会社の実態を確認するデューデリジェンスや企業の価値を評価するバリュエーション、M&Aなどの知識は特にFASで行う業務において不可欠です。
新卒で公認会計士を取得していれば、それだけの知識を既に得ている証明になるだけでなく、就職において有利に働くことは間違いないでしょう。

FAS、コンサルタントのES・就職活動体験談

更に外資就活ドットコムでは、過去にFASやコンサルタント選考を受けた先輩達の体験記やES(エントリーシート)の記入例などが沢山掲載されています。
これらも合わせて読むことは、あなたのコンサルティングファームへの内定をより確実なものにする一助となるでしょう。
是非、参考にして内定を勝ち取って下さい。


コンサルタントのES・体験記の一覧

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