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sponsored by フーリハン・ローキー
M&A領域で成長したいと考えるなら、これ以上うってつけの場所はないかもしれない。2022年2月、日本発のグローバルファームとして存在感を放っていた旧GCAは米フーリハン・ローキーと経営統合し、新たに社名を「フーリハン・ローキー」として船出した。
M&Aに特化した旧GCA時代からの強みを生かしたまま、グローバルM&Aアドバイザリー件数ナンバーワンのグループの一角へ。同社CEOの野々宮律子氏は「圧倒的なディール数だからこそ若手にも積極的に案件を任せる」と宣言し、入社4年目の佐藤由志氏は「年次に関係なく強いオーナーシップを求められる場所」と語る。現在のフーリハン・ローキーで味わえる成長環境について、2人にじっくりと聞かせてもらった。
※内容や肩書は2023年7月の記事公開当時のものです。
個ではなくチームを重視。「コーチング・カルチャー」が現場と経営に浸透
——2022年の経営統合の背景をお聞かせください。
野々宮:さらなる成長のための選択でした。旧GCAは日本発のグローバルファームとして米国や欧州にもチームを置き、特に海外ではテクノロジー領域を強みとしてM&Aのアドバイザリー業務を拡大してきたのです。
一方でフーリハン・ローキーは米国の製造業に強く、プライベート・エクイティ(PE)案件でも豊富な実績を有しています。両社が統合することによって、製造業の案件が多い日本企業のM&Aにより貢献できるようになると考えていました。加えて、企業として互いに培ってきたカルチャーのフィット感が強かったことも、経営統合を決断する大きな要因となりましたね。
——「フィット感」について具体的に伺いたいです。
野々宮:プロフェッショナルファームとしての考え方が非常に近しいと感じました。
フーリハン・ローキーは元来、突出したスターバンカーを生み出すのではなく、チームとして一人一人が活躍できる環境を作ることを重視する会社です。そうした風土が旧GCAと共通していました。
佐藤:若手の立場でもその風土を感じますね。一定規模以上の案件が多いこともあって、個の力ではなくチームの力でやりきることが重視されるんです。また、ハードスキルや、重要な局面で必要となるソフトスキルをシニアからコーチングしてもらえる点も心強いです。
野々宮:コンサルティングファームや投資銀行では、ある程度の年齢を超えると現場を離れて管理職に専念することが一般的なのかもしれません。しかしフーリハン・ローキーでは経験豊富なシニアバンカーが若手と組み、机を並べて一緒に動くのです。私も経営統合前はCOO兼プレイングマネージャーでしたし、今でもクライアントへのアドバイスやエグゼキューション(案件実行)など要所要所でサポートしています。
——経営統合後は米国本社の傘下に入っていますが、日本法人として十分な裁量を持てているのでしょうか。
野々宮:はい、大きな裁量があります。コーチングのカルチャーはグローバルの経営陣にも浸透しています。いわゆる外資系企業のイメージからすると意外かもしれませんが、米国本社の意見を一方的に主張されることはなく、徹底的に議論して私たちが納得したことだけに取り組んでいるんです。
事実、経営統合の意思決定から約2年が経ちますが、現在に至るまで本社から日本の経営陣に人が送り込まれたことはありません。
グローバルの知見から学び、「M&A当事者」の視点も持てる環境
——佐藤さんが新卒でこの環境を選んだ理由を教えてください。
佐藤:私は国内大学を経て英マンチェスターの大学院へ進み、M&Aを学ぶ中で、日本特有の資本市場の課題を知り、ノンコアと評されるような事業を複数持つことも多い日本企業の成長のためには、戦略的なM&Aが欠かせないと考えるようになりました。就活では当初、外資系投資銀行などを中心に検討していたのですが、「幅広いキャピタルマーケット業務ではなくM&Aに特化した業務に携わりたい」という思いが拭えなかったんです。
そんな折、マンチェスターで開催されたキャリアフォーラムに参加したところ、そこに旧GCAが出展していました。旧GCAのことは日本発のプロフェッショナルファームとして認知していましたが、マンチェスターまでやって来て若手人材を探していることには驚きましたね。
それから一気に興味を持ち、ここならM&Aの仕事に集中できるのではないかと考え、直接問い合わせをして選考に参加させてもらいました。
——「本当にやりたいこと」を軸にして選んだのが旧GCAだったのですね。
佐藤:はい。当社は日本ではM&Aアドバイザリー業務に専念しているので、この領域を極めたいと考える自分にはうってつけの環境だと感じました。
野々宮:加えて言うならば、当社自体もM&Aの対象になっていて、今まさにインテグレーション(統合)の真っただ中にあるわけです。フーリハン・ローキーの長年の実績と知見に学べて、M&A当事者の視点でも語れるようになる。こんな場所は、そうそうありません。
佐藤:フーリハン・ローキーとの統合後は、現場視点でもますます日本企業へ貢献できそうだと感じています。グローバルネットワークを生かすことで、クライアントへ提案できるアイデアの幅がより広がりました。
欧米各国のオーナー企業やPEファンドと強力なコネクションを持っているので、日本のクライアントに紹介できる機会がより増えるのはもちろんですが、海外PEファンドの投資先としても、日本国内の事業会社は有力な対象として注目されています。今後も双方が納得する出会いを提供できるはずです。
「フェアなアサイン」を実現する仕組みによって成長の舞台を作る
——若手の成長という観点で伺います。フーリハン・ローキーと、他の外資系投資銀行やM&A専業ファームとは何が違うのでしょうか。
野々宮:まず、ディールの数が違います。2022年にはグローバルM&Aアドバイザリー件数で第1位(*1)、日本国内のM&Aアドバイザリー件数で第2位(*2)の実績を残しています。旧GCA時代から、私たちはクライアントの求めていることを重視して案件サイズで足切りをしないスタンスを貫いているため、他社と比較してディール数が非常に多いのです。
*1 情報サービスのRefinitivによる集計(内容はRefinitivの有料会員のみ閲覧可能)
*2 情報サービスのFactSetによる集計(内容はFactSetの有料会員のみ閲覧可能)
私は外部からこの会社に来て、若手に任される案件の多さに驚いたのを覚えています。案件を早い段階から担当し、経験した数の分だけ成長できることは当社の大きな特徴だと考えています。
佐藤:私も1年目から担当領域を任され、事業会社の管理職クラスの皆さんと一緒に取り組みました。もちろん最初のうちは上司の指示通りに動くことが多いのですが、フーリハン・ローキーでは経験や年数にかかわらず「プロアクティブに意見を出していくこと」「オーナーシップを持ってプロジェクトに取り組むこと」が求められます。私自身も大小かかわらず複雑なプロジェクトなどを経験し、自分がやるべきことをどんどん見つけ、積極的に進言することで自身の成長につなげてきました。
——若手へのアサインメントはどのように行っているのですか?
野々宮:当社独自の「アサインメントオフィサー制度」を設けています。アサインメントオフィサーを担うシニアが年2回、全ての社員と面談します。個々のキャリアの方向性や希望を確認した上で、案件獲得とプロジェクト進行の両面のスキルを高めていけるようにアサインする仕組みです。
——なぜこの制度を導入したのでしょうか。
野々宮:どんな組織でも、人の評価は往々にして「印象」で決まりがちだと思います。しかし上に立つ人間が印象だけで人を評価していると、好きなメンバーを水面下で取り合うような動きにつながり、いつも忙しく動いている人と、なかなか声がかからない人に分かれてしまう。これではフェアな環境とは言えませんし、若手が自分のキャリアをデザインすることもできないでしょう。
会社にはメンバーが活躍できる舞台を作る責任があります。そんな思いからアサインメントオフィサー制度を設け、運用しています。
株式譲渡契約の前日に「ちゃぶ台返し」も。修羅場を乗り越えて見える景色
——佐藤さんがこれまでに取り組んできた具体的なプロジェクトについても聞きたいです。自身の成長につながったと感じるプロジェクトは、どのようなものでしたか。
佐藤:あるスタートアップ企業の株式交換に関する案件です。株主のベンチャー・キャピタルやエンジェル投資家、買い手候補のベンチャー企業を含め、関係者は100人程度、数億円規模の案件でした。当社のプロジェクトとしては比較的小さなサイズの取引であり、プロジェクトメンバーは少なく、必然的に強いオーナーシップが求められることになりました。
交換比率の算定からクライアントへの説明、買い手側との契約交渉に向けた既存株主の要望の取りまとめや弁護士を含む外部専門家との折衝など、若手だからといって担当業務がコーディネーション(調整業務)だけに制限されることはなく、さまざまなことを経験できました。
——最も「修羅場」を感じたプロジェクトについても教えてもらえますか。
佐藤:入社3年目に担当した、日本企業のクライアントによる在インドJV(ジョイントベンチャー)の完全子会社化の案件です。株式譲渡契約を取り交わすための交渉を両社の取締役会当日まで連日連夜進めていたのですが、「これでほぼ確定だろう」と踏んでいた最終打ち合わせで、いきなり交渉先の創業家から価格を理由にちゃぶ台をひっくり返されてしまったんです。
当方側も納得できず交渉は続き、両社が納得し打ち合わせが終了する頃には既に朝日が昇っていました。クライアントの姿勢や覚悟はもちろん、東京チームの粘り強さと協働していたムンバイチームの交渉力があったからこそ、契約締結を迎えることができたと今でも思っています。
M&Aアドバイザリーの仕事はよく「年中文化祭の準備をしているようなものだ」と言われますが、その感覚を理解できた気がしましたね。苦労が多かった分、契約がまとまった時に得られるやりがいは本当に大きかったです。
——生々しいエピソードですね。簡単な仕事ではないのだと改めて感じさせられました。
野々宮:何もトラブルが起きない案件は皆無と言えるかもしれません。だからこそ私たちは大きな達成感を味わえるんです。
最初は買い手と売り手として相対していた企業同士が、交渉を経て最後はワンチームになる。人の心が動く瞬間を目の当たりにできることは、この仕事の本当の醍醐味(だいごみ)ですね。
キャリアの完成形は未だ見えない。「好奇心が尽きない仕事」を成長の場に
——そういった場面を数多く経験すると、「より直接的に経営に関わりたい」と感じる人も出てくるのではないでしょうか。
野々宮:当社での仕事を経てPEファンドなどへ移る人は実際に多いですよ。ある意味では健全な卒業の在り方だと思いますし、そうしたキャリアプランを描くことはまったく否定しません。
佐藤:ただ、この仕事では好奇心が尽きることがないんですよね。私はまだ4年足らずしか経験していませんが、まったく同じような仕事はなく、自分の知らないことや学びたいことがどんどん見つかるんです。
野々宮:それはシニアになっても同じ感覚ですよ。私も「ここまでいけばキャリアの完成だな」という感覚は今も持っていません。
——フーリハン・ローキーとしての今後の展望を教えてください。
野々宮:グローバルファームとして成長し続けてきた“王者”のビジネスモデルを、ここ日本で実践していきたいと考えています。今後も案件数は拡大し続けていくはず。企業の大きな決断を支え、後押しできるよう、高い成長意欲を持つ人材を積極的に迎え入れていきたいですね。
多種多様なディールを経験して一人一人が学び、キャリアプランを実現できるように、私たちは全力で成長環境を用意していきたいと思っています。
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