はじめに
こんにちは、外資就活 商社チームです。今回は総合商社の中で、人気の住友商事の選考対策についてまとめました。
21卒内定者の方の体験を基に、選考の各フェーズを掘り下げていきます。是非参考にしてみてください!
選考STEP
テスト・ES
実施時期:4月上旬~4月中旬
試験内容:GAB形式。昨年はコロナの影響で自宅受験の選択もできたが、基本的にはテストセンターでの受験。内容は言語、計数、英語、性格診断。
倍率:総合商社の中で最も高いと思われる、ボーダーは7割程度
結果連絡(時期、連絡手段):4月中旬~下旬にメールにて通知
◎内定者の感想
・難易度はそれほど高くない。大学生であれば問題なく解けるレベルの問題が多いが、時間が短いため早く回答できるよう対策をするとベスト。
・7割あれば合格するのではないかと感じる。同形式をとっている三井物産よりも若干ボーダーが高いと感じた。
・他の会社で練習しておくと有利だと思う。同じ問題が出てくることがあるため。
◎選考の重要ポイント
・5大総合商社の中で最もボーダーが高いテスト
形式はテストセンターでのGABですが、ボーダーは7割以上と非常に高めに設定されています。多くの学生がこの段階で落ちているため、WEBテストが苦手な方は対策必須です。
◎外資就活からのアドバイス
・玉手箱を計算機なしで解けるようにしよう
GABと問題の形式が類似している玉手箱の対策本にて問題に慣れることや、玉手箱を採用している企業を練習として受けることが有効です。また、住友商事のテストは基本的にテストセンターで受けるため、計算機を持ち込むことはできません。計算機なしで解くことにも慣れておきましょう。
・GAB形式のテストセンターを採用している企業で練習しよう
複数の有名企業がGAB形式のテストセンターを採用しています。実際のテスト形式に慣れるためにも他企業で練習することをオススメします。
過去の選考でGAB形式のテストセンターを採用していた企業は以下のとおりです。
※今年度の選考ではテストの形式が異なる可能性があります。
エントリーシート(ES)
概要
・テスト通過後に課される。
・ESは足切りには用いられない。面接の材料として提出する。
・設問は「面接で話したいトピック」を5点まで、40文字程度で記入。
・内定者は「学生時代頑張ったこと」「住友商事への思い」などを記入していた。
◎内定者の感想
・面接で話したいことを簡潔に書いた。内容は面接で話せるのでポイントのみ記入した。
・シンプルに、話したい話を記載した。ガクチカ、自己PR、志望動機、性格等話題を散らすことで、上手く面接での流れをつかめるように意識した。
◎外資就活からのアドバイス
・記載したトピックは完璧に話せるようにしておこう
面接官はESのトピックを基に、あなたの能力や人間性を探ります。ここで記載した内容は、滞りなく面接で話せるようにしましょう。また想定される質問も考え、それらに完璧に答えられるように万全の対策をしましょう。自分が話している姿を録画して、客観的に見てみることが非常に効果的です。
一次面接
実施時期:6月上旬
形式:中堅社員2人、学生1人
時間:約30分
会場:オンライン
雰囲気:終始和やかな雰囲気。面接というよりは会話に近い。
結果連絡(所要時間、連絡手段):面接後、当日~2日後までに電話かメールにて連絡
◎進め方
・アイスブレイクとしてのお互いの自己紹介
・雑談からの自然な流れで、ESの「面接で話したいトピック」について深掘りされる。
・最後に逆質問の時間がある
◎質問内容
・学生時代時代頑張ったこととその深掘り
・他社のインターン参加状況とそこで学んだこと
・最近の気になるニュース
・コロナ禍において総合商社ができる新たなビジネスとは何か
・就職活動の軸は何か
・どうして総合商社なのか
・どの部署がいいのか
・伝え足りなかった点はあるか
・社員に聞きたいことはあるか
◎内定者の感想
・非常におおらかでフランクであった。反応も良く、面接というよりも会話のような形で進み、楽しむことが出来た。
・かなり年次の高い方の面接であったが、笑顔をまじえながら非常にフランクな雰囲気で面接が進んだ。
・社会に対して普段からどのように考えており、それを総合商社もしくはビジネスの場でどのように解決できるのかを考えていることが、スムーズな面接につながった。
・きちんと会話のキャッチボールが出来るかどうかが重要。
・聞き上手でいるよう(相槌のタイミング、笑顔、住友商事の話をされたときはわくわくした返事をすること、結論ファーストなど、相手を心地良くさせるコミュニケーション)に気をつけた。実際これは商社マンに必ずといっていいほど必要な素質だと思う。
◎選考の重要ポイント
・和やかな雰囲気の中でも、「端的に」伝えよう
住友商事の一次面接は非常に和やかな雰囲気の対話形式で行われます。そのような雰囲気だと、自らの言いたいことが先行して、話が冗長になってしまったり、相手の質問に的確に答えられていなかったりしてしまいがちです。質問に対する答えを①話の冒頭に伝え、②その理由を述べ、③必要に応じてまとめるという一連のサイクルを、なるべく簡潔に行いましょう。
◎外資就活からのアドバイス
・「分かりやすくエピソードを話すこと」と「面接に慣れておくこと」が大事
一次面接は、学生時代のエピソードが主に聞かれます。そのため、学生時代のエピソードはあらかじめ短い時間で説明できるようにしておきましょう。また学生時代のエピソードに関してはそこまで深く問われていません。そのため、最低限のパフォーマンスを発揮できれば通過できると考えられます。無難にこなすために、他社の面接を受けるなど面接慣れはある程度しておきましょう。
・ニュースに事前に触れておこう
住友商事は面接で時事問題について頻繁に触れてきます。また、それらに対しての意見が求められることが多いです。時事問題をしっかりと理解できているか、それらに対し自分の意見を持てているかを見ています。定期的にニュースをチェックして自分なりの意見が言えるようにしておきましょう。
・最後の質問は伝え忘れたことか、逆質問のどちらか
一次面接だけでなく住友商事の全ての面接に通ずることですが、面接の最後は「伝え忘れたこと」もしくは「逆質問」として時間を設けられます。「伝え忘れたこと」の場合は、アピールを出来ていない部分をアピールできる話をしましょう。
実際にある内定者は、住友商事に対する志望度をあまりアピールできていなったため、住友商事の事業につながるエピソードについて話し、志望度の高さをアピールしたそうです。逆質問の場合は、事前に調べたことに対して仮説を立て、その仮説が合っているかを確かめる質問が好ましいです。この「仮説検証型の質問」をできるように、事前に準備しておきましょう。
二次面接
実施時期:6月上旬
形式:年次が高い社員2人と人事1人の計3人の面接官、学生1人
時間:約30分
会場:オンライン
雰囲気:和やかな雰囲気ではあるが、一次面接と比べて厳か
結果連絡(所要時間、連絡手段):面接の2、3時間後電話にて連絡。
◎進め方
一次面接と同様の構成で、面接の最初に自己紹介を行い、その後20分程度面接官がESや自己紹介から気になったことを中心に質問をする。最後に5分ほど逆質問もしくは伝えられていないことを話す時間がある。
◎質問内容
・なぜ総合商社なのか
・なぜ住友商事なのか
・住友商事の弱みは何か
・集団の中でどのような役割を果たす場合が多いか
・仕事ができない人や嫌いな人が職場にいた時どうするか
・感情は顔に出るタイプか
・卒業までをどう過ごしたいか
・総合商社で叶えたい夢は何か
・今後の人生の目標は何か
・大学・大学院の専攻を社会にどう生かせるのか
・あなたにとって「仕事」って何?一言で答えて
・あなたの強み、弱みを教えて
・近年ナショナリズムが台頭しているがそれについてどう思うか
◎内定者の感想
・1次面接よりは厳かではあるが他社と比べると話しやすい雰囲気は作ってくれる。
反応は年配の方ということもあって淡々としていると感じた。
・役員レベルの方々に一緒に働きたいと思わせることが重要で、そのためには論理力と愛嬌どちらとも必要だと思う。
・雑談形式ではあるが、相手の年次が高いため、志望動機だけではなく、ビジネス戦闘力のポテンシャルも見られている気がする。論理的に堂々と話すことがとても重要だと思う。
・営業の方との面接がここで終了のため、二次面接の評価は内定の可否に大きく影響すると考えられる。
◎選考の重要ポイント
・全てのエピソードに一貫性を持たせよう
二次面接では、学生時代のエピソードや志望動機に加え、面接官がチョイスした質問がいくつかあり様々な角度から質問されます。これらの質問で面接官が見ているのは学生の性格面です。面接において一貫性がない場合や突然の質問に対してアピールしたいこととずれた回答をすると、面接官に偽りの姿を見せていると思われてしまい誠実性がないと判断されてしまいます。
そのため、自分の性格や強みなどをしっかりと伝えられるように、面接でアピールしたいことは一貫させましょう。エピソードや志望動機などを事前に深掘りしておくことも大切ですが、住友商事の求めている人材に一致できるようにアピールすべき点を寄せておくことも重要です。
◎外資就活からのアドバイス
・端的に分かりやすくエピソードを話すことが大事
二次面接では学生時代のエピソード、志望動機、時事問題など少ない時間で多くの質問がされます。そのため、学生時代のエピソードと志望動機はあらかじめ、短い時間で説明できるようにしておきましょう。
・時事問題やニュースに事前に触れておこう(再掲)
住友商事は面接で時事問題について頻繁に触れてきます。また、それらに対しての意見が求められることが多いです。時事問題をしっかりと理解できているか、それらに対し自分の意見を持てているかを見ています。定期的にニュースをチェックして自分なりの意見が言えるようにしておきましょう。
三次面接
実施時期:6月上旬
形式:年次の高い社員1人(人事)と学生1人
時間:30分~1時間
会場:本社の会議室
雰囲気:非常に厳かで緊張感のある面接。淡々と会話が進む。
結果連絡(所要時間、連絡手段):面接当日の夜、電話にて通知
◎進め方
面接前:最初に別室で小論文「あなたの強みは何か、またそれは住友商事でどのように生かされるか」(25分、500文字以内)を記述後、会議室に案内され面接開始
面接:アイスブレイクと主に自身の経験や価値観を述べるパート、なぜ住友商事かの志望度を伝えるパートの大きく2つに分かれる。
面接後:若手人事社員と面談。雑談に近い形。(※案内されない人もいる)
◎質問内容
・なぜ総合商社か
・なぜ住友商事か
・就職活動の軸は何か
・学生時代頑張ってきたことは何か
・他の総合商社にどのような印象を持っているか
・自分の強みを10個あげてください
・自分の弱みを10個あげてください
・理想の自分と現在の自分のギャップはあるか、それはなにか
・あなたの黒歴史を教えてください
・就職活動を振り返ってみてどうだったか
・伝え足りないことは何か
・質問はあるか
◎内定者の感想
・人生についての掘り下げで人柄を見ていると感じた。
・突拍子のない質問で、普段からどれくらい自分のことを理解しているかがポイントとなった(つまり自己分析が大切)。
・頑張ったことなどの経験から、困難な状況に強い人物かなどが見られたと思う。
・若手との雑談は、本当に雑談であったので、そこでマイナスの評価を受けなければ落ちることはないと思う。
・この面接ではいかに気負わずにしっかり今まで通り話すか、というところに尽きると思う。
・自分はその後に人事面談に案内され、現在の他社選考状況や、人事の方がどのような思いを持って仕事をされているかについて話したが、案内されていない人もいるよう。
◎選考の重要ポイント
・実質的な最終面接であり、最大の難関である三次面接
実質の最終面接である三次面接の倍率は選考フローの中で最も高いと言われています。また、年次の高い人事社員が面接官を担当し、緊張感のある面接となっており、納得いかない部分は深く問われるようです。ですが、形式や聞かれる質問は一次・二次面接とほぼ同様であるため、これまで通りのコミュニケーションを心がけましょう。
・志望度の高さをしっかりアピールしよう
三次面接は、自己紹介時に志望動機を話す機会がありますが、学生によっては学生時代のエピソードのみ深掘りされ、志望動機は深く問われません。そのため、他の話と絡めて「なぜ住友商事を志望しているのか」をしっかりアピールできるようにしましょう。
実際にある内定者は、学生時代のエピソードの深掘り時にこの経験が住友商事を志望する理由に繋がっていると話し、志望理由と繋げて志望度が高いことをアピールしたそうです。改めて、なぜ住友商事を志望しているかを面接前に確認しておきましょう。
◎外資就活からのアドバイス
・住友商事でどのように活躍できるかを話せるようにしよう
住友商事はポテンシャル採用の傾向があり、三次面接までは学生の潜在的な能力面を非常に重要視しています。特に三次面接は、「この学生が本当に住友商事で活躍できるのか」、「住友商事でこの学生の強みを活かすことができるのか」といった面を見ています。
そのため、一次面接や二次面接以上に学生時代のエピソードを深く問われます。面接前に学生時代のエピソードを深掘りしておく必要もありますが、そのエピソードから読み取れる自分の強みは住友商事でどのように活かすことができるのかについても考えておきましょう。
四次面接(内定連絡)
実施時期:6月上旬
形式:人事社員1人:学生1人
時間:約20分
会場:本社ビルの小会議室
雰囲気:非常に穏やか。雑談。
◎進め方
雑談と意思確認
◎質問内容
・内定を承諾するか
・大学生活は実際どういうことしてたか
・志望度は正直どうか
・他社の選考の状況はどうか
・質問はあるか
◎内定者の感想
・積極的にキャリアについて質問したり、会話の中で住友商事への思いを語ったりととにかく志望度の高さが伝わるようなコミュニケーションを心掛けつつ、楽しくお話しできるようにユーモア混ぜて話した。
・入社意思があれば問題ない。
・この面接は意思確認なので、特になし。唯一言うとすれば、他社の選考状況を聞かれるのでそこだけは気を付けるくらい。
◎選考の重要ポイント
・入社意思確認の場である四次面接
四次面接は入社意思の最終確認の場です。選考要素はないとされていますが、「住友商事が第一志望である」とはっきり伝え、最後まで志望度を熱く伝えましょう。
内定後について
内定連絡時期:6月上旬
選考中・内定後の拘束状況:特になし
内定後の課題:TOEIC730点以上の取得、簿記3級の取得
内定者について:物腰が柔らかく、穏やかな人が多い印象。基幹職は計108名の採用。
おわりに
いかがでしたか。
21卒の住友商事の選考は非常にオーソドックスな選考方法でした。面接の際、主に聞かれることは、「学生時代頑張ったこと」「志望動機」の2つです。本選考開始前までに、この2つを納得いくまでブラッシュアップしておきましょう。また他社の選考を通して面接慣れしておくことも重要です。事前に完璧な準備をし、満を持して本選考に臨みましょう。
今回のコラムは、住友商事の選考フローを網羅しています。ぜひ、クリップ機能を活用し、選考の各段階で読み返してみてください。
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