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【M&Aだけじゃない!】投資銀行部門キャピタル・マーケッツ業務について徹底解説!

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キャピタル・マーケットとは?

こんにちは、外資就活ドットコム金融チームです。

毎年多くの就活生がその門を叩いている投資銀行。
さまざまな就活サイトで解説記事が公開されていますが、その多くは投資銀行業務の中のM&Aアドバイザリー業務とカバレッジ業務に関するものです。

しかし、投資銀行部門はもう一つ「キャピタル・マーケッツ業務」という業務も行っています。往々にしてM&Aアドバイザリー業務の陰に隠れてしまうキャピタル・マーケッツ業務ですが、実は投資銀行部門の一番の収益源でもあります。

今回のコラムでは、普段あまり語られないキャピタル・マーケッツ業務に焦点をあてて解説いたします。

キャピタル・マーケッツ業務の概要

投資銀行部門のキャピタル・マーケッツ業務とは、企業の資金調達に関する業務のことを指します。

具体的には、企業が資本市場からの資金調達のために発行する株や債券などの有価証券を引き受けることを意味します。ハウスによっては、「資本市場部門」として独立させているところもあります。「引き受け」とは、発行された有価証券を投資家が買うまでの間、一時的に投資銀行がそれらを買い取ることを意味します。

なぜこのようなことをする必要があるのでしょうか。
それは、有価証券を発行する企業(これを発行体と言う)の資金調達のスピードと安定を保証するためです。

発行体は、資金を必要としているからこそ有価証券を発行します。しかし、ただ単に有価証券を発行するだけでは発行体は資金を調達できません。調達したい金額分の有価証券をすべて投資家に買ってもらって初めて、発行体は資金を調達することができます。

ここで注意すべきことは、発行体が有価証券を新しく発行してからすぐにその全てを投資家に売り切れる保証はどこにもない、ということです。言い換えると、「必要な資金がいつ調達できるのか分からない」ということです。これでは各発行体の資本政策、ひいては事業活動そのものに大きな狂いが生じてしまいます。

そこで、証券会社の投資銀行部門が一時的にそれらを買い取り、それらを営業部門が投資家に販売することで、発行体は有価証券を発行してすぐに必要な資金を調達することができます。これにより、発行体のスピーディーかつ確実な資本政策を実現することができます。

あえて精緻さを欠いて分かりやすく言い換えるならば、「本来投資家が発行体に払う(投資する)資金を一時的に立て替える」こと、でしょうか。このようにイメージしていただくと、概要がつかめるのではないかと思います。

また、株式を引き受ける部署はエクイティ・キャピタルマーケット部(通称ECM)、債券を引き受ける部署はデット・キャピタルマーケット部(通称DCM)と言われます。

資金調達の進み方

皆さんは、資金調達の際にキャピタル・マーケッツのチームがどのように動いているがご存知でしょうか。単に案件執行を担うチームと言っても、その業務は多岐にわたります。そこで、資金調達の流れ簡単に説明します。

①カバレッジが顧客の企業がどのような手段(株式や債券)で資金調達するのか、相談し決定する
②決定した手段に従い、ECMもしくはDCMチームとカバレッジが、発行額や条件、IRなどを提案する
③顧客が提案した証券会社の中から、主幹事を1社もしくは複数社決定する
④決定したら完全にキャピタル・マーケッツに業務が移る
⑤顧客と相談しながら、ファイナンスを進める
⑤発行した有価証券をスムーズに販売するために、シージケートチームとも連携し投資家の意見を把握する
⑥⑤と並行して、審査のためにバックオフィスなどのチームとも連携する
⑦顧客との意見のすり合わせが完了し、条件をしたのち、実際発行して販売したら完了

簡単に説明しましたが、これでも想像以上にやることが多いなと思った学生はいるのではないでしょうか。ただ案件を執行するだけでなく、他のチームとの連携も欠かさず行い、会社全体で資金調達をしているのです。

ECMとDCMの違い

「扱う有価証券が株か債券か」と言ってしまえばそれまでですが、この差がECM部とDCM部の間に大きな違いをもたらしています。

今回は選考で面接官に「この学生はきちんと勉強しているんだな」とアピールできる代表的な2つの違いをお伝えします。これらの情報を参考に、自分なりの仮説を立てて逆質問を作成するとさらに意欲をアピールできます。

株式での資金調達と債券での資金調達の違い

株式での資金調達は、発行体が投資家から出資を受けることを意味します。ゆえに発行体は投資家に資金を返済する義務がありません。

その代わりに、株主は株主総会に参加できるようになり、企業の経営に携わることができるようになります。「お金は返さなくても良いから、業績を上げて株価を上げることでリターンを生んでほしい」という投資家心理があるからです。

ゆえに株式の引き受けを行うエクイティ・キャピタルマーケット部(ECM)は、景気や投資家の購入見込みだけでなく、その発行が経営に与える影響の大きさや、株式の供給量増加に伴う株価の下落なども検討・分析したうえで案件を執行しなくてはなりません。

また、引受手数料が非常に大きく、投資銀行部門の一番の収益源でもあります。

一方、債券での資金調達は、発行体が投資家から借り入れを行うことを意味します。ゆえに投資家に対して資金の返済義務を負います。

債券購入者は「経営方針がどうなろうと、最終的に資金に利息がついて返ってくればよい」という考えのもとで投資をしているので、引き受けを行うデット・キャピタルマーケット部(DCM)が案件の提案・執行の際に分析・検討すべき事項はECMと比べて少ないです。従って、その分1件あたりの手数料は株式での資金調達案件よりも低くなっています。

以上のことから、発行体にとって、返済能力に見合った資金需要の範囲内であれば株式での調達より債券での調達の方が手軽であると言えます。

①案件数

発行の手軽さや調達コストの低さから、発行体は平時は債券での資金調達を好み、新規事業への進出やM&Aなど、企業としての転換点ともいえる一大イベントの際に株式での資金調達を実施することが多いです。

ゆえに年間の案件数はデット・キャピタルマーケット部(DCM)のほうが多く、その差は圧倒的です。2022年のリーグテーブルを基に、株式での調達と債券での調達の案件数を比べてみましょう。

株式は2022年の1年間で166件執行されたのに対し、債券は1,026件もの案件が執行されました。2022年のコロナや景気後退の影響もあり、資金調達の案件がかなり減少しました。

②1案件のクロージングまでの所要時間

上述の通り、株式での資金調達は検討・分析すべき事項が債券と比べて多いです。ゆえに株式の引受案件の方が、1案件にかかる時間が長いです。

これに対し債券の引受案件は長いものでも数か月、短いもので2週間程度と、比較的短いスパンで次々と案件を執行していきます。

キャピタル・マーケッツで求められる能力

①マーケットへの好奇心・探究心
発行額の設定や、投資家心理の吸い上げの際に、マーケットへの知見は必ず必要になってきます。常に変わり続けるマーケットに対して、最新情報をキャッチアップし続ける姿勢はとても大事になってきます。
学生時代に何か、根気よく調べたり努力したりする経験がとても活きてきます。

②様々な人とのコミュニケーション能力
資金調達の流れでも説明したように、キャピタル・マーケッツのチームは顧客・様々な部署との関わりが欠かせません。顧客と円滑にファイナンスを進めるコミュニケーション力も必要ですし、社内の他部署とのコミュニケーションも案件執行の際に重要になってきます。
学生時代に何か企画したりした際に、他チームとのコミュニケーションの甲斐あって成功した、などの経験が活きてきます。

③論理的思考力
これは、どんな仕事にも重要なことです。顧客とファイナンスを進める上で、顧客の希望などを踏まえてどのような条件が最適か、論理的に考える力が必要になってきます。
これは、面接での結論ファーストや論理的に話す力という点でアピールできると思います。

他にも必要な能力はたくさんあると思いますが、就活生に求められる能力はそこまで多くはありません。

業界研究を進め、視野を広げよう

いかがでしたか。

往々にしてM&Aアドバイザリー業務の陰に隠れてしまう事から、志望者が相対的に少ないキャピタル・マーケッツ業務ですが、実は投資銀行部門の一番の収益源でもあります。投資銀行志望の皆様の中には、その情報の少なさから、キャピタル・マーケッツ業務を志望しようがなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のコラムが、皆様の業界・企業研究、ひいては投資銀行内定の一助になれば幸いです。

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