若手コンサルが意識すべきこと、コンサルを辞めて転職する人が多い理由は?~戦コン内定者が聞いた転職エージェントからのメッセージ~
2023/11/06
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こんにちは、外資就活 コンサルチームです。
今回はある18卒戦略コンサル内定者がコンサル出身の転職エージェントに行なったインタビューをご紹介します。
「コンサルで評価される人間」や意外な戦略コンサル間の転職理由など、コンサル内定者の方はもちろん、現在コンサル就活をしている方も必見の内容となっていますのでぜひご覧ください。
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「戦略策定はスキル」まずは目の前の仕事に3年集中しろ
ーー本日はよろしくお願いします。4月から戦略ファームで働く予定の者です。今回はそれに際して若手コンサルの目標設定や意識しておくべき転職の話などについてお話を伺いたいです。さっそくオープンクエスチョンで恐縮ですが「若手コンサルが意識すべきもの」とは何だと思いますか?
よく戦略コンサル志望者や内定者が勘違いしていることの一つに「戦略コンサルは万能でなければならない」といったものがあると思います。例えば、英語が話せる、プログラミング言語が書ける、ファイナンス関連の資格を持っている、などといったことが挙げられます。
しかし、そもそも戦略コンサルタントが担う問題解決、すなわち 「全社事業戦略領域における企業の課題を解決する」という仕事は、そもそもそれらの複数のスキル成長と同時並行で培えるほど生易しいものではありません。
この戦略コンサルの専門性は基本的にファームに入って実践を積まないと培えないので、まずは腹をくくってこちらを伸ばす事を優先させるべきです。
また、そういったスキルコレクター的な考えを持っている方は基本的に戦略コンサルの仕事、難易度の高さを見誤っているのではないか、とも思います。基本的に戦略ファームが担当する企業はそもそも戦略ファームに月1000万円以上もの大金を払えてしまう超大手企業がほとんどです。クライアント先にはそれらの超大手企業に入れている時点で非常に優秀な社員が多いですし、そういった優秀な方々でも解決できない問題を解決するのはいかに大変な仕事なんだろうかということをまず想像すべきです。むしろ数分で解決できる問題ばかりだと、戦略ファーム業界自体無くなってしまいますしね。
言い換えると 戦略ファームに求められているのは「『業界知識を十二分に持ち、かつ非常に優秀な社員達が解決できない問題』を特定し、解決すること」であり、ロジカルシンキングなどといった「本質的な考える力」を企業が抱える課題に集中的に投下できる事ともいえます。 そのため、より高度な課題解決に集中するために「クライアントが出来る仕事はあえて突き返す」などといった行動をするコンサルタントも多いです。
ーーなるほど。ではまず目の前の仕事を全うすることに全神経を集中させろ、ということですね。
おっしゃる通りです。元々ほんの一握りの人しか入れない業界ですし、出ていく人も多いので3年も戦略ファームで必死に働いていれば業界の若手上位数人に入れるほど市場価値が高くなる可能性が高いです。転職サイトを見ればわかりますが、転職要件で「戦略コンサルティング業務に3年以上従事」といった条件を設定する企業が多いことからも、転職市場価値が高いことは間違いありません。
一方で、先ほど話に上がったスキルの中でも特に 英語 に関してのみ、仕事上必須のファームも多いので、これだけは並行でやっておくべきかもしれません。ですが、結局戦略ファームに入れる方は英語力を身につけようと思えばすぐに身につけられる方ばかりなので、まずは本業である戦略コンサルティングの仕事に全力投球し、若手コンサルとして本気でもがき続けた方がいいと思います。
もがいていく中で見通しが立ったら、英語などのスキルも本腰を入れて身につけるといいですね。
ーー若手といえばまずは資料作成などからですが、「全力投球」とは具体的にどのような業務に全力で取り組むのでしょうか?
ご存知かと思いますが、基本的にどのコンサルティングファームも職位はパートナー・ディレクター・マネージャー・コンサルタント・アナリストといった5つの職位で構成されています。
職位の細かさはファームによりますが、職位ごとの基本的な仕事はどの企業も変わりません。
パートナーやディレクターはファーム全体の経営や案件の獲得が主な仕事となりますし、マネージャーは案件のまとめ役、いわゆる現場統括役的なポジションであり、コンサルタントは案件の一部分のマネジメント、アナリストがそれらの下で調査・分析・資料作成などを行います。
基本的にアナリスト期間は2-3年のため、先ほど申し上げた「3年」というのはまさにこの期間であり、全力投球する対象はこのアナリストの仕事ともいえます。
では何に全力で取り組むべきなのか? という話ですが、案件の進め方からアナリストの仕事を説明すると、案件のアサイン後はまずマネージャーが全体的な進め方や資料の青写真、コンサルタントのパート設定などを行ない、クライアントとの打ち合わせで用いられるブランクスライド(成果物イメージ)をコンサルタントとアナリストに伝えます。
アナリストの仕事はこのマネージャーが考えた内容のメッセージを理解し、資料に落とし込むことから始まります。だからこそ アナリストがまずマスターすべきなのがパワーポイントとエクセルの2大ドキュメンテーションとよくいわれているんです。
マネージャーのメッセージを確認しつつ、スライドを提出し、フィードバックをもらってまた修正…というループを繰り返していくことで彼らは資料作成のスキルはもちろん、マネージャーの視点やその戦略策定の考え方、「考え方の考え方」などまで習得していくことになります。なので、全力投球すべき先はまずはこの資料作成技術を極限まで高め、評価を得ることともいえるでしょう。
もちろん言われたことを機械的に行うのではなく、時としてマネージャーやコンサルタントに「この資料はこっちの作り方の方がいい」といった提言もするなど、能動的な姿勢も持つことも信頼されるには重要ですね。
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ウェットなコンサル業界。評価されるためには社内営業も必要
ーーマインド面において評価されるために必要なことなどはありますか。
マインド面というか人間関係での動き方に近いのですが、実はかなりウェットな業界なので社内営業的なものも重要だったりします。
コンサルタントも人なので公正な評価はできないですし、特に若手のアサインは上司の好みで左右されることもあるので 常に上司に気に入られることは重要なことといえるでしょう。
私も駆け出し時代は出来るだけ社内イベントには顔を出しましたし、意識的に上司に「今度一緒に仕事させてください」とお願いしたりしていましたね。また、「Bさんと仲がいいからあの若手はCさん派閥だ。だから案件にはあまり入れない」といった派閥的なものもあることが多く、出来るだけこの組織の力学を先に理解して動くことが重要かなと思います。いやらしい話ですが。
なので、まずすべきこととして 「優秀なミドルを見つけ、ついていけるようにアピールする」といったことが社内で評価されることに繋がるかなと思います。 もちろん出来るだけ公平な評価をしようと努めているファームばかりですが、こればっかりは完全に公平な評価にはならないですよねやはり。
ーータイプが異なる複数の上司の間で苦しんだことはありますか?
そこまで上司同士の露骨な争いなどはありませんでした(笑)。ただ、マネージャーのやり方一つをとってもかなり人ごとの色があると思います。「Dさんはこの考え方が好きだけどEさんは全く違う考え方をする」などといったことです。「波長が違う」とでもいうのでしょうか。
もちろんDさんの手法をEさんの下で用いてはダメ出しばかり食らうことになってしまうので、上司によってそれらの型を使い分けることも部下の重要な役割だと思いますね。
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戦略コンサルの転職が多い本当の理由
ーー転職についてですが、ポストコンサルの方の転職理由はどういったものが多いのでしょうか。昨今はクビなどもあまり聞かないと思うのですが。
そうですね、景気が良いおかげで採用活動はどこも活発ですし、私たち転職エージェントの業績もおかげで好調です(笑)。冗談はともかく、コンサルを辞める理由も基本的には前向きなものがほとんどだと思います。クビになって辞めてしまうといったこともなくは無いのですが。
キャリアパスは少人数の業界ということもあり多様ですが、多いのが 戦略ファーム間での転職 ですね。
意外と知られていないですが、戦略ファームに代表的な案件ジャンルである中期経営計画(中計)の策定では、中計策定後に実際に現実化したか、同じ企業のその後の経過を3年間ウォッチし続けてどうか、といった長丁場の案件が多いです。
この3年という期間がまさにポイントで、一区切りつけるには良い期間ですし、転職する人は他の業界の案件に携わりたくなって案件が終わった際に他のファームに移るといったケースが多くなっています。3年も同じ業界の案件に携わればかなりの専門性が身につくので、そのままその業界に特化したコンサルタントになる道もあります。しかし、本人の興味関心とは別の場合も多いですからね。結局他の業界の案件を求めて転職する人が多いんです。
当然ファームとしてはその人が出ていくのを食い止めたがりますが、流石に止まらないこともしばしばです。あとは給与水準などを下げたくないから同じ業界にとどまるといった方は多いでしょうね。
コンサルの実態を理解してキャリアプランを考えよう
いかがだったでしょうか。
「戦略策定はスキル」「社内営業は重要」といった印象的な話が多かったと思います。
就活生に転職の話はまだ馴染みが浅いかもしれませんが、キャリアプランを考える際には避けて通れないものでもあります。
既にプロファームに入る事が決まった方もそうでない方も、学ぶべき部分が大いにあったのではないでしょうか。
ぜひコンサル業界の特性を理解したうえで、将来のキャリアを考えてくださいね。
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