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マッキンゼーの採用リーダーが語る「成長する人材」の本質:JOB Discovery Online Keynote Session【前編】

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※本コラムは外資就活ドットコムにて開催したイベント「Job Discovery ONLINE」での基調講演ならびに質疑応答パートの様子をまとめた記事の前編となっています。
後編:マッキンゼーのシニアパートナーが考える「戦略コンサルタントの市場価値」:JOB Discovery Online Keynote Session【後編】

小田原 浩 McKinsey & Company シニアパートナー
東京大学経済学部卒、Northwestern大学Kellogg校にてMBA取得。
日本及び海外の製造業企業のグローバル戦略、オペレーション・組織変革、デジタル変革、新規事業推進、サステナビリティに至るまで、幅広い分野の支援を実施。オペレーション領域では、業界をまたいで小売り・消費財・エネルギー・金融・テクノロジー等の多岐にわたる領域で活動。日本オフィスのオペレーショングループ代表を経て、現在は製造業グループ代表を務める。採用・育成の領域では、日本オフィス新卒採用リーダーを経て、現在は新卒の採用から育成までの全体責任者を担っている。東京オフィス所属。フランクフルトオフィス・シカゴオフィスでの勤務経験あり。

「グローバル」に惹かれてマッキンゼーに入社後、即座に海外でのキャリアがスタート

――最初に、小田原さんが果たしてどういう方なのかというところを皆さんにまず知ってもらいたいと思いますので、自己紹介とこれまでの経歴を簡単にお話いただけますでしょうか。

小田原:今回は折角学生の皆さんが聞いていらっしゃるので、まず私がどういう就活をして今マッキンゼーにいるのか、というところまでまとめてお話しできればと思います。
私は2005年にはマッキンゼーに入社しているので、就活をしていたのは2002年の秋くらいか2003年の春頃にかけてですね。
当時の私は正直、いわゆる「意識高い系」ではありませんでした。大学生活を思う存分楽しんでいたら就活がいきなり始まってしまって「どうしたもんかな」となったくらいで、当時は「何がしたい」という意志はほとんど無かったんですね。

そこで、とにかく「色々な会社と話そう」という事で就活サイトに登録し、時間がある限り色々なセミナーに出ていました。
その中で最も惹かれたのが「グローバル」というキーワードでした。ある外資系の金融企業が説明会の中で非常に「グローバル」という言葉を強調されていたのに魅力を感じ、「じゃあちょっと外資系にトライしてみよう」ということで、外資系の金融、コンサル、消費財、またテック系の会社などに興味を持つようになりました。
ただ当時の私はマッキンゼーの事をほとんど知らず、志望度も高くありませんでした。
セミナーに出てみて「企業のマネジメントにアドバイス・サポートをして変革を一緒にやっていく」という事業説明の中で、ここでも「グローバル」という用語が多く出ていたので「まあ面白そうだな」ということでエントリーをしてみました。

ただ繰り返しにはなるのですが、志望度がそう高くなかったので「ケース面接」がある事も知りませんでしたし、受ける前日も朝の5時くらいまで友達と飲んでいました(笑)。
友達に「マッキンゼーは記念受験でも受けておいた方がいいぞ、人生は一回しか無いぞ」と言われて、眠い目をこすりながら面接を受けたのですが、やっぱりその選考が楽しかったのでしょうね。面接官の方も非常に印象が良く「本当に良い会社だな」と思いました。
その後運良く内定を頂いてから既に20年弱マッキンゼーにいるというわけです。

当時の自分の学びとしては、まず、ちゃんと準備はしたほうがいいと思います(笑)
ポイントとしては、やはり色々な会社で、色々な人の話を聞いていただきたいですね。
やはり就活を始めると「自分の将来やりたいことは何だろう」など色々な事を考えてしまうと思いますが、自分一人で考えていてもなかなか見えないですし、全く興味のない所が意外と良くてそのまま自分の働く場所になる、ということもありえます。
あまり頭でっかちにならず、どんどん色々な人達に会い、様々な会社のセミナーや面接に行ってみる、ということも大事なのかなと思いますね。

続いてマッキンゼー入社後の事についてお話しますが、まずマッキンゼーは非常に「時間軸が早い」会社だと感じました。
入った時に「小田原さんは将来海外で働きたいですか」と聞かれたので「将来って今から5年後くらいかな」と思い「はい、行きたいです」と答えたんですね。そうしたらその1ヶ月後に「来月からフランクフルトに行ってこい」と言われ、「この会社での『将来』って1ヶ月後のことなんだ」と驚きました。「行きたいです」と言った手前断れず、自分は帰国子女でもなんでもなく、英語もそんなに得意ではなかったので非常に苦労しましたが、このヨーロッパでの1年半の経験は今でも非常に役に立っています。
その後日本に戻ってきたのち、2009年からはノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院に行き、MBAを取得しました。ここはマーケティングが非常に有名な学校ですね。
MBAに行った後は半年間シカゴ付近で仕事をし、そして日本に戻ってきて今に至ります。

現在はマッキンゼーのシニアパートナーとして製造業グループの代表をしています。
ただその前はオペレーショングループの代表をしておりまして、そういう意味では私は「インダストリーとしては製造業」「トピックとしてはオペレーション、調達、サプライチェーン、製品開発」を中心に見ているような形になります。
また、昨年までは新卒採用のリーダーをしていましたが、現在は新卒の採用から、ジュニアマネージャーになるまでの育成のところまでを全部統括して見る責任者をしています。

――会社から見たご自身について、どのような点が評価されて入社に至れたとお考えでしょうか?
小田原:「考えるのが好き」だったんでしょうね。
マッキンゼーの面接の中では様々な質問をされるのですが、やはり重要なのは「自分の考えをポジションを取って言えるか」だと思います。なので、そこの部分が結果的に評価されたのかなと思っています。

選考で重視するのは「人間力」。将来のリーダーの卵に必要な要素とは

――「考えること」と「自分自身の意見を持つこと」。それがやはり仕事にも繋がって来るのでしょうか?

小田原:そうですね。それらはやはり仕事にも繋がります。
ただ、自分が逆に採用側の観点で何を見ているかで言うと、基本的にはその「自分で考える力」だけではなく「人間力」を非常に重視しています。

結局、世の中がこれだけ多様化している中で「一人でやれること」には限界があります。
例えば「私はデジタルにすごく詳しいんです」と言っても、その詳しい知識だとか知見を使って「世の中にどんなインパクトを提供できたか」までがセットでないと、結局周りは認めてくれません。なので「自分をちゃんと磨く」ということと同時に、いかに人とコラボレーションをして大きな事を成し遂げていくかという事が重要になります。

そして、人とコラボレーションするためには、やはり人間としての魅力が必要です。どんなに優秀でも、周りに「この人と働きたくないな」と思われてしまったら、仕事はできません。
「人間力」自体の定義は非常に難しいのですが、「人に信頼される力、好かれる力」「人の事を本当に真剣に考えてあげる力」「困ってる時にサポートをしてあげる力」などですね。そういった日々のビヘイビアこそが大事であると、私は思っています。

――なるほど。私も今まで色々な企業の方とお話させていただきましたが、レイヤーが高ければ高いほど「人間力」というキーワードが出てくる気がします。やはりこれが行き着く先にあるもの、という感覚でしょうか。

小田原:はい。スキルや経験だけであれば、自分と同レベルの人材などごまんといます。なので、結局は人間同士のフィットがすごく大事だと思います。
やはり実際に日本の企業を見ていても、仲間作りの上手い会社さんが成功されていますね。自分の会社だけではなかなか出来ない事を自前で1から全部やろうするのではなく、アライアンスを築ける会社です。

例えば非常に良い自社製品を持っているが販売チャネルがない企業が、そのためのチャネルを持っている企業と組むような場合などですね。
自分で一から全部やろうとせず、如何に仲間を沢山作っていくか。それは企業の活動とまったく一緒で、我々の戦い方としても大事になってくることだと思いますね。

――では、どうすればその「人間力」を高められるのでしょうか。たとえば面接などでの「こういう知識を持っています」や「こういうことを学んできました」というアピールの際に「僕は、私は人間力が高いです」とはなかなか言いづらいと思います。
どういうことを経験すれば高められるのか、そして何を伝えれば「この人は人間力がありそうだな」と思ってもらえるのか。この二点をお伺いしてみたいです。

小田原:非常に難しいですね。
学生の皆さんが経験できることには限界があると思います。なので我々としては「現時点で人間力がもうちゃんと全部揃っているか」ということには当然期待はしていません。

――そこまでは求めていないと。

小田原:なので、基本的には何でもいいです。例えばゼミの活動でチームで一緒に何か大きな研究をしたとか、もしくはサークル、バイト、起業でも構わないのですが「自分のしてきたことで、何が自分は人と違うのか」という事をしっかり伝えられることが大事です。

あまり「経験そのもの」で頑張ろうとはしなくていいかなと思います。
例えば「コンサルタントになるためにはビジネス経験がないと駄目なのではないか」ということで、事業会社での企画職のアルバイトや、スタートアップでのインターン、もしくはスタートアップそのものの立ち上げ経験等が無いと駄目なのではないかと思う人もいると思いますが、全くそんなことはありません。
それはそれとして一つの武器にはなるかもしれませんが、やはり我々は「将来のリーダーの卵」を探しているのであって、リーダーそのものを探している訳ではないですからね。
なので、部活でもサークル活動でも構わないので、自分のやってきたことを誇りを持って話してほしいです。

大事なのはそこで自分がどれだけ強い思いを持って、自分の仲間と一緒に活動してきたか。それに誇りを持ってちゃんと語れるかということです。なので、あまり「これじゃなきゃダメ」とは思わない方がいいですね。

マッキンゼーの採用リーダーが考える「成長する人」は「アドバイスを柔軟に受け止められる人」

――次の質問です。採用リーダー・育成リーダーの経験の中で感じられた「成長する人・しない人」の違いをお聞きしようと思います。割と先程までの話と共通するでしょうか、それともまた別のポイントがありますか?

小田原:やはり今の話にもつながるのですが、結局「学生のうちに立てるスタート地点」はほとんど変わりません。当然、例えばビジネスの色々な経験を持っている人の方が多少スタート地点は先かもしれません。

ただ大事なのは、結局その後の「成長スピードの速さ」です。それは基本的には周りからのアドバイスやコーチングを柔軟に受け止める力があるかですね。
自分に自信がありすぎる人の場合、なかなか人のアドバイスやコーチングに耳を傾けられない。そうなるとやはり人は成長しません。

そして、若いうちは色々なことを言われます。私自身も入社したての時に色々言われましたが、今思えば「あの教えは間違っていた」という事も少なくありません。
ですが言われた時点では分からないので、騙されたと思ってやってみる。もしくは「正直ちょっと納得できない」と思いながらも、その場で議論をするのではなくとも、一応意味を考え、自分なりに解釈をして、それを反映していく事が必要だと思います。

結局、アドバイスやコーチングに対して「僕はそう思いません」と言ってしまうと、誰も入って来られなくなってしまうんですね。言ってもらえること自体が財産なので、言ってもらえる環境をまずちゃんと作っておく。
アドバイスを受けて「どう反映するかは自分で考えればいいや」とちゃんと器用に出来る人は成長しますし「いや、そのアドバイスは違うと思います」と皆に言ってしまう人は、もう周りが言わなくなってしまい、その後の成長が難しくなると思います。

スタート地点では、ビジネスのことを何も知らなくても構わない。別にそれはマッキンゼーに入ったらいくらでも知ることになります。大事なのは、いかに柔軟性を持っているかという事だと思います。

――今の自分には謙虚でいながらも、これからの成長や未来の自分にはちょっと自信を持っておいた方がいい、ということですね。

小田原:そうですね。

5年後・10年後の社会の変化を読み解く3つのキーワード、そしてグローバル視点

――先程「人間力」「コラボレーション」というキーワードが出ました。その際、これだけ「これだけ複雑化している社会で、個で解決できる課題はあまり無い」という文脈があったと思うのですが、これから先の未来はどんな社会になっていて、どういう人物が求められるとお考えでしょうか。
今ご覧いただいてる就活生の皆さんもできるだけ早く第一線で活躍したいという思いをお持ちだと思うのですが、彼らのキャリアの全盛期は恐らく十年後二十年後ぐらいになると思います。その頃の社会や日本・世界経済はどんな風になっていると思いますか?

小田原:私なりの考えをお伝えすると、まず人々の生活の仕方が変わると思います。
「ワークライフバランス」ではなく「ライフワークバランス」だとも言われていますが、これまでの我々人間の生き方というものは、とにかく「便利な社会」を求めてきました。移動手段の充実や、スマートフォンの普及といったところですね。
色々な情報がすぐ手に入るようになって、どんどん便利な社会になっていった。いかに「生きやすくなるか」がイノベーションの中心であったと思います。

ところが、せっかく効率性が上がって「生きやすく」なると、我々人間は貪欲なので、またどんどんやることを増やしていってしまいました。
例えば、我々コンサルタントでいうと、昔パワーポイントがなく資料が手書きだった時代は 3日前くらいにドラフトを清書の専門の人に渡してしまうと、その後は資料を一切変えられませんでした。そうすると、プレゼンテーションまでの三日間はひたすら「どういう風にプレゼンしようか」を考える時間に充てられたのです。贅沢ですね。
それが今だと、ミーティングの10分前までPowerPointを直せてしまう。下手すると10秒前でも直せる。すると「いい資料を作らなきゃ」とギリギリまで忙しく仕事をしてしまい、結局便利になったが故にみんなどんどんあくせくあくせくしてしまう、という事が起こります。

なので「今はもう十分便利だよね、より楽しく幸せに生きる事が重要だ」という方向に、人間の働き方は間違いなく変わっていくと思います。

車の運転を例に挙げると、例えばこれまでは「いかに安全かつ耐久性の高い車が作れるか」だけが重要だったのが、今後は「車を運転したい人もいれば運転したくない人もいる」事を踏まえ、運転したくない人には将来「自動運転」という選択肢が与えられるようになります。
そうなると今まで「車の運転」に充てていた時間を何か仕事や映画、趣味など、他のエクスペリエンスに使えるようになるわけです。

そういった個人のエクスペリエンス、生活の「幸せレベル」を高めていくという事が恐らく重要になってくる。
「とにかく沢山働いてアウトプットを出して世の中を便利にしていくんだ」ではなく「一人一人の人が幸せな人生を歩んでいく」方にどんどん焦点が移ってくると思います。
それを前提とした上で、何が重要なトピックになってくるのかと言うと、恐らく「デジタルサステナビリティダイバーシティ」だと思っています。

デジタルは基本的にどんどん世の中を便利にしてきました。そして今後は、より付加価値の低い業務を自動化したり、個人のデータを使って個人のエクスペリエンスをカスタマイズしたりできることによって「より幸せな時間を作っていく」ために重要な要素を占めてくると思っています。

そしてサステナビリティですが、これは我々人間が地球上で生きていくために必要不可欠なテーマです。このままだとどんどん地球環境が壊れてしまうという状況の中、今様々な企業が危機感をもって取り組んでいるテーマですが、今後も引き続き重要になってくるだろうと思います。

あともう一つダイバーシティ、多様性についてです。人の幸せというものは皆それぞれです。「家族の時間を大事にしたい」という人もいれば「友人と色々なことをやりたい」「仕事そのものが好きだ」という人も当然いると思います。
人それぞれ価値観が違う中で、違う価値観を許容できないとこの世界は成り立ちません。そしてその「人それぞれの違い」とは人種、性別の違いであるかもしれません。年齢・年代の違い、また置かれてきた環境など、色々な要素が複合的に絡み合うものです。
あくまでも周りを傷つけない、迷惑をかけないという前提の中で、それぞれの個人が大事にする価値観の多様性をいかに尊重してゆけるか、という事が、幸せな人生を過ごしていく上では不可欠の要素になってくると思っています。

更に、地政学的な観点の重要性も高まっていくと思われます。
ウクライナとロシアの情勢やコロナ禍を経て、いかに世界の経済や物流、情報の流れが密接に繋がっているかという事がよく分かりましたね。情報はともかく、物流は結局「もの自体」が来なくなり、成り立たなくなってしまうわけです。
特に地政学的な国家間の難しい繋がりについては、なかなか日本国内にいると見えてきづらいですが、この部分が将来を予測する上で最も不確定要素となるものだと思っています。
勿論、企業の活動も大きく影響を受けます。例えば私のクライアントにも、ロシアに工場を持ち、これらの対応に非常に追われている企業があります。
今後は多くの企業にとって、地政学的な部分を常にウォッチし続けることが益々大事になってくると思います。

後編に続く:マッキンゼーのシニアパートナーが考える「戦略コンサルタントの市場価値」:JOB Discovery Online Keynote Session【後編】

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