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意外と知らない?戦略コンサルタントの業務内容
こんにちは。外資就活 コンサルチームです。
このコラムでは上位学生に最も人気の高い業界の一つである「戦略コンサルティング業界」について、その仕事内容を詳しく説明していきます。
具体的には、
・戦略コンサルの主要業務
・戦略コンサルの仕事の進め方
・戦略コンサルの魅力
についてご紹介します。
戦略コンサルに少しでも興味のある方は、まずこのコラムを読み仕事のイメージをつかみましょう。また現時点では興味のない方も、志望業界の選択肢を広げるという意味でぜひご一読ください。
戦略コンサルの主要業務は「戦略立案」「DD」「オペレーション支援」の3つ
戦略コンサルの仕事は、企業の問題点の発見やさらなる成長戦略を外部から分析して提案を行うことであり、端的に言えば「企業のお医者さん」や「企業の作戦参謀」などと表現できるでしょう。
その中でも、大手の戦略コンサルティングファームは、日本を代表するような大企業や政府機関をクライアントとして、クライアントが成長・状況回復するために必要な大きな意思決定を外部から補助しています。
戦略コンサルの主な仕事内容は、大きく分けて3つあります。
②DD(デュー・デリジェンス)
③オペレーション支援
戦略立案は想像に難くないと思いますが、一方でDDやオペレーション支援については聞きなれない方もいるのではないでしょうか。
では、これら3つの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
①戦略立案|企業の経営戦略策定を行う
戦略立案とは、その名の通りクライアント企業の戦略を立案する仕事です。中期経営計画の策定の手伝いをすることもあれば、「利益率の悪い事業部をどのようにして黒字化するか?」や、「○○事業に参入すべきか?(や新規事業立案)」などの難しい経営課題への解を、3ヶ月から半年という短期間で出すことが求められます。
答えのない問いについて考えることは、難易度が高い分やりがいを感じる人も多く、戦略コンサルの花形の仕事と言えるでしょう。一方で純粋な戦略案件というのは減少しつつあり、実行支援まで行うファームが増えてきています。
②DD(デュー・デリジェンス)|企業の価値を算定し買収の支援をする
DDとは、特定の企業に対して評価を行うことで、主に買収予定の企業に対して行います。金融の面での評価を行うファイナンシャル・デュー・デリジェンス、法律面での評価を行うリーガル・デュー・デリジェンスなど、DDの種類はさまざまです。
その中でも、コンサルティングファームが行うDDは、ビジネス・デュー・デリジェンスと呼ばれ、買収対象企業と対象市場の将来性や自社とのシナジーを分析し、その企業は買収する価値があるのか否か、事業面からその企業の買収価値を算定して、クライアントが買収する意思決定をアドバイスする仕事になります。
DDは、仕事量が多いにも関わらず、一定期間内に買収契約を締結したいファンド側の都合から、1ヶ月か2ヶ月という短期間で仕事を行う必要があり、非常に忙しくなります。DDの案件が多ければ、ワークライフバランスはあまりよくないかもしれません。
一方で、色々な業界・企業のビジネスモデルを短期間で一気に把握しなければならず、身につくことが多い仕事でもあります。また多くの場合ファンドがクライアントなので、コンサル出身者や投資銀行出身者と仕事ができることや、フィナンシャルデュー・デリジェンスやリーガル・デュー・デリジェンスに携わっている、金融や法律のプロフェッショナルと仕事ができることにやりがいを感じる方も多いようです。
③オペレーション支援|コストの削減をする
オペレーション改善とは、主に業務オペレーションを改善し効率化することです。オペレーション改善によって営業力・生産力向上やコスト圧縮を実現し、売上・利益を向上させることができます。
オペレーション改善の仕事は、元々は総合系のコンサルティングファームが得意としていた分野ですが、ファームに知見がたまりやすく方法論が確立しやすいことや、さまざまな顧客に同じ方法論を提供できる汎用性から、案件獲得のコストパフォーマンスが良いというメリットがあります。
そのため、このテーマのプロジェクトを戦略コンサルも積極的に増やしているのが、現在のコンサルティング業界の一つの傾向です。
④その他|人事システム構築、営業支援、デジタルトランスフォーメーション支援
またその他にも、人事システムの構築や、営業の効率化など、企業の成長につながる多様なテーマを扱うこともあります。
近年のトレンドとして、戦略コンサルティングファームが企業のデジタルトランスフォーメーションを支援することも増えてきており、BCGのようにデジタルトランスフォーメーション専門の別会社を作る場合もあります。
以上、戦略コンサルの仕事内容を簡単に説明しました。
ファームによっては、DD案件ばかりのファームやオペレーション支援案件ばかりのファームもあります。そのためファームの特徴について調べる場合には、クライアントの業界の特徴だけでなく、案件の種類に注目すると良いでしょう。
・3大戦略ファーム「MBB」の特徴と受けるべき時期 ~外資系戦略コンサル主要企業紹介(1)~
・MBBだけ受けたら後悔する「有名戦略ファーム9社」の特徴・選考情報まとめ ~外資系戦略コンサル主要企業紹介(2)~
・有名ファームより魅力的!? 知る人ぞ知る小規模戦コン各社まとめ ~外資系戦略コンサル主要企業紹介(3)~
戦略コンサルの仕事の進め方
戦略コンサルの特徴として、短期間・少人数で仕事をすることが挙げられます。実際のプロジェクトの期間としては3カ月から半年というものが多く、プロジェクトチームは4~5人で編成されることが一般的です。
また、チーム内の編成は一般的に以下のようになっています。(コンサルティングファームの職位については次回以降のコラムで詳細に解説します)
・マネージャー(入社7年目~) :1名
・コンサルタント(入社3年目~):1名
・アソシエイト(入社1年目~) :1~2名
ここからは戦略コンサルがどのようにプロジェクトを進めているのかをご説明します。
「分析→仮説構築→仮説検証」を繰り返す
答えのない問いに挑むにあたって、コンサルタントは「分析→仮説構築→仮説検証」を繰り返します。ここでは戦略案件を例にして、彼らが具体的にどのように問題解決をしているかを説明します。
STEP1:分析
まずは、その企業が抱える課題を特定するための分析から始めます。この際、やみくもにデータを漁ると膨大なデータに埋もれてしまうので、「3C」(自社: company, 競合: competitor, 消費者: consumer)や「ファイブ・フォース」(売り手の交渉力、買い手の交渉力、業界他社の脅威、新規参入の脅威、代替品の脅威)といったフレームワークを用いて分析をしたり、簡易な仮説を立てた上で分析します。
STEP2:仮説構築
分析によって出てきた課題をもとに、今度は「解決策の仮説」を構築します。仮にこの後の検証のプロセスで、仮説が誤っていることが分かっても、正しい分析を元に仮説を立てていれば仮説を修正するのが容易になります。
STEP3:仮説検証
構築した仮説が正しいかどうかを検証することで、仮説の精度を上げる作業です。データを探して論理性を補強したり、実際に脚を使って現場の様子を見るような泥臭い分析も求められます。
以上の3ステップがコンサルタントの基本的なワークフローです。しかし、実際には検証を進めた結果、構築した仮説が正しくないケースが多くあり、その場合は仮説を修正する必要があります。
そうした際には、チームメンバーとの議論やさらなる分析を行い、STEP1からSTEP3を繰り返すことで、よりもっともらしい結論を導き出します。
また、プロジェクトチームでは、それぞれの業務を以下のように分担します。
・マネージャー :仮説の構築・修正
・コンサルタント:アソシエイトへの仕事の割り振りとモニタリング、プレゼンのストーリー作成
・アソシエイト :仮説検証・資料作成
新人であるアソシエイトは、マネージャーが立てた仮説の検証が主な仕事です。職位が上がれば上がるほど、仮説構築やプレゼンストーリーの作成など、プロジェクトの上流の仕事を中心的に担うようになります。
パートナーは、プロジェクト開始後は最終クオリティチェックしかしません。彼らの主な仕事は営業、すなわち案件獲得だからです。ちなみに、ファームによってはパートナーが営業を行う時点で、仮説構築や仮説検証のポイントをある程度決めてしまっている場合もあります。
プロジェクトのスケジュール感について
一般的な戦略案件の場合、3カ月から半年ほどのプロジェクト期間で、下記のようなタイムラインでプロジェクトが進んでいきます。
②「初期仮説」「分析方法・検証方法」「スケジュール」をクライアントと決定
—————プロジェクト開始—————
③キックオフ
④中間報告
⑤最終報告
まずプロジェクト開始前に、パートナーがクライアントに対して、有価証券報告書などの公開されている情報から作成した大まかなプロジェクト提案書を持って行き、「このようなプロジェクトを行いませんか?実施すると●●億円のリターンが見込める可能性が高いです。」などと営業を行います。
そこでプロジェクトを開始することが決まった場合、最初にクライアントとプロジェクトの「ゴール」「初期仮説」「分析方法・検証方法」「スケジュール」などを決めます。
初期仮説とは、「XX事業部は、Aという商品が■■という点で現在課題があるのではないか。これを○○という風に改善すると、●●億円のリターンが見込めるのではないか?」といった、課題と戦略案の仮説です。あくまで仮説なので、本当に正しいのかプロジェクトにして検証することが必要です。
分析方法・検証方法とは、例えば「XX事業部の過去数年間の販売実績・顧客や販売方法の特徴分析」や「内部の社員へのインタビュー」「販売現場や製造現場の視察」「消費者への聞き取り調査」などです。初期仮説を高確率で検証できる方法をとりまとめる必要があります。
そして、この分析・検証をいつ誰がどのように実行するかを「スケジュール」にまとめます。これらが決まったらプロジェクト開始です。
定期的にクライアントとミーティングをしながら、仮説→検証→仮説修正……を繰り返し、中間報告に向かいます。
プロジェクトの過程では、次々に新しい事実や情報を得ることになります。それによって99%のプロジェクトでは最初に立てた「仮説」をどんどん修正することになります(それが「初期仮説」と呼ばれる所以です)。
中間報告でプロジェクトの進捗を確認し、さらに仮説検証を加えていくことで、最終報告を行います。
戦略コンサルタントの魅力・やりがい
早期に企業の経営・意思決定に携わることができる
一般的な企業(特に大企業)では、ある程度キャリアを積まないと経営に携わることは難しいです。
一方で、戦略コンサルタントでは、新卒でも大企業のCEOなどのエグゼクティブと一緒に、その企業の戦略や経営方針を考えていきます。
業界・領域横断的なプロジェクトを経験できる
コンサルティングファームにもよりますが、対象とする業界や領域が幅広いことが特徴です。
例えば、製造業のコストカットや、運輸・物流のDX化など様々です。
業務内容を理解して就活に活かそう
今回のコラムでは「戦略コンサルタントの仕事内容」について解説しました。
戦略コンサルの業務内容や、仕事の進め方についてご理解いただけたのではないでしょうか。
志望動機や就活の軸を考える上で、その職種・企業の人がどんな仕事をしているのかを知っておくことは大切です。
次回以降のコラムでは戦略コンサルの職位ごとの役割や、キャリアパスについてお伝えしていきます。
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