SPI対策の教科書～SPI採用企業一覧から対策本まで全てを解説～

こんにちは。外資就活 編集部です。

多くの就活生が避けて通れないもの、それはSPIです。SPIとは企業が学生に課す適性検査のことで、数多くの企業で選考フローに取り入れられています。そして毎年多くの就活生がその対策に追われています。

ですがご安心ください。このコラムを読んで早期からSPIの概要を知り、少しでも早く対策をしておくことで、他の就活生に差をつけられます。また、面接練習や説明会などに回す時間を捻出でき余裕を持って就活を進められます。

SPIの結果は一年間使い回せることからも早い時期からのSPI対策は得策だと言えます。就活にはタイムリミットがありますので、今からSPIの内容と対策方法をしっかりとインプットしておいて、最高のスタートを切りましょう。

SPIとは代表的な適性検査の一つ

就活では主にESを提出した後に、Webテスト・筆記試験が課せられます。そこで登場するのがSPIです。

SPIとはSynthetic Personality Inventory（総合適性検査）の略称です。

SPIも年々バージョンアップされており、現在はSPI3が利用されています。つまり、これからみなさんが受検されるSPIは全てSPI3（以下「SPI」）ということになります。

企業はこのSPIの結果で学生の能力を判断し、選考通過の可否を決定します。また、企業によっては初期配属を決める際に参考にすることもあるようです。

ここで気をつけるべき点は、「SPIは数ある適性テストの一部であり、SPI以外にも多数の適性検査・適性テストが存在する」ということです。

まずは、自分が受ける必要のあるテストを事前に調べ、いつどのテストの対策をするべきなのかを明確にする必要があります。採用HPには基本的に記載がないため、受検する企業が決まっている場合は、選考体験記を活用してその企業の適性検査の有無や種類を調べてみてください。

その他の代表的な適性検査は、①玉手箱　②TG-WEB　③GAB　④CABの4種類です。SPIの説明の前に、それぞれの適性検査の特徴について詳しくご説明します。

玉手箱

玉手箱とは、就活で用いられるテストとしてSPIに次いで高いシェアを誇っている適性検査です。皆さんも受検する機会が多いでしょう。

出題される問題内容は計数・言語・英語に大きく分けられ、計数では四則逆算や図表の読み取り、表の空欄の推測などがあり、言語では論理的読解、趣旨判定、趣旨把握などがあります。英語は長文読解、またそれに伴う趣旨把握などです。英語に関しては実施する企業としない企業があります。

同じ「玉手箱」という試験形式を課していても、企業によって内容は異なります。特に計数は出題内容によって対策方法が大きく異なるため、選考体験記などを活用し予め確認しておきましょう。

外資コンサル内定者のAさんは、「玉手箱は簡単な問題から難しいものまで幅広い問題構成となっているにも関わらず一問あたりに割ける時間が短いため、時間配分に気をつけることが大切だ」と語っています。

簡単なものを早く確実に解くことを意識して、時間との戦いに勝利しましょう！

採用している企業は主に以下のとおりです。

TG-WEB

TG-WEBとは、外資系企業を中心に日系大手企業でも採用されているWebテストです。新型と従来型の二つの出題形式がありますが、現在の主流は従来型となっています。

問題は言語・計数・英語・性格診断で構成されており、言語では、長文読解問題や空欄補充問題、並べ替え問題などが出題されます。特に長文読解は高い抽象度と難易度を誇るため対策が必須です。

計数では、展開図・暗号・推論などの問題が出題されます。特に推論は高校までの数学の内容を超えた高い難易度の問題となっています。

英語は、長文を読んで設問に答える問題2題の出題です。

SPIよりも問題自体の難易度が高いことが多く、「なじみのない問題が出題されたため初見では歯が立たなかった」という意見も多くあります。しかし、問題の解き方を一度理解しておけば対応しやすくなりますので、事前の入念な対策や場数を踏むことが大切です。

採用している企業は以下のとおりです。

GAB（ギャブ）

GABとは大卒・短大卒を対象にした新卒総合職の採用のために開発された検査です。言語・計数ともに、長文や図表の読み取りを短時間で回答する必要があり、相当な処理スピードが求められます。そのため、多くの就活生からGABが最も難しいと言われています。

問題内容は言語・係数の二つとなっています。グローバル展開する企業のために、英語でも同様の試験が受けられるグローバル版にも対応しており、世界統一基準で選考をする必要がある企業などに強く支持されているテストです。

24卒では、5大商社全てテストセンターでのGABが出題されました。

採用している企業は以下のとおりです。

CAB（キャブ）

CABとは、IT関連職の適性を診断するテストです。CABで出題される問題の種類は暗算・法則性・命令表・暗号の四つです。SEやプログラマーなど、IT関連職の職務適性だけでなく、バイタリティやストレス耐性など、入社時に企業側が知っておきたい個人の特性を予測することも目的としています。

以下のような企業がCABを採用しています。

数多くの企業で採用されているSPI

周知の方も多いとは思いますが、SPIは最も多くの企業が使用している適性検査であり、誰もが就活で避けては通れない道といっても過言ではありません。

就活生から人気の高いトップ企業の多くがSPIを採用しており、足切りとしてSPIを用いている企業も少なくはないでしょう。

あくまで参考ですが、以下の企業などがSPIを用いています。

上記に挙げた企業以外にも多くの企業がSPIを用いており、人気企業ほど、ボーダーが上がる傾向にあるため、難関企業を目指す皆さんは早い時期から対策をしておくべきでしょう。

SPIは二つの能力検査に分けられる

SPIの能力検査は、働く際の基礎能力を測る「能力検査」と、応募者の人となりを把握するための「性格検査」の二つに分かれます。

能力検査

能力検査は以下の四つの科目に分かれています。

その中でも言語と非言語は必ずと言っていいほど課されますので対策は必須だといえます。
また、アビームコンサルティングやボストン コンサルティング グループ等、論理的思考力を重視する企業は構造的把握力を課す傾向が見られます。

受検科目は企業によってさまざまですので、自分の受ける予定の企業をきちんとチェックしましょう。

実際の問題は、以下のような形式で出題されます。

性格検査

性格検査は日ごろの行動や考え方などについての多角的な質問から、その人がどんな人なのか、どのような仕事や組織に向いていそうかなど、人となりを把握するために実施されます。

「行動的側面」「意欲的側面」「情緒的側面」「社会関係的側面」の四つの性格面から測定します。

性格検査は全て自己申告なので、例えば、集団行動に苦手意識を持っている就活生が、協調性を大切にする風土の企業を受検する際に「私は協調性がある」といった項目にYESをつけてしまうケースがあります。

このように、企業が求める人物像にフィットするように答えたくなってしまうこともあると思いますが、SPIには自分をよく見せようと偽って回答したことを指摘する機能も存在しているので、ご注意ください。

もちろん筆者としては、自分のことを受検先企業にしっかり理解してもらうためにも正直に答えることをお勧めします。

SPIの受検方法は大きく分けて3種類

SPIの受検方法はテストセンター、ペーパーテスト、Webテスティングの3種類となっています。その中でも圧倒的に使用されることが多い受検方法はテストセンターで、その次に扱われているのが自宅受検のWebテスティングです。

なお扱っている企業は少ないものの、ペーパーテストなどの受検方法もあります。事前に自分が受ける予定の企業が採用している受検方法の確認・対策をしておきましょう。

テストセンター

リクルートキャリアが運営する会場で実施されます。自分の都合の合う日程・会場のパソコンで試験を受けるスタイルです。札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7主要都市に会場が常設されています。 また、受検者が多い時期には、臨時で全国47都道府県に会場が設置されます。

Webテスティング

インターネットを経由してパソコンでテストを受ける方式です。パソコンがあれば受検者はどこからでも受検することができます。なお、スマホからの受検は基本的に認められていません。
※どこからでも受検できますが、自分が集中できる環境を選びましょう。

ペーパーテスト

指定された用紙にマークシート方式で記入して回答する形式です。応募先の企業が用意した試験会場で開催される場合はこのケースが多いです。

各テスト形式ごとの時間配分

各テスト形式ごとの時間配分は以下のようになっています。受検方法によって、試験内容自体にも違いがあるので注意しましょう。

トップ企業内定者が語るSPIの対策方法

日系戦略コンサル内定のAさんが自らの就活経験を踏まえ、対策方法とお勧めの本を教えてくれました。

SPIの点数を上げるコツとして、あまり多くの参考書に手を出すのではなく、一つの問題集を繰り返し解くことが大切です。またどのようなテストなのか理解するうえでも早い時期に一度問題集を解いてみましょう。

志望企業と割ける時間に応じて対策方法は異なりますので、ご自分の状況に合わせて取り組む本を選んでください

①対策にしっかり時間を割ける人向け

「ボストン コンサルティング グループやゴールドマン・サックスといった難関企業を受けたい。でも算数が苦手。」という方は、ナツメ社より出版されている「史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集」がお勧めします。

この問題集を2～3周やれば、基本的にどの企業の選考でも通過できるレベルになるはずです。ただし他の本と比べ問題の量が多く、難易度も高いため、しっかりと勉強しないと中途半端で終わってしまう可能性がありますのでご注意ください。

②そこそこの対策で済ませるつもりの人向け

上記ほど時間を割けないにせよ、SPIの対策はしなくてはいけないという方はSPIノートの会が出版している「主要3方式＜テストセンター・ペーパー・WEBテスティング＞対応】これが本当のSPI3だ! 」がお勧めです。

ナツメ社のものより問題数や難易度は若干低くなっているため、取り組みやすく、解説も分かりやすいです。

③サクッと問題に慣れておきたい人向け

中学受験を経験し、SPIのような問題に自信がある人は「こんな感じの問題が出るんだ」と慣れておく程度で良いでしょう。

その場合は「7日でできる! SPI【頻出】問題集 （高橋の就職シリーズ）」がオススメです。全ての問題を解くのではなく、ジャンルごとに数問解いてみるだけでもざっくりとした解き方を掴むことができるでしょう。

SPIはとにかく問題への慣れがものをいいます。問題集を何周も解き、問題を見た瞬間に「あ、これはあの解き方だ」と思い浮かべることのできるレベルになりましょう。

SPI対策のカギは、本番さながらの演習とその繰り返し

問題を解く際は、自分にプレッシャーをかけましょう。本番のSPIはかなり時間的制約が厳しいです。そのため問題集を解くときも、ストップウォッチで時間を測り、一問一問にかける時間をしっかり管理することで、より質の高いSPIの学習を行うことができます。

また、SPIは問題数に限りがあるため、何度もテストセンターに足を運ぶと、「あ、この問題前回も出たやつだ」となることが多くなります。一度テストセンターで受けて解けなかった問題は、問題を覚えているその日のうちに解き方を調べておくといいかもしれません。

SPIを攻略し、内定獲得へ近づこう

いかがだったでしょうか。

今回のコラムでは、SPIの内容とその対策方法をご紹介しました。

「SPIを避けて就活をすることは不可能」と言っても過言ではありません。どうせやらなくてはいけないなら、これから本格的に就活を始める皆さんは少しでも早く対策をしておくことで志望企業へと近づくことができるのではないでしょうか。

今からできる事はたくさんありますので、ぜひ他の記事も参考にして対策をしてみてください。

皆さんの就活が少しでも有利に進むことを願っております。