【保存版】 IT業界の職種・業務内容を徹底解説! (システムエンジニア,プログラマー,ITコンサルタント,プロデューサー,営業)
2023/11/23
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こんにちは、外資就活コラムチーム ryoです。
IT業界の多くの企業ではSE職や営業職といったように、 職種別採用を実施している企業が多く、それぞれの職種について理解が非常に重要 です。
例えば、皆様はソフトウェアエンジニアとシステムエンジニア(SE)の違いをご存じでしょうか。
ソフトウェアエンジニアは開発工程の中で実際に開発を行うことが主な業務内容で、一方のシステムエンジニアは開発工程の中でも初期段階のシステム設計や、システムリリース後の運用・保守が主な業務内容です。
このように一言で「エンジニア」と言ってもその業務内容は大きく異なります。
しかし、特に文系出身などのIT業界未経験の方にとっては馴染みが薄く、専門用語なども多いため、IT業界における職種の違いやそれぞれの職種の実際の業務内容などが分かりにくいと思います。
「今後の世の中で必須となるITスキルを0から学びながら多様な業界や企業との関わりを持つことで、社会を俯瞰的に見ることが出来る」という観点から、私自身IT業界を中心に就職活動を行っていましたが、文系出身だったので就職活動を始めた時はIT業界特有の職種や専門用語に関して分からないことだらけでした。
しかし、就職活動を進める中でIT業界の職種や業務内容について理解を深めることができ、最終的には文系ながらIT企業の営業職やSE職として内定をいただくことが出来ました。
今回はそんな文系出身の私が、大学在学中に経験したIT企業での法人営業の長期インターンシップなどでの経験も踏まえ、IT業界未経験の方でも分かるように、 IT業界の職種 について丁寧に解説していきます。
尚、今回の記事はIT業界徹底研究 就職ガイド2023年版 - 日経BPを参考に作成しています。
システム設計フロー・コンテンツ制作フローと各職種の関わり方
各職種についての理解を深めるために、まずはシステムの設計フロー図及びコンテンツ制作フロー図で各職種の関わり方を確認しておきましょう。
システム設計フロー には、NTTデータや野村総合研究所、富士通といった、主に企業に対してシステム提供を行うSIerが該当します。
また、 コンテンツ制作フロー には、主にウェブ・インターネットビジネス事業を展開するIT系の事業会社が該当します。
IT業界の職種一覧
ここからは、具体的な職種と業務内容、求められるスキルについて紹介します。
1.システムエンジニア(SE):主にSIerやソフトウェア業界
①特徴・業務内容
・SEは、 システムの設計や運用・保守に関わり、案件ごとに編成されるプロジェクトチームにメンバーとして参画する職種です。
・業務領域により、「業務アプリケーション系」と「基盤系」と「保守・運用」の3種類に分けられます。
◇業務アプリケーション系SE:
システムの構成要素のうち、顧客情報管理などの企業の業務を支援するための「業務アプリケーションソフト」などの開発を担当します。
◇基盤系SE:
コンピュータ本体やネットワークといった「ハードウェア」、及びWindowsなどの「OS」、OSとアプリケーションソフトウェアの中間的な機能を持つ「ミドルウェア」から成るシステム基盤の設計を担当します。
◇保守・運用SE:
システム稼働時のエラー原因を取り除いたり、ハードウェア及びOSのアップデートなど、システム稼働後の修正作業を担当します。
②3つの求められるスキル
・IT全般の基礎的な知識とスキル
システム開発フローにおいても幅広いフェーズに携わるため、コンピュータやネットワークに関する基礎的な知識、プログラミングやシステム設計といったITスキルは必須です。
しかし、新卒でSIerなどのSEとして入社する場合、文系出身の学生をSEとして採用している企業も多いように、ITに関する高い専門性が求められないケースが一般的です。
ただIT業界のSE職の就職活動における私自身の実体験から申し上げると、文系出身など関係なくプログラミング言語を用いた開発経験や開発フローなど、ITに関する経験や知識について問われることは多いため、特にITと離れた領域の学問について学んでいる学生は、プログラミングなどに少しでも触れておくことをおすすめします。
・業務に関する知識
顧客である企業のシステムはビジネスをサポートし、支援するものであるため顧客企業の業務を深く理解しておく必要があります。
・コミュニケーションスキル
「エンジニア」と聞くと、「パソコンと向き合う」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、社内外問わず多くの人と関わり、関わる人々の間で開発内容を正しく理解するためのコミュニケーションスキルは重要です。
③キャリアパス
例えばSIerにSEとして入社した場合、まずはプログラミングなどのITに関する基礎的な知識やスキルについて学び、数年後には複数のSEやプログラマーから成るチームのリーダー役であるプロジェクトマネージャーになる人が多くいます。
また、業務アプリケーション系SEの場合、基礎的なIT知識やスキルを学んだうえで、業務の在り方など更に上流工程に遡って提言することが出来るITコンサルタントへ転身する人も多くいます。
一方で基盤系や運用/保守SEの場合、特定の技術領域を磨き、プロジェクトにおけるアーキテクチャー設計や技術の選択における責任者であるITアーキテクトになる人もいます。
この他にも事業系会社のIT部門に転職し、特定の事業を展開する企業をIT分野から支えるキャリアパスもあり、SEには多種多様なキャリアパスがあります。
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2.プログラマー:主にインターネット・ウェブ業界やソフトウェア業界
①特徴・業務内容
・コンピュータで動作するソフトウェアを開発する職種です。
・仕事の種類は3つに分けられ、それぞれで使用するプログラミング言語も異なります。
◇パッケージ開発:市販のソフト製品の開発
◇ウェブサイト開発:ECサイトなどのウェブサイトの開発
②3つの求められるスキル
・プログラミングスキル
開発用途に応じたプログラミングを書くスキルだけでなく、品質の高いコードを効率良く書くスキルも求められます。
新卒でプログラマーとして入社する場合、SEとして入社する場合よりも高いプログラミングスキルやITに関する知識が求められます。
したがって、新卒からプログラマーとして活躍したい方はプログラミング言語やITに関する知識を深め、自身のスキルをアピールできる実績作りが重要と言えます。
・論理的思考力
プログラムは単体で成り立つものでは無く、複数の処理を組み合わせながら形成されています。そのような複雑な処理を論理的に組み立て、コードに落とし込み、形にするという高い論理性が求められます。
・コミュニケーション能力
SE同様、エンジニアという職業柄「パソコンに向き合う」というイメージが強いかもしれませんが、仕様の調整など社内外問わず多様な関係者とプロジェクトを遂行する仕事の進め方になるため、コミュニケーション能力は大変重要です。
③キャリアパス
専門性の高い職業であるため、プログラマーとしての道を極める人が多いでしょう。
「1つの言語で様々なシステムを開発出来る」といったように、プログラミング言語の汎用性は高いため、専門とするプログラミング言語を武器に事業領域が異なる事業会社への転職を行いつつ、市場価値を高めることも可能です。
また、ランサーズのように「個人で開発を受託し、報酬を得る」というサービスも普及しているため会社から独立した働き方の選択肢もあります。
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3.ITコンサルタント:主にITコンサルティング業界や一部のSIer
①特徴・業務内容
・顧客企業が抱える経営課題をITの力で解決する職種です。
・仕事の進め方としては、 チームを組んでプロジェクト単位で業務を進めるケースが多く、顧客企業の悩みや要望を聞きつつ業務の実態を明らかにした上で、新たに導入するシステムと業務の在り方を考え、顧客企業に対して提案を行います。
・他のIT業界の職種と比較して顧客企業の経営により近い立場で業務に取り組むため、 求められるIT知識やビジネスに関する知識、成果の高さは高いですが、そのような環境で業務に取り組むことで、その分ビジネススキルの成長スピードは早いといえます。
②3つの求められるスキル
・論理的思考力
顧客企業の経営課題を的確に捉えるために重要なのが論理的思考力です。
顧客企業が抱える経営課題は、顧客企業自身が明確に把握しているケースは少なく、そういった複雑な経営課題を洗い出し、体系立てながらクリティカルなソリューションを提案する力が必要です。
・経営とITに関する知識
現代の企業にとって、社員同士の連絡や利益計算、販売促進など、一連の業務においてITツールは欠かすことが出来ない存在であり、経営とITは密接に関わっています。
それらのITの仕組みを経営の視点から、顧客企業の個々の課題に応じて導入していくのがITコンサルタントの業務内容であるため、経営とITに関する知識は必須と言えます。
・知的体力
顧客企業がITコンサルタントに依頼する案件は「前例が少ない」「規模が大きい」といった難易度が高い案件であることが多く、すぐに解決案を見つけることが出来ないケースが多くあります。
そのような困難な場面においても、諦めずに考える力がITコンサルタントには求められます。
③キャリアパス
今後の社会において欠かせないITに関する知識を身に付けられるだけでなく、幅広い業界や企業を経営的な視点から俯瞰出来る点から、即戦力として活躍することが出来る力を持ち合わせているITコンサルタントは市場価値が高いと言えます。
ITコンサルタントとして幅広い業界の幅広い顧客との関係を持つ中で、業界や企業を改めて俯瞰し、「自分自身が本当に実現したいこと」を発見し、特定の商品やサービスなどを展開する事業会社に転職する道もあります。
また、近年ではITコンサルタントとして活躍する中で経営に関する視点やナレッジを獲得し、企業の経営層や起業家になる方も増えています。
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4.プロデューサー/ディレクター:主にインターネット・ウェブ業界
①特徴・業務内容
・ウェブサイトやビジネスツール、ゲームなどといったコンテンツの制作・運営を指揮し、ビジネスにおける目標達成に対して責任を担う職種です。
・仕事内容は大きく3つに分けられ、以下の流れで仕事に取り組みます。
◇コンテンツの全体像の決定:
ビジネス上の目標に向け、ウェブサイトなどの仕様や機能といった全体像を決定します。
◇担当者同士の橋渡し:
コンテンツを作り上げていく中で関わるプログラマーや営業担当者、顧客のサポート担当者など、様々な分野の専門家を1つのチームとして束ね上げ、1つのゴールに向けてチームを導きます。
◇進行管理:
コンテンツの稼働日から逆算して必要な人材や予算を確保し、期日に間に合うようにプロジェクトを管理します。
②3つの求められるスキル
・マーケティングに関する知識
ウェブサイトといった「コンテンツ作成」がゴールではなく、その先の「ビジネス上の目標達成」がゴールであるため、「作成したコンテンツをいかに世の中に広げるか」や、「作成したコンテンツを多くの人に利用してもらうためにどのようなチャネルを使用するとより有効か」といったマーケティングに関する知識が必要です。
・インターネット分野に関する知識
インターネットを支えている基礎的な技術に関する知識や、ネットサービスやシステムの最新動向といったIT及びネットワーク分野における最新動向など、業務に直接的に関係するインターネット分野に関する知識を押さえておくことは重要です。
・リーダーシップ
多様な立場に立つチームメイトをまとめあげ、目標に向けてプロジェクトを前進させる推進力が求められます。
私自身長期インターンシップの中でウェブサービスの運営に携わっていた経験があり、その中でプロデューサーとディレクターの役割を担う方と関わる機会が多くあったのですが、社内のデザイナーやプログラマー、営業担当者だけでなく、社外のサービス開発会社など、様々な立場の人々を巻き込み事業を進めていたため、問題が生じた時の判断力や、様々な専門家とコミュニケーションをとり、まとめあげていくための幅広い領域に関する専門性を含めた総合的なリーダーシップ力がプロデューサーやディレクターには求められると実感しています。
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③キャリアパス
プロデューサーやディレクターに求められる知識やスキルは幅広いため、就業経験の浅い人がプロデューサーやディレクターになることは難しいことが一般的です。
しかし、ネットビジネスの世界は歴史が浅く変化が激しいため、SNSやECのShopifyといった新しく登場するツールをキャッチアップし、ネットビジネスに落とし込む力が重要でもあるため、実力次第では若手からプロデューサーやディレクターに任されることもあるでしょう。
そういった観点で、若手のうちからプロデューサーやディレクターとして活躍したい方は、SNSなどの様々なチャネルに積極的に触れ、アピール材料としてネットビジネスなどで成功した経験や実績を残すことが重要だと言えます。
5.営業:主にSIerやインターネット・ウェブ業界
①特徴・業務内容
・IT業界において営業職を多く採用するのはSIerであり、SIerの営業は主に自社のシステムやマルチベンダーシステムを顧客に売り込む業務が中心となります。
・顧客と社内の間のバランスを取る役割も担っており、社内で実際に開発を行うのはSEなどの技術系の職種であるため、顧客のイメージとのズレが生じないように社内外とコミュニケーションを取りながら業務を遂行します。
・最近では単に「営業」と呼ばず「コンサルタント営業」と呼ぶ企業も増えており、その背景には、「ただシステムを売る」という姿勢ではなく、「顧客から悩みや課題を聞いた上で自社のシステムを提案する」という営業の形態になっている背景があります。
この観点で、「ITコンサルタントと何が違うの?」と疑問に思われる方がいるかもしれません。100%当てはまる訳ではありませんが、あくまでも営業は「顧客企業の課題解決に向けて自社のシステムを売る」という姿勢で、ITコンサルタントは「顧客企業から課題解決を依頼され、請け負う」という姿勢なので、顧客企業との関わり方が異なります。
②3つの求められるスキル
・顧客企業に関する知識
顧客企業の課題や問題を理解し、的確な提案を行うためには顧客企業の業界や業務について理解を深めることは大変重要です。業界に属する企業に共通する課題や、社会の流れに応じて変化する企業のニーズを常に把握した上で顧客と対話することが求められます。そのような知識を深く身に付けておくことで、顧客が気付いていなかった課題に対してもアプローチを行うことが出来るようにもなります。
・人間的な総合力
営業担当者は、いわば所属する企業の「顔」として顧客企業と接するため信頼が重要です。「約束を守る」や「相手を尊重する」といった社会人としての基本的なルールをわきまえることが個人としての成長と企業としての成功に繋がります。
・プレゼンテーション能力
営業担当者は様々な立場の人に対して説明や説得する機会が多いため、コミュニケーションをとる相手の立場に立った上で、相手が理解できるように説明する力が必要です。
私自身、IT業界での長期インターンシップの中で法人営業を行っていた経験があるのですが、特に既存の繋がりの無い新規顧客に自社のサービスを購入してもらうためはプレゼンテーション能力が大変重要だと実感しました。
その理由はただひたすらに営業リストに沿って営業を行っていくだけでは不十分で、顧客の課題を想定し、その課題を踏まえて、初めて接する顧客がこちらから提案するサービスを理解出来るように説明する力が必要だからです。
③キャリアパス
営業活動を通し、交渉力や人をまとめる力を身に付けることができ、それらのスキルを活かして社内で出世する道もありますし、社外で多様な人々と関わる中で獲得したコネクションを活かして起業する道もあります。
私自身、就職活動の中でIT業界(主にSIer)の営業職の選考も受けていましたが、説明会やOB・OG訪問に参加する中で、「営業職は営業職として社内で成長し、出世するルートが一般的で、技術系職種への転身などは少ない」といったお話を多くいただきました。
職種理解がIT業界の就職活動の第1歩
総合職採用が中心である日系のメーカー企業などと異なり、IT業界の多くの企業は 職種別採用 です。
つまり、選考の段階から 「どのようなスキルを身に付け、どのようなキャリアアップをしていきたいか」 といった具体的なキャリアパスを思い描いておくことが重要です。
この点は面接などでよく聞かれるため、職種の違いを理解し、長期的なキャリアビジョンを明確にした上で選考に臨むことが重要です。
また、IT業界のキャリアプランという観点で考えると、ITは社会のインフラとしてどの業界や企業においても欠かすことが出来ないものであるため、ITに関して精通した知識を持っていることは他業界への転職など、今後の自分自身のキャリアパスを切り拓いていく上で大きな武器になり得ます。
私自身もこのような点にIT業界の大きな可能性を感じ、IT業界を中心とした就職活動を行っていました。
是非IT業界の職種の違いを明確にした上で、企業研究や選考に臨んで下さい。職種研究にこのコラムが参考になると幸いです。
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