目次
はじめに
こんにちは。外資就活 金融チームです。
今回はPart1とPart2に分け、日系投資銀行5社について、
①強み
②教育制度
③新卒1年目の年収
の観点からご紹介します。
日系投資銀行は選考において業務・業界・自社への理解度を評価項目にしている企業が多く、事前に各社の特徴について理解してから選考に臨む必要があります。
本コラムで各社の特徴をしっかりつかんだうえで、選考の準備を進めましょう。
Part1の本コラムでは、以下の3社をご紹介します(Part2では、みずほ証券と大和証券についてご紹介します)。
・SMBC日興証券
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
それでは、各社について詳しく見ていきましょう。
野村証券
言わずと知れた国内最大級の証券会社です。
他の日系投資銀行が銀行や外資系投資銀行と提携したり、ジョイントベンチャーを組んで経営をしていく中、独立を貫きながらも国内市場のリーグテーブルでは常に上位をキープしており、勢いのある投資銀行であると言えます。
強み
・リーマン・ブラザーズ買収で獲得したグローバルネットワーク
・豊富な国内・クロスボーダーM&A案件数
野村證券はリーマン・ブラザーズ買収によって獲得したグローバルネットワークと、国内での圧倒的な顧客ネットワークを活かした案件執行が強みです。特に国内M&Aは、大小に関わらず豊富な案件を抱えており、国内市場では大きな存在感を放っています。
また、社員の方の話によると、他の日系投資銀行よりも多くのクロスボーダー案件を扱っており、外資系投資銀行と遜色ない経験ができるそうです。
教育
・インストラクター制度
野村證券には、若手バンカーの成長を会社全体でサポートする社風があります。
野村證券特有の教育制度としては、新入社員に先輩社員が一定期間インストラクターとして付いて教育を担当する、インストラクター制度(通称「イントラ制度」)が挙げられます。
新卒で入社した社員はインストラクターの先輩社員から、社会人としてのマナーから仕事の進め方、取り組む姿勢や飲み会での振る舞い方に至るまで、丁寧に幅広く教わることになります。
新卒1年目の待遇
・外資系クラスの高待遇
野村證券はリーマン・ブラザーズ買収をきっかけに、社員の給与を一気に外資水準まで引き上げました。
新卒1年目の最低保証年収は650万円であり、他の日系投資銀行とは一線を画しています。
詳しくは「野村證券(総合職C社員 インベストメント・バンキング)の年収・初任給・給与制度」を参考にしてください。
SMBC日興証券
SMBC日興証券はシティグループとの資本提携を経て、現在の三井住友フィナンシャルグループの傘下に入った経緯から、さまざまなバックグラウンドを持ったバンカーが多いことが特徴です。
「旧日興證券出身者、ソロモン・ブラザーズ出身者、シティグループ出身者、三井住友銀行からの出向者などがおり、同じ会社内でバックグラウンドの異なる彼らと協働することで多くの学びが得られる」と話す社員の方もいることから、さまざまな知識を吸収できる環境であると言えます。
強み
・TMTセクターの豊富な案件数
SMBC日興証券はTMTセクターを大幅に強化しています。このセクターは一般にM&Aや資金調達案件の発生回数が多く、大型の案件も多いとされています。
実際に、SMBC日興証券が扱うTMTセクターのM&A、IPOの案件数は増加しており、若手のうちから豊富な案件に取り組むことができる環境であると言えます。
教育
・NIB制度
・豊富な研修制度
教育とは少し異なりますが、SMBC日興証券でのキャリアを考える上で無視できないのはNIB制度です。
NIB制度とは、投資銀行部門での採用後2年間アナリストとして勤務した後に、3年目に投資銀行部門での業務を続けるか、他の部門や部署でキャリアを積むかを選択できるシステムです。
SMBC日興証券の投資銀行部門では、入社後最初の2年間は下積み期間として位置づけられており、その期間は語学研修やMBAプログラム、米国モーリス・アンド・カンパニーとのアライアンスに基づきニューヨークで実施される合同研修プログラムなどに参加できます。
ここでは会計、ファイナンス、モデリング等の知識に加え、クロスボーダー案件の際に重要となる、ニューヨークチームとのリレーションを築くことができます。他にも投資銀行出身者や大学教授等を講師として迎え、投資銀行業務の基礎となる財務、会計、ファイナンス、バリュエーション等の基礎的な知識を習得するプログラムが受講できたりと、豊富な研修プログラムが用意されています。
さらに、下積みを終えて3年目以降も投資銀行部門での勤務を継続する場合、給与体系が年俸制となります。グローバルスタンダードと個人の成果を反映した外資クラスの報酬を受け取るようになるため、年収の大幅アップが期待できます。
社員のキャリア形成を特に重視している点から、自分に合ったキャリアを追及できる環境であると言えます。
新卒1年目の待遇
・NIB適用後は外資系クラスの高待遇も
新卒1年目の給与はベース月給28.7万円に残業代とボーナスが加わり、年収は600万円程度になるようです。
NIB制度適用によって年俸制に移行した後は、年収1,000万円の大台に乗り、その後も外資系投資銀行クラスの高年収が期待できます。
詳しくは「SMBC日興証券(投資銀行部門)の年収・初任給・給与制度」を参考にしてください。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(以下、MUMSS)は、国内金融グループの最大手である三菱UFJフィナンシャルグループに属する証券会社です。外資系投資銀行の雄であるモルガン・スタンレーとジョイントベンチャーを組んで投資銀行業務を行っています。
MUMSSにはモルガン・スタンレー側での採用窓口と三菱側での採用窓口があり、外資系のモルガン・スタンレー側で採用されると投資銀行第一部に、日系の三菱側で採用されると投資銀行第二部へ配属されることになります。
強み
・三菱のネームバリュー
・モルガン・スタンレーが持つ海外ネットワークを活かした案件執行
MUMSSは国内最大の旧財閥グループの三菱の名を冠しており、顧客からの信頼は抜群です。これまで交流のなかった新規クライアントに対してM&Aや資金調達の提案をする際も、三菱の看板のおかげでスムーズに提案に漕ぎつける事例が多々あるようです。
こうして獲得したクライアントに対し、モルガン・スタンレーの持つ海外の知見を活かして国境を越えたさまざまなソリューションを提供できる点は大きな強みでしょう。
教育
・モルガン・スタンレー側への派遣制度(通称「スマイル制度」)
・海外出向の機会が豊富
MUMSS特有の教育制度として、モルガン・スタンレー側への派遣制度が挙げられます。この制度は三菱側での採用後、モルガン・スタンレー側に異動できる制度です。
通常、日系投資銀行から外資系投資銀行へ転職した場合、勤続年数が数年分差し引かれた役職に就きます。しかしこの制度を利用すれば、このディスカウントを受けることなくモルガン・スタンレーで働けます。
世界トップレベルの投資銀行でキャリアを積めるため、自分の市場価値を大幅に高めることができると言えます。
この他にも、MUFGグループの海外での証券業務を担当する「MUFG Securities」社などに出向できる等、海外出向の機会が豊富なことも魅力の一つです。
新卒1年目の待遇
・戦略職への転換後は外資系水準の高待遇も
新卒1年目の給与はベース月給25.5万円に残業代とボーナスが加わり、年収は500~600万円程度になるようです。
入社後にある程度経験を積むと、SMBC日興証券同様、専門職としての雇用体系に切り替えることができるようになります。MUMSSでは「戦略職」と呼ばれており、転換後は個人のパフォーマンスを反映した年俸制に移行します。
おわりに
いかがでしたか。
各企業の違いはご理解いただけたでしょうか。外資系投資銀行とは異なり、日系投資現行では業界・企業への志望動機がかなり重視されます。是非、このコラムをリクルーター面談、早期選考でのES作成や面接などにお役立てください。
また、日系のみならず、外資を含めた投資銀行業界の業界・業務の研究の際はこちらのコラムを参考にしてみてください。
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