こんにちは、外資就活編集部金融チームです。
一般に、就活においては外資系戦略コンサルと外資系投資銀行、総合商社の3業界の人気が非常に高いです。
この3業界は、知名度、給与、業務内容のカッコよさ、そして汎用的スキルが身に付くことなどから人気を集めています。
その一方で、戦コンや外銀では伝統的に「Up or Out」(昇進するか、やめるか)が根づいていますし、総合商社には希望しない地域への転勤リスクがあるため、少し尻込みしている方も多いのではないでしょうか。
ですが、日系企業最高峰の高待遇にも関わらず異動がなく、外銀や戦コンより「Up or Out」の文化も薄い業界があります。それは日系投資銀行です。
今回は、そんな日系投資銀行に就職する魅力について解説します。
目次
日系投資銀行の魅力って?
日系投資銀行が他の業界に比べて魅力的な点は以下の4点です。
②資金調達業務(キャピタル・マーケッツ業務)への強み
③外資水準も狙える日系企業トップクラスの高給
④充実した教育制度
上から順に解説します。
①豊富なM&A案件
M&Aに関して、日系投資銀行は特に国内案件に強みを持っています。
国内企業が行うM&Aに関しては、やはり言語面や文化面、古くからの繋がりといった部分で外資系投資銀行よりも日系投資銀行のほうが有利になるからです。
そのため、海外企業の買収や、特別巨額なM&A案件にこだわらない限りは、日系投資銀行に入社したほうが多くの案件をこなせると言えます。
外資系投資銀行に関しては、日本での選考に通過した場合は原則日本支店の現地スタッフとしての採用となります。
外銀日本支店の使命は日本で利益を生むことなので、主なビジネスフィールドは日本市場です。
これを踏まえて国内市場における実績を見てみましょう。
出典:Refinitiv提供の四半期レビューより外資就活ドットコム作成
金額ベースのランキングは「重要な案件にどれだけ関与できたか」を表す指標の一つです。
これを見ると、ランキングトップ10には外資系のハウスが5社ランクインしており、日本市場での重要な案件に関与できていることが分かります。
一方案件数ベースのランキング表には外資系ハウスの名前はなく、FASと日系のハウスのみです。
外資系投資銀行は一つの支店に配属できる人数が限られているため、小さな案件はカバーしない方針を採用していることが大きな理由です。
また、日系の投資銀行では外資系ほどUp or Outの文化はなく、むしろ時間をかけて若手を育てる文化があります。
そして投資銀行に求められる役割は、案件の大きさに左右されません。
つまり、この風土の中で数多くの案件に携わることで、腰を据えてじっくりと確実に専門性を磨くことができると言えます。
②資金調達業務(キャピタル・マーケッツ業務)への強み
突然ですが、投資銀行業務の中で最もフィーが高く、一番の収益源となっている業務をご存じでしょうか。
「投資銀行業務といえばM&Aだろう」と思われがちですが、実は投資銀行業務における一番の収益源は、クライアント企業の株や債券の発行による資金調達を手助けする「キャピタルマーケッツ業務」です。
特に株式による資金調達を手助けするエクイティ・キャピタル・マーケット(ECM)業務のフィーが最も高くなっています。一方、株式ではなく債券の発行による資金調達を手助けする業務はデット・キャピタル・マーケット(DCM)業務と呼ばれます。
ここではそれぞれの詳細な業務内容について深くは触れませんが、各投資銀行はM&Aに加え、エクイティ(株式)とデット(債券)の業務領域でもしのぎをけずっているのだとご理解ください。
詳しい業務内容や、求められる人物像は「【M&Aだけじゃない!】投資銀行部門キャピタル・マーケッツ業務について徹底解説!」をご覧下さい。
先程と同様の理由で国内市場における実績を見てみましょう。
出典:Refinitiv提供の四半期レビューより外資就活ドットコム作成
日系投資銀行は企業ごとに株式・債券の得意不得意は分かれるものの、総じてどちらの業務に関しても、案件数・取引額規模ともに圧倒的な実績を誇っていることが分かります。
このように、資金調達業務に携わりたい方であれば、株式・債券ともに国内で高いシェアを誇る日系投資銀行は十分に選択肢になり得るといえます。
③外資水準も狙える日系企業トップクラスの高給
日系で給与が高い業界というと、総合商社や広告代理店などが有名です。
しかし、実は日系投資銀行ではそれをさらに上回る給与体系が用意されています。
日系投資銀行に新卒入社した直後の数年間の年収は、どの企業も残業代・ボーナスを含めて550万~1,000万程度のレンジで推移するようです。
その後は「専門職」(SMBC日興証券では「特定専門社員」「プロフェッショナル社員」、三菱UFJモルガン・スタンレー証券では「戦略職」など各社で呼称は異なります。)としての雇用契約に切り替え、パフォーマンスを反映した年俸制に移行することができるようになります。
これにより外資と遜色ない数千万円単位の水準の報酬を得ることも可能です。
④充実した教育制度
日系投資銀行は他業界と比べても社内教育が非常に充実しています。
具体的な社内教育内容の例を挙げると、語学研修、財務モデリング研修、FPや証券アナリスト、USCPA(米国公認会計士)などの資格取得のための補助や研修を受けることができたり、社費で国内外のMBAに派遣してもらえる制度などがあります。
たとえばSMBC日興証券では、米国モーリス・アンド・カンパニーとのアライアンスに基づき、ニューヨークで実施される合同研修プログラムに参加できます。ここでは会計、ファイナンス、モデリング等の知識に加え、ニューヨークチームとのネットワーキングも行うことができるそうです。
もちろんSMBC日興証券以外の各社にも、国内外を問わず充実した研修制度が用意されています。
企業によって受けられる研修の種類や社員(および内定者)が負担する金額は異なりますが、基本的にはどの日系投資銀行でも無料、ないしは実費の3割程度の負担でさまざまな研修を受けることができます。
まとめ
外資系ばかりが注目を浴びやすい投資銀行業界ですが、実は日系投資銀行にも多くの魅力があります。
今回は、過度にクビを恐れることなく腰を据えてじっくりと確実に専門性を磨ける環境、日系企業トップクラスの高給、充実した社内研修制度など、さまざまな魅力をお伝えしました。
今回の記事が皆様のキャリア選択の参考になれば幸いです。
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