目次
1.はじめに
夏休みにサマーインターンに参加された方も多いのではないでしょうか。自分の弱点に気がついたり、就職活動を続けるうえで戦友ができるなど有意義な経験となったかと思います。
しかし、インターンに参加できなかったという方も、まだまだ内定を諦める必要はありません。エントリーシート(以下、ES)、Webテスト/筆記試験、面接や短期のジョブなど、外資系企業が実施する選考は同じパターンのものがほとんどで、企業ごとに大差はありません。
ただひたすら多くの選考を受けるのではなく、自分が面接やディスカッションを受けた後、毎回10分ほどの短い時間でも構わないので、しっかりと振り返りを行ってみてください。どこがうまくいって、何が思うようにいけなかったかなど、どういった点を改善できるかをしっかりと追求することで、同じ失敗を繰り返さずに、毎回の選考をきちんと次に活かせるようにしましょう。
さて、10月からは息つく暇もなく外資系企業では本選考が始まります。ボリュームのあるESに追われ、また大学も再開することから気がついたらエントリー期間が終わっていた!ということのないように、早めの準備をお勧めいたします。
また、選考の雰囲気もサマーインターンとはがらりと変わることもよくあります。特に就活最難関とも言われる外資系投資銀行では内定までに面接で数十人もの社員と会って全方位的に評価されたりするなど、企業と学生の双方が目の色を変えて選考に臨むことになります。
そこで、本特集では秋冬に内々定を出す企業とその募集情報、また選考対策記事をまとめてみました。ぜひ参考にして、内々定を確実なものにしてください。
2.エントリーから内定獲得までの流れ
外資の各社は9月や10月から複数回に分けて本選考をスタートします。プレエントリー後は複数回の面接やグループディスカッション(以下、GD)の他、多くの企業がジョブ(数日間の就業体験による選考)を課しており、トータルでおよそ3ヶ月ほどで内定に至ります。
下図は20卒の選考時期の目安になります。参考までに日系企業のスケジュールも併せて載せています。
一般的に投資銀行の募集は各年度に一回限りと決められています。まれに追加募集をする年もありますが、それは偶然と思ったほうが良いです。万が一エントリーを見過ごしてしまうと、二度と新卒では受けられなくため、非常にもったいないです。
一回勝負であるため、あらかじめ適性検査やWebテストなどの各フローを入念にチェックしておくことが大切です。
対して他の業界、コンサルや外資メーカーでは、画像にある春選考など、2次・3次の募集を予定している企業もあります。しかし早い段階に十分な採用人数を確保してしまうと、もう1次以降のエントリーが開かれない場合が多いです。昨年度は春先までやっていたからと高を括らずに、早め早めの応募を心がけるようにしましょう。
選考フローは各社によってさまざまですが、業界によって重視される点はある程度決まっています。金融では、特に投資銀行部門だとジョブでの活躍が必須になるほか、1日に数十人のマネージャークラスと面接を行う「スーパーデイ(Super Day)」と呼ばれる選考が課される場合があります。
コンサルでは複数回のケース面接で頭の回転を注意深く評価される他、ジョブではそれに加えてグループにおいてのファシリテート能力も評価されます。
また外資メーカーでは社風にあった人物かどうかを見極めるカルチャー・フィットの考え方が重視されており、社員と接する機会を意識的に増やしています。
サマーインターンの優秀者と秋冬からの応募者で選考フローが若干違う企業でも、選考の終盤では同じフローで進むことになります。つまり最後はサマー組と同じ天秤にかけて選考されるため、覚悟して臨んでいきましょう。
その他にも、もちろん筆記試験やWebテストのボーダーは高く、英語もほぼ必須となってきます。各業界の攻略法はページ下部にまとめてあるのでぜひご覧ください。
下記は、19卒の秋冬の外資企業の選考フローの例になります。
今年度のものとは異なっている可能性もありますので、参考までにご確認ください。
業界 | 企業名(部門) | 選考フロー例 |
---|---|---|
外資系投資銀行 | ゴールドマン・サックス(アセット・マネジメント) | ES → テストセンター → グループ面接×2+セミナー → スーパーデイ → 最終面接 |
ゴールドマン・サックス(投資銀行部門) | ES+Webテスト → GD → 1次面接 → ジョブ → 最終面接 | |
モルガン・スタンレー(債券:セールス&トレーディング) | ES → 筆記試験+Webテスト → 1次面接 → ジョブ → 最終面接 | |
モルガン・スタンレー(投資銀行部門) | ES+Webテスト → 筆記試験 → 1次面接 → 2次面接 → 最終面接 | |
J.P.モルガン(アセット・マネジメント部門) | ES+Webテスト → 1次面接 → 2次面接 → 3次面接 → 最終面接 | |
J.P.モルガン(投資銀行部門) | ES+Webテスト → 1次面接 → ジョブ → 最終面接 | |
メリルリンチ日本証券(投資銀行部門) | ES +Webテスト → 1次面接 → ジョブ → 最終面接 | |
シティグループ(セールス&トレーディング) | ES +Webテスト → 1次面接 → 2次面接 → 3次面接 → 4次面接 → 最終面接 | |
シティグループ(投資銀行部門) | ES + Webテスト → 1次面接 → 2次面接 → 最終面接 | |
UBSグループ(投資銀行部門) | ES + Webテスト → GD + 1次面接 → ジョブ→ 最終面接 | |
ドイツ銀行グループ(投資銀行部門) | ES + Webテスト → GD+1次面接 → ジョブ → 面接複数回 | |
クレディ・スイス(投資銀行部門) | ES → 1次面接 → 2次面接 → 3次面接 | |
バークレイズ(調査部門) | ES+Webテスト → GD → グループ面接 → 個人面接複数回 | |
BNPパリバ(債券部門) | ES → 1次面接 → 2次面接 → 筆記試験+Webテスト+適性検査 → 3次面接 → 4次面接 | |
ラザード(ファイナンシャルアドバイザリー部門) | 説明会(任意)→ES→面接+筆記試験→ジョブ→面接複数回等 | |
コンサル・シンクタンク | マッキンゼー・アンド・カンパニー | ES → 筆記試験 → 面接+論述試験 → ケース面接 → ジョブ |
ボストン コンサルティング グループ | ES+Webテスト+適性検査 → 1次面接 → 2次面接 → ジョブ→最終面接 | |
ベイン・アンド・カンパニー | ES → 筆記試験 → 面接(2~4回) →ジョブ→最終面接 | |
A.T.カーニー | ES → 筆記試験 → 1次面接 → 2次面接→ ジョブ | |
ローランド・ベルガー | ES+Webテスト → 小論文 → GD → ケース面接 → ジョブ→ 最終面接 | |
PwCストラテジー | ES → 筆記試験 → GD → 1次面接 → ジョブ → 面接(複数回) | |
アーサー・D・リトル | ES → Webテスト →GD → ジョブ→面接(複数回) | |
外資メーカー・サービス | P&G Japan(マーケティング) | 筆記試験+webテスト+適性検査 → 説明会 → ES → 1次面接 → 2次面接 → ジョブ |
ユニリーバ(カスタマーデべロップメント) | ES → Webテスト → ES → Webテスト → GD+個人面接 → 部門紹介+懇親会 → ケース面接+GD+個人面接+プレゼンテーション+GD → 最終面接 | |
日本ロレアル(セールス・リテール) | ES → 筆記試験+Webテスト+適性検査 → 1次面接 → GD → 2次面接 → 3次面接 | |
ネスレ日本(事務系職) | ES →Webテスト → GD → 1次面接 → ジョブ → 最終面接 | |
Amazon(本社総合職) | ES → GD → 1次面接 → 2次面接 → 3次面接 | |
USJ(マーケティング) | ES+Webテスト → GD+面接 → ジョブ → 面接 |
4.攻略法
一概に選考と言っても、フローは各社さまざまです。GDやジョブが入るほか、1日で十数回、計4時間以上に渡る面接などを行う、体力勝負の選考が控えている場合もあれば、一般的な投資銀行や外資メーカーのように、英語面接のクリアを必須条件とするケースもあります。
また、序盤で行われるWebテストについては、候補者を減らすための関門的意味合いが強く、ボーダーラインが比較的高く設定されていると考えられています。
もちろん企業によって難易度が異なりますし、対策を練る必要がありますので事前準備は万全にしておきましょう。
面接での質問内容や雰囲気などについては、選考体験記をご覧ください。
また、外資の本選考では一般的に以下の2点を意識しながら進めてみてください。
・ 経験から絶えず改善を心がける: 募集期限や面接期間は重なることが多く、ただ数をこなしていくだけになってしまいがちです。毎回反省点などを洗い出しながら、また次の面接に活かしていくことを薦めます。
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5.おわりに
本特集がみなさんのスケジュール管理や選考のイメージを掴むのに役立てば幸いです。募集の締切時期が重なっており、またエントリーシートだけでなく、Webテストの負荷の大きいものも多いので、早め早めに動き出すことが結果を大きく左右します。サードティアも含め、広い視野で多くの企業にエントリーしてみましょう。
また、外資に対して志望度が低く、来年度から日系企業を中心に就職活動をする予定の方でも、日系企業で早期の選考や採用に直結するインターンを実施する企業はいくつもありますので、募集情報をこまめにチェックするようにしてください。