
【就活体験談】LINEヤフー新卒社員が語る!エンジニアのための内定獲得までの攻略法
2025/08/27
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はじめまして。24卒でLINEヤフーに入社した、餌打優太(euchi.jp)です!
大学3年生の頃からベンチャーでインターンを始め、東京工業大学(現 東京科学大学)修士課程を修了後、LINEヤフー株式会社に入社しました。
ベンチャーでは(採用される側ではなく) 採用する側 の活動も経験しました。その結果、良いエントリーシートや面接とは何かを 評価者の視点 でメタに捉えられるようになりました。
今回は、私が就活で 何を意識し、どう動いたか を体験談ベースでお伝えします。
記事は以下のような読者を想定しています。
- 個人開発経験はある/これから始める予定
餌打優太(えうち ゆうた)
LINEヤフー株式会社 ソフトウェアエンジニア。東京工業大学(現・東京科学大学)在学中の2020年に、東大発ベンチャーの株式会社Draftyに参画し、テックリードを経験。2022年より株式会社Bocekに参画し、後にエンジニアリングマネージャーを務める。2024年、同大学大学院情報理工学院 修士課程を修了後、新卒でLINEヤフーに入社。入社後はLINE公式アカウントやMessaging APIのプロジェクトに携わり、バックエンド開発を担当している。
大学で感じた就活への課題
私が大学2、3年生の頃、就活に対する漠然とした不安を抱くようになりました。
それは、 このままただ授業を受けているだけでいいのか? という焦りでした。
授業を受けていく中で、情報工学の基礎的な知識が学べる面白さを感じる一方、これがどうやって実務に結びつくのかが想像できなかったのです。
たとえば、アセンブリ言語は機械がどうやってプログラムを理解し実行するかを学ぶよい機会となった一方、実務で書くことは想像できませんでしたし、オブジェクト指向の人・教師・生徒のオブジェクトが、どうWebアプリの開発と関連するのか理解ができませんでした。
さらに、周囲の学生を見て感じたのが、 情報系学生に求められる能力のインフレ です。
今はパソコン一台あれば個人でサービスやアプリを公開できます。結果として、学生でもフレームワークを使ったWebアプリやモバイルアプリを作れるのが当たり前になり、就活で求められる水準が年々上がっていると感じました。
つまり、個人開発の経験は実質必須になり、差別化は別の部分で図る必要がある、と考えたのです。
差別化で重要なのはチーム開発の経験
では、自分を差別化する方法はなんでしょう?
社会人でエンジニアとして働く上で、実務では一人で完結する開発はまれです。むしろチームでの開発、運用スキルが重要です。
したがって、学生のうちからチーム開発の実務経験があることが、差別化のポイントになるのではないかと思いました。
コーディングなどのハードスキルだけでなく、チームで合意形成する経験や互いを尊重し進めていくコミュニケーション能力のようなソフトスキルが重要であると考えたのです。
未経験者がチーム開発を得るために
チーム開発の経験を得るために長期インターンに参加しようと思いました。
しかし、ここで直面するのが「実務経験がないと大企業の長期インターンに受かりにくく、長期インターンなしでは実務経験が得られない」というデッドロックです。
長期インターンに応募しようにも、エントリーシートに書くような目立った経験は何もありませんでした。授業で頑張ったことやサークルでの活躍を書いても、エンジニアのインターンとして優位になるとは思えません。
そこで、この課題を解決するためにベンチャー企業にjoinし、実務レベルのチーム開発経験を積むことにしました。いわゆる大企業の長期インターンよりも体制が整っていない分、リスキーではありますが、参加難易度が低いというメリットもあります。もちろん、ハッカソンや友人との小規模チーム開発から始める方法も有効だと思います。
就活をする上でのインターンの目的は?
ベンチャーでのインターンを経て、ある程度チーム開発について経験を積めました。
そこでついに、修士1年生の夏、就活を見据えたインターンに参加することにしました。
私が当時考えた、就活としてインターンを受ける目的は以下の2点です。
- 自分の企業選びに対する価値観を知る
実際にその企業で働くことで、社員の雰囲気、働き方、事業内容などを肌で感じられます。また、自分にとって重要な条件(リモートワーク可否、toB/toC、自社プロダクトか受託など)が明確になり、企業選びの軸が定まりました。
もちろん、開発経験を得るためにもインターンに参加することは大切だと思います。しかし、私の場合はチーム開発の経験という目的はベンチャーにて達成できていたため、どちらかというと上記のような就活のためのインターンを目的としていました。
インターンにはどれくらい応募をすればいい?
まず、インターンはできるだけ多くの企業に応募することをお勧めします。
自分の場合は、10社ほどインターンに応募しました。
当然全部受かるわけではないので、スケジュールを見越して重ならないように受けるところを選別しても取り越し苦労になる可能性が高いです。
対して、本選考に関しては、インターンの手応えにもよると思います。
もしもインターンで、その後アルバイトとして続けてくれないかとお声をいただいたり、本選考についての案内を優先的にいただいている場合は採用意欲が高いでしょう。実際、LINE(現 LINEヤフー株式会社)のインターンではアルバイトとして続けないかとお声をいただきました。
それが行きたい企業であればそちらに専念して、応募する企業を増やしすぎないのが得策だと思います。
逆にインターンで感触を得られなかった場合は、多めに応募するのがよいでしょう。
幸い自分の場合はお誘いをいくつかいただいたので、最終的に応募した企業は4、5社となりました。
実際にインターンを受けてみて
結果として、4社の夏・秋インターンに参加することになりました。
今回は、LINE(現 LINEヤフー株式会社)のインターンを受けた感想についてご紹介しようと思います。
インターンでは、6週間にわたって実際のエンジニアチームの中に参加して実務を体験しました。一人のインターン生につき一人のメンターがつき、手厚くフォローしていただきました。
インターンでは、ベンチャーでの業務で学びきれなかった「負荷を意識しなければいけない大規模なシステムの開発」、「確立された開発体制」を学ぶことができました。また、当時はまだあまりテストを書いたことがなかったため、テスト駆動開発を学べたのも良い経験でした。
そして技術面だけでなく、会社の雰囲気を感じ取ることもできて、とても良かったです。個人的にLINEの社風、エンジニアの雰囲気がとても居心地良く感じたのは、就職先を選ぶ上で決め手の一つとなりました。また、実際に友人がよく触れるような知名度の高いサービスを開発することが自分のやりがいであると知ることもできました。
こうした技術面だけでなく、自分の企業選びに対する価値観を知れたことが良い経験でした。
当時のインターンレポートはこちらで公開しています。詳しいインターンの内容は、ぜひこちらをご覧ください。
エントリーシートの注意点
次に実際の選考で気をつけることをお伝えしていこうと思います。
冒頭にも触れましたが、実はベンチャーにて採用活動の経験を得ることができ、そのおかげで良いエントリーシートとは何か、良い面接とは何かをメタ的に考えることができました。
今回はその経験を経て得た、気をつけるべき点をお伝えしようと思います。本選考のみならず、インターンの応募にも活用できると思います。
まず、エントリーシートでは次のことに気をつけました。
- できるだけ数値を用いて実績をアピールする
- 採用側の視点に立ち、チームに入ったときのスキルの再現性・有効性がありそうな経験を書く
結論→根拠の具体例の順番に書く
採用担当者は、相当数の書類を見ることになります。大前提として、見る側がわかりやすい文章であるべきで、さらにフックのある内容を書くことが重要です。
わかりやすい文章の書き方としては、結論→根拠の具体例の順番で書くことが有効です。最初の一文がいかにわかりやすいかが読み手の理解に大きく影響しますし、その後の根拠の具体性が結論の説得力に直結します。
実際にヤフー(現 LINEヤフー株式会社)の本選考で書いたバックエンドの志望動機は以下のようでした(一部抜粋)。文字数が多いので、あらかじめ結論を書いておくと読みやすくなると思います。
トラフィック規模の大きいアプリケーションの設計・開発に携わり、スキルアップをしたいからです。
今まで主にベンチャーで開発をしておりましたが、そこで開発していたものは中小規模のプロダクトであり、また開発手法も手探りでした。開発体制が確立されている環境で、大規模な多種多様なサービスや幅広い技術に触れることにより、さらなるスキルアップをしたいと考えております。
できるだけ数値を用いて実績をアピール
他にも、具体性の向上のために、客観的な数値を用いるようにしました。
たとえば、「2年間〇〇で長期インターンをしました」、「売上XXX万円に貢献しました」などです。自分の場合だと以下のような例が挙げられます。
❌「テックリードとしてチームをまとめました」
✅「エンジニア7名からなるチームのテックリードを務めました」
❌「プロダクトを成功させることができました」
✅「最終的には4,500万円の資金調達も達成しました」
採用後に再現性・有効性がありそうな経験を書く
また、チームにjoinしたときの再現性がわかりやすいスキル、経験を書いておくと良いです。
就活をしている人にありがちな例としては、自己アピール欄にコミュ力の良さをあげているものです。コミュ力は果たして自分のチーム、組織に入れた際に再現性のあるスキルでしょうか?コミュ力は主観評価になりがちですし、周りの人あってのスキルであり、変数が多すぎます。それよりも、エンジニア志望であれば具体的な開発経験、マネジメント経験、研究内容を書いた方が再現性を想像しやすく、アピールにつながるかもしれません。
再現性のあるスキルを主張することに関しては、自分も失敗談があります。
面接で「うちのチームに入ったときのメリットを教えてください」と聞かれたことがあります。想定外の質問に困惑してしまい、違った視点で新たなアイデアを提供できる、のように答えた記憶があります。しかしこれは再現性もないですし、エンジニアチームにとってはそこまで重要なスキルではありません。ここで無理にユニークなメリットを出そうとするのではなく、今までの経験から十分即戦力になると答えた方が現実的であったと思います。
面接で意識すべきこと
次に面接時に気をつけていたポイントについてお伝えしようと思います。
面接時には次のポイントに気をつけていました。
- 2.自分のアピールしたい話に持っていく
- 3.技術的好奇心を表に出す
面接を受ける側としては一時間という面接時間は長く感じるかもしれません。しかし、採用する側からすると、その人の内面を知り、自分の組織に入れるべきかどうかの判断材料を得るにはとても短い時間です。これは自分が採用活動をして強く感じました。
ですので、この時間内で自分の本当に伝えたいポイントをしっかり伝えることが大切です。
しかし、伝えたいことを伝えようとするばかりに、コミュニケーションに悪い印象を与えてしまってはいけません。
1. 会話がドッジボールにならないようにする
自分が意識していたのは、会話がドッジボールにならないようにすることです。つまり、相手を考慮せず一方的に自分だけ発言することを避けるということです。
たとえば、相手が1聞いていることに対して、100返すようなことは避けるべきです。面接官もこれから聞くことや面接の流れを想像しながら質問をしていますので、そのペースを無理やり壊さないようにした方が好印象でしょう。
2. 自分のアピールしたい話に持っていく
会話がドッジボールにならないようにした上で、自分のアピールしたい話に持っていくことが大事です。
たとえば、過去の開発経験をアピールしたかったとします。そのような場合、過去の経歴、学生時代頑張ったことなどを最初に聞かれたときに、「エンジニア7名からなるチームのテックリードを務めました」というフレーズを入れておけば、試験官は気になってその経験について触れたくなると思います。対して、研究のことばかり話していれば、今後の質問でも研究についてが多くなるでしょう。
難しいことですが、短い面接時間の中でどこを深掘りしてもらうかを想像しながら回答していくと、思いどおりに自己アピールできると思います。
3. 技術的好奇心を表に出す
そして、技術への好奇心は、面接官に対するアピール、今後の成長の両面で大事なことだと思います。
面接官はエンジニア、もしくはエンジニア組織のマネージャーであることが多く、技術の話で盛り上がれることは人として好印象ですし、一緒の職場で働いているイメージがつきやすいです。
また、ハードスキルがまったく同じ二人がいる場合に、お金目的のみでプログラミングする人とプログラミングが好きでやっている人でしたら、採用されるのは後者でしょう。これは技術が好きな人は技術についてアンテナを張っていますし、趣味でも技術に触れているので成長の可能性が高いためです。
好奇心を伸ばすことは嗜好的な部分もあるので難しいですが、少なくとも技術が好きな人は徹底的にこれをアピールするべきです。
面接というとつい、経歴や経験を中心に話してしまうことが多いですが、面接官も人なので自分のマインドを伝えることも大切です。
実際にLINEの最終面接では、ちょうどその頃自宅サーバーにKubernetesを構築しようとしていて、その話を面接官の方として盛り上がることができました。これも少なからずプラスの影響があったはずです。
選考内容はNotionにメモする
このようなエントリーシートや面接内容は、すべてNotionのデータベースで管理していました。毎度書く内容、話す内容を考えなくて済みますし、改善点も洗い出しやすくなります。
また、面接でお話しした方が実際に入ったときの上長、ということもよくあるので、どんな人とお話ししたかも書いておくとよいですね。実際、インターンなどの上長は面接してくださった方が多数でした。
さいごに
学生にとって就活は、これまでの人生の中でもっともキャリア、さらには人生を見つめ直す貴重な機会です。就活は単なる職を得るための活動ではなく、自分の人生の方向性を決定づける重要なステップでもありました。
これから就活に臨む皆さんにとって少しでも役立てば幸いです!
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