「キャリアの選択肢が広がり成長にもつながる」私たちがBigTechのインターンで学んだ、伝えたいこと
2024/09/18
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数々のBigTech(ビッグテック)企業で、ソフトウェアエンジニア(SWE)などのインターンを経験したYuiさんとYukaさんは、自身の経験をもとに、BigTechを目指す学生向けに、サポートコミュニティを提供する「Y&Y Journey」というプロジェクトを立ち上げた。
2人はBigTechのインターンを通じて得たものとして、チャレンジすることの大切さと、多様なロールモデルに触れられることの魅力を力強く説く。インタビューを通じ、彼女たちの取り組みの原動力と、抱くビジョンが伝わってくる。【北川直樹】
※内容や肩書は2024年9月の記事公開当時のものです。
1.自身の経験をもとに、BigTechへの挑戦を後押しするプロジェクトを開始
2. BigTechのインターンに参加するには、地道に実績を積み重ねてアピールすることが大事
3. BigTechのインターンを通し、チャレンジすることの大切さを知った
4. 経験を活かし、BigTechを目指す人をサポートしたい
自身の経験をもとに、BigTechへの挑戦を後押しするプロジェクトを開始
——お2人の経歴を聞かせてください。
Yui:私は幼少からヨーロッパなど海外での生活を経験してきており、大学はカナダのUBCに進学しました。大学ではビジネスとコンピューターサイエンス(CS)を専攻し、その後CSからデータサイエンスに変更しました。
これまで日系のベンチャー企業と、BigTech系の企業で、ソフトウェアエンジニア(SWE)、プロダクトマネージャー(PM)や技術営業のインターンを経験してきました。
Yuka:私は明治大の理工学部で情報科学を専攻しており、「将来はグローバルな環境で働きたい」という強い気持ちがあったので、その足がかりとして2023年にUCBで3ヶ月の留学を経験しました。
学生時にはBigTechでのインターンを複数経験し、この春日本マイクロソフトに就職して、現在はAzureチームでTechnical Support Engineerとして働いています。
——お2人で「Y&Y Journey」という、BigTechへのチャレンジを支援するプロジェクトをしているそうですが、その活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
Yui:22年の夏に、LinkedInを通じてYukaと出会いました。プロフィールを見て、お互い似たバックグラウンドを持っていること、目指しているビジョンが同じということがわかり、意気投合したのがきっかけです。
Yuka:もともと直接会ったことはなく、同じインターンに参加したこともなかったんです。でもプロフィールを見ると、気が合うことが確信できました。
また、LinkedInを通じて「BigTechで働きたいけどどんなステップを踏むべきか」「どうやってキャリアを築くのか」というような質問をもらうことが多く、より多くの人に効果的な情報共有をするために、何か良いアプローチは無いかなと考えていたんです。
私自身も多くの先輩に助けられた経験があったので、「Pay it forward」の考えで、海外のキャリアにチャレンジしたい人を支援する活動を考えるようになったのが、活動の背景です。
Yui:BigTechに興味があるけれど、一歩踏み出せていない人に適切な情報を伝えられたら、もっと日本から活躍できる人も増えていいなと思っていて。
私たちが持っている経験や情報を活用し、そういったキャリアを目指す学生をサポートしていきたいと考えています。
BigTechのインターンに参加するには、地道に実績を積み重ねてアピールすることが大事
——そもそも、お2人はなぜBigTech企業を目指すようになったんでしょうか。
Yui:幼少の頃から日本に住む祖母とiPadでビデオ通話をすることが多く、それを実現しているテクノロジーに興味を持ったのがはじめです。
最初は「BigTechで働けたらかっこいい」くらいの漠然としたものだったのですが、インターンに参加することで様々なロールモデルと出会うことができて、キャリアイメージが具体化していきました。
また、BigTech各社は身近で大好きなプロダクトを作っているので、それに関わりたいという思いもありました。
Yuka:私は高校時代からTech業界で働きたいという強い気持ちがありました。きっかけは、自動運転の車に実際に乗ったことや、音楽のレコメンデーションシステムに触れて、テクノロジーの可能性を強く感じたことです。
そして、将来は日常生活をアップデートしてくれるテクノロジーを世界中に届けたいという目標が出来ました。
その後、BigTechで働く先輩のお話を聞いたり、複数のインターンを経験する中で、BigTech のようなグローバルなIT企業であれば将来の目標に近づけると感じるようになりました。
——BigTechのインターン参加に向けて、どんな準備をしましたか。
Yui:大学のキャリアの基礎講座で、キャリアSNSとレジュメ(履歴書)とインタビュー(面接)について学ぶのですが、まずLinkedInのプロフィールの書き方を教わりました。インターンの経験や、関わったプロジェクト、プロダクトについて追加していきました。LinkedInと並行して、自分の技術、スキルについてはGitHubにもプロジェクトを公開しました。企業のリクルーターがこれらをみて、アプローチしてくることもあるので、最初の準備としてこれは大事だと思います。
また、BigTechのインターン選考では、長期インターンの経験がとても重視されると思われるのですが、私の場合は以前にインターンしたベンチャーでの経験が強みになりました。
Yuka:私も最初は国内のベンチャーでインターンをして、バックエンドとフロントエンドの実務経験を身につけました。定期的に自分の目標に対するこれまでの経験のギャップを意識し、次に必要なアクションを考えるようにしていました。他にはハッカソンに参加したりすることで、段階的にプロダクト開発の経験を増やしていきました。
BigTechのインターン選考では、自分が作ったプロダクトや、参加したプロジェクトの話がよく聞かれる印象があり、重点的に準備をしていました。
BigTechのインターンを通し、チャレンジすることの大切さを知った
——BigTechに対してハードルは感じましたか。成功につなげるためにはどんなことが大事でしょうか。
Yui:はじめは自分がBigTechで働けると思っていいなかったので、ハードルは感じましたし、実際にすごく苦労しました。特に1、2年生の時は自分のスキル不足が深刻で、コーディングテストで落ちることが多かったです。
他方、選考に通った企業からのフィードバックで知ったんですが、私は自分のミッションを軸に動いている点を評価されたことが多かったです。そこの部分は他の学生とは少し違ったのかも知れません。
Yuka:Yuiが言ったように、選考で見られるポイントとしては、実力面とメンタル面の2つの軸があると思っていて、私は「挑戦してみるのに越したことはない!」という精神を持ち、ハードルの高いことへの挑戦を憶さないようにしていました。
選考の通過率は低いと言われていたりする一方、インターン参加を見据えて自分なりに小さなステップを設定し、それをクリアしていくことが成功につながる鍵だと思います。
——数々のインターンに参加して得た学びを教えてください。
Yui:BigTechの魅力は、自社の豊富なプロダクトや最新技術を使って、プロジェクトを進められることです。LLMなど、最新の技術がまず社内向けにデプロイされるので、まだ一般公開されていない技術を使ってプロジェクトに取り組めるんです。
最新のプレビューにアクセスでき、かつそれが自社プロダクトというのはBigTechならでは経験だと思いますし、そういった技術を活用して実際の問題解決に取り組み、インパクトを与えられた経験は大きな学びでした。
Yuka:学びは数えきれないほどありますが、グローバルな環境で働く経験ができたことは今にも通ずる経験となりました。大規模なプロジェクトに携わる中で、自分で Ownership をもって動くことや、時には多角的、俯瞰的な視点で考える力を鍛えることができました。
また、BigTech企業では複数分野のロールモデルの方に出会え、気軽にコーヒーチャットを申し込める文化があります。エグゼクティブクラスの人にもお願いできて、キャリアから日常まで先輩方の経験から学ぶことで、将来像に対する解像度は格段に上がりました。
——それらの経験から、キャリアの軸や志向などに変化はありましたか。
Yui:働くイメージを具体的に持てるようになり、技術の進歩に合わせて常に学び続ける姿勢が必要だとわかったのが大きかったです。
以前は働くことがゴールというような考えだったこともあるんですが、BigTechでは毎週のように新しいリリースがあり、その度に学び続けなければならないんです。まさに「Learning never ends」という感覚で、このマインドセットが自分の中に定着しました。
Yuka:企業ごとのカルチャーの違いを知り、自分に合った環境を見つけることの重要性を知ることができました。様々な会社でのインターンを通して、キャリア選択の幅が広がり、自分が求める職場環境が明確になりました。
また、仲間を見つけることの重要性を知ることができました。プロジェクトを進める上では、課題を自分だけで抱え込むのではなく、周りにアドバイスを求める勇気を持つことが大事です。チームでプロジェクトを推し進めていくことの醍醐味を知ったことで、自分の視野は確実に広がったと思います。
経験を活かし、BigTechを目指す人をサポートしたい
——BigTechのSWEを目指す学生に伝えたいことはありますか。
Yui:BigTechは雲の上にあるように感じるかもしれませんが、自分の軸を磨いて、そしてBigTechが要望するタレントとのマッチングを諦めずに探すことが大事です。この過程で、実際に自分の軸に合ったロールモデルを見つけることが必要な第一歩だと思います。
私たちはこれまでの経験を活かし、BigTechを目指す皆さんのプロセスをサポートしたいと思っていて、実際にBigTechでインターンをした先輩方のお話を聞ける場をY&Y Journeyで提供していきます。
Yuka:BigTechでインターンをすることは、グローバルな環境や高い技術力を持つ先輩方の働き方を間近で体感できるだけではなく、異なる文化や価値観におけるチームワークを知る、貴重な経験にもなります。それにより、キャリアの選択肢が広がり、自分自身の成長にもつながるので、ぜひチャレンジしてみてほしいと思います。
今後、Y&Y Journey ではBigTechで働いている同世代仲間の経験をシェアするコミュニティを創っていきます。パネルディスカッションやコミュニティを通じて、グローバルキャリアを目指す人の足がかりとなるようなサポートができれば嬉しいです。
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