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ソフトウェアエンジニアとして働く上で「どうしたら活躍し続ける事ができるのか?」「どういう判断軸でキャリアを選ぶと困らないか?」と悩む人は学生・社会人問わず多い。
そこでITエンジニアやデータサイエンティスト志望の大学生に向けたオンライン就職イベント 外資就活Terminal の特別講演「ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを歩むには」では、SIerを経て事業会社に転職した経歴を持つ泉水翔吾氏とエクサウィザーズでEngineering Management室室長を務める木村律氏にキャリアについてパネルディスカッション形式で語っていただきました。
聞き手はITすきま教室を運営する株式会社すきまデザイン代表の渡辺さき氏。
◇本記事は、2023年5月22日開催の外資就活Terminal基調講演の一部を編集したものです。
どういう判断軸でキャリアは選ぶといいのか?
渡辺:多くの就活生が新卒でどういうキャリアを選べばいいか悩んでいると聞きますが、どういう判断軸でキャリアを選ぶと困らないと思いますか?
泉水:“困る”の定義によるかもしれないですが、“困る”を“後悔”に読み替えるとすると、やはり自分の納得できる環境を新卒に限らず選び続ける必要があると思います。
自分は新卒でSIerに就職し、その後は事業会社を複数社経験という経歴ですが、学生の時から十か年やそれ以上の長い時間軸のビジョンがあったかと言われると全くありませんでした。その時々に応じて“後悔しない選択”を続けてきたという説明の方が実情に近いです。
まずは入った環境で何を求められているか、それに対して最大の成果を出すという中で、その期待値に応じた報酬に納得できる・できないかが、その環境に居続けられるかどうかに影響してくるかと思います。そのうえで、自分にとって納得できる選択肢を繰り返していくと結果的に困らないキャリアになるのかなと思いました。
渡辺:やはり自分にとって何がベストかは常に考え続ける必要がありそうですね。ちなみに選択肢をある程度持っていないと「次はこの会社・業界に転職しよう」と考えづらいと思うのですが、選択肢を広げるためにやるべきことはありますか?
泉水:就活生の皆さんですと、インターンに参加するという選択肢が取りやすい状況だと思うので、そういうイベントに参加するなど企業との接点を持つ機会を増やしていくと、その時点でのより良い選択肢は取りやすくなるかと思います。
渡辺:ありがとうございます。木村さんはいかがですか?
木村:まずは泉水さんがおっしゃったように、インターンやインターネットにある企業の評価、口コミなどのあらゆる情報を活用してほしいです。
それに加えて、個人の志向の違いもあると思いますが最初はキャリアの幅が狭まる選択肢をするよりも、なんでもできるような、言い換えると多くの事を経験できる環境に飛び込みシステム開発のあらゆることをやっていくこともいいと思います。
お客さんと話をするのもそうですし、工場にいったりするなどビジネスの全体像を体験できる機会がある会社に最初に入って経験すると、それはあとあと自分の価値につながると思います。
大きな企業で研修も充実しているところももちろん良いですが、前述したような企業を探して色々経験するといいかなと考えています。
渡辺:たしかにキャリアのまだ第一歩目の何もない状態だからこそ、経験が無限大にあるので無理に幅を狭めずに、その状況を活かしていただきたいなと思います。
就職活動で困ってしまう学生は、キャリアが真っ白なキャンパスすぎて何を描いていけば分からないという社会人からしたら羨ましい状況でもあると思うのですが、何から決めていけばいいのか、どうやって決める基準を探すといいかアドバイスがあればお願いします。
木村:私でしたらインターンに積極的に参加したり、今回のようなイベントに参加して実際に働く人を知ろうとします。場合によっては会社のオフィス近くに行ってみてどういう人たちがいるのかと訪れたりも。
足を動かして、自分の目で見るという事をしたほうがいいと思います。
渡辺:まずは行動あるのみという形ですね。
ソフトウェアエンジニアとして活躍し続けるためには?
渡辺:それでは次のテーマに行きたいと思います。「活躍し続けるためには」という壮大な質問ですが、ご自身の経験を踏まえてお話いただけたらと思います。
泉水:すごく難しい質問ですね。活躍し続けるために必要だと思っているのは、非常に無難な答えで恐縮ですが学ぶことだと思います。なぜ学びが大事かというと、世の中は変化し続けていて、学んでいるという事は自分がその世の中に合わせて変化できているということだからです。
現在AIがかなり勃興しているタイミングですけれど、世の中は2,3年でガラッと変わるような時代にきていると思います。そこについていく、変化できるというスタンスを自分の中で持ち続けるようにしています。
渡辺:社会への感度を高めるために普段からされていること、仕事をしていて注意していることはありますか?
泉水:エンジニアリング以外の勉強をするようにしています。例えば最近興味があるのは社会学で、その前だと経済学や英語だったのですが、エンジニアリングの周辺にあるようなことを学んでいくことをここ数年で心がけています。
インターネットの情報を摂取する上で英語はわかりやすいスキルだと思いますが、世の中のビジネス需要が何であるのかを理解しようとした時に、経済がどうやって動いているか、社会がどうなっているかを学ぶのは面白いです。
それらが日々の業務に直接響くかでいうとわかりませんが、知識や思考を養うという意味ではやっててよかったと思っています。もちろん技術力はソフトウェアエンジニアのベースとして必要なので、エンジニアリング以外だけに目を向けるのは得策ではありません。
渡辺:ありがとうございます。木村さんはいかがですか?
木村:アドバイス……、少し意外かもしれませんが活躍し続けなければならないみたいな考えも、もしかしたら持たないほうがいいかもしれません。
というのも入社した時に、周りよりもいろんなコンピューターサイエンスを学んで、いろんな知識があり、同期の新人と比べても「この人はできる」と言われても、1年たつと入社したときの技術力の差がなくなるということがあります。
そして自信を持っていたけれど、自信喪失してしまうというケースをよく見てきました。そういった時に自分を客観的に見る事ができたり、「常に自分はトップじゃないといけない」みたいなことを捨てて、自分がどこの道で強くなる、あるいは強くなっているか改めて考えることが重要です。なので常に走り続ける、活躍し続けることを考えすぎないほうがいいのかなと思います。
またもう1つあるのは体力やメンタルの要素、つまり舞台に立ち続けることが重要なので健康に気を使うっていうのは若い人はあまり実感できないかもしれませんが、やはり大事だと思います。
渡辺:たしかに社会人になればなるほど、体力の重要性を実感するので一番本質かもしれないです。
成長するために新卒でベンチャー企業で働くのは良い?
渡辺:続いて視聴者の方からいただいた質問に答えていただけたらと思います。まずは「成長するために1社目はベンチャーがいいのか?」という質問ですがいかがでしょうか?
泉水:成長するためにベンチャーである必要性はないかなと思っています。何をもって成長できるかという話でもありますが、木村さんがおっしゃったように業務の全体像がどういったものなのか、会社の中でどういう営みが行われているかを理解して、それを自分の学びにするという観点では、必ずしもベンチャーである必要はありません。
別に大企業でもいろんな経験をさせてくれるところも当然あるでしょうし、その環境で学べることは大企業かベンチャーを問わずたくさんあると思います。
ただ、私はベンチャーで働いたことがない人間ですので、もしかしたら木村さんが思うところももしかしたらあるのかもなと思います。
木村:私は泉水さんと全く逆で、これまでのキャリアはスタートアップやベンチャーしか歩んできませんでした。ないものねだりの感覚があるのかもしれませんが、やはり大企業は研修がしっかりあったり、チャットメンター制度など色々揃っているなど環境に恵まれています。
そういう環境を十分に活かせるのであれば、大企業に行っていろんな部署を転々としたり、いろんな仕事をとってきて、できることを増やしていける。環境の利を活かすという意味では大企業はいいのかなと思います。
もちろん大企業はDXなどで考え方など変わってきているものの、旧来のいろんなものが引きずられていて、ベンチャーほど柔軟にできない面もあるので、難しいところもあるとは思います。
スタートアップやベンチャー企業では自分でいろんなことをやらざるを得ないので、短期間に会社全体の事業を営むために必要な業務を学べる良さがあると思います。
渡辺:アセット(制度・環境)が揃っている方がやりやすいのか、自身で試行錯誤するのが好きかで変わりそうなので、そういったポイントで選んでもいいかもしれませんね。
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