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外資系投資銀行が求める素養は?
外資就活ドットコム編集部です。今回は現役外資系投資銀行勤務の方から 「投資銀行が求める学生像」 についてご寄稿頂きました。ぜひご一読ください。
また、第2回は、「投資銀行間の違い」についてご寄稿いただいています。こちらもぜひご一読ください。
ゴールドマン・サックス/モルガンスタンレー/J.P.モルガン/バンク・オブ・アメリカ/シティグループ/UBSグループ/バークレイズ/HSBCグループ/ドイツ銀行グループ/BNPパリバ/ソシエテ ジェネラル/クレディ・アグリコル
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外銀に入るために学部や専攻の差はある?
皆様、はじめまして。筆者は某外資系投資銀行のIBDに勤めています。
今回は外資就活ドットコムに寄せられた質問に答える形で、皆さんが普段お持ちの疑問や、投資銀行業界の実情についてお伝えいたします。就職活動に臨まれるにあたり、参考にしていただければ幸いです。
気になったのが「投資銀行が求める学生の特徴」という質問ですが、非常によくある学生側の誤解です。まずこちらの誤解を解きたいと思います。
投資銀行部門では、学部や専攻の差は一切ありません。
「法学部なので経済のことが分かりません」とか「理系なので経済のことが分かりません」と言ってくる学生の方が、いらっしゃいますが、まったく問題ないです。
我々はビジネスをやっているのであって、アカデミックな世界で生きているわけではありません。
経済学部や商学部で学ばれた方がビジネスに長けているとも全く思っておりません。実際に働いているバンカーの出身は、経済系以外にも、医学部、薬学部、文学部、法学部、工学部、理学部など多種多様です。
新卒採用は結局のところ ポテンシャル採用 です。将来バンカーになれる素質があるかどうかを見て、採用を決めています。
学部による不利は全くありません。それよりも「社会の動きや経済の動き」といったところは、一人一人さまざまな情報に触れて、自然に学んでいけるものだと思っています。
常にアンテナを張り、世の中の動きを捉える心構えを身につけていただければ と思います。
逆に、「法学部だから法律に詳しい」、「経済学部で金融に詳しい」、と言われても違和感があります。
投資銀行の実務で使われているレベルの知識を大学の特に学部レベルで付けているとは思っていません。
学部レベルで学ぶ法律は、基礎法学と憲法、行政法、民法、刑法などで、金融商品取引法や会社法の細部についてはそれ程やっていないと思いますし、 コーポレートファイナンスに関してもアカデミックな理論がベースで、入社後の独学で習得可能 だと思います。
入社後に必要となる知識は、入社後の徹底的なOJTと、トレーニングで身に付けて頂きます。そのため、特定の学部に有利ということもありません。
外銀が求めている学生の5つの特徴とは?
それでは欲しい学生の特徴をあげていきたいと思います。根本的な素質面で5つあげてみます。
1. 論理的思考力があること
投資銀行で行われている仕事は、調査・分析・アウトプットのサイクルを大量かつ高速に繰り返すことです。
日々新しい問題や課題が目の前にあり、それをデータベースやネットワークを駆使して調査し、クライアントにとってのソリューションを考え、提案・アドバイスをし続けていきます。
その仕事を高い品質で行うためには、論理的な思考力が必須です。
問題や課題の分析、ソリューションの分析・考察、クライアントへの説明 など、全ての業務において高い論理性が求められます。
ロジカルシンキングができない場合、思考の迷宮に陥り、パフォーマンスが発揮できなくなると思います。
2. 数字に強いこと
投資銀行では多くの数字を扱います。数字で物事を語ります。
そのため 数字に対する正確性へのこだわりや、数字的に判断するセンス は必須です。
複雑な計算ができることや、公文式が得意な必要はありませんが、数字のセンスは持っていて欲しいと思います。
3. 精神的なタフさがあること
投資銀行入社後は、高いプレッシャーを受けながら働くことになります。
大量の仕事を短時間でこなさなければならない時間的なプレッシャーのほか、高いアウトプットを求められる品質へのプレッシャー、ミスをしてはいけないという正確性のプレッシャー。
そういった緊張感の中、膨大な仕事を抱えつつも淡々とこなしていくためには相当精神的にタフである必要があります。
肉体的なタフさが必要と思われているかもしれませんが、投資銀行員はデスクワークです。本当に必要なのは精神的なタフさでしょう。
4. 高いコミュニケーション能力があること
コミュニケーション能力というのは、誤解を招きやすい単語です。
飲み会で楽しく盛り上がれる力や、友達を大勢作る力のことを言っているわけではありません。
仕事で言うコミュニケーション能力とは、相手の言っている事を正しく理解した上で、相手の求めるものをきちんと提供する力のことを言います。
言い換えれば「気が利く」ということでしょうか。
相手の欲しいものを察してそれを上手に提供する、というサービスのキャッチボールが出来ること が仕事上のコミュニケーション能力です。
相手のもつニーズ、不満などを吸い上げるためには、相手の立場に立って考えることや、多様な価値観を理解することが必要ですし、相手が喜ぶようにサービスを提供するには、内容のほか、伝達方法、タイミングなどを的確に判断して、出していくことが必要です。
クライアントだけではなく、上司や先輩、部下とのやりとりも同様です。
5. 精神的に成熟しており、アグレッシブかつ謙虚であること
投資銀行の仕事は「ノリ」だけではやっていけません。
クライアントは大企業の経営中枢にいる方が多く、若いうちから、年上のクライアントに接していくことになります。
そのためには 社会人として、大人として、きちんとした礼儀をもって、コミュニケーションをとること が重要です。
また、ハイプレッシャー下で自分を律していくためにも、精神的な成熟さが求められます。
アグレッシブさは重要です。常に自分で新しいこと、難しいことに挑戦していく気概が無い限り成長しません。時間がない中でも、自ら本を読み、自ら勉強していく姿勢もアグレッシブさの表れだと思います。
ただ、チームワークは非常に重要なので、 協調性を持った上でのアグレッシブさ が必要であることは認識して下さい。
また、謙虚であってほしいと思います。クライアントから、上司から、先輩から、同僚から、常に学んでいかないと成長できず、投資銀行が求める成長カーブに乗れません。
自意識過剰にならず謙虚に成長して欲しい です。
外銀に入るために大事なことを意識しよう
いかがでしたでしょうか。
外資系投資銀行は以上のように非常にタフな世界ですが、M&A業務はとてもエキサイティングです。次回は「投資銀行間の違い」について投稿したいと思います。
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