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電通・博報堂に入るためのポイントとは?
こんにちは。外資就活広告チームです。
外資系企業や総合商社と並び、毎年就活生の人気の高い広告代理店。
電通・博報堂をトップとして、毎年トップ校の学生が多数エントリーします。
しかし「華やかそう」「飲みが激しそう」といったふんわりした印象はあるものの、実態はどのようなものなのか、また社員や内定者にはどのような人が多いのか、イメージがつかない方も少なくないのではないでしょうか。
そこで筆者の身の回りにいる電通と博報堂、いわゆる電博の内定者複数人についてリサーチしてみました。その結果、 就職活動時に心掛けていたことについて、3つの共通点 が見えてきたので、ご紹介いたします。
主に、エントリーシート(以下、ES)や面接対策に役立つTIPSとお考えください。
筆記試験については、基本的なSPI・玉手箱対策でOKです。厳しい競争にはなりますが、ここで不採用となるようでしたら、残念ながらそもそも難しかったのだと考えた方が良いでしょう。
3つのポイント
1.OBOG訪問をだいたい5人以上している
1つ目は、OBOG訪問を5人以上行っているということです。
外資就活ドットコムでもしばしばお伝えしているように、広告業界のみならずどの業界においても、情報を得る上でOBOG訪問はとても有益です。とりわけ広告業界においては、以下の2つの理由でOBOG訪問がとりわけ重要になってきます。
理由1.「なぜ○○じゃなくてうちなの?」への確たる回答が必要
広告代理店は学生の間でも人気な業界なため、 志望理由をかなり重視 しています。例えば、「それってうちじゃなくて商社やメーカーでもできるんじゃないの?」「なんで電通じゃなくてうち?」など直接的に志望理由を聞かれます。また、「OBOG訪問で会社や職種に対する印象はどのように変わった?」「OBOG訪問で印象に残っている言葉は?」などOBOG訪問を切り口に、間接的に志望理由を聞かれることもあります。
こうした質問に対して、面接官が納得できる答えを答えられなければ、難関な面接はくぐりぬけられません。仮に「なぜ電通じゃなくてうち?」と質問された場合、業務上の差異を述べてもまるで説得力がありません。
広告代理店では、入社1-2年は基本的に同じような業務内容でさほど違いはありません。オリンピック関連は電通が抑えにいっているところはありますので、彼らじゃないとできないことも当然あったりしますが、新卒学生全員がそこに配属されるわけでは当然ありません(内定をもらってから考えましょう)
しかし 会社ごとにOBOG訪問をすることで、各代理店のカラー、カルチャーや業務スタンスの違いを実感する ことができます。
筆者も電博ともに複数人OBOG訪問をしました。電博の社員さんは個性的なので個人単位での違いはもちろんありますが、それでも両社の雰囲気の違いも身をもって感じることができました。こうしたことから、他業種と同じくOBOG訪問は必須です。
面接終盤になると、どの会社でも「なぜ○○じゃなくてうちなの?」という質問をされますが、 OBOG訪問で感じたカラーの違いを言語化し、それが自分にとって魅力的であることを説得力を持って話すことができたら、面接官が納得する答えになります 。
それでは、受け答えの例を以下に記述してみます。
「コミュニケーションでの課題解決に、自らの語学力や問題発見・課題解決能力を活かし、グローバルに取り組み、日本経済社会の発展に貢献したいためです。
そのためには、クリエイティビティ・営業力ともに最高峰の御社の厳しい環境の中で、とことん力を磨き抜いていくことが最も近道と考えました。
また、今後海外展開の動きは一層進むと考えられますが、その中で自らの語学力を活かすチャンスも大いにあると感じています。」
●OK例:「なんで○○じゃなくてうちなの?」
「社員さんに魅力を感じたからです。私は15人の社員の方にOB訪問させていただきました。
A社はES添削してくれるとき、こうしたほうがいいと全て答えを与えてくれました。
B社はなぜこういう風に書いたのか、私の考えを聞きながらヒントを与えてくれて、
また書き直して持ってくるように言われました。
どちらの社員もいい方だったのですが、
自分はB社の人の方が本当の意味で自分のことを考えてくれているように思い、
またB社のような環境の方が成長できると思ったからです。」
一見NG例の方が立派ですが、全く実感がこもっておらず、他社との違いも明確化されていません。一方、OK例は拙いながらリアルで、他社との違いがそのまま志望理由につながっています。
広告代理店はメーカーのように商品がありません。商材といえば人です。そのため、社員の魅力を志望する理由のひとつとしてあげるのも手です。
もちろん、これらはあくまで例ですので、「これを話したら通る!」というわけではないことはご承知おきください。
理由2.インパクトある「自分の伝え方」をプロの目線で固めねば内定が困難
非常に重要です。OB訪問を通じて、社員の方から自分の伝え方を学びとるということです。
広告代理店の社員の方は、いわば「伝え方のプロ」です。彼らは、限られた時間・文字数の中で、商品の魅力を伝えるということを生業にしています。
選考も広告と同じく、限られた時間・文字数で、自分という商品の魅力が面接官に伝わらなければいけません 。広告業界では、とりわけこの点を磨かなければ、内定は難しいものとなります。
自分の伝え方を磨くには、複数のOBOG訪問でESや面接の受け答えを見てもらい、 自分について何をどのように伝えたら面接官に刺さるのか、どのような話し方をすれば良いのか、広告業界のプロの目線で厳しくチェックを受ける のが近道です。
筆者は締切前日まで、ESを持っていく→添削してもらう→再度書き直す、ということを4回繰り返してESを提出し、面接が始まってからも週に2,3度は受け答えを見ていただきました。
伝え方は一朝一夕で身につくものではありませんが、OBOGのフィードバックをもとに” 面接官の印象に残る伝え方 ”を考え、洗練させることで、他就活生と大きく差をつけられます。
2. CMを背景・作られた意図から見ている
2つ目は、 CMを背景/作られた意図から見ている ということです。
そもそも 広告代理店の意義は、クライアントの課題を、主にコミュニケーションによって解決すること です。それゆえすべての広告には、 掲載企業の課題解決につながるメッセージ が含まれています。
ですので、視聴者に面白いと感じてもらう番組を作る放送局とは、仕事をする上で向いているベクトルが逆です。
1つのCMを例に挙げてみましょう。
満島ひかりさんが出演している、カロリーメイトのCMです。クライアントは大塚製薬です。
著作権の侵害に当たるため、こちらに動画を掲載できませんが、ぜひご自身で、 『カロリーメイト / 満島ひかり』 をYouTubeで検索してみてください。
このCMを見るに、例えば「カロリーメイトの売上をあげる」などがクライアントからの依頼として想定されます。仮にそうだったとしましょう。
この場合、広告代理店は「①カロリーメイトの現状の課題を考える→②その課題を解決するようなカロリーメイトの訴求ポイントを絞る→③その訴求ポイントが伝わるような広告を作る」というステップで作業を進めます。
それゆえ上のCMには、広告代理店が生活者に訴求したいポイントが含まれています。
CMのストーリーは、新社会人の男性が仕事に四苦八苦し、時間に追われながらも、カロリーメイトを食べてエネルギーをチャージする、というもの。
このストーリーにおけるカロリーメイトの訴求ポイントは、「短時間で栄養補給できる」ことです。
以上をもとに解釈を加えると、
①商品の現状の課題→ 10,20代の間で売上が伸びていない
②課題を解決する商品の訴求ポイント→ 短時間で栄養補給できる
③訴求ポイントが伝わる広告→ ターゲット層であり、時間に追われがちな新社会人にスポットを当てる
といったことが考えられます。
ところで、どの代理店でも、近年は減っているものの、面接で「 好きなCMとその理由 」を聞かれることがあります。
多くの広告業界志望の就活生はこうした背景を考えておらず、「満島ひかりさんのメッセージに心打たれました!」といったことを、面接で話しています。
広告代理店は、CMのファンは求めていません 。
「面白いものが作りたいなら放送局に行けよ」といったところです。好きなCMを聞かれたときに見たままの感想を述べると、単なるファンだと思われる可能性大です。
どのCMであれ上の①②③を自分なりに解釈し、コミュニケーションでの問題解決に面白さを見出したことをロジカルに伝えられたら、他の就活生よりも一歩先を行くことができるのではないでしょうか。
加えて、どの広告をどの会社が作っているかについては、雑誌やインターネットでざっくりと調べておくべきでしょう。
ここでも、カロリーメイトを題材にして受け答えの例を以下に記述してみます。
「満島ひかりさんが出演しているカロリーメイトのCMです。
理由は、満島さんの力強い歌声や新社会人の力強く頑張る姿に、感銘を受けたからです。
私も落ち込んだ時は、あのCMを見て励まされています。」
●OK例:「好きなCMと、その理由について教えてください」
「満島ひかりさんが出演しているカロリーメイトのCMです。理由は、時間がなくとも手軽に食べられる、という点に訴求しているところに面白さを感じたからです。
私自身、これまでカロリーメイトはどちらかと言うと3-40代の方が食べるイメージでした。
部活でも休憩時の栄養補給はゼリーを飲んでいたのですが、満島ひかりさんファンの部員が多いこともあり、あのCMを見てからカロリーメイトが導入されるようになりました。」
この例はわかりやすいかと思います。NG例は、CMを単に面白い作品として見てしまっています。一方OK例は、CMをコミュニケーションでの問題解決として見ています。
3. 面接では自分のことばで語る
3つ目は、面接では 「自分のことばで語る」 ということです。
広告代理店は、「ことばで人の心を動かす」仕事です。
手垢のついた言い回しや借りてきた表現では、人の心は動きません。
そしてそうした表現は、聞いている人にはすぐに伝わります。
自分なりに考え抜いて生まれた言葉は、
どんなに拙くとも、相手に伝わるものです。
安易に「○○力」や「横文字の言葉」などの耳触りの良い言葉に逃げず、
自分なりの表現に落とし込むことが、
広告代理店の選考ではとりわけ大事になってくると思います。
面接担当の社員はこう言っておりました。
「 ある程度選考に残った人間でも、自分の言葉で分かりやすく、質問に対して的確に回答をできる人間はほとんどいない。よりベターという選択をしているものの、聞くだけで疲れる。99%何の印象にも残らない 」
これは広告業界志望者ならなんとか見返してやりたくなりますよね。自分ならではの言葉、切り口を突きつめ、選考に備えましょう!
こちらでも、受け答えの例を以下に書いてみますね。
「自身の強みである周りを巻き込む力を活かし、集団のメンバー同士のコミュニケーションを円滑化する、組織に欠かせない潤滑油です。」
●OK例:「あなたを一言で表してください」
「”イチローを超えちゃったチアリーダー”です。部活の厳しい練習を耐え抜き、体脂肪率が4%、イチロー選手の5%を下回りました。」
NG例は一見よくまとまっていますし、サークル幹部やゼミ長などこう書きたくなりますが、どうしようもなく無個性です。OK例は、「イチローを超えたとはどういうこと?」とこちらが質問したくなるような工夫があります。
おわりに:選考を突破して電通・博報堂の内定を目指そう
これまででも触れたように、広告代理店の仕事と就活は似ている部分が多いです。
電通の方が『広告のやりかたで就活をやってみた』という本で、CM制作を分析しながら、それを就職活動に置き換えて、「伝わる就職活動」について書いていらっしゃるので、そちらも一度読んでみるとよいと思います。
広告のやりかたで就活をやってみた
著者:小島 雄一郎
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また、実際に内定した先輩たちの声に耳を傾けるのもよいと思います。
応募者が多い人気の業界ですが、このコラムも参考にして、選考を乗り切っていただけますと幸いです。
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