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まずはいろいろな広告を知ろう!
こんにちは。外資就活 広告チームです。
みなさん、好きな広告はありますか?
また電通・博報堂をはじめ、広告代理店の面接では「好きな広告は何ですか?」という質問を投げかけられることがありますが、みなさんは答えられますか?
もしかしたら広告を普段意識せずに何気なく見ている方も多いのではないでしょうか?
また広告は商品がメインなため、制作した広告代理店(電通・博報堂・ADKなど)を調べたとしてもわからないことが往々にしてあります。
そこでまずはどんな広告があるかを知ることが大切です!
今回は、電通・博報堂が作った国内外の広告を紹介するコラムをいくつかお届けするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「好きな広告」が面接で聞かれる理由とは?
一番大事なのは「なんで」:学生の思考を見たいから
ここで一番大事なポイントは、どんな広告を知っているかではなくなぜその広告が良いと思ったかです。
特に広告代理店で働く人は「なぜ」をとても重要視します。
その広告が良いと思ったポイントはなんだったのかを端的に納得がいくように伝えましょう。
もちろん最初から、上手に伝えるのは難しいです。
まずはなぜいいと思ったのか自分自身で考えて、それをOB訪問などで社員の方に練習として伝えてみましょう。
意見によっては、社員の方に「つまらない」と言われてしまうかもしれません。
社員の方に「その見方面白いね!」と言われたら、面接でそのまま伝えてもよいでしょう!
学生のキャラクターを知りたいから
好きな広告を聞かれたとき、もちろん自分が心から好き!と思える広告を伝えていいでしょう。
ただ面接という場においては、面接官は学生がどんな人かを知りたいと思っています。
そのため、 自分のキャラクター・志向が面接官により伝わる広告 を例に挙げる方が有効的です。
けれど「キャラクターにあった広告ってなんだ?」って思いますよね。
例えば「女性でバリバリ働きたい!」ということを面接で伝えていたら、女性のリアルな気持ちを捉えた広告。
もし15年間、野球一筋でやってきた体育会なら、野球場で流れる広告や大学野球の広告を例に挙げてもいいかもしれませんね!
このコラムでは私が良いと思った広告だけでなく、なぜこの広告がいいと感じたかもお伝えします。
"1人の内定者の感想"として参考にしてみてください。
日本の広告ー電通編ー
電通の広告は大塚製薬のポカリスエットなど大人数で迫力満点、インパクトのある広告が特徴的です。
祝!九州 九州新幹線前線開通
このCMは電通のクリエイティブ・ディレクターの 磯島拓矢さん がてがけた広告です。
YouTubeで 『祝!九州 九州新幹線前線開通 / CM』 で調べるとでてくるので是非チェックしてみてください!
こちらのCMも有名なため、見た事ある方が多いのではないでしょうか?
このCMは2011年に放送されたもので、少し昔の広告ですが、今でも記憶に残っている人は多いと思います。
放送当時は「泣けるCMだ」と話題になりました。
それではこのCMがそこまで人々の心を動かした要因を考えてみましょう。
私は以下の3つの要因があるのではないかと考えました。
②九州の人の温かさを疑似体験できる
③放送された時期
①九州新幹線ではなく九州を祝っている
このCMのコンセプトとなっている『祝!九州』という言葉。
このCMは九州新幹線の広告であるため、本来ならば九州新幹線という言葉を全面に押し出すはずです。
新幹線が開通することによって喜ぶ人は、九州に住む人や九州に家族がいる人、旅行をする人です。
新幹線の便利性や機能性を伝えるのではなく、新幹線の開通によってもたらされる影響を『祝!九州』という言葉に込めているのです。
この発想の転換は高く評価されている一因ではないでしょうか。
②九州の人の温かさを疑似体験できる
このCMで最も印象的なのは、満面の笑顔で新幹線に手を振る九州の人々の姿です。
実はここに映る約2万人の方々は、全てボランティアで集まった人々なのです!
この映像を見ているとこんなにもたくさんの人が迎え入れてくれる感覚になりませんか?
九州の人の心の温かさが、映像からも伝わってきますよね。
また、これだけ多くの人が笑顔で手を振ってくれていると自分を応援してくれているような感覚になります。
なにか頑張ろうとしている人にとって、この映像は心に響くものがあるのではないでしょうか。
③放送された時期
このCMが放送された時期は、実は2011年の東日本大震災の少し後でした。
みなさんも記憶に残っているかと思いますが、当時はテレビでは常に被災地の様子が映し出され、各企業がCMを流すことを自粛していました。
テレビをつけると目をそむけたくなる光景が映し出されていました。
日本中が自然の脅威にやるせない、もどかしい思いを感じ、暗い雰囲気が流れていました。
そんな中で、流されたのがこのCMだったのです。
場所は九州ですが、当時の日本人の多くの人がこのCMを見ながら東北と重ね、頑張ろうと応援されているような気持になったのではないでしょうか。
このCMに限らず、キャンペーンは時代性が重要です。
世の中の流れの文脈を読み取り、その時代に合ったキャンペーンを行うことで人の心を動かすことができるのです。
GLICODE(ぐりこーど)おいしいプログラミング
グリコードのページはこちらから
※グリコードの公式サイトに飛びます。
こちらはグリコが幼児向けのプログラミング教育です。
CMではなく、CSRの一環として行っているキャンペーンです。
子どもはお菓子で遊びながら、楽しくプログラミングを学ぶことができるのです。
近年はただCMや看板などの広告を制作するだけでなく、こうした仕組みづくりから広告を行っている例が多くあります。
このキャンペーンが良い理由はこの3点です。
②時代性
③マッチング性
ここからはこの3点を説明していきます。
①コンテンツの有効活用
グリコは日本国内で幼児用のお菓子として長年愛されているお菓子メーカーです。
商品はグリコやビスコ、ポッキーなど様々な種類があります。
このキャンペーンでは、こうした、形や色も様々なお菓子があることに目をつけています。
使うお菓子によって様々なプログラミングを作成することができます。
こうしたみんなが知っている様々な種類のお菓子を商品として持っているグリコだからこそできる施策と言えるでしょう。
②時代性
このキャンペーンではプログラミングを用いています。
近年、義務教育でプログラミングが必修になるなど、幼いころからプログラミングに慣れ親しむことの重要性が高まってきていますよね。
また日本の家庭ではスマートフォンやタブレットがある環境が整っています。
こうした時代背景を捉え、時代のニーズに合わせた施策だと言えるでしょう。
③マッチング性
最後のポイントはマッチング性です。
上記でも挙げたコンテンツの有効活用と時代性を上手に組み合わせています。
多様なお菓子というコンテンツを持ったグリコと、消費者である子どもが必要としているプログラミング学習。
その二つをうまく掛け合わせたのが『グリコード』だと言えるでしょう。
日本の広告ー博報堂編ー
ヤフー「ちょうどこの高さ。」
こちらは銀座に設置された、ヤフーの看板広告です。
著作権の関係でここには画像を載せることができないので、画像検索で 『ヤフー / ちょうどこの高さ』 で調べてみてください!
皆さんこの看板をご存知ですか?
銀座のソニービルに設置されたこの看板は、東日本大震災の津波の高さを伝えるヤフーの広告です。
看板という原始的な手法にも関わらず、かなりインパクトがありますよね。
それではこの広告の良い点を考えてみましょう。
②アナログ広告の可能性を示す
③ヤフーが考える知ることの重要性
①インパクトを体感させる
東日本大震災の津波による甚大な被害は、日本人ならだれもが知っています。
ですが、その津波の高さを16.7メートルと数字で言われても、ピンと来る人はなかなかいません。
そこで活用したのが、銀座の街のど真ん中にあるソニービル。
多くの人が行き交うこのビルで、人々が見上げられる近さに津波の高さを表現しています。
この広告を見た人たちは実際に高さを見上げ、感覚的に津波の高さとその恐ろしさを知ります。
この広告では、空間や場所の性質を有効に使って自然災害の脅威を感じさせる工夫がなされています。
②アナログ広告の可能性を示す
近年はSNSの普及のため、ネット上のデジタル広告など新しいカタチの広告が注目を集めています。
そのような中でこのヤフーの広告はあえて看板という非常に原始的な広告です。
ですが、ビルを有効活用し、メッセージ性の強さとそのシンプルさから、インパクトは非常に強いものになっています。
テレビやインターネットを通じて世界中のあらゆることを知れる時代だからこそ、リアルに感じて考えるといったことが非常に重要となってきます。
この広告はそうしたアナログの可能性を示した広告と言えるのではないでしょうか。
③ヤフーの考えを示す広告
『でも、この高さを知っているだけでとれる行動は変わる。(中略)それが、一番の防災。ヤフーはそう思います。』
これはこの看板に記されている一節です。
この広告ではヤフーの宣伝はされていません。
ヤフージャパンが自社製品を宣伝しない広告をつくったのはこれが初めてだそうです。
この広告は、情報検索サービスを提供するヤフーが考える「知ること」の重要性を示しているといえるでしょう。
日本に多い災害を扱い、社会的メッセージを伝えるだけでなく、ヤフーというブランドの立ち位置を示している広告です。
ゼクシィ 風船篇 「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
こちらもCMを載せられないので、YouTubeで『ゼクシィ / CM / 風船編』で検索してみてください!
ゼクシィのCMはゼクシィガールなど長年、注目が集まる広告の一つです。
このCMは2017年に放送され、メッセージへの共感が集まり話題になりました。
②時代背景
③言葉の使い方へのこだわり
①誰も否定していない
この広告が話題になった第一の理由とも言えるのが、結婚する人も、したい人も、していない人も、する気がない人も否定していないという点です。
本来ならば、結婚を強く推奨する、結婚情報誌のゼクシィが、結婚することを押し付けることなく、且つ結婚するカップルの幸せを表現しています。
②時代背景
こうした結婚する人・しない人を否定しないコピーが共感を生むのには時代背景が大きく反映しています。
少し前までは結婚するべきものであり、独身のままの人は社会の中では生きづらさを感じることが多かったように思います。
しかし、現在は日本を含め世界中で多様な生き方を認める動きが活発になってきています。
男性、女性、LGBT、宗教、教育、文化、仕事の仕方や家族のあり方、人生に対する考えなど、人によってそれぞれです。
こうした多様性を許容する考え方が広まりつつあるこの時代だからこそ、多くの人が共感し、このCMは反響を呼んだのでしょう。
色々な広告がありますが、コンテキスト(文脈)を上手にとらえ、世の中と目線をあわせた広告は見ている人の共感を生むことができます。
③言葉の使い方へのこだわり
このコピーの良さはコアメッセージだけでなく、細やかな言葉の使い方にもあります。
「私はあなたと結婚したい”のです”」と、自分の強い意志を持ちつつ、それを謙虚に素直に伝えています。
これは想いを寄せる男性に対する女性の繊細な気持ちを上手に捉えていると言えるのではないでしょうか。
こうした現代の女性の共感を生む言葉の使い方も、この広告が共感を生んだ要因といえるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
広告は商品がメインのため、制作した広告代理店が表に出ることは少ないです。
ですが、近年はインターネットも普及しているため、比較的簡単に広告会社の事例を知ることができます。
また「宣伝会議」という雑誌だと、どの会社がどの広告を手がけたか知ることが可能ですし、OBOG訪問の際などに好きな広告を尋ねてみるのもおすすめです。
いろいろな広告を知り、気になる広告や好きな広告を見つけられたら、「なぜ」気になるのか、「なぜ」好きなのかを考えてみましょう。そしてそれらを、「自分の言葉」で表現し、OBOG訪問の際に壁打ちしてみるのも良いでしょう。
広告代理店は「なぜ」を大切にします。「なぜ」を考えられる人が求められているため、面接でも何度も「なぜ?」を尋ねられます。こうした問いかけに対応できるよう、普段から「なぜ?」ということを考える癖をつけましょう。
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