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徹底解明!クオンツ就活の全貌

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はじめに

私は某国立大学の修士課程2年で金融工学を専攻していました。14卒のクオンツ内定者(当時)です。

私はクオンツとアクチュアリーを同時に受けていました。どちらも数学を使用する職業と言われていますが、選考を通じてこれら2つは全く違うことに気づきました。

今回は、私が内定を獲得した「クオンツ」について説明したいと思います。

なお、アクチュアリーについては以下のコラムをご覧ください。
アクチュアリー就活の全貌|数理を駆使したプロフェッショナルへの道

クオンツとはどういう職業なのか

クオンツとは、金融機関においてデリバティブ(金融派生商品)のプライシング(価格付け)システムの構築や、トレーディングアシストツールを開発する仕事を行う専門職です。

最近では、ビッグデータ解析によるトレーディングシグナルの発見などをやっています。

そのため、最新の金融工学、統計学、コンピュータサイエンスの知識が求められることになります。

具体的には、BSDE、漸近展開、時系列解析、多変量解析、機械学習あたりです。

もちろん1人で上記の専門知識の全部を理解するのは困難なので、どれか1つの分野における専門性が求められます。

しかし、金融工学の専攻でなくても採用される場合があります。

具体的な事例でいきますと、素粒子物理学専攻の大学院生など難解な物理学を専門とするアタマのキレる人間も採用されていました。

こういった人たちは金融工学の分野を理解できる素地があると考えられているため採用されています。

クオンツの実務ではトレーダーの横についてトレーディング業務のサポートをする地味な仕事が多いのは事実です。

ですが、アカデミックな金融の専門的知識を実務に落し込み業務として遂行できるようにするのがクオンツの特徴だと思います。

クオンツ就活の全貌

私が内定を獲得したクオンツの選考プロセスについてお話したいと思います。(※私個人の経験に基づいて書いてありますので、14卒選考を中心とした情報です

私が知っている限りクオンツの採用を行っている大手の会社は大和証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、みずほ銀行、野村證券、三菱東京UFJ銀行、第一生命です。

損保系のコース別採用の名前に「金融工学・クオンツ」と入っているケースもありますが、実際の業務はアクチュアリー寄りなので後ほど説明致します。

野村證券

まずは野村證券です。ここは総合職Cという形で採用 を行なっており、クオンツを募集しているのは「フィクストインカム」「エクイティ」「リサーチ」の3部門です。内定人数については年度ごとにばらつきが激しいですが、基本的に少人数です。

リサーチ部門のクオンツ部署は秋に5日間インターン(参加者3名程度)を行なっていますが、採用活動には全く直結していませんし、エントリーシート(以下、ES)通過者は一律4月1日から始まる面接に行く必要があります。

ですから、他社の内定をキープしつつ受けるのは至難の業ということです。他の2部門も夏と秋に5日間インターン(クオンツとしての参加者は2人ずつ程度)があり、こちらはインターンでの評価が高ければ(または2月以降始まる面談での評価が高ければ)3月中に部門からのOKサインは貰えます。

しかし、4月1日の役員面接で落とされる確率が決して無視できません。

そして落とされるにしても役員面接で1日の大半を消費することになるので、4月1日に拘束されない企業の内定をキープしつつ受ける必要があります。

その時点で内定が無いのであれば、滑り止めの企業の面接に行くことをマジメに検討する必要が生じてきます 。

また、他の方が内定を辞退した場合、繰り上げで面接に呼ばれる場合もあるので内定の出る時期にはばらつきがあります。また面接の途中で違う部門の面接フローにとばされる場合もありました。

【選考体験記】
野村證券

三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行については、1月以降3日間のインターンシップが3ターム(30人×3程度)あり、このいずれかに参加することが必須かと思われます。

面接は4月の頭に総合職採用に混ざってグループディスカッション(以下、GD)をやる所から始まり、ゆっくりとしたペースで個人面接へと進んで行きます。研究内容を詰められる感じです。

4月中旬ころまではかかります。基本的に他社の選考とぶつかることはないのですが、アカデミック・給料の観点からクオンツ日本最高峰であるため、難易度は圧倒的に高くなります。「ここだけ面接受けて、落ちたら博士課程行こう」とか考えている層も参戦してきます。

【選考体験記】
三菱東京UFJ銀行

第一生命

第一生命の選考は4月2日の筆記試験からスタートしました。この試験は金融工学を専門にしている人なら満点確実の難易度です。

それ以降の面接ものんびりなので、他社とのバッティングは気にする必要はあまりありません。

内定難易度は中程度で4月中旬には内定が出ますが、この時期内定の可能性がそこそこ高いクオンツはもはやここしかないので、クオンツ内定を持っていない人は別の業界にシフトしつつ、サブで受ける形になるでしょう。

また、夏にインターンシップがありますが、採用には直結しません。

【選考体験記】
第一生命保険

大和証券

大和証券ですが、夏と冬にインターンをやっており、このいずれかに参加して好評価を得るか、2月以降のイベントに積極的に参加して面接に漕ぎ着ける必要があります。

3月中には内定が出ますが、「4月1日に来れば必ず内定」という形なので、この時点で選択が迫られることになります。

拘束時間は長いので、固い意志を持って行きましょう。

【選考体験記】
大和証券

みずほ証券

みずほ証券ですが、ちゃんと説明会に2回くらいは出席してESを早めに提出すれば、3月頃から「質問会」と称した面接に複数回呼ばれます。

IBコース一括りでの採用となりますが、クオンツを志望していればクオンツの社員さんが面接官として出て来ます。

一応配属リスクはありますが、クオンツの特殊性から、特に気にする必要はないでしょう。

ちなみに「4月1日来れば内定」と言われます。ただ、拘束時間が1時間程度なので、上手くやれば野村證券の選考を受けられます。頑張りましょう。

【選考体験記】
みずほ証券

みずほ銀行

みずほ銀行はウィンタージョブに参加しないと選考フローに乗れません。これに通過するとスプリングジョブに呼ばれます。

しかし、ウィンタージョブではGDなどがあるため、コミュニケーション能力が乏しいと不慮の死を遂げることになります。

その後数回の面接を経て内定となります。こちらもGMコースとしての内定になるので、配属リスクについては上と同様です。

三菱UFJモルガンスタンレー証券

三菱UFJモルガンスタンレー証券は1月から2月あたりに5日間インターンがあります。3タームありますが、各ターム2-3人しかインターンに行けません。

そしてこのインターンに参加できなければ選考フローには原則乗れないと考えていいでしょう。

このインターンに参加するためには、社員3対学生1で研究内容について1時間ほど徹底的に詰問される面接を突破する必要があります。

インターンでは主にコーディングを行うのですが、それが高評価の上2人が程度が3月下旬に内定です。

ちなみにこの会社は少し特殊で、入社して半年間は金融工学の研修を受け続けることになります。かなりアカデミックな印象です。

4月1日に拘束されに行く必要がありますが、時間はそんなに長くありませんし、ここに受かってしまえば、あとは三菱東京UFJ銀行だけ受ければ問題ないと思います。

【選考体験記】
三菱UFJモルガンスタンレー証券

面接での質問内容

これらが各社の選考フローとなります。次に、面接において聞かれることについて追記しておきましょう。

もちろん「あなたの研究内容についてお教え下さい」というのがメインとなりますが、意外なことに深堀りされる企業は少なかったです。

三菱系の2社は研究についてかなり深くまで質問されますが、他は浅い知識でも大丈夫です。

金融工学の分野は少し自分の専門と違えば深い討論は現役のクオンツでも難しくなります。

「あなたの勉強・研究スタイルはどんなかんじですか」といった質問もあります。こちらの方が注意深く見られている感じがしました。

研究内容は完璧に話せるように対策するのは当たり前ですから、この質問で勉強をいい加減にしかしていない人を見ぬいてきます。気をつけましょう。

加えて志望度も重要になってきます。

みずほと大和でよく聞かれた、「なぜ野村や三菱じゃないの?」といった類の質問はとても厄介でした。しっかり準備しておきましょう。

おわりに

これがクオンツ就活の全体像です。ちなみに、クオンツの面接は全て個人面接となります。

またクオンツというと直感的に金融工学を専攻としている人が内定者の大半かと思われるでしょう。しかし、そうでもないことを言っておかねばなりません。

私の所属する専攻科で金融工学・数理ファイナンスを専門としている学生は20人程度いますが、そのうちクオンツを志望する学生はせいぜい3人程度です。

実際に14卒では2人しかクオンツになりませんでした。金融工学を学べる大学院が増えた今でも、それ以外の専攻からたくさんクオンツを輩出していることがわかります。

最近ですと、ビッグデータを扱える人間の需要なんかも増えていて、そういった方面の研究をしている人なんかも受けてみるといいかもしれません。

このコラムを読んでクオンツ就活に勝機を見出した人はぜひエントリーしてみてください。

参考:外資系投資銀行のクオンツに実際に聞いてみた

実際にクオンツとして活躍している方に、クオンツの実態についてお話を伺うことができました。

具体的にはどういったことをしているのか、どういう人物が現場では求められているのか、丁寧に語っていただきました。ぜひ読んでみてください。※英語インタビューです(翻訳あり)

外資系投資銀行のクオンツに聞いてみた(1)-数学・物理博士が集まる金融世界の実態

クオンツ志望者にはかなり優秀な理系のバックグランドを求めているが、一方で実用主義的アプローチを取るハイ・フリクエンシートレーディングに対し時には理論的手段を除外して働くことも出来るような柔軟性を求めている。
コンピューターのプログラミング言語等にも馴染みがあり、コンピューター・サイエンスに関わる全ての事柄において物覚えが良いことを求められる。

>>続きはこちら

クオンツ志望者への面接:想定問答集-外資系投資銀行のクオンツに聞いてみた(2)

クオンツのポジションにアプライしてきた学生に対して聞く質問は、その学生が専攻してきた科目により異なります。
確率解析学やオプション・プライシングを学んだ学生の場合は、たとえば、ヴァニラ・オプション周りのギリシャ語についての質問をします。
デルタとは?ガンマとは?ATMオプションのデルタは何? 等

>>続きはこちら

理系大学生、院生向けコラム集

理系の学生、院生が目指す業界・業種はクオンツに限りません。また、理系であるがゆえの就活方法もあるかと思います。以下のコラムを参考に、就職活動で成果を出してください。

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