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海外で研究するということ~理系海外大学院生に聞いてみた

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はじめに

外資系投資銀行やコンサルに入る学生のイメージは、やはり文系学生ではないかと思います。しかし、企業側が採用ターゲットにしている学生は理系院生です。その理由として、

・研究等で数字の扱いに慣れており、大量の数字を分析する業務に適応しやすいこと
・タイトなスケジュールで研究をこなしているため思考のスタミナがあること
・普段の研究でロジカルなものの考え方の基礎を身に付けている

ということが挙げられます。

理系の院生といえば、メーカーの研究職というイメージが強いですが、以前コラムでご紹介した「外資系投資銀行のクオンツに聞いてみた(1)-数学・物理博士が集まる金融世界の実態」のように、金融業界等でも数学科や物理学科の博士課程院生が活躍しています。

しかし、全員が全員就職という道を選ぶわけではありません。大学に残り、研究者としてのキャリアを選択する方も多くいます。また、現状そのフィールドは国内のみならず、海外の大学院へも開かれているでしょう。

就職か研究か、国内か国外かという問題は、理系の学生なら一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。

今回、アメリカの大学院で工学系の研究をしているAさんに、キャリア選択の理由と、現在の状況をインタビューしてきました。アメリカと日本の研究環境の違いや、Aさんのキャリア観など参考にして頂ければ幸いです。

インタビュー本文

―就職ではなく研究者の道を選ばれたのはなぜしょうか?
1つ大きな理由は、院卒で就職をするよりも自分で好きなことが出来ると思ったからかな。メーカーだと好きなことをやるのに時間がかかるけど、研究室だと自分がやりたいことをやらせてくれて、一から研究が出来ると思った。

大手メーカーの部長になるのもいいと思っていた。なんといっても、自分が開発したものが製品になるというのは魅力的。今は産学連携も進んでいるし、研究室で研究したことが世の中に出る機会も多くなっている。

しかし、自分は将来的に、教授になって好きなことをしたかった。国の委員会に呼ばれて大きな枠組で物事を考えられればと思っているよ。

メーカーとかだと、例えば本当は飛行機を作りたいのに、羽根の形がどうしたで7年、制御系で7年……みたいな話も聞いたしね。本当に自分のやりたいことができるのか、見極めないといけないと思うよ。

あとは、メーカーの研究所に院卒で就職するより、博士号を持っていた方が社会的に見て地位が高いと思ったというのもある。日本では評価が低いけど。

また、学部時代は外資系投資銀行に行くことも考えてインターンにも参加してみたよ。理由としては親戚が働いていたので話を聞く機会が多かった事と、待遇面にひかれたことが大きいね。

ただ実際インターンを経験してみて自分には合わないなと感じた。ハングリーな人が多い中で、給与だけをモチベーションにしては自分は働けない、と。

僕としてはアカデミックにいる人のほうが魅力的だったんだよね。読書や自分の趣味に使う時間も欲しかったし。でも、ビジネスに興味が無いというわけではなくて、博士でやった研究がうまくいけば大学発ベンチャーなんかを起こしたいという気持ちもある。

―では、Aさんが留学された理由や日本とアメリカの研究環境の違いを教えてください。
僕自身が留学した大きな理由の1つとして、日本の研究室では研究分野が全く同じ人はいなかったから、議論をしたり相談をしたりする機会が少なくて、新しい環境に身を置きたかった、というのがある。

これは自分の研究室の特徴かもしれないので一般化できるかはわからないんだけど、アメリカの方がディスカッションをし易い雰囲気がある。

議論上手な人も多いし、そのことで新しい発想のヒントになることも多い。特に違った分野の人でも議論に参加するので新しい視点を得られたりもするね。

日本でも議論をしないことは無いんだけど、違う分野には口を出さないっていう意識は強いかもしれない。縦割りというか縄張り意識が強いのかな。少しずつ変わっては来ているんだけど。

違いという話だと、一番大きく違うのは拘束時間かな。まあこれは研究内容によっても違うとは思うんだけど。

日本の研究室だととにかく拘束時間が長い。朝9時に朝礼をして点呼を取って、夜は終電まであまり研究室から出る事無く研究に没頭していたりする。研究室の人同士で教授も交えて飲み会なんかも多くて仲間意識が強い気がする。

一方アメリカでは、朝の時間は一応決まってはいるけどそこまで締め付けが強くない。帰る時間もだいたい6時とかにはみんなそれぞれに帰っていくね。

成果さえ出していれば研究室に拘束されるってことは無い。ただビジネスライクな関係なのでちょっと寂しいと思う時もある。

この対比は外資系と日系の民間企業の違いにも近いものがあるかもしれないね。アメリカ人は本当に家族を大切にしている人が多い。

理系大学院留学―アメリカで実現する研究者への道 (留学応援シリーズ)

―日本の科学研究の凋落が噂されていますが、実際日本人の海外での評価はどうですか?
多分日本で一般的に思われているよりもずっと高い。特に工学系の分野では日本人の平均的な技術力の高さは信頼されていると感じる。

アメリカ人に限らず色々な国籍の人がいて、民間の企業にいた人も多いんだけど、そういった人からも日本人と一緒に仕事をしたいという意見はよく聞くよ。

アメリカ人は、基礎学力や技術力の面でたまに恐ろしく低い人もいる。ただ一方で、創造力っていう面では秀でているなと感じる。

一見何の意味があるかわからない研究でも、それが思わぬところで物凄いブレークスルーになったりというのも幾つか見てきた。そういった全く新しいアイディアという面ではアメリカは強いね。

―意外と評価されているのですね。では、日本に足りないというか、アメリカから取り入れた方がいいというところは?
これはさっきの話にもつながるんだけど、アメリカの研究者は待遇がいいんだよね。

アメリカは産学連携が進んでいて、研究をしながらビジネス的な面で成功している人も多い。メーカー等で働く優秀な人材が研究所に来ることも多いし、その逆も多い。

だから優秀な人材の確保という意味では、アメリカの企業と大学はライバルという面がある。

大学も優秀な人材が民間企業に流れていかないように、報酬面も良くしているし研究室もGoogleのオフィスみたいな雰囲気で過ごしやすい。研究意欲に金銭的なインセンティブもかかわってくると思うんだよね。

日本では、研究室に残るとやはり一般的には給料が安い。特に最初のうちは。そういった面で投資銀行等の民間企業に行ってしまう友人も見てきたから、そこは日本の大学にとっては大きな損失かなと思う。

日本でも最近は産学連携が進んできて大学発ベンチャーの動きもあるから、これからいい面は取り入れていって欲しい。

インタビューを終えて

以上いかがだったでしょうか。科学研究だと、やはりアメリカが頭1つ抜けており、日本はそれほど強くないという印象があったのですが、現地での評価はそこまで低くないようです。

ただ、研究成果の運用という面で、アメリカの方がリードしているという感じは受けました。もちろん、今事業仕分けなどで問題になっているように、地道な基礎研究があっての応用研究です。

しかし、科学者も仙人ではないですから、霞を食べて仕事をするわけにも行かないでしょう。

研究成果をいかにビジネスへと組み込んでいくか、そして、そこでの利益をさらなる研究と優秀な人材獲得のためにいかに回すか、そのシステム構築が求められているのだと思います。

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