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皆さんこんにちは、外資就活コラムチーム ryoです。
就職活動や転職活動を行う中で フレックスタイム制 という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
私自身も就職活動を行う中で参加した企業説明会で、「うちの企業の働き方の特徴はフレックスタイム制を導入している点です」といったようにフレックスタイム制をポジティブなイメージでアピールする企業が多くありました。
企業説明会は企業にとって自社をアピールするプレゼンテーションの場であるため、基本的にマイナスなイメージを持たせるような情報を発信しません。
そのため、フレックスタイム制と聞くと「柔軟に働ける」や「ワークライフバランスを取りやすい」といったポジティブなイメージを抱いている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。私自身もそうでした。
しかし、前述の通り、企業説明会などの場では企業が導入している働き方や制度におけるマイナスな点には触れられないことが多いため、その実態を見逃してしまう恐れがあります。
そこで今回は フレックスタイム制 について、客観的な視点で詳しく解説していきます。
「言葉は聞いたことがあるけど制度の詳しい内容については分からない」、「『柔軟な働き方が出来る』と聞いて良いイメージを抱いているけど実態はどうなのだろう?」と疑問に感じていらっしゃる方はぜひ最後までお読み下さい。
尚、本コラムはフレックスタイム制について、より客観性をもって解説するために厚⽣労働省及び都道府県労働局、労働基準監督署が発行する「フレックスタイム制のわかりやすい解説 & 導入の手引き」を参考に作成しております。
フレックスタイム制とは
はじめにフレックスタイム制の概要について見ていきましょう。
フレックスタイム制とは、 一定期間の中で定められた総労働時間の範囲内で労働者が始業時刻や終業時刻、労働時間を自身で決めることが出来る制度 です。
フレックスタイム制には フレキシブルタイム と コアタイム があり、これらが通常の勤務時間制度を設けている企業と、フレックスタイム制を導入している企業の働き方における大きく異なる点です。
通常の勤務時間制度を設けている企業と、フレックスタイム制を導入している企業の働き方の違いを示した以下のイメージ図をご覧下さい。
フレックスタイム制の フレキシブルタイム はコアタイムの前後にあり、出社時間と退社時間を予め決められた範囲内で自身で選択出来ます。
また、 コアタイム は必ず勤務する必要がある時間帯のことです。
このように、フレックスタイム制の働き方の大きな特徴として、 出社時間と退社時間を自身で決められる 点が挙げられます。
補足ですが、働き方における多様性が増えてきている中で 「スーパーフレックスタイム制」 という働き方も出てきています。
フレックスタイム制との違いは、「必ず働かないといけない時間帯」である コアタイムが無い という点です。
つまり、フレックスタイム制以上に、自由に勤務時間や出社時間、退社時間をカスタマイズ出来るのです。
フレックスタイム制のメリット
プライベートと仕事の両立がしやすい
フレックスタイム制では 労働時間をカスタマイズ出来る ため、 ワークライフバランスを保ちやすい と言えます。
例えば、自己研鑽を目的に社会人として大学に通う場合、「月・水・金曜日は授業のために仕事を早めに切り上げ、火・木曜日で月・水・金曜日の仕事をカバーする」という働き方が出来ます。
また、子育ての場合に当てはめて考えてみると、例えば子供が熱を出したり怪我をした場合、「午前中に病院へ行き、午後から出社する」という働き方も出来ます。
結婚、出産、子育て…というようにライフスタイルが変わっていく中で、 プライベートと仕事のバランスをコントロール出来る点 はフレックスタイム制の大きな魅力と言えます。
通勤・退勤ラッシュを避けられる
こちらは、1つ目のメリットと比較し、よりミクロな視点でのメリットですが、フレックスタイム制を導入する企業で働く中で得られる大きなメリットの1つです。
私自身も経験があるのですが、特に東京や大阪といった都心部で、多くの人が交通機関を利用する時間帯で勤務する場合、通勤や退勤時の交通機関の混雑は避けられません。
「『混雑した電車で出社し、仕事で疲れ、また込み合った電車で帰るのを日々繰り返す』というのは出来れば避けたい」と多くの人が考えるのではないでしょうか。
そのような観点で、 「通勤や退勤時間を自身で選択して交通機関の混雑を避けられる」 というのはフレックスタイム制の大きな魅力と言えます。
フレックスタイム制のデメリット
結果的に労働時間が増える可能性がある
フレックスタイム制のメリットとして、「出社時間と退社時間を自由にカスタマイズ出来る」という点がありますが、カスタマイズ出来る分「働く時間に制約が生まれない」という見方も出来ます。
つまり、「退社時間」という日ごとのゴールとなる概念が無いため、「時間」ではなく「仕事の質や進捗」が出社時間や退社時間を左右することになりかねません。
もちろん仕事の質は重要ですが、質を追い求めると労働時間を伸ばす必要が出てくる可能性が高まります。
そうなると、フレックスタイム制の「出社時間と退社時間を自由にカスタマイズ出来る」という特徴が、結果的に 仕事量や労働時間が増える ことに繋がりかねません。
コミュニケーションが取りにくくなる
フレックスタイム制では、 社内外の関係者とコミュニケーションを取りにくくなる 可能性があります。
例えば社内で考えてみると、プロジェクトをチーム単位で進める場合、「Aさんは午前中いるが、Bさんは午前中はおらず午後から出社する」という状況が生まれやすくなります。
コアタイムがある分、「被る時間が全く無い」という状況は考えにくいですが、勤務時間を一定に決めている場合と比較し、意思疎通が取りにくくなる可能性があります。
また、社外との関係においても、ミーティングの時間などは社外の関係者のスケジュールも考慮する必要があるため、例えば社外の関係者の都合上、午前9時にしかミーティングを設定可能な時間が無い場合、「午後から出社しよう」と考えていたとしても午前から出社せざるをえなくなります。
フレックスタイム制を導入している企業例
ここまでフレックスタイム制の概要と、制度のメリット及びデメリットについて詳しく見てきましたが、ここでは フレックスタイム制を導入している企業の一例 をご紹介します。
フレックスタイム制の働き方に魅力を感じられた方は、ご紹介する企業の説明会などに参加してみて詳しくお話を聞いてみることをオススメします。
※フレックスタイム制度の概要・取得条件は各社によって異なります。最新の情報につきましては各社採用HPをご確認ください。
コンサル・シンクタンク
デロイト トーマツ コンサルティング
・標準労働時間:7時間
・コアタイム:11:00~14:00
(デロイト トーマツ コンサルティング 新卒採用 │ 採用情報 │ コンサルタント職より)
野村総合研究所
・対象:学部卒入社後1~2年目、修士了入社後1年目
・標準労働時間:7時間30分
・コアタイム:10:00~15:00
(働きやすさを支える「福利厚生」|環境・風土を知る|野村総合研究所(NRI)の新卒向け総合案内サイトより)
外資系金融・証券
J.P.モルガン
「フレキシブル・ワーク・アレンジメント」を設け、職務状況や家庭環境に合わせて多様な働き方が出来るよう、フレックスタイムや時差出勤、短時間勤務、在宅勤務など多様な勤務体制を整えている
(J.P.モルガンの新卒採用・就活情報│外資就活ドットコムより)
プルデンシャル生命保険
チーム単位でフレックスタイム制を導入
(募集要項│プルデンシャル生命保険より)
日系金融・証券
日本政策投資銀行
対象は新卒入行3年目より
(Work Life Balance | Culture - DBJの風土 | 日本政策投資銀行 : 新卒 PR SITE 2023より)
大和証券
各部署の業務特性に応じて「フレックスタイム」「スーパーフレックス」を選択し、組織の生産性を高める働き方を促進している
(ワーク・ライフ・バランス | 働きがいのある職場づくり | 大和証券グループ本社より)
外資系メーカー・サービス
P&Gジャパン
・標準労働時間:7時間40分
・コアタイム:チームにより異なるが、通常は10:00~15:00
(P&Gジャパン 給与と福利厚生より)
日本ロレアル
・標準労働時間:7時間45分
・コアタイム:10:00~15:00
(日本ロレアル オフィススタッフ 新卒採用より)
日系メーカー・サービス
阪急阪神ホールディングス
7:00から22:00の間で出退勤時間を柔軟に選択することが可能
(ダイバーシティへの取り組み | ④ 一人ひとりの活躍 | サステナブル経営の重要テーマ | サステナビリティ | 阪急阪神ホールディングス株式会社より)
パーソルキャリア
コアタイムありの1ヶ月ごとのフレックス制を導入しており、コアタイムに出勤する必要はあるが、始業・退勤時間は個人やチームが決めることが可能。
(はたらく環境|パーソルキャリア新卒採用サイトより)
商社
伊藤忠商事
「朝型フレックスタイム制」を導入し、9:00~15:00をコアタイムとし、5:00~9:00/15:00~20:00を出退勤のフレキシブルタイムに設定
(働き方改革|伊藤忠商事株式会社より)
住友商事
スーパーフレックス制度を導入し、フレキシブルタイムを5:00~22:00としている
(働き方改革 | 人材マネジメント | 住友商事株式会社 2024年度新卒採用より)
ITサービス
ヤフー
コアタイム無しのフレックスタイム制を導入
(働き方 - 制度・環境 - 採用情報 - ヤフー株式会社より)
LINE
・標準労働時間:7時間30分
・コアタイム:11:00~16:00
(技術職 | 新卒採用 | LINE株式会社より)
マスコミ・広告
電通デジタル
標準労働時間は7時間とし、5:00〜22:00の間で働くフレックスタイム制を導入
(電通デジタル 福利厚生より)
講談社
コアタイムを13:00-15:00に設定し、フレックスタイム制を導入
(企業情報|講談社採用ポータルサイトより)
デベロッパー・建設
三井不動産
始業・終業の時刻を一定の範囲で柔軟に決定することが可能
(ワークライフバランス支援について | 制度と文化を知る | 新卒採用情報 | 三井不動産株式会社より)
三菱地所
コアタイムを10:00~15:00とし、 フレキシブルタイムについては始業時間帯6:00~10:00、終業時間帯15:00~20:00と設定する
(職場環境と制度について | WORK STYLE | Viewpoint | 三菱地所 新卒採用より)
この他にも多くの企業がフレックスタイム制を導入しています。
幅広い業界や企業でフレックスタイム制が導入されていますが、仕事における個人の裁量権が大きく、外部の関係者と接する機会が少ないエンジニアなどの職種を中心に導入されている傾向があります。
フレックスタイム制での働き方に興味がある方は、外資就活ドットコムの企業紹介ページやコミュニティ、質問箱などでも情報を取得出来るため、外資就活ドットコムを上手く活用して効率的に企業研究を進めましょう。
※コミュニティや質問箱を利用するには外資就活ドットコムへの新規会員登録が必要です。
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フレックスタイム制を正しく理解して就職活動を進めよう
いかがだったでしょうか。
フレックスタイム制 に関する理解を深めることが出来たでしょうか。
働き方が多様化する中で、企業選びの1つの観点として企業が導入している 働き方に関する制度 にも注目してみると良いと思います。
働いていく上で仕事内容も重要ですが、日々の生活は仕事とプライベートで成り立っているため、ワークライフバランスを保つことも重要です。
そのような観点で企業選びをする際に本コラムが参考になりますと幸いです。
皆さんの就職・転職活動が上手くいくことを願っております。
頑張って下さい!
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