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海外で一般的なジョブ型雇用だと、企業は原則として職種(ジョブ)別に人を採用します。つまり職種ごとに募集が出て、候補者は志望する職を明確化した上で応募するわけです。この方式、中途人材向けでは日本でも珍しくありませんが、これまで新卒採用で実施する国内大企業は限られていました。

それが近年、職種別の採用、いわば「ジョブ型採用」を新卒人材向けにも適用する企業が増えつつあります。特集「“ジョブ型”時代の就活とキャリア」第6回では、広がり始めたジョブ型採用についてIT、コンサルティング、メーカーといった業界の人気企業の事例を取り上げ、それぞれの特徴や導入背景などを採用担当者の声とともに紹介します。【藤崎竜介、橘菫】
◇ジョブ型とは何かについては、こちらの記事を参照ください
※内容や肩書は2022年8月の記事公開当時のものです
 

 

「やりたいこと」が決まっていない学生はNG!? LINEと日立で考え方が違う、ジョブ型採用の実態

「やりたいことや得意なことが明確かどうかで、入社後のパフォーマンスや成長速度に圧倒的な差が生じると考えています」

職種別の新卒採用を行う理由をこう明かすのは、就職先としてIT系では国内有数の人気を誇るLINEの、寺田貴哉新卒採用チームマネージャーです。

同社が実施するのが、技術、デザイン、セールス(広告)、企画の4領域のどれかに属する、計19職種ごとの新卒採用。応募の対象は、技術系ならフロントエンド、データベース、アプリケーションセキュリティといった具合に細分化され、原則として候補者はその中から1つを選び、選考に挑む形になります。

◇LINEの新卒採用ページの情報を基に作成

つまり、「LINEで何をやりたいか」について意志が固まっていないと、応募できない仕組みです。

「学生時代から明確な意志を持って行動して、その結果を踏まえて次に何をするかを考え続けている人を我々は求めています」と言い切る寺田マネージャーの言葉から、同社の採用哲学が垣間見えます。

◇LINEの寺田貴哉新卒採用チームマネージャー(取材はオンラインで実施)

「価値観が多様化する中、より一人一人のニーズに合わせた“パーソナライズ型”の新卒採用が求められていると考えています」

日本を代表する総合電機企業、日立製作所で採用関連業務を担うタレントアクイジション部の村知浩平さんは、職種別の新卒採用を強化する背景をこう説明します。同社は従来、技術系職種のみで職種別の新卒採用を行っていましたが、2020年度からその方針を改め、ビジネス・事務系の職種も対象に加えました。

一人一人の志向性に沿う環境を提示して優秀な人材を引きつけるための一手が、こうした「パーソナライズ型の新卒採用」というわけです。職種は研究開発、システムエンジニア(SE)、営業、経理財務、事業企画など計14種にわたります。

◇日立製作所の新卒採用ページの情報を基に作成

特徴は、ビジネス・事務系については応募時に職種を指定しなくていい「オープンコース」を設けている点。ここは、LINEと考え方が違う部分かもしれません。

「志望職種は決まっていないけど、事業内容に興味があってとにかく日立で働きたい」といった考えの学生にも門戸を開き、選考を通った場合は入社前の面談を通じ、職種・配属先などを決めるのだといいます。
◇日立製作所の村知浩平さん

職種に関連する事柄として、LINEと日立製作所に共通する特徴が、2社とも育成を目的にさまざまな職務を経験させる「ジョブローテーション」を行っていないこと。つまり本人が望むならば、入社以降ずっと同じ職種で働き続けることも原則として可能になります。

ジョブローテーションを前提に人材育成する日系大手が多いことを踏まえると、やや異質な方針といえます。

その理由について、LINEの寺田マネージャーは「キャリアは会社ではなく自分で作るもの、という考え方だからですね」と説明。日立製作所の村知さんは、「社会や顧客の課題が複雑化する中、そうした課題に挑むため各職種で専門性を高めてほしいからです」といいます。

「バランスよく育てる」 PwC流のジョブ型採用

職種区分のあり方には、その企業の業態や戦略が色濃く反映されます。例えば、LINEは全19職種中14件がIT技術系の仕事とIT企業らしさが出ており、また日立製作所には資材調達、生産管理といった製造業ならではの職種が存在します。

コンサルティングファームのPwCコンサルティング合同会社(*)だと、新卒採用で学生が応募できる対象は、ビジネスコンサルタント、デジタルコンサルタントなど5種のコンサルタント職。「クライアントのニーズを踏まえて、どのような人材を育てるべきかを考えた結果、今のような職種の区分になっています」と、新卒採用を統括する山本仁一パートナーは説明します。
*この企業特有の事情により初出時は会社形態(=合同会社)も表記、以後はPwCコンサルティング

◇PwC Japanグループの採用ページの情報を基に作成

もともとビジネスコンサルタントの枠のみで新卒採用をしていたものの、ここ数年で戦略コンサル系の職種や、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の需要に対応したデジタル・IT領域の職種を拡充してきたといいます。

このように職種別に採用する同社ですが、一方で人材育成では多様な経験を積ませることも大事にしているようです。「幅広く経験してもらって、クライアントのさまざまな課題に対応できる人を育成したいと思っています」という山本パートナーのコメントからも、そうした採用・育成方針が伝わってきます。

では逆に、多様な経験をさせる前提で職種別の新卒採用をするのは、どんな理由からでしょうか。山本パートナーは、その問いにこう答えます。

「木に例えると、いろいろな方面に“枝葉”を広げながらバランスよく育ってもらいたいのですが、真ん中の“幹”がしっかりしないと個性が薄くなってしまう。幹、つまり一定の専門性が形作られるよう、入社の時点で方向付けるわけです」

人材そのものがある意味“商品”で、かつあらゆる業種・業態の顧客を相手にする、コンサルティング業界らしい考え方かもしれません。

◇PwCコンサルティングの山本仁一パートナー

ジョブ型採用の企業で職種を変えるには。LINE、日立の対応策

ところで、ジョブローテーションがないLINEと日立製作所については、「入社時に決まった職種はずっと変えられないのか?」といった疑問が浮かぶかもしれません。

さまざまな仕事を経験したい人や、勤続する中でやりたいことが変わる人も存在します。仮に職種変更の可能性がゼロだとすると、そうした人たちにとっては居心地の悪い環境になってしまうでしょう。

LINEがその対応策として設けているのが、社内の空きポジションに社員が自由意志で応募できる制度です。この制度では、あるポジションについて中途採用向けの募集情報が外部に公開されていると、勤続年数など特定の基準を満たした社員はいつでもそのポジションに応募できます。募集する部門による選考をクリアすれば、異動が成立するわけです。

従来、応募できるのは年1度の決められた時期だけでしたが、LINEは2020年にいつでも応募できるよう要件を緩和。現在では「毎月なんらかの形で、この制度を使った異動が発生しています」と寺田マネージャーが述べるように、利用が広がっているようです。

同様の社内公募制度は、日立製作所やPwCコンサルティングにもあるようです。内容はLINEとほぼ同じで、空きポジションに対して社員が自発的に応募できる仕組み。「入社後にキャリア観が変わることはあると思うので、柔軟に対応できるようにしています」と、日立の村知さんは制度の意義を説きます。

その日立は、2021年10月に同制度を改定。外部公開する空きポジションの情報を社内で周知することを必須とし、また制度の利用条件を緩和して入社1年目から応募できるようにしました。勤続年数の面で制限を設けておらず、その点LINEの制度以上に思い切った仕組みかもしれません。

近年こうした立候補型の異動を認める企業は増えており、それぞれの制度の詳細や運用実態は、特に職種別採用の企業に応募する上では注目すべき情報といえます。

「やりたいこと」を明確にするため、職種を知り自分を知る

ジョブ型の考え方が広まるにつれ、国内でも増える職種別の新卒採用。ただ企業側では、時に難点も生じるようです。

「各コンサルタント職の仕事内容について、入り口の部分で十分に理解してもらえていないケースもあって、そこは私たちがもっと丁寧に伝えていかないといけないと思っています」と明かすのは、PwCコンサルティングの山本パートナー。各職種に対する学生の理解度をいかに高めるかは、職種別の新卒採用を行う企業の多くが抱える共通課題といえます。

19もの職種を掲げるLINEの寺田マネージャーも、「もっと我々の仕事を知ってもらうため、学生との接点を増やすべきだと感じます」と現状を評します。対策の一環で、2022年度から職種別インターンのコースや実施数を増やしているといいます。

一方で「“ジョブ型”そのものへの理解度を、高めてもらう必要もあると思っています」と話すのは、日立製作所の村知さん。職種別の新卒採用を含む「ジョブ型人財マネジメント」を掲げる同社ですが、そうした取り組みの意図や背景自体が、まだ学生に十分に知られていないといいます。

「ジョブ型=ドライみたいな、ネガティブな先入観で捉えてしまう学生も多いようですから」と、村知さんは付け加えます。

学生による職種への理解度を高めるべく、腐心する企業の採用担当者たち。裏を返せば、職種別に情報発信する企業が増える中、学生側にもより深く企業を理解しようとする“姿勢”が求められているのかもしれません。

採用活動の早期化も進む中、早いうちにさまざまな仕事への理解を深めることは、「やりたいこと」を精緻に明確化する上で重要です。

幸い、LINEの例のように企業の多くが職種別のインターンを拡充しており、各職種の生々しい情報を得る機会は広がっています。臆せず参加し、職種を知り自分を知る契機にするのが良いのではないでしょうか。


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