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日本でも普及し始めた「ジョブ型」という働き方。アメリカではその働き方がスタンダードとされるが、実態はどうなのか。「外資就活ドットコム」の姉妹サイトである若手社会人向けキャリアプラットフォーム「Liiga」で、コラム「海外就職のすすめ」を連載していた、ゆうさんに聞くことにした。特集「ジョブ型時代の就活とキャリア」第7回では、日米の働き方の違い、「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の実態などについて、主に書面で送付した質問に答える形で寄稿してもらった内容を紹介する。
◇ジョブ型とは何かについては、こちらの記事を参照ください

〈Profile〉
ゆう
東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。外資系コンサルティング会社で数年の経験を積んだ後、IT系メガベンチャーに転職。帰国子女でもなく、海外留学経験もない、いわゆる「純ジャパ」だったが、2013年に同社の現地駐在員としてサンフランシスコ支社に赴任。2017年、サンフランシスコ支社の閉鎖を受けてAmazonシアトル本社に転職。現在は、アメリカのスタートアップでプロダクトマネージャーを務める。アメリカ生活7年目。アメリカでの半年間の就職活動経験を生かし、英語や海外就職について発信中。

▶Twitter:@honkiku1
▶Blog:https://honkiku.com/
▶Note:海外就職攻略の教科書

※内容や肩書は2022年8月の記事公開当時のものです
※記事の内容は全て個人の見解であり、所属する組織・部門などを代表するものではありません。

 

日米の働き方の最大の違いは、仕事とプライベートの優先順位の付け方

――ゆうさんは大学院修了後、外資系コンサルティングファームに入社します。理由や経緯を教えていただけますか。

ゆう:理系だったので、就職活動を始めた2000年代後半ごろはエンジニアになろうと思っていました。

ところが、業界や企業の研究を進めるうちに、どうやらエンジニアはあまり待遇が良くなさそうだ、ということが分かってきました。大学院まで行って高度な専門教育を受けたのに、お給料は思ったほど高くない。

その上、日本の会社ではどうもエンジニア(というか理系職種)は文系職種よりも下に見られているようだ、というのが分かってきました。今ではだいぶ状況が変わっていると思いますが、当時は「エンジニアは文系に言われたものを黙って作る作業者」みたいな風潮がありましたね。

――就職活動をされていた時、いわゆる「ジョブ型」の働き方を意識していましたか。

ゆう:いえ、まったく。当時はそんな考え方があることも知りませんでした。

――コンサルティングファームで数年の経験を積んだ後、IT系メガベンチャーに転職します。理由や経緯を教えていただけますか。

ゆう:一番の理由は、コンサルの仕事に興味を持てなかったことですね。自分はどうやらクライアントの成功のお手伝いをすることよりも、自社のプロダクトを成功させることの方に興味があるらしいということに気づきました。

転職の練習がてら、とりあえず受けてみた会社の選考がトントン拍子に進んで、あれよあれよという間に採用が決まったので、「これはきっとこの会社が自分に向いているということなのだろう」と捉えて、そのままオファーを受けることにしました。

――IT系メガベンチャー転職後、同社のサンフランシスコ支社に赴任します。日米で働き方やキャリア観の違いを感じましたか。

ゆう:働き方もキャリア観も、日本とアメリカでは大違いでしたね。働き方の違いで一番大きいと感じたのが、仕事とプライベートの優先順位の付け方です。

日本の多くの会社では、基本的に仕事を最も優先しますよね。業務時間中は仕事に専念して、期限までに仕事が終わらなければ、残業してでも終わらせる。休暇も仕事が忙しくない時期を狙って取るし、もし仕事が入ってしまったらプライベートの予定をキャンセルすることも辞さない。住む場所もまず仕事ありきで、仕事に都合が良いように決めますよね。

――どれもごく当たり前のことのように聞こえますが、アメリカでは違うのでしょうか。

ゆう:アメリカだと、業務時間中でもランチや美容院などプライベートの予定を平気で入れます。期限までに仕事が終わらないのなら、残業するのではなく仕事のスケジュールを見直します。

休暇の予定を決めるのに仕事のことは全く気にしません。プロダクトのリリース直前などプロジェクトの最も重要な時期に、「明日から2週間旅行に行ってきます」なんてごくありふれた光景です。とがめる人なんて誰もいません。

住む場所の決め方も日本とは真逆です。仕事に合わせて住む場所を決めるのではなく、まず住みたい場所を決めて、そこに合わせて仕事を探します。「〇〇に住みたくなったので退職します。次の仕事は移動してから探します」と話す同僚が、過去に何人かいました。

職種は、キャリアを通じて一貫。3〜4年に1回は転職

――なるほど。本当に日本とは真逆ですね。キャリア観の違いはいかがですか。

ゆう:キャリア観の違いも感じました。働き方と同様、日本と真逆と言ってもいいくらいですね。

日本では同じ会社の中でさまざまな部署や職種を経験してキャリアを積み上げていきますが、アメリカではその逆です。職種はキャリアを通じて一貫していて、エンジニアなら生涯エンジニア、アーティストなら生涯アーティストです。

職種を軸としつつ、さまざまな会社を渡り歩く中で、さまざまな経験を積んで自分の専門性を高めることでキャリアを積み上げていきます。周りのアメリカ人を見ていると、だいたい3〜4年に1回は転職している人が多いですね。

――だから、アメリカ人は、平均11回転職するといわれているのですね。それだけの回数の転職をするということは、メリットが多いからだと思います。転職がキャリア形成にもたらすメリットを教えてください。

ゆう:自分に合った環境が見つかる可能性が高くなることですかね。実は僕、一社目のコンサルティングファームではあまり高い評価はしてもらえず、怒られてばかりでした。何を言っても「ふざけるな。真面目にやれ」って言われて。

ところが、転職した企業では何を言っても面白がってもらえて、結果も出すことができ、高い評価もいただけました。僕のスキルが急に向上したり、言動を変えたわけでもないのに、ですよ。

要するに、人の評価なんて環境によっていくらでも変わるってことですよね。環境によって、何が評価されるのかなんて全然違いますし、一緒に働く人も全く違います。同じ会社にずっといると、なかなかこれに気づくことができないと思います。今、あまり高く評価されていないなって感じている人は、ぜひ環境を変えてみることをお勧めします。

Amazonで「出戻り社員」が多かった理由

――転職の理由として多いのは何ですか。

ゆう:転職の挨拶でよく聞くのが、「断るのが非常に困難な素晴らしいオファーをもらった」というやつですね。要するに、お給料が上がり、役職が今よりも上のポジションをゲットできたよってことです。

同じ会社に長く勤めていれば自然と給与も役職も上がっていく日本と違い、アメリカではタイミング良く上のポジションがあかなければ昇進も難しいですから。

以前Amazonに勤めていた時にメンターから言われたのが、「今のジョブレベル(職務等級)から上に上がるのは非常に難しい。一度退職して上のレベルのポジションで入り直した方が簡単だよ」と。実際、Amazonには出戻り社員は多かったですね。

――「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の違いですね。

ゆう:そうですね。「メンバーシップ型」はまず人がいて、その人をどんなポジションにつけようかという発想をします。

「ジョブ型」は逆です。あるビジネスの遂行にはどんなポジションが必要だろうかということを考えて、そのポジションに適した人を探してきて当てはめるという感じですね。社内に適した人材がいればその人を当てますが、ちょうど良い人がいなければ社外から新しく採用することも多いです。むしろ、その方が多いくらいかもしれないですね。

――日本においても、いわゆる「ジョブ型」の働き方が広がりを見せていますが、欧米における働き方とは、異なる点もあるかと思います。アメリカにおける働き方と日本の「ジョブ型」の違いがあれば、具体的に教えてください。

ゆう:「ジョブ型雇用」がうまく機能するには、人材の流動性が重要です。まずポジションが先にあってそこに人を当てはめるので、そのポジションに適した人材を持ってくるのに何カ月もかかっては、ビジネスを推進することが困難になります。

まだアメリカほどは転職が一般的ではないので、人材を採用するのに時間がかかります。また、せっかく適した人材が見つかっても、引き継ぎのためと称して2〜3カ月も待たされるのは、採用側としてはかなり辛いです。アメリカだと会社に辞意を伝えてから1〜2週間で退職するのが一般的です。

――1〜2週間は早いですね。それで引き継ぎを完璧に終えられるのでしょうか。

ゆう:そこは日本人の完璧主義が悪い方に出ているような気がしますね。引き継ぎなんて、本当に重要な仕事の手順や資料の場所を伝えるだけなら、1週間もあれば十分ですよ。後は後任者が自分なりのやり方で何とかします。そもそも前任者のやり方を全て完璧に引き継ぐ必要なんてないですよ。

――人材をすぐに解雇できない点はいかがでしょうか。

ゆう:それも大きな課題ですね。アメリカでは従業員を解雇しようと思ったら、何の条件もなく即日解雇することが可能です。一方日本では、よほどの理由が無い限り一度雇った正社員を解雇するのは非常に難しい。正社員の地位が、法律で強固に守られていますね。ここを何とかしないと、「ジョブ型雇用」を本当に機能させるのは難しいと思います。

あるポジションが不要になった場合には、そこに充てていた人材を即座に解雇できないと無駄なコストを払い続けることになります。日本はこの人材流動性の点でまだ課題が多く残っていますね。

求められる役割を、漠然と記している職務記述書

――業務の範囲が明確で、仕事と報酬が結びついているのが「ジョブ型」と言われていますが、アメリカでは、このような働き方をしていますか。

ゆう:そこは正直、けっこう懐疑的ですね。

――そうですか。理由を具体的に教えていただけますか。

ゆう:「アメリカではジョブディスクリプションで各ポジションの役割が明確に定義されていて、それに基づいて評価される」みたいな言説をよく見聞きしますが、個人的にはそんなジョブディスクリプションは見たことがないです。

「関係各部署と連携して高品質なプロダクトをリリースすること」みたいな、漠然とした書き方をしているものが多いという印象ですね。ビジネスの状況が刻一刻と変わる中で、あらかじめやることを全て詳細かつ明確に定義するなんてできないですよ。

ただ、プロジェクトベースではなくてルーティンワーク的なポジションなら、もしかしたらそういうこともできるのかも知れません。

――日本では、以前と比べて転職が珍しいというわけではありませんが、アメリカなどと比べると、少ないといえます。アメリカなどの働き方が世界では標準的という見方もあるようです。今後、日本における働き方が、アメリカのようになるとお考えでしょうか。

ゆう:何でもかんでもアメリカの真似をすればいいというわけでもないとは思います。しかし、終身雇用がもう制度として機能しなくなってしまったのは明らかなので、アメリカ的な仕組みに移行せざるを得ないだろうと感じています。

ただ、先ほど申し上げたように、本当にアメリカ的な仕組みに移行しようと思ったら、法律の見直しなど、やらなければならないことはたくさんありますね。

英語ではネイティブに勝てない。言葉の壁や移動コストを上回る強みが必要

――ありがとうございます。ゆうさんのように海外で活躍するためには、お話しいただいたような海外の状況を理解した上で、学生はどのような就職活動をした方がいいでしょうか。また、重点的に学ぶべき内容があれば、教えていただけますでしょうか。

ゆう:理系の方であれば、エンジニアとしてGAFAMなどの外資系企業に入り、入社後に海外のポジションに異動するというのは現実的な選択肢だと思います。

エンジニア以外だと、外資系企業よりはむしろ、国外に支社を持つ日系企業に入って海外駐在を狙った方が、海外で働ける確率は高いです。

重点的に学ぶべきこととしては、英語はもちろん必要です。しかし、英語をどれだけがんばっても、その点でネイティブに勝つことはまず不可能です。ですので、英語以外の点で「これだけは誰にも負けない」というスキル、採用する側の視点で言えば、言葉の壁や移動にかかるコストを考慮しても、絶対に採用したいと思わせる強みを身に付けることが必要不可欠ですね。

英語を勉強していれば何とかなるだろうと考えている学生さんが多いのですが、英語だけでは何ともならないです。


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