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広告代理店2TOP企業・実際の選考ステップを振り返る
こんにちは、外資就活 広告チームです。
現在、外資就活 広告チームでは「電博内定者3人が振り返る選考ステップ」と題し、 上位学生に人気の高い広告業界TOP2社「電通」「博報堂」の選考対策記事シリーズ を全5回にわたって特集しております。
【前回までのシリーズ】
【24卒必見】電通・博報堂内定者3名の選考ステップ振り返り〜第1回 ES&webテ編〜
【24卒必見】電通・博報堂内定者3名の選考ステップ振り返り〜第2回 面接編〜
第3回では、電通・博報堂のGD(グループディスカッション)の内容と対策について、実際の内定者へのインタビュー内容に基づき、ご紹介します。
社員との接点はあるものの、内定者に直接話を聴ける機会は稀少な広告業界。このシリーズでは実際に選考を経験した内定者ならではの具体的でリアルな情報をご紹介します。
なお今回は選考フェーズの中でもGDのみのご紹介ですが、電博の選考フェーズ全体を知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
電通のGDでは、途中で変わるお題への対応力をアピールできるかが鍵
ーーー今回はGD編ということで、電通のGD選考について、実施形式とお題について教えてください。
伊藤さん:電通のGDですが、1グループ5人の学生でチームを組み、オンライン上で2~3時間という形式でした。また電通のGDは、途中でお題がすり替わるというのが有名なのですが、自分の場合も同じく、予告なくお題がすり替わりました。
流れとしては、GDの冒頭に1回目のお題が発表された後、ブレイクアウトルームで議論します。その後、議論中に突然、全体のルームに戻されて議題の変更を告げられます。そして再度ブレイクアウトルームに移動し、変更された議題をディスカッションするという形です。
お題について詳述するのは憚られるので、一例として上げますが、最初は「バレンタインに変わる新しい文化を考える」のようなお題を議論し、途中で「ホワイトデーに変わる新しい文化を考える」のようなお題を議論しました*。
(※編集注:実際の選考のお題とは異なりますが、一例として上げています。)
ーーーGDの途中でお題が変わるのは珍しいと思うのですが、実際どのような点が見られてるのでしょうか??
伊藤さん:GD後にいただいた社員さんからのフィードバックでは、「GDのお題が変わっても冷静かつ柔軟に考えられるか」、「これまで考えてきたアイデアや視点を生かしながら次につなげられているか」の2点を見られているとのことでした。
澤田さん:自分もGDを受験した際、伊藤さんと同様のことを言われました。またFBでは「なぜこの2点を見ているのか」についても伝えられました。社員さんによると、広告業界では、クライアントからの依頼が急遽変わることや、それに伴ったプロジェクトの変化が頻繁にあるとのことです。
そのため、実際のGDでもお題を変えることで、チームワークをとりながら状況の変化に柔軟に対応できるかを見ているのだと思います。
ーーーなるほど、ありがとうございます。電通のGDで、メンバーはどのような人が多かったですか?
伊藤さん:電通のGDは、例年3次選考で行われます。そのため、結構人が絞られているので優秀な人が多かった印象です。ただ、喋れるという意味では頭の回転が早く優秀な方が多いのですが、一方で、ただランダムにアイデアを出せればいいという人も多かったです。
ーーーランダムにアイデアを出す人が多いと、議論の収集がつかなくなりそうですね。そんな中で、おふたりは電通のGDでどのように振舞われましたか?
伊藤さん:意識した振る舞いは2つです。1つは、議論を俯瞰すること。例えば「生活者のインサイトを考えないといけないよね」など、議論する上で足りていない前提や視点をちゃんと立ち返って提示する役割をしていました。
また議論中に 各々が出し合った意見の良いところを常に探してどう有効活用できるかを考える ことも、意識していました。例えばアイデアを出す時に「Aさんの意見とBさんの意見をこういう風に掛け合わせたら面白いよね」のような発言です。
広告代理店の社員さんは個性の豊かさを重視しており、個々の意見を掛け合わせてアイデアに昇華させることを重視しているので、2つ目の振る舞いもとても大切です。
澤田さん:チームの中での役割は伊藤さんと同じなのですが、加えて自分の場合はコミュニケーションの取り方も意識していました。
特に、グループメンバーの意見を全て聞きながら、「どう転用できるか・こういう風に言えるよね」という部分です。GDはある1つのお題に対して4~6人で議論し、その中でお互いが意見を持つので、議論中に意見がぶつかると否定しがちになります。
この お互いを否定しない ということは、当たり前といえば当たり前なのですが、議論に夢中になると忘れやすくなるので特に意識していました。
ーーーなるほど、ありがとうございます。お二人がGDを通過できたポイントはどのような点にあると考えられていますか?
伊藤さん:議論全体の骨組みを組み立てることや、議論の中で欠けている視点を補足できたことが要因だと思います。広告代理店のGDでは、アイデアのブレストで収拾がつかず時間を迎えそうになる場面がほとんどでした。また課題やイシューの組み方が苦手な人も多かったです。
だからこそGDでは 議論全体の骨組みを組み立て、欠けている視点を補足できる と他の人と差別化できるかと思います。
澤田さん:伊藤さんと同じ理由もありますが、自分の場合はメンバーのアイデアの良い部分を見つけようとした姿勢を評価されたように思います。アイデアに自信がある人が多いので、自分は他の人と同じような姿勢でGDに挑んでも勝てないと思っていました。
なので、みんながアイデアやインサイトを出している時に、チームメンバーの意見に良いところはないか、活かせるところはないかを考える姿勢を見せ続けるという方針をとりました。この点もアピールできたから、電通のGDに通過することができたように思います。
ーーーありがとうございます。最後に電通のGDに向けてお二人はどのような対策をされましたか?
伊藤さん:自分の場合はコンサル業界も受けていたので、広告業界特有の対策はあまりしていませんでした。なので、ケース面接の本を1周程度勉強し、あとは日常のニュースや広告の背景に思考を巡らせておくと良いと思います。
澤田さん:自分も伊藤さんと同様の対策をしていました。ただ日常のニュースや広告の背景に思考を巡らせると言っても、漠然と巡らせるのではなく、以下の3ステップの流れで考え、言語化するようにしていました。
②ターゲットの元々の欲求(ニーズ)は何か
③ニュースや広告を通じてターゲットにどのように思われたいか
博報堂のGDでは、チームワークと思考体力をアピールできるかが鍵
ーーー次は博報堂のGDについて、実施形式とお題について教えてください。
伊藤さん:博報堂のGD選考は、キャリアディスカッション②という名称の2次選考で行われます。実施形式ですが、オンラインで4人程度の学生でチームを組み、3時間行われます。こちらもお題を詳述するのは憚られるので一例としてあげますが、「コロナ禍で消費が落ち込んだ酒類飲料の消費をあげるための施策を考える*」のようなお題でした。
(※編集注:実際の選考のお題とは異なりますが、一例としてお題を上げています。)
ーーー電通と違い、博報堂では2次選考でGDが行われるのですね。ということは、電通よりもGDはよく見られているのでしょうか?
伊藤さん:そうですね。GDでの振る舞いは電通よりも重点的に見られていると思います。内定連絡を戴いた際、自分のどの点が評価されたかを教えていただいたのですが、ほとんどGDの話しか出てこなかったです。
特に、議論の中で自分がテコ入れした部分や提示した新たな視点がよかったというフィードバックをいただいたので、 博報堂はチームワークをする中で、その人がどのような行動や思考をするのかをよく見ている と感じました。
斉藤さん:自分も内定連絡を戴いた時にフィードバックを聞いたのですが、ほとんどGDの話でした。自分の場合は、議論全体の道筋を描いた点・議事録やタイムスケジュールなど他の人が議論に集中できる環境を作った点・抜けている観点を補強し、メンバーの意見の良いところを議論に昇華させた点が評価されました。
またGDでの振る舞いが重視されている理由ですが、その背景には博報堂の考え方があります。博報堂は、「 アイデアの前では皆平等 」・「 アイデアは個人ではなく会話の中に宿る 」という考え方を持っています。すなわち、個人で出てくるアイデアは想定内のアイデアであると考え、チームでの議論を「共創の場」として捉えています*。そのため、学生が博報堂のスタイルにあったチームワークができそうかを重視しており、GDの振る舞いをみていると考えられます。
(※博報堂ブランド・イノベーションデザイン局「博報堂のすごい打ち合わせ」 から引用)
ーーーなるほど、戴いたフィードバックまで詳細に教えていただき、ありがとうございます。お二人は博報堂のGDではどのような振る舞いをされましたか?
伊藤さん:自分の場合、GDではアイデアマンが多いグループだったので、議論の骨組みを組むことを意識していました。例えば「この議題のクライアントは誰なのか」、「博報堂がやる案件でいいのか」、「クライアント企業の課題は何か」、「生活者の欲求」など視点を投げかけるという感じです。
プラスで、 メンバー1人1人から出る意見やアイデアのいいところを組み合わせられないかと工夫している姿勢 を見せるようにしていました。
斉藤さん:自分も、伊藤さんと同じように、そもそも論を問いかけることや議論の骨組みを作ることを意識していました。ただアイデアを出すだけだと、手段と目的が異なることがあるので、目的を議論の中で問い直すのが一番評価されると思ったからです。
加えて、みんなのアイデア・意見を掛け合わせることや、 メンバーが苦手とする部分(議事録や発表のストーリ作りなど)を積極的に引き受け ていました。
ーーーここまでGDについて聞いてきました。GD選考の合否連絡後、最終面接までの間でプランニング課題を受験しなければならないそうですが、こちら詳細お聞かせいただけますか?
伊藤さん:プランニング課題は、例えば「コロナ禍における新しい化粧品サービスを提案せよ*」など、新規事業提案系のお題を120分で考え、マイページ上で回答するというものになります。
(※編集注:実際の選考のお題とは異なりますが、一例としてお題を上げています。)
ーーーありがとうございます。プランニング課題ではどのようなポイントに注意して回答されていましたか?
伊藤さん:プランニング課題の回答時間は120分と短いので、アイデアを出すに至ったプロセスをどう表現するかが重要だと思っていました。アイデアが一番大切だと思われる方も多いと思うのですが、自分は「面接官は、アイデアを出すに至った思考過程を知りたい」と考えていたので、アイデアを出した順序が見えるような回答を心がけました。
自分は、プランニング課題でいいアイデアは出せなかったのですが、ここまでちゃんと考えたらもう一歩何か視点が入ればいいアイデアをだせると面接官に思わせられる・伝わるように、思考の過程をちゃんと書けました。
斉藤さん:思考プロセスを見せるような回答をしていました。志望職種にもよると思うのですが、自分はストラテジックプランニング職(マーケティング職)を志望職種としていたので、「生活者の欲求やそもそも業界全体の課題は何か」という部分や、事業アイデアや事業アイデアを世の中に浸透させる施策の背景にあるコンセプトを比重重く書いたように思います。
ーーープランニング課題の回答内容について、最終面接での深掘りはありましたか?
伊藤さん:自分の場合は深掘りされませんでした。プランニング課題だけで合否が決まるわけではなく、最終面接の題材という位置付けなので、面接で聞かれることもあれば聞かれないこともあると思います。
斉藤さん:自分の場合は深掘りされました。前回のコラムでもお伝えしましたが、プランニング課題の回答をざっと説明したのち、アイデアが出てきた思考回路・博報堂のマネタイズの仕方・プラニング課題を実際の案件でやるとしたらどの職種でやりたいかをきかれました。
課題回答から最終面接まで2週間程度あり、その間に思考の整理やOBOG訪問で壁打ちしておいたので、最終面接ではすんなり回答できました。
ーーーなるほど、ありがとうございます。最後に博報堂のGD・プランニング課題に向けてお二人はどのような対策をされましたか?
伊藤さん:自分は電通の選考を受けていたため、電通と同じ対策で乗り切ることができました。
斉藤さん:自分も伊藤さん・澤田さんと同じ対策をしていました。ただ博報堂は、GDやプランニング課題でビジネスモデルや事業立案を求められるので、ビジネスモデルの作り方の本やマーケティングの本を読んでおくと良いかと思います。
おわりに・最後はどれだけ自分を信じて選考を受けられるかが大切
最後にこれから電通・博報堂の面接を控えられている方にむけて、23卒の電通・博報堂内定者3人からメッセージをご紹介します!
いかがでしたか?今回はGD編と題し、電通と博報堂のGDの形式と対策について、23卒内定者3人の実体験をご紹介してきました。次回は電通・博報堂の社風についてのコラムを配信いたしますので、お楽しみにいただけると幸いです。
最後に電博のGDに関連したコラムを以下に掲載しますので、GD準備時にぜひお役立てください!
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