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人事の恥は企業の恥~「駄目な面接」から学ぶ三流企業の見極め方

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初見の人は初めまして、何度目かの人はご無沙汰、「何者」である。

雪を見れば趣深いと感じていたのは若い頃、凍り付くような冷気と実際凍っている路面に悩まされ、雪が降った当日は帰宅までに数時間かかるという思いをしたせいで、何者は雪がスゴく嫌いになった。二度と雪を愛でることはないだろう。

駄目な人事面接の典型から学ぼう

さて、今日は可愛がっている19卒と久しぶりに呑んでいて、その中で後輩が就活中に体験した非常に興味深い話をしようと思う。

彼は高校時代からずっと水泳部に所属し、大学に入ってからは心機一転、体育会のラクロス部に入部したという、ずっと運動部の熱血漢である。彼はまだ就活を続けているが(彼の行きたい業界は少しばかり古めかしく、内定を出す時期について経団連の方針に従っているのである)、もうその企業とは蜜月の関係にあるのだそうだ。

彼が早い段階で受けていたとあるIT系企業での人事面接が非常に不愉快だったという。詳しく聞いてみると「おっ、そういう人事担当者いるわ~」というユースケースとして非常に好ましい「駄目な人事の面接」の典型だったので、これから就活をする20卒にも、まだ19卒で就活を続けている諸君にも、このサイトをのぞきに来ているであろう各会社の人事担当者にも読んで学んで頂きたいので、ここでしっかり解説しておこうと思う。

採用は一種の「商談」、にもかかわらず・・・

彼が受けた人事面接は、まず不遜な感じの人事社員が約束時間から遅れて出てきて、全く悪びれずに「待った?」と聞いたところから始まる。

「待った?」ってなんだ。その後輩から話を聞いていた何者は笑ってしまった。待ったに決まっているだろう。言った時間から数十分遅れたのだから、待ったは待ったに決まっているのだ。

そもそも採用とは一種の商談である。新卒採用は特に、「長期的に貴方を育成して会社の労働力にしたい」という会社の利益と、「数年一定の賃金と福利厚生、社会的地位を戴きたい」という学生側の思惑の需給バランスが取れたところで「採用」という合意に至る立派なビジネスシーンである。そうであるならば、ミーティングに遅れるのは会社の恥であるし(これは学生側も同じ事である)、そもそも社会人として三流である。

体育会のあなたに覚えておいてほしいフレーズ

さて、そんな鼻からアレな人事は、その後輩にぞんざいな感じで「高校時代にがんばったこと→大学時代にがんばったこと」というテンプレな質問をしたらしい。ここでその後輩は先述した、「水泳部として中高を過ごし、大学時代はラクロス部で精を出している」という旨を述べた。

と、ここでその人事は「なんで水泳を投げ出したの?」と腕を組みながら聞いたらしい。ではまずこの発言を主観抜きに一旦分析してみたい。

まず、なぜスポーツの種目を変えただけで「投げ出した」ことになるのだろうか。この点さっぱり分からないのだが、水泳部時代の彼の詳しい話をヒアリングする前に「投げ出した」と判断してあまつさえその理由を聞くとは、はたしてその人事は理性的な主体なのかどうか怪しい。

実際彼は水泳で県大会にも出場しており、トップ陣でしのぎを削っていたが、おしくも一位にはなれず、大学からラクロスという新天地を求めた訳だ。私「何者」もスポーツ歴が長いので、このように県大会で猛者と渡り合う人のすさまじさを知っているし、彼の話をもう少し詳しく聞けば、とても「投げ出した」などと表現できないだろう。

もちろんその後輩は、県大会で惜しくもトップを逃し、埋めがたい才能の差を感じたからこそ大学からはラクロスでがんばろうと努力してきた、という旨をその不遜な人事に丁寧に説明した。

が、彼から返ってきた言葉は、「でもそれって一流じゃないよね。もっと努力とか出来たんじゃない? 結局それって大変だから投げ出したわけじゃん?」というものだった。声に出して読みたいほど中身がなく、風のような日本語である。

そもそもそこで一流になれていたら、それこそ水泳はメジャースポーツであるから、就活などせず、とっくのとうに大企業お抱えのプロチームに入っているのである。それに、スポーツにせよ何にせよ、基本的にああいう勝負の世界は「努力は当然、才能は人次第」というのが常である。後輩の彼は特に県大会まで行っているのだから、努力をしなかったから、という低い次元の話など考えられないのだ。

そうではなく、絶望的なほどの才能の差を感じる瞬間というのは確かにある。というか、何度もある。こんな時に、「そんなはずはない、まだ努力が足りないはずだ」と盲信し、勝ち筋を分析し続け特訓をしまくるのがアスリートである。彼らは、才能の差があるから努力しないのだ、というのを言い分けにしたくないかのように本当に狂ったように努力をする。

それでも埋まらない差があるから、アスリートは勝負に負けて泣くのである。こうした現場を何度も見てきたなら、その人事の先述の発言は絶対に出てこないだろうし、とりあえずその人事は何かに打ち込んだことがないのはよく分かる。

彼がスポーツの種別を変えた理由は、そうした地獄のような練習の中でも届き得なかった栄冠を渇望する野心を残したまま、「だが水泳では才能が及ばなかった」というジレンマを、「俺は努力だけならば誇れる、負けない」というプライドと矜持を胸に、さらに他の戦場で戦おうと誓ったからに他ならない。少なくとも「何者」は彼と数回話をしただけでそんなことはすぐ分かった。

今上で詩的に書いた文言を、ここまで読んだ体育会系の諸君は覚えておいてほしい。というのは、この質問をされた時、ジレンマや負い目が多少はあることを自覚していたその後輩が、回答を言いよどんでしまったようだからだ。そうすると人事は水を得た魚のようにこれでもかと人格批判のような正体不明の根性論を叫び、面接時間の大半を使ってその後輩がいかにダメで自分がスゴいかを語っていたそうだ。

言語化して自らの成長を振り返るのは大切なことだが、言語化のレベルやコンディション次第では緊張したりして上記のような質問に対して上手く返せない学生が多いのは知っている。人事の圧迫面接に上手く返せるようになるのも重要だが、こんな熱い体験をしてきたのにそれだけで落とされるのはあまりにも勿体ないので、先述のフレーズはじゃんじゃん流用して頂きたい。版権無料である。

圧迫面接は非合理的

もしこれを読んでいる企業の人事担当者がいらっしゃったら尋ねたいのだが、圧迫面接が最近人事界隈で流行っているのだろうか。なんだかこの間も同じような話を別の後輩から聞いた気もする。

圧迫面接は、輸入元と言われるアメリカですらもはや誰もしない人事戦略である。ストレスフルな状況でいかに冷静に物事に対処できるかは確かに重要な性質であるが、一方でこうした日本式の圧迫面接で見られるのは単純なストレス耐性だけであったり、その意義を十分理解していない人事のせいで「口先だけ上手い奴」が案外受かってしまったりと、実はあまり役に立たないことの方が大きいという見解がもはや主流である。

むしろ、昨今のイケてる企業の多くは、学生が苦難や絶望を前にして戦い切った(その結果挫折したか、勝利したかはあまり見ていないらしい)経験について詳しく知りたいのであり、その限りではべらべら自分語りに徹した例の人事は0点である。

会社の採用の目的は「ストレス耐性の強い人、口先だけ上手い人」を採ることではなく、「戦うことができる人」を採ることなので、その意味から言っても合理的ではなく、こうした無駄な圧迫面接で見限られているのは実は学生ではなく、人事当人、会社本人である。優秀な学生を評価する枠組みを完成させた会社ほどそうした不要な圧迫面接などしていないので、面白いように採用戦略上負けているわけだ。さらに言えば、「そんなしょうもない人事がいる会社」という風に会社全体の評価まで低くなってしまうわけなので、これは最早CSR毀損事案である。

さて、結局彼はなぜか次の面接に通されたらしく、次回も来るようにとメールで通達されたが、呆れた彼は丁寧なお断りメールを返送したらしい。

最初から最後まで後輩かその人事担当者、どちらが子供でどちらが大人なのか分からないままである。これを読んだ学生はとりあえず自身の体験を言語化する努力が必要なのだということ、自身のこれまでの体験に自信を持つということをしてほしい。

これを読んでいる人事担当者ないし採用に絡む社会人の方は、見ていると同時に自分も見られているのだという自覚を持ってほしいところである。

今日はこんなところか。今は深夜の4時である。非常に辛い。ではでは。


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何者(なにもの)2018年に東京大学を卒業する、しがない4年生。就活を終え卒業見込みも立ったものの、複数企業で馬車馬の様に働いている為、その1日は忙殺を極める。が、悩める就活生達の為に少しでも力にならんと睡眠時間を削って記事を書いていく事を決意。後輩達への優しく真摯な就活指導に定評がある。ちなみに、ペンネームの由来となった小説は読んだことも手に取ったこともない。

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