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「何者」流・集団面接のコツ
こんにちは、迷える就活生の味方、「何者」である。今の時期だと19卒の諸君は、イケると思っていた外資やベンチャーのインターンに叩き落され、自信を無くし「強い言葉」に惹かれて怪しい記事を読んで、「圧倒的成長」している気になっている時期だろうか。
前々回のコラム(「『あーこういう就活生多いわ』 ダメな東大生5類型」)では個人面接でありがちな「自己分析」ついて、前回(「グループディスカッションをクラッシュさせるのは誰なのか~必ず否定する東大生vs.論理的思考が出来ない他大生」)はグループディスカッションの対策について分かりやすく解説をしたわけだ。就活なんて多種多様な企業があれど面接の形式なぞ数種類しか無いため、それぞれの傾向や選考ポイントをあぶり出して戦略を練るくらい非常に簡単な思考なわけで、就活生には自分でやって欲しいなと思い始める今日この頃である。が、筆者は元より分類して尽くされている状態が好きだし、後輩に優しく接する事に定評がある。なので、本日は残った面接の形態「集団面接」(グループ面接)について取り上げようと思う。
華やかなエピソードには勝つ術無し?
最初に定義を行いたい。集団面接とは、1~2名の人事と4~5名の学生で構成され、人事が特定の同じ質問を順番に投げていくのを繰り返す、と言うものだ。人事が診ている点は集団の中でいかに個人の資質を示せるか。まあ一般的な定義だろう。
「何者」が周りの就活生に「集団面接で困った事はないか?」と聞くと、学生達は「人事の、学生時代にがんばったことはなんですか、という質問に自分の隣の学生が『大学のミスコンにファイナリストとして出ました!』や『国際的なディベート大会でウン位を取りました!』『スタートアップの立ち上げを手伝いました!』などとパワーワードをハキハキと返してきて、いざ自分の番になって、言おうと思って用意しておいた内容がショボく思えてきて緊張してモジモジしていたら落ちた」というのが一番多い。実際私自身も受けている時はそんな感じだったからよく分かる。大体そういう人は集団面接を通過していくし、モジモジしている人は落ちる。では、スタートアップの立ち上げやディベート大会に優勝していないと集団面接は通過しないのだろうか?
唐突だが、筆者『何者』は、集団面接はトランプの「大富豪」と同じだと初めて参加した集団面接で理解し、実行し、今日に至るまで一度も落ちてない。確かにミスコンファイナリストやスタートアップの立ち上げはインパクトが強い。これは所謂「大富豪」の最大質量カード「2」みたいなものだ。では大富豪は「2」を所有している人には永遠に勝てないゲームなのだろうか? 答えは否である。
『大富豪』のルールを知らない人も居ないと思うが、確認のため。『大富豪』は順繰りにカードを切って行き、一早く手札をなくすことを目標とするゲームだ。カードの強さは「3」→「13」→「1」→「2」と強くなり、強いカードが出たらそれより弱いカードは出せない。スタートアップ立ち上げクン、ミスコンファイナリストサンを順番手前にして萎縮している君は、いわばしょっぱな「2」を出されて何も出せなくなってしまっているわけだ。が、ここで「大富豪」に立ち戻ってもう一度考えてみよう。大富豪は「革命・11バック・8切り等の役を用いて数字の大きさ以外で勝つ手段はある」「一周して終わるゲームではない」という性質を持っているのだ。集団面接に於けるこの2つの要素とは何なのだろうか。
集団面接に於ける「数字の大きさ以外で勝つ手段」とはどういうことか考えていきたい。例えば君の前に例のスタートアップ立ち上げクンが居たとしよう。彼は当然人事にある程度評価される。その彼の評価軸は「自分で事業立ち上げする、行動力がある人」というものだ。
では諸君に聞きたいのだが、果たして人事は「自分で事業立ち上げする、行動力がある人」だけを評価するのか? いやいや、否だろう!こんな輩ばかりで会社を構成したら、それこそみんな新規事業を提案して動物園の様になってしまう。絶対にどの会社にもその他の評価軸があるはずである。
違う評価軸を狙って「デカいカード」を黙らせろ
だから、こういう「デカいカードの数値をいきなり切る人」に遭遇した場合、その評価軸と違う評価軸を狙おう。例えば「私はとある居酒屋でバイトリーダーをしていますが、着任時その店舗は深刻な赤字で悩んでいました。その赤字の原因を毎期の帳簿で確認したところ、平日の客単価の落ち込みが主たる原因と判断し、これを解決するためセットメニューを作成・提案し、無事赤字を克服することで全国の店員の中からMVPをいただきました」・・・どうだろう。得体の知れないスタートアップよりよほどすばらしいではないか。この回答をした者は恐らく「自分で事業立ち上げする、行動力がある人」ではなく「数値を冷静に分析しPDCAを高回転させられる」という全く別軸の超高評価を受けるであろうし、スタートアップ立ち上げクンより劣る評価になることはまず無い。断言したい。
他にはどうだろう。「私は元々運動部未経験でしたが大学から体育会ボクシング部に入部しました。私は、未経験選手は何か戦略がないと中高からボクシングをやっていた選手には勝てないと考え、『サウスポー』と呼ばれる、多くの右利き選手とは構え方が真逆の構え方を取り続け練習しました。このサウスポーは右利きの選手と敵対した時攻め込まれ辛く、優位に立ち回れる構えですが、もとよりこの構えは左利きの選手の為で、私は右利きだったのでたくさんの練習量を要し苦労も重ねました。が、努力の結果関東新人戦で3位の栄誉に預かることができました」・・・これもすばらしい回答だ。彼は「少ないリソースながらも戦略的に勝ち筋を考えた上で非情な努力をして結果を出すことができる人」として評価されるわけだ。
このように、スタートアップ立ち上げクンやミスコンファイナリストサンを黙らせる事の出来る「8切り」や「革命」を自身のこれまでの経験から捻出してみてはどうか? 人事が体育会系で努力をしていたり学生時代ずっと飲食店のバイトをしていたなら、彼らの方がよほど共感され好印象をもたれるのではなかろうか。
さらに、もう1点細かい事だが「大富豪」も集団面接も、何も一周で終わってしまうものではない。例えば「学生時代にがんばった事」でスタートアップ立ち上げクンやミスコンファイナリストサンがイキり倒していて、自分の番に気の利いた事が言えなかったにしても、「この会社/インターンでどのようにして活躍できると思いますか?」や「学生時代一番辛かった事」などその後も様々な切り口で質問が飛んでくる。めげずに自分だけが発揮できる価値を考察し臆せず返答しよう。
集団面接と大富豪の違い
そして、最後になるが賢い読者諸君ならお気づきのことだろうが、集団面接と「大富豪」の決定的な違いは、「事前に何枚もカードを持参できること」「ゲームマスターたる人事は学生の同じような自慢話を聞いてかなり退屈している」ということだ。
一つ目に関してはかなり考察していった方が良い。生きてきた中で特に何もしていない人など居ないはずだ。何かしら自分が好きな事で必死になったり熱い青春を過ごしているはずだ。それらの中で自らが捻出した「頑張りどころ」をサマリーして、自分の手元のカードとして用意しておこう。
用意するカードはどんなカードでもよい。単純にスタートアップ立ち上げなどのパワーカードでも良いし、先述した8切り・革命のような変化球も用意しておこう。重要なのは何種類のカードを用意できるかだ。前の順番の人が言った自慢話と違う角度の、シャープな解答を繰り出すのだ。人事もありきたりな自慢話には飽き飽きとしているはずだ。今までと違う新しい入り口のシャープな解答に、胸を躍らせることは間違いない。
実際筆者「何者」は、今回の記事に例としてあげた“カード”なら、ミスコンファイナリスト以外は大体それに準じる・ないしそれを越えるカードを用意して集団面接に臨んでいた(筆者は残念ながらそこまで美男美女ではないのだ。天は二物を与えずといったところか)し、体感として他の就活生がカードを数枚しか用意していなかったのに対し数十枚用意出来て臨んでいたので全く苦労しなかった。
長々と語ったが、集団面接はいわば「自分を他の有象無象と比べいかに優秀に思わせるか」というゲームに過ぎない。これを呼んだ就活生諸君は、今日から「自分だけにしかできなかった事」を真剣に見いだしカード化しよう。そんなものはない? 諦めるな若人。それはきちんと振り返りをしていないだけだ。筆者「何者」の前々回のコラムを読んでみることをおすすめする。本日は以上だ。ではでは。
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