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どうも「何者」である。最近、もう少しこのサイトで新しいこともしたくなってきた今日この頃だ。そのうち仕掛けて行くつもりなので乞うご期待。
そんなことはさておき、無事に就職が決まった18&19卒の諸君も、“無い内定”な残念な諸君も「副業解禁」というバズワード、最近ちらほら聞くのではなかろうか。昨今ベンチャー企業を筆頭に様々な企業が「副業」を解禁して話題騒然だ。
副業とは読んで字のごとし、君らが入社する会社で任される仕事をやりつつ個人事業主・他企業での仕事、果ては平社員でありながら自らの作った企業の社長ということもありうる夢のような状態のことだ。こんなうまい話を各社が了承してくれたというのに、若者たちの反応は思いの外渋い。
「それって自社の給料が低いからよそでなんとかしてこいって意味じゃ・・・」とか「副業なんかさせてないで自社でしっかり給料くれよ」「地に足がついていなそう」・・・トンチンカンも甚だしい。大体、騒いでる微妙な学生なぞ副業解禁は対象としていない。そもそも副業解禁をした企業群の名前を見ると、新卒から給与をかなり高く与えている優良企業ばかりではないか・・・。まったく、誰に向かって何を怒っているのか、何者には凡百の考えはさっぱり解らない。はっきり言って今副業を否定している人間はこれ以上稼ぐ層が更に稼いだらずるい! という日本あるあるの、「出る杭は打つ」思想に基づいており、中世のカルヴァン主義者やピューリタンが見たら「21世紀にもなってまだそんなことを言っているのか」とハナで笑うだろう。
なぜ各社が副業を奨励するのか
では何故このタイミングで各社が副業を社員に促すのか、その大前提を考えてみようではないか。何者が分析するに、副業解禁は社会的要請と、会社の人材育成戦略、2つの側面を持つと考えている。
社会的要請
1つ目の「社会的要請」から解説しよう。
現在の日本ははっきり言って経済面で第二次世界大戦以降最大の苦境に立たされている。産業構造は弱体化し、やたら高い所得を求める一方で大したバリューも出せない労働者達があふれかえる日本は、以前モノづくりの国として名声を誇ったのも遠い昔、すべての「モノ」を複製する技術は人工知能を筆頭とするイノベーションで超絶進化し、グローバル化によって勤勉で安価な人材が世界に解き放たれた現代国際社会ではもはや優れた「モノ」を生産できる国というより、「ビミョーなクオリティのモノをやたら高い値段で生産する国」であり、更に「新しいものに閉鎖的で技術・人材の代謝が悪い国」以外の何物でもなくなってしまっているのだ。
こうした悲しい現状の中、このサイトの読者諸君のような優秀な人材が(このサイトにはたくさんいると信じたい)一人何役もこなしそれぞれの役できちんとしたバリューを叩き出すことが社会的に必須なのだ。これは半人前、いや0.2~0.3人前のバリューしか出せない労働者が増えていく中で、優秀な人材が10、20、いや100人前ほどの労働価値を出していくしかないと社会がそう判断したという証左である。だから副業ができる会社に入社する人は胸を張ってよい。恥じ入ることは全く無い。
念のために言っておくが、これは公人の方々を対象にして言っているのではない。国家公務員を始めとする方々は厳密に法によって副業が禁止されている。おおやけの財を扱っている人が私財を肥やし、自らのリソースと公共のリソースを混在化してしまうのを避けるためだ。従って彼らに関しては優秀であってもそれをしてはならない立場だから、副業をしないから優秀ではないという話をしているのではない(こうでも言っておかないと官僚の友人らに怒られそうだからキチンと書いておく)。
会社の人材育成戦略
また、各社が副業を解禁し推奨するのは、人材育成戦略の側面もあると言ったがそれも解説していこう。
もともと我々は勉強熱心で意欲的な層だ。ビジネス面でも様々な学びや自己強化のチャンスを欲する。そういった場合、そういう意欲的な層に会社側の事情で彼らが望むような仕事のボリュームを任せられないことは往々にしてある。そういった点で優秀な人材が「もうここには学びがないな」と飽きて出ていってしまったら、それこそ会社の損である。適度なやりがいを用意できない場合、会社外にそれを自らで用意させるというのは非常に合理的である。なにせ人材が能動的に成長するのだから。無論これは会社で与えられた仕事を的確にこなし、会社へドバドババリューを還元することを大前提とする。会社から与えられた仕事を100%以上こなさない人間に副業をやる資格は無い。
更に、会社の事業に何かしら新しい息吹を吹き込みたい時、社員一人ひとりがいつも会社で任されている事業以外で勝手に勉強してくれている状況は、企業からしてこの上ないほど好都合だ。なぜならそうした熱心な社員は、副業で勉強してきた新しいビジネス手法を会社の既存事業と高い次元で融合させ、より良いサービスに進化させてくれるからである。
また、話は逸れるがこれは起業を志す個人にとっても有利なことだ。なぜならいずれ起業するときにどんな人も必ず無収入となってしまう場面が訪れるが、副業でしっかり稼ぎ出せる手段を用意しておけば、起業資金を貯めたり最低限の食い扶持を確保することができるからである。
ここまで色々と書いたが、つまるところ副業というのは、労働者にとっても雇用する会社にとっても、社会全体にとってもWin-Win-Winなものなのである。もうジャンジャン副業してしまおう。今副業が解禁していなくても社会の趨勢的に副業解禁する会社は増加していくはずだ。というより増えていくと願いたい・・・。
比較的手軽に始められる副業のヒント
さて長々と副業の素晴らしさを説いてきたわけだが、急に副業を始めろと言われてもピンとこない読者も多いだろう。そういう副業をひねり出して実行に移せるのが優秀な人材だと思うのだが、まあそれはさておき、筆者何者は副業で稼ぎ出すのが大変好きで得意である。もちろんあくまでも「副業」なのだが。ここで少し、副業で食べていくに困らないくらいは稼げるレベルのものを作り出すヒントを諸君らに与えておこう。
大前提として、副業は圧倒的に個人のリソースベースに生み出されるものであるということは述べておきたい。従って趣味が高じてその趣味の世界でインフルエンサーになりかけているような人や多彩なスキルを持つ人が有利なのは間違いない。元も子もないが、これらが全く思い浮かばない人はちょっと副業には向いていないだろう。その上で、ここに比較的カンタンに始められそうな副業をざっと書いてみようと思う。どれも片手間でできるし勉強になるものを筆者の経験から独断でピックアップしてみた。
(1)ライター業務
一時期キュレーションメディア大炎上で1文字1円ライターが問題化したが、ライターは個人事業主ができる最も身近かつ強力な副業ツールである。そもそも情報には価値がつく。それが希少な情報であればあるほど価値が高い。エンタメ性に富んでいるとか、秘匿された情報を公開するものだとか、希少のあり方はライターによって様々だ。1文字1円ライターは1文字1円程度の価値しかないことを書いていたに過ぎない。何者は何者名義以外でも自らの趣味領域や様々な事業領域で記事やコラムを納品しているが、これはひとえに人より文章を書くのが若干早くてうまいということ、関心領域が広大というのをリソースとしているのである。
昨今メディアも動画を始めとして様々な形が出てきたが、動画などは特にリッチコンテンツが無条件に勝ってしまう媒体だ。一方文字というのは、金をかけようがかけまいが文字は文字なので、きれいなフォントで書いても写真をシコシコ挿入してもすべて文字、内容が勝負だ。自分は面白いことを考えているし、多趣味だ! という諸兄はぜひ記事でキッチリ稼いで行こう。ちなみにだが、筆者自身文字を書くことだけでボーナスを抜いた新卒月給くらいは月に稼いでいるので、ライター業を侮ることなかれだ。
(2)転売業
最近ではメルカリなど、個人で商流の一端になることが容易になったからこそできる手法である。例えばメルカリのメインの商品はまだまだアパレル領域だが、ブランド品というのは強い力を持つものだ。中古といえどほしいと思う人はたくさんいる。ところでメルカリ以外にもたくさんのフリマがあり、世の中には古着屋というものも多くあるわけだが、少し注意して見ると各店舗(オフライン・オンライン両方)で若干値段が違うことに気づく。この不思議な現象はフリマにせよ実店舗にせよ、顧客の性質が若干違うため同じ商品でも評価額となる相場が異なることに起因する。正直な話、これを安価で買い上げてより高いところへ売りさばくだけ、つまりは移動させるだけで実は結構稼げてしまう。副業としては一番低俗なものだからいつまでもやることはおすすめしないが、副業をやるにあたっての頭金を作ったり手応えを掴んだりするには丁度よい。
(3)SEOやサイト設計
我々の業界ではもはや初等スキルとされるSEO対策やUXが充実したサイト設計は、実は結構特殊な領域にしか用いられていないことが多い。案外世の中には古い業界というのがたくさんあって、そういう業界の会社ページへ飛んでみると「いつの時代のサイトやねん」というサイトが溢れかえっている。こうした業界にしっかりとしたSEO対策やサイト設計の技術を持ち込むと、驚くほど価値を生む。これはこうした古い業界は大手IT企業が狙うほどのサイズ感ではないニッチなものなどが多いが、一転、個人事業主がゴリゴリ稼ぐには好都合なサイズ感であるがためホワイトスペースとなっている。HTMLがちょっといじれるなら、この副業は勉強にもなるのでとてもオススメである。当然クライアントを引っ張ってくる営業力も必要なのでその点は留意しよう。
(4)固定資産を作ってしまう
いわゆる古くから金持ちが余財を投資するやり口である。不動産などが代表例だ。個人で買うには少々しんどいものを最初ドカンと買っておいてシェアするだけで価値がつき、サービスと認められるものが世の中にはいくつもある。別に不動産だけではなく、シェアハウスなどに洗濯機や原付、コーヒーメーカーを置いて利用料を取るなど、いくらでもやりようはあるだろう。きちんと採算まで考えた上というのは前提である。
(5)インフルエンサーになってしまう
若干ライター業とかぶるが、今の世の中は「体験」が価値になる時代である。インスタなどが得意な女子にオススメなのだが、アパレルなどのインフルエンサー飽和セグメント以外で、ニッチでありながらも一企業に対してライフタイムバリューが高そうな商材で「あの人が使っていてオススメしているものなら良いものに違いない! 買おう!」と思わせることができればあなたも立派なインフルエンサーだ。
ダイエット器具やかわいい食器、ペット用品のインフルエンサーなどが個人的に今狙い目なのでは? と思っている。これは特に自分自身が好きな趣味と関わり合いがある余暇サービスなどと相性が良いであろう。フォトジェニック技術があるか、可愛い文章が書けるか、トレンドを追えるか等ライター業と比べると総合力を問われがちなのが留意点だ。別口だが、最近の素人女子のフォトジェニックはプロも唸るレベルで高いので、個人が取った写真を高価で買い取るサービスもあるので、我こそはというフォトジェニック女子はそちらも活用してみよう。
あなたの副業で社会も会社も自身も潤う
どうだったであろうか。当然会社で蓄積した専門性を活かした方法や、大学時代の研究成果を活かした方法など、これより高度かつ利回りも良い副業など世の中ゴマンとあるが、最初期のとっつきやすさでぱっと思いつくものを選んでみた。暇な学生の時分に副業の導線を張り巡らせてしまおう。
繰り返しになるが、副業は恥じるべきものではない。むしろできることに誇りを持って良いことだ。あなたが副業で得た賃金は、誰かを騙し苦しめて得たものでない限り、世の中に正当な価値を届けた証拠であるし、あなたが副業をやることで社会も会社も、あなた自身も潤うのであるだから。今日はこんなところであろうか。では、また来週らへんで会おう。次回はオススメの秋インターンについて書いていければ、と思っている。
ではでは。
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