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日系・外資、あなたはどっち?
就活生の皆さんは外資・日系企業にどのような印象をお持ちでしょうか。多くの就活生は日系がトップダウンの気風・まったり、対して外資がup or out ・激務・高給といったぼんやりとしたイメージしかないのではないのでしょうか? そのようなイメージしかなかったために、就活していた当時に憧れていた企業に入れたものの入社後にギャップを感じて後悔した・・・なんて方も多々いらっしゃるようです。
今回は、日系大手広告代理店から外資系戦略コンサルに転職された方に双方のメリット・デメリットを比較して頂きました。実際に勤めた方のリアルな声を反映させたこのコラムは日系か外資で迷っている人にとって非常に有意義だと思います。是非このコラムを読んで、ご自身の就活をより実りあるものにして下さい。
筆者について
はじめまして。私は新卒で大手広告代理店に数年勤めた後、現在は外資系戦略コンサルティングファームで働くKom.bi.niです。
私の就活時代を思い出してみると、軸にしていたのは「社会に大きなインパクトを与える仕事にかかわりたい」という思いです。就活の際は特に業界は絞らず商社や銀行なども幅広く受けていました。
最終的にファーストキャリアとして広告代理店を選んだのは、上記の中でも突出して人々に与える印象・インパクトが強かったためです。
さて、その「学生から見たイメージ」は実際どうだったのか。そしてなぜ転職を選び、転職先はどんなカルチャーだったのか、お話ししていきましょう。
住宅ローンで優遇される?安定の日系企業
まず日系企業に新卒で入ったおかげで、自分が得られた利点をお伝えします。
(1)クビになるリスクがなく、長期的な成長を考えられる
リーマンショック以前よりかはかなりマシになってきたものの、依然として実力主義ゆえ自分のポストが保障されているわけではないというのが外資系企業の大原則です。当然日々の業務に緊張感が生まれる一方、長時間勤務が続く中「失敗できない、評価を上げないといけない」というプレッシャーから悪循環に陥り、疲弊して心を病んでしまう社員が少なくないのも事実です。
一方、日系企業では、社員を数十年という長期的な目線で一人前に育てるように訓練します。「失敗を積み重ねながら、少しずつ成長していくことが大事」という考えのもと、早い段階から目に見える結果を求めることはありません。右も左もわからない新入社員にとってこのような環境は非常にありがたいです。
私自身、新入社員時は多くの失敗を繰り返し、毎日のように先輩から怒られていましたが、結果として自分のビジネスマンとしての土台を構築することが出来たと思っています。
(2)マナーや振る舞いなど、社会人基礎力を学びやすい
外資系企業のメリットとして自由な社風、上下関係に囚われない関係といった風通しの良さが挙げられます。相対的に社会人としての礼儀やマナーはそこまで重要視されない、という側面もあります。
現職では、私を含めほとんどのコンサルタントが日系企業からの転職組であるため、マナーは前職でしっかりと鍛え上げられています。しかし新卒で入社した人はそういった「日本的なビジネス風土」を学ばないままキャリアを重ねていくため、人によっては日系企業に転職した後、企業文化の違いにかなり苦労しているようです。
(3)社会的信頼が厚い(得られるのは合コンでのモテだけではない)
転職してからそのありがたみに気づいたのですが、日系大手のネームバリューから受けられる恩恵は「合コンなどの場で企業名を伝えた際の反応が良い」というレベルにはとどまりません。
例えば、大手総合商社からコンサルファームに転職した先輩は、住宅ローンを申請する際、実際の年収自体は上がっていたのにもかかわらず、総合商社時代よりも高い金利を提示されたとのことです。
世間的に知名度が高く、安定性が期待できる大企業は、思わぬ場面でも恩恵を受けることがあるのだと気がつかされました。
自分の能力を伸ばすことができ、かつ高給な外資系企業
一方で外資系企業と聞くと、激務、高給、実力主義、Up or Out……。まず最初に思い浮かぶのはこのような言葉でしょうか。特に外資系金融機関や外資コンサルといった業界は、企業名以上にそのハードそうなイメージの方がむしろ有名になっているかもしれません。ですが給与面では総合商社ですら足元に及びません。外資コンサルでは20代の給与は600万円前後が相場と言われています。3年目になると1000万円を突破。30代になると大体の人はマネージャー・プリンシパルと言われる役職に就きます。そこまで行くと、ベース給2000万円前後とインセンティブ給与で計3000万円~5000万円に到達することは難しくないようです。詳しくは、下記の外資コンサルの社員さんへのインタビュー記事を参照して下さい。
【外資系コンサルティングファーム】
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早く成長できる道、基礎をじっくり固められる道
両者の良い点・悪い点について述べた上で、これから自らの進路を選択していく就活生の皆さんに私からのアドバイスをお伝えします。
結論として、若いうちからビジネススキルやノウハウを獲得したいという方には外資系企業をお勧めします。
私が比較的早いタイミングで外資コンサルへの転職を決意したのも、新卒でコンサルに入った大学同期の変貌度合いに驚いたからでした。
日系企業で社会人基礎力を鍛えるという選択肢もある
一方で、チャレンジできる可能性を考えると、新卒で日系大手というのも魅力的な選択肢です。なぜならば、時勢や業界にもよりますが、外資系企業というのは基本的に常に中途採用を受け付けているからです。入社数年の若手から40歳くらいまでの幅広い年齢の人たちがさまざまな業種から転職してきています。
私もその1人ですが、異なる職を経験しているからこそ、今の仕事で活躍することができるという側面もあると思っています。
日系企業はというと、新卒からの叩き上げが社員数の大多数を占めており、依然として中途採用者への門戸は相対的に狭いのが現状です。また、日系企業で数年間基礎的なビジネススキルとマナーをしっかりと身につけられたお陰で、転職先でも何とかやっていけていると思う節もあります。まずは日系企業で社会人経験を積み、自信がついてきたどこかのタイミングで外資にキャリアチェンジ、という考えもありだと個人的には思っています。
外資系企業と日系企業では、文化や思考が全く異なるため、頭の使い方などはじめ戸惑うことが大いにあるかと思います。ただ、どちらを選択するにせよ、無駄になる知識はありません。どの業界のどんな職に就いたとしても、必ずその後のキャリアの礎となってくれるでしょう。
ファーストキャリアの選択は皆さんの人生において重要な岐路だと思いますが、本コラムが少しでも参考になり、皆さんのベストチョイスへの道しるべとなれば幸いです。
様々な要素を比較検討し、英断を
いかがだったでしょうか。日系と外資のデメリット・メリットを理解することができたでしょうか。就活生は企業を選ぶに当たって金・名誉・仕事内容などの様々な要素を検討すると思います。残された時間を有意義に活用して、社会人になって当時を振り返ってもなお「当時の決断は最高のものだった。」と自信を持って言えるようにしたいものですね。
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