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社会人アンケートから読み解く福利厚生の実態
「外資系って給料高くていいよね」
「でも日系はその分福利厚生が手厚いらしいよ」
就活生であれば、一度や二度はこのような会話を耳にしたことがあると思います。
ですが、実際に福利厚生で企業を選ぼうと思っても、根拠のない噂話や個人的な話ばかりで、なかなか有益な情報が得られない・・・という方も多いはず。そもそも就活するにあたって福利厚生を重視すべきなのか? と疑問を持っている方も少なくないでしょう。
今回は、そんな「福利厚生って実際どうなの?」という疑問に答えるべく、社会人の方を対象にアンケート調査を実施しました。具体的には、弊社が運営する、若手プロフェッショナル向けキャリアアップ支援サービス「Liiga(リーガ)」の会員が調査対象です。企業選びに悩んでいる方、必見です。
外資と日系の実態
回答者内訳
今回のアンケートに回答してくださった方の内訳は、以下の通りです。
現在外資系企業に勤めている方が33%、日系企業に勤めている方が67%です。
また、今回の回答者を年代別に見ると、20代が77%、30代が22%、40代が1%でした。そのため、以下の分析の対象となっているのは、主に20代~30代の方の回答ということになります。
年収
まずは、皆さんも気になる年収。「外資は給料が高い」とよく言われていますが、果たして実態はどうなのでしょうか。
噂通り、外資の方が全体として年収が高い傾向があるようです。特に、400万円未満の項目は、日系が25%であるのに対し、外資では4%でした。若いうちから実力が認められて、高給取りになる方も多いのかもしれません。
転職
また、「日系は終身雇用、外資は転職が多い」という話もよく聞きますよね。そこで転職歴についても調査をしてみました。
こちらも世間のイメージ通りの結果となりました。
日系では7割が転職歴なし。一方、外資に勤めている方は、半数以上が転職を経験されています。やはり、中途採用が多い外資では、転職して来た方も多いようですね。
福利厚生の実態
それでは、実際の福利厚生がどのようになっているか、見ていきましょう。
休暇
まずは、休暇について。
休日
ここでは1カ月の休日の日数を回答していただきました。
休日に関しては、あまり差はないようです。カレンダー通り、土日祝日が休日だという方が多い印象でした。
有給休暇
次に、有給休暇についても見てみましょう。ここでは1年あたりの日数を回答していただきました。
有給については、外資の方が少し多いという結果になりました。欧米ではまとまった休みを取りやすいというイメージがありますが、そういった背景もあるのかもしれませんね。とはいえ、全体としてそこまで休暇に関して差があるというわけではないようです。
それではここで、休暇に関するユニークな例があったので、ご紹介します。
(20代女性/日系/IT・ベンチャー)
・「クリスマスは休日なので、出勤したら振替休日を取る」
(20代男性/外資/金融・証券)
・「誕生日休暇がある」
(20代女性/日系/広告・出版・マスコミ)
学生の皆さんも、「クリスマスに学校かあ・・・」「誕生日だし休んでもよくない?」と考えることもあるかと思いますが、こうして正式に休日扱いになってくれると嬉しいものですよね。
住宅
続いて、住宅関連の福利厚生について。日々の出費の中で最も多くを占めるのが、住宅関連のもの。手当があるのとないのでは雲泥の差とも言えるでしょう。
家賃手当
では、実際に家賃手当を受けている方はどれくらいいるのでしょうか。1カ月あたりの金額を答えていただきました。
外資では8割の方が手当をもらえないのに対し、日系では4割近くの方が手当を受けているという結果になりました。特に、日系の中には、家族ができると手当が増えると回答した方もいました。やはり住宅に関しては、日系企業の福利厚生は手厚いと言えそうです。
社宅制度
また、社宅制度の有無についても聞いてみました。
こちらも歴然とした差が出ました。日系では4割以上が社宅制度を有しているようです。
では、住宅関連のエピソードをいくつか紹介したいと思います。
(30代男性/日系/コンサル・シンクタンク)
・「新入社員で勤務地に引っ越す際、敷金礼金を補助する引っ越し費用は非常に助かった」
(20代男性/日系/IT・ベンチャー)
・「留学生のため、賃貸可の物件が結構限られており、社宅制度がとても助かった」
(20代女性/日系/IT・ベンチャー)
やはり住宅関連の福利厚生の効果は大きいようです。
また、外資・日系問わず、「住宅関連の補助金が欲しい」という声もいくつか寄せられました。今は実家暮らしであまり想像がつかないという学生の方も、これを機にアパートやマンションの家賃を調べてみると、家賃補助のありがたみが分かるかもしれません。
託児施設
次に、事業所内託児施設の有無についても聞いてみました。共働きの家庭も増え、保育所に予約が殺到するなど、なかなか仕事と子育てを両立しにくい時代。そんな中、会社に託児所があると心強いですよね。
結果はどうでしょうか。
日系の方が少し多いものの、どちらも託児所はあまり普及していないようです。国や自治体からだけでなく、企業側からも子育てに関する補助があるといいですよね。今後の発展に期待したいところです。
ユニークな制度
では最後に、会社独自のユニークな制度をまとめてご紹介します。
・「航空機割引、Benefit One年間5万5千円分のポイント(映画や旅行に使用可能)、自社株自動引き落とし、各種特殊休暇の配備、生理休暇(有給、有休消化対象外)、扶養者海外赴任への付き添い休職制度(最長2年間)」(20代女性/日系/運輸)
・「福利厚生とは少し違うが、スポーツや音楽などの部活動があり、友人や趣味の幅が広がる」(30代男性/日系/メーカー)
・「エスプレッソ、コーヒー、お茶、野菜ジュース飲み放題、お菓子食べ放題」(30代男性/外資/IT・ベンチャー)
こういった制度があれば、仕事のモチベーションにも繋がりそうですよね。他にも、書籍代が無料、食事が全て無料、といった回答もありました。
就活と福利厚生
これまで、外資と日系の実態について見てきましたが、先輩社会人の皆さんは就活の際、福利厚生についてどのように考えていたのでしょうか。
まずは福利厚生をどの程度重視していたか、5段階評価で回答していただきました。
全体としてそこまで重視していなかったという傾向があったものの、どちらかといえば日系に就職した方のほうが福利厚生を気にかけていたようです。
逆に外資の方は約半数が「全く気にしなかった」と答えていることから、外資の方は元々福利厚生を重視していなかったことが見て取れます。
では、福利厚生の中でもどの点を気にかけていたのでしょうか。
大まかに言えば、どちらもある程度似たような結果になりました。ただ、外資では「特に重視したものはない」と回答した方が多かったのに対し、日系では休暇を視野に入れた方がやや多かったようです。
ですが、上記で見ていただいた通り、実際に働き始めてから差が出ているのは休暇の面ではなく、住宅関連の福利厚生だと思われます。学生のうちは、あまり家賃などには気が向かないのかもしれませんが、住宅関連の福利厚生に注目したほうがよさそうです。
最後に、就活中に福利厚生を重視すべきかどうかについて聞いてみました。
やはり、と言うべきか、日系の方は「重視すべきだ」に寄った意見が半数以上を占めました。
一方で、外資の方は「重視すべきだ」と「特に気にしなくてもいい」という層が拮抗した結果となりました。
これを2つ上で紹介した「(就活中の)福利厚生の重視度」と見比べると、外資の方は就活中は福利厚生を気にしなかった方が約半数を占めており、逆に重視していた方が少数でしたが、働き始めた今、就活中の学生にアドバイスするとしたら「福利厚生を重視すべき」という意見の方が増えていると見ることもできます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。これまで「なんとなく」のイメージだったことが少しでも明確になったなら幸いです。
回答の中には、「お金より休みが欲しい」「マッサージ代が欲しい」という声もありました。学生の皆さんが想像している以上に、トップ企業で働く社会人は大変なのかもしれません。
就活の軸は人それぞれだとは思いますが、「働き方」が見直されている今、その「働く」を支える福利厚生にこれまで以上に目を向けてみるのものいいではないでしょうか。
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