ビジネスプランコンテスト出場者が就職活動に強い理由

ビジコンの出場経験は就活に役立つのか？

突然ですが、皆さんはビジネスプランコンテスト（以下ビジコン）に出場したことはありますか？

大学の掲示板で見た、友達が出場していた、実際に出場したことがある、人によって様々だと思います。また「別に起業したいわけじゃないし」とビジコンに対して関心があまりない方もいるのではないでしょうか。

しかし周りを見ておりますと、ビジコン出場者は就活を有利に運んでいるように感じます。そこで本コラムでは、ビジコンに参加することの有用性について、皆さまにご紹介したいと思います。

そもそもビジコンとは？

ビジネスプランコンテストは起業家創出を目的として、新しいビジネス・事業プランを審査員が評価し、優秀なチームには賞金を渡して事業化を推進するものが一般的です。

一口にビジコンと言ってもコンテスト毎に詳細内容は異なりますが、多くは２名以上のチームを組んで取り組みます。企業におけるインターン同様に会場初対面同士組む場合もあれば、あらかじめチームを組んでエントリーする場合もあります。

プランについてのテーマ設定があるかどうか、合宿形式か否か、参加料金が発生するかも重要ですが、賞金も10万円～500万円と幅広いです。

ただ、どのビジコンにも共通することは「ビジネスプランを立て、プレゼンテーションをすること」です。これが実際どのように就活で力を発揮するのでしょうか。以下では、ビジコンを通じて身に付く力を5つに分けてご紹介します。

１．アイデアを考える力が身につく

どんな起業であっても、自分の持つアイデアを実現性のあるプランに落としこみ実行することが重要です。

「タケコプターの製造・販売」といった起業プランがあったときに、漠然とタケコプタ―があったら便利だなあと思うだけではただの妄想で終わってしまいますが、実際にそれは作れるのか、どの材料が必要なのか、どのくらいコストがかかるのか、販売ルートはどうするのか、いくらにすればいいのかなど考えるところは多数あります。

知識は本やインターネットで得ることができても、それを実現性のあるプランに昇華するためには常に「どうすればよいか」考える必要があります。ビジネスプランコンテストの期間中、その事業についての知識インプット・アイデアアウトプットを繰り返すことで、どんな事象であっても考える習慣を身に付けることができます。また、自分の考えや意見を常に主張する機会が与えられます。

こうした経験は、就活で課されることの多い「グループディスカッション」「ケース面接」などへの対策にも成りえると考えております。

２．ロジックの組み立てに慣れる

ビジネスプランを練る上では、情熱と根性・・・だけではなく「事実をベースとした論理」が必要です。どんなに素晴らしいアイデアでも、事実を積み上げてプランを組み立てていかないと、それがビジネスとして成り立ちうる検証ができませんし、オーディエンスにイメージを伝えることができません。

自分のプランに対し「なぜそうなのか」を5段階くらい掘り下げて、市場の規模はどのくらいで、いくらの収益が見込めるのかということを、論理的に考えていく必要があります。コンテスト中にビジネスプランの変更は多々ありますから、何度もロジックを組み立て直すことになります。

就活中に論理的思考力を問われる場面は沢山あると思いますので、このプロセスが十分な訓練になると考えます。

３．企業側の視点をもつことができる

学生のうちは消費者としての立場がほとんどで、なかなか企業側の視点をもつ機会なんてありませんよね。

ビジコンでは自分たちがまさに企業側となるので、「この事業の担当者だったらどうするのか」という事業戦略を立案する現場での考え方が無意識に出来上がってくるはずです。例えばもしこの企業の人事ならばどういう人材を確保したいのかといった考えもできるようになりますので、この視点を持つことで「企業側からの自己客観視」も可能になります。

企業側のスタンスが理解できれば面接対策も苦ではなくなるでしょうし、よもや面接に落ちるフラグが立つ9つのなんとかみたいには決してならないはずです。

４．財務計画を作成することで、会計の考え方が身につく

ビジネスプランを作成する上で、お金のことを考えるのはとても重要です。利益が出なければ事業として成り立たないですからね。

私は勉強不足だったので、ビジコンに出場して初めて財務諸表というものの存在を知りました。財務諸表が読めるようになると、自分が志望する企業の状況をより具体的に知ることができますから、就活においてプラスになるのではと思います。

５．プレゼンテーションスキルが向上する

最後に、自分のビジネスプランを審査員含めて多くの人の前で発表することになります。ここでは、オーディエンスにプランの内容を十分理解してもらい、いかに魅力的なプランだと思わせられるかが重要です。

これは面接時の自己PRとほぼ同様と考えてよいかと思います。人前でプレゼンをする機会というのはそう多くはないと思いますから、ビジコンの発表というのは貴重な機会ではないかとい考えます。

就活にも役立つビジコンに参加してみよう

筆者がビジコンに出場して得た経験のうち、就活に役立ったと思うことをまとめてみました。起業に少しでも興味があれば、一度ビジコンに参加してみるのはいい経験になると思います。同じような志を持つ方々にも出会えますし、起業の疑似体験をしておくと働く上で自分に足りないものや強みが分かる気がします。就職をせず、そのまま起業するキッカケとなるかもしれません。

またサラリーマンになるといった選択を持つ前に、事業主としての考え方を理解しておくことは重要かと思います。優秀な参加者も多いですので、さまざまなビジネスプランコンテストにチャレンジして実力を磨くことをオススメいたします。