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週末にNPO活動しながらBCGで3年半 「面白そう」という内なる声に従って決めた、“偶然”の起業~戦コン出身起業家図鑑(7)


特集「戦コン出身起業家図鑑」、第7回の今回登場してもらうのは、東京大学大学院工学系研究科を修了後、新卒でボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社した岩田拓真さん。子どものころから好奇心に導かれるままに行動してきたという岩田さん。起業したのも、「面白そう」という自らの内なる声に従った結果の、“たまたま”だったという。【丸山紀一朗】

〈Profile〉
岩田拓真(いわた・たくま)
株式会社a.school 代表取締役。
1985年生まれ。京都大学総合人間学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修了(工学修士)。東京大学i.schoolにてイノベーション創出の方法論について学ぶ。2010年に新卒でBCGに入社。その傍らNPOを立ち上げ、小学生から社会人までを対象とした教育プログラムの企画・運営に携わる。その後、2013年9月にa.schoolを創業。
a.schoolの事業は「探究学習塾」の運営。講義型ではなく双方向型(ワークショップ形式)で授業を行うのが特徴で、子ども一人ひとりが興味関心の赴くままに、疑問や課題を発見しながら能動的に学ぶ姿勢を育む。

 

元々は研究者志望 「熱しやすく冷めやすい」性格ゆえに選んだ外資系

――理系で、大学院まで修了していますが、元々は将来何をやりたかったのですか?

岩田:大学に入った当初、将来は脳科学や心理学などの研究者になろうと思っていました。別の分野のある研究者を見て、自らの興味のあることを突き詰めて探究する生き方に憧れたことがきっかけです。

子どものころから「面白い」と思ったことにのめり込むタイプで、それもあって研究者の生き方に関心がありました。ずいぶん小さいころから好奇心旺盛で、母曰く「一年周期」でいろいろなことに徹底的にハマっていたようです。

――例えばどういうことにハマっていたのですか?

岩田:一例ですが、将棋やカードゲーム、ボードゲームなどです。小学6年生のときには算数の難しい問題を解くのにハマったこともあり、夜中まで机に向かっているのを家族はあきれて見ていたようです。

――研究者志望であれば京大の学部生のときは就職活動はしなかったのですか?

岩田:研究者になりたかったのですが、実は周りが就活をしている時期くらいから迷い始めてしまって。研究自体は好きだったのですが、すごく狭く閉ざされた専門の世界に自分がい続けることに徐々に疑問を抱き始めたのです。そこで、一度外の世界に出てみようと、就職に目を向けました。

――ただ最終的には東大の大学院に進んでいますよね?

岩田:はい。その後、何も準備をせぬまま就活に臨んで、一つも内定をもらえなくて、どうしようかと。でもその前に研究室の先生には「研究の道には行かない」と言ってしまっていた手前、戻りますとも言えなかった。当時はそれがカッコ悪いと思ってしまったのです。

ただ外に出たいという気持ちはベースにあったので、就活失敗後に自分の関心事をさらに考えていきました。そこで、研究を社会につなぐ、サイエンスやテクノロジーを経営につなぐ、という「技術経営」の分野に関心を持ち、東大大学院の工学系研究科を見つけて進学することにしました。

――大学院時代の就活の結果、BCGに入社するわけですが、コンサルがいいと思ったきっかけは何でしたか?

岩田:きっかけという意味だとほとんど何もないですね。一言でいうと面白そうだと思ったからです。

大学院に行っても、仕事で何がしたいかは定まっていなかったので、興味のある企業を片っ端から受けました。技術経営の要素がどこかしらにある企業ということで、例えば商社やグローバル展開しているメーカー。当時はあまり新卒募集していなかったベンチャーキャピタルなどにも直接連絡を取ってみたりしました。

――ではコンサル以外も選択肢があったのですか?

岩田:いえ、コンサルティングファームからはいくつか内定をもらえましたが、他の業界からはもらえませんでした。これはコンサルタントとして一回働いてみろということなのではないかと感じたのです。

最終的に日系ファームと悩みましたが、グローバル案件がより多いであろうBCGに入社を決めました。熱しやすく冷めやすい自分の性格を考えると、入社した瞬間から価値を出すことが求められてフルパワーで働ける外資系のほうがいいと思ったことも理由の一つです。

 

「内なる声」に鈍感だと、やりたいことは見つからない

――BCGで働きながらNPOの活動もしていたと聞きますが、就職した時点で将来はNPOの事業で起業するかもしれないと考えていましたか?

岩田:いえ、全然考えていませんでした。もちろん論理的に考えることも好きなのですが、意思決定は「面白そう」と思ったらしてしまうタイプで。本当に好奇心に従ってしか生きていけないのです。

NPOについては、大学院修了間近になって、東大のi.schoolのプロジェクトを通じて出てきた教育プログラムの案について、実際にやってみたら面白いのではないかとメンバーと盛り上がり、そのまま立ち上げたという経緯です。プロボノに近い位置づけでやっていて、その時点で起業は全く思い描いていませんでした。

――「やりたいことを探すため」にコンサルに行くという人がいますが、それは理にかなっていると思いますか?

岩田:半分は意味があると思っています。論理的に突き詰めて考え、それを提案にまとめるといったコンサルの基礎的なスキルは、将来どんな仕事をしても役立ちます。その能力を短期間で習得できる「修行」の場としては、他の業界よりもコンサルが優れているでしょう。

ただ、やりたいことが見つかるかというと、けっこうあやしいと思います。それは子どものころから受けてきた教育の影響もあるかと。

――教育の影響について詳しく教えてください。

岩田:皆、子どものうちは「これがやりたい」「これが面白い」と思っているものが必ずあるはずですが、年齢が上がるにつれて好き嫌いよりも、頭で、論理的に考えることが良しとされるようになる。すると、外からの刺激に対してピンとくる感覚が薄れた大人になってしまいます。

ですから、コンサルで「修行」している中で何か面白そうなことがあったとしても、“少し面白そうだけどこの程度の段階で実際に行動に移したらダメだ”などと気持ちを抑えてしまうことも少なくない。自分の内なる声に気づきにくい体質になっているのです。

コンサルティングをしていると、今後どの市場が伸びるだとか、この業界に課題が多いといった情報はもちろん入って来ますし、自分で分析もしますが、「やりたいこと」は自分の中を見つめ直さないと発見できません。外にばかり目を向けていても見つかるものではないと思うのです。

――戦略コンサルでは一般に、約3カ月ごとにどんどん新しいプロジェクトを担当すると聞きますが、それらを通じていろいろな会社や業界に触れても、やりたいことを見つけるのは難しいということでしょうか?

岩田:やりたいことを見つけたい気持ちがすごく強くて、プロジェクトのたびに「これは面白い」「これは面白くない」といった具合に確認している人は、見つかることもあると思います。しかし、「いろいろ経験しているうちに何かに当たるのではないか」という精神だと見つかりにくいでしょう。

また、やりたいことを見つけるには心の余裕というか「余白」がないと難しいと思います。日々忙しく、目の前の仕事で価値を出すことに必死になりがちなので、余裕を持とうと努力しないといけない気がします。

――岩田さんは仕事を通じてやりたいことを見つけようとしていましたか?

岩田:それはないですね。各プロジェクトには楽しんで取り組みましたが、やりたいことを見つけるためではなく、各クライアントのために価値を出そうと考えていただけでした。

僕がやりたいことを見つけられた理由は、平日以外は仕事を絶対にしないと決めていたことが大きいと思います。土日のどちらかはNPOのプロジェクトなどに使い、もう一日は遊ぶという生活リズム。外部と接する心の余白を持てたし、そうすることでコンサルティングの価値も客観的に捉え直すことにつながっていたと思います。

仕事の価値では「負けない」けれど、個人として挑戦していない危機感

――起業は入社から約3年半後でしたが、なぜそのタイミングだったのでしょうか?

岩田:「一年周期」という性格を自覚していたので、最低でも3年くらいはしっかりとコンサルをやろうと思っていました。またBCGは新卒入社から約2年9カ月で最初の昇進時期が訪れるので、そこで昇進して一人前のコンサルタントになるまでは続けようとも考えていましたね。

――では、3年が経過するくらいまでの間には退職を考えたことはなかったのですね。

岩田:そうですね。それまでに辞めるという選択肢は考えませんでした。

実際に昇進できたのですが、ただ、その少し前くらいに一度体調を崩しまして。あるプロジェクトで、退職などでチームメンバーが少なくなってしまったので、睡眠時間を削って踏ん張っていたのですが、落ち着いたタイミングで2週間くらい休みました。復帰後は、それまでよりも少し緩やかな働き方に変えてもらいました。

その2週間の休みのうちに、いろいろな人と話して自分の内面とも向き合い、今後やりたいことについて考え始めていましたね。

――さらに昇進を目指したりという選択ではなく、なぜ起業だったのですか?

岩田:いろいろな可能性を考えた結果、たまたまその時点で、起業の優先順位が一番になったからですね。起業の選択肢だけが「仮説」まで見えていたので、それを実際に検証したくなってしまったのだと思います。

週末にやっていたNPOのプロジェクトも3年くらい経過し、画一的で暗記中心の学校教育に対して、より自由で探究的な教育方法へのニーズが強くあることを感じていました。その時点ではお金を稼げているわけではなかったですが、僕らの教育プログラムが価値を出せるだろうという自信と手応えを感じていたのです。

BCGは居心地のいい環境で不満もほとんどなかったですが、自分がその中で同質化していっていることを感じていました。外の人と話すと、コンサル会社特有の「常識」が存在していて、長く在籍するほどそれが体に染みついてくるのを実感するのです。今後再びコンサルをやるにしても、一旦外で経験を積みたいと思いました。

――いろいろな人と話す中で意思決定したのですね。

岩田:そうですね。若くして起業している人や、大学卒業後にアーティストとして活動している友人らと話すうちに、一つの仕事で出している価値では僕も彼らに負けないぞと思う気持ちはありつつ、個人として挑戦しているかというとそうではないことに危機感を抱くようになりました。

20歳代のうちに何か他のことに挑戦したい、挑戦しないと後悔すると感じました。もしも失敗しても、若いうちのほうがやり直しもきくと考えました。

――起業以外の選択肢は何があったのですか?

岩田:一つは海外留学ですね。昔から関心のあったデザインやアートの分野や、もう一度学生時代の研究分野をやってみることを考えました。あとはもうすこし緩く、大学などに行かずに世界中を旅して回るのもありかと。でも、これらはいつでもできるなと思い、優先順位が下がりました。

起業もいつでもできるかもしれませんが、やはり「このアイデアで可能性がありそうだ」という具体的な仮説が出ていたので、それを確かめたくなったゆえの起業でした。例えば留学も、「この研究がしたい」というより具体的な見通しまで立っていれば、そちらを選択したかもしれません。

――では、起業するときに他の事業のアイデアなどは考えなかったのでしょうか?

岩田:一切考えなかったですね。やはり起業ありきで悩んでいたわけではないので。

 

「あれ? コンサル経験が役立たない」 toC事業の運営やマーケティングで苦労

――コンサルのキャリアは、起業に役立つと思いますか?

岩田:僕の実体験でいえば、今の会社のBtoB事業では、BCGでやってきたことが割とストレートに役立っています。教育系や人材系の会社とコラボレーションするのですが、そのときに企業が何を求めているかということが分かるからですね。

でも、塾の教室運営というBtoC事業では、役立っている割合が非常に少ないです。例えばどうやって集客するかについて、分析をすることはできても実際の細かいオペレーションを組み立てることは難しい。起業当初はこのBtoC事業から始めたので、「あれ? けっこう役に立たないな」と苦労しましたね。

コンサルは単価の高いサービスを、意思決定権のある人に対して一発勝負で提供するわけですが、塾の集客は全然違う。多くの人に何となくいいなと思ってもらうところから始まり、最終的に“買って”もらいます。そういうマーケターのような能力は、コンサルでは全く磨かれなかったと感じています。

――仮に岩田さんが、自分の子どもにキャリアのアドバイスをするとしたら、どういう道を勧めますか?

岩田:画一的なアドバイスはしないですね。人によって志向や行動の特性と、得意なことがあります。それらの組み合わせで、一人ひとりに合った道を描いていくのがいい。割とすぐに勝負したほうがいいタイプや、最初は「修行」を積んだほうがいいタイプ、厳しい局面もガッツで切り抜けられるタイプなど、人によって合わせていきますね。

――コンサル業界の今後についてはどう見ていますか?

岩田:コンサルについてあえて言うなら、社会的な希少性が低くなってきていると思います。コンサルの採用人数がかなり増え、昔に比べてコンサルタントになりやすくなっている。20年前にコンサルに入った人たちから見れば、僕が入社した時点でもすでに希少性が低くなっていたのだと思いますが。

そう考えると、コンサルの人気や希少性は今後少なくとも急上昇していくわけではないので、割と安定志向で優秀な人に向いているというイメージです。僕は逆張りするのが大事だと考えていますし、チャレンジしたいという人にとってはコンサルではない、違う選択肢もあるのではないかと思いますね。


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