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「昇進後の起業だったから、自分を“安売り”しなかった」 NPOでマッキンゼー上回るインパクトを~戦コン出身起業家図鑑(3)


特集「戦コン出身起業家図鑑」、第3回の今回の主役は、一橋大学大学院社会学研究科を修了後、新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した小沼大地さん。NPO起業から8年を経た今も小沼さんを鼓舞し続けている言葉がある。起業の決意を伝えた彼に、当時のマッキンゼー日本支社長が贈った言葉とはーー。

〈Profile〉
小沼大地(こぬま・だいち)
NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事。
1982年生まれ。一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊として中東シリアで活動した後、2008年にマッキンゼー・アンド・カンパニー入社。2011年、クロスフィールズ創業。同年に世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Shaperに選出、2016年にハーバード・ビジネス・レビュー「未来をつくるU-40経営者20人」に選出される。国際協力NGOセンター(JANIC)の理事、新公益連盟の理事も務める。著書に『働く意義の見つけ方―仕事を「志事」にする流儀』(ダイヤモンド社)がある。
クロスフィールズは、ビジネスパーソンが新興国で社会課題解決にあたる「留職」をはじめとしたプログラムを展開している。

 

「回り道の中では最速」の戦略的・打算的キャリア設計

――青年海外協力隊としてシリアで活動された経験があると聞いていますが、学生の間に行ったのでしょうか?

小沼:そうですね、大学院と青年海外協力隊の活動を並行して行っていました。

まず学部4年生のときに、卒業後すぐには就職しないことを決めました。協力隊の活動がしたかったのですが、学部卒だと合格するのが実はけっこう難しいので、「保険」として大学院と海外留学の試験も受けていました。

――それらの結果は?

小沼:協力隊も含めて3つとも運よく合格しました。どの道を選ぼうかと色んな人に相談する中で、大学院の教授に「うちのゼミなら協力隊に行っている間も、必要なレポートなどをクリアすれば単位を出せる」と言われて。

そうなると、協力隊としての2年間の現地経験を獲得しつつ、通常より1年遅れるだけで新卒として就職もできる。「回り道の中では最速」というプランが描けて、じゃあそれにしようと決めました。打算的で戦略的なキャリア選択だったと思います。

――その後、マッキンゼーに入社した当時、「将来やりたいこと」は明確でしたか?

小沼:当時、やりたいキャリアの方向性は決まっていました。“ビジネスと社会課題をつなぐ”というミッションで、何かしらの事業をやりたいと。

でも、それを「どのようにやるか」は見つかっていませんでした。それが起業で実現できるものなのか分からないし、ビジネスモデルを思いついたわけでもなく、もしかしたらどこかの会社やNGO(非政府組織)に移って取り組むかもしれないとも考えていました。

――その時点でNPOやNGOを起業するという未来も考えていたのですね?

小沼:考えていました。大学院時代にバックパッカーとして多くの国を旅した中で、NGO起業したかっこいい人にけっこう会いました。一例ですがアフリカで医療系NGOを立ち上げた人や、コンサルティングファーム出身の社会起業家らです。彼らを見て、そういう道もアリなのだと思いました。

 

「幅広く業界を見たからといって“自分探し”はできない」

――就職先はなぜマッキンゼーだったのですか?

小沼:協力隊としてシリアのNGOで働いていたのですが、そのNGOにコンサルとしてローランド・ベルガーが入っていました。彼らがコンサルティングの手法を活用することで、NGOの活動が劇的によくなっていくのを目の当たりにしました。

僕の直属の上司だったローランド・ベルガーのドイツ人に、帰国後に就活の相談をしました。「ビジネスと社会課題をつなぐ仕事が将来したいが、ビジネススキルも積みたい。どうしたらいいか?」と聞いたら、「それならコンサルが最高」と。

紹介されたマッキンゼーやBCG(ボストン コンサルティング グループ)などに興味を持ち、選考に受かったのがマッキンゼーでした。マッキンゼーは国際協力関連の活動にも積極的だし、社会起業家の支援組織「アショカ」創設者の出身企業であったことも入社の理由でした。

――マッキンゼーに限らず、戦コンに入社する理由として「やりたいことを探すため」と言う人がいます。これは理にかなっていると思いますか?

小沼:少なくとも僕自身はそういう感覚とは違いました。何か他にやりたいことがあって、コンサルに入ることでそのためにプラスになるのであれば行くべき。「コンサルの経験を通じてやりたいことが明確になって、今やりたいことをやっている」という人に、僕は今のところ会ったことがありません。

「コンサルにいたことで、やりたいことがやりやすくなった」という人はたくさん会っていますが、コンサルで「自分探し」は絶対にやめたほうがいい。コンサルタントとしていろいろな業界を幅広く見れても、やりたいことなんて見つからないと思います。

――なぜ見つからないのだと思いますか?

小沼:自分探しができるような環境じゃないというのでしょうか。コンサルは基本的に100パーセント他の誰かのために働いているので、自分のためという思考をどんどん失っていく感じになります。もちろん「いいコンサルタントになる」ことが目標なら、それを突き詰めればいいと思います。

でもそうではなく、何となくやりたいことを探すというのは難しい。一方で、何かしらやりたいことの軸があれば、その人は放っておいてもコンサルの仕事以外の時間を使ってそれに取り組むじゃないですか。僕がコンサルをやりながら、夜中にNPO関連の活動をやっていたように。

――小沼さんはマッキンゼーでのコンサルの仕事にすぐなじめましたか?

小沼:初めの1年くらいは、辛くて逃げ出したいと思った時期もありましたね。

僕、マッキンゼーの中でもキャラが多少は立ってたってこともあり、先輩に気に入られて、「面白い系」のプロジェクトを初めのころにやらせてもらったのです。例えばプロ野球の球団のコンサルや、マッキンゼーのCSRに関連するようなプロジェクトです。そういうのは得意だし、バリューを出せたと思います。

――逃げ出したくなったのはその後ですか?

小沼:はい。入社から半年間くらいエクセルを触らずにいたため、その後の別のプロジェクトで何もできず、「今まで何やってたんだ」と言われました。あと僕は当初、上流のストラテジー系のプロジェクトが苦手で、成果が全然出せなかった。案件の途中でメンバーから降ろさせてもらったこともあります。

最終的にはそれらもできるようになりましたが、僕はどちらかというと現場の人に働きかけるようなプロジェクト、例えば人事系や組織系、現場のオペレーション改善といったプロジェクトが得意でした。

 

元BCGの、共同創業者がキャッチした「助成金」で起業決意

――起業のきっかけは何でしたか?

小沼:一番大きかったのは、入社して1年後に評価の高い人が行ける、マッキンゼーの英語研修ですね。行く場所も自分で選べて、僕は「NGOのメッカ」のような土地である米サンフランシスコとニューヨークに計半年間滞在しました。

そこでいい出会いがあり、現在の「留職」プログラムにつながるビジネスモデルも考えることができました。帰国後にそのアイデアをNGOやNPOの関係者らに披露したのですが、ダメ出しされたので一旦封印して、しばらくは仕事を頑張っていました。

――起業につながる直接の動きがあったはその後ですね?

小沼:はい、マッキンゼーでの3年目が終わるくらいのころ、現在の共同創業者が、500万円くらいの助成金を受けることができるかもしれないという話を持ってきました。

共同創業者とは、僕が学生時代に立ち上げた、社会起業家と語り合う勉強会「コンパスポイント」で共に活動を続けていた仲です。彼女はBCGで働いていました。

その助成金がきっかけで「起業するなら今か」と盛り上がり、コンパスポイント内で僕の一旦封印していたアイデアをブラッシュアップしました。そして応募したところ助成金を実際に獲得することができたのです。

――そこから迷いなく起業したのですか?

小沼:いえ、実は転職するか起業するか悩んでいたタイミングでした。3年くらいでマッキンゼーは辞めようと考えて活動していたので、ちょうど他社から魅力的なオファーをもらった時期と重なっていました。

でも最終的には、共同創業者と一緒にやれるのは今しかないと思い、起業を決意しました。テストマーケティングで数十社を訪問し、ようやく一社から「検討したい」と前向きな返事がもらえた2011年3月8日のことでした。

――起業前後で一番大変だったことは何ですか?

小沼:実はその直後、3月11日に東日本大震災が発生したことが最も大変なことでした。前向きだった一社の話も白紙に戻り、どうしようもないので起業は一旦ストップ。それから2カ月くらいは東北の被災地で災害支援NPOをサポートしました。

震災後の最も大変な時期が過ぎた5月、東京に戻ってきてようやく起業したのです。

――それにしても震災から2カ月しか経っていません。まだ大混乱ですよね?

小沼:大混乱です。でも後ろ向きにはならなかったですね。世間の社会貢献への意識もすごく高まっていた。長い目で見ればプラスのトレンドはくるだろうと考えていました。

 

「マッキンゼーに入れた人」ではなく「マッキンゼーで活躍した人」になれた

――退職したのはアソシエイトに昇進した後だと思いますが、起業について役職による差は何か生じると思いますか?

小沼:あまりないと思いますが、僕自身は一段階プロモーションできたという自信がついたのは大きかったです。

「マッキンゼーに入れた人」ではなく、「マッキンゼーで活躍した人間」として世間に向き合うための自信の源泉になりました。NPOの人間としてビジネス界の人と話すときに、「おれだってけっこうやるぜ?」と思えるようになったのは昇進の事実があったからでしょう。

――その点は学生起業などと比べると、とても大きな差ですよね?

小沼:そうですね。アソシエイトになると給与も大きく上がるので、自分の価値はその高いところにあると認識するようになりました。自分を安売りしなくなった。

――さらに昇進したいとは考えなかったのですか?

小沼:マネージャーまでやるかどうかは実は悩みました。マネージャーになればマネジメントを経験できるので。実際、起業してみて苦労したのはマネジメントの部分でしたから。

でも、パートナーまでなってしまうと給与が高すぎて、起業して同じ水準まで戻すのは難しくなると思いました。僕みたいにNPOだと特にそうです。とはいえ、僕のいまの給与はマッキンゼーにいた当時の水準と比較しても見劣りするものではなくなってきていますよ。

――マネジメントで苦労したとのことですが、やはりマッキンゼーでマネージャーまでやっておけば苦労しなかったですかね?

小沼:いえ、それは絶対ないですね。

マッキンゼーでのマネジメントと、NPOやベンチャーのような泥臭い組織は全然違うので。伝統あるカルチャーが浸透した環境でプロフェッショナルのチームをまとめるのと、ゼロから文化を育て上げながら感情も含めて人生をかけて集まった人をまとめるのとは、質が違いすぎます。

 

「生き急ぐな」 “就活偏差値”を気にする学生へサバティカル推奨

――改めて、コンサルのキャリアは起業に役立つと思いますか?

小沼:最もコンサルが役立つのは、大企業と一緒に何かしらの事業をやることが、自分のやりたいことである場合だと思います。なぜならコンサルは、クライアントである大企業のことをとてもよく知ることができるからです。

――小沼さん自身がマッキンゼーにいて一番よかったと思うことを教えてください。

小沼:エアン・ショーさんという当時のマッキンゼー日本支社長から贈られた言葉です。彼はカンボジア難民としてフランスに渡った過去があります。昇進直後、僕が起業することを彼に伝えたときのこと。初めに「覚えててくれ」と言われ、怒られるのかと思ったら違いました。

「プロモーションした今、君の前には大変なインパクトを出すことができる仕事がある。君自身の事業のインパクトがそれより小さいなら、今すぐそのプランを捨ててマッキンゼーに残りなさい。より大きなインパクトが出せると思っているなら喜んで君を見送る」

僕はそのとき正直、そこまでの自信はなかったですが、とにかく空元気で「僕の事業でインパクト出します」と約束したのです。それが今も自分の中に残っていて、常にインパクトを出すことを意識しています。だから、どんな取り組みも小さくまとまることはありません。

――外資就活ドットコムを使っている学生に向けて伝えたいことはありますか?

小沼:「生き急ぐな」ということでしょうか。20歳代前半のキャリアが大事というのはその通りですが、僕はそこで一度足踏みしたほうがいいと思っています。大きな山を作るには大きめの土台を築く必要があるので。

そういう意味で青年海外協力隊はとてもおすすめです。道なき道を行くことを国がサポートしてくれる、最高の「サバティカル」だからです。いわゆる「就活偏差値」のようなものから距離を置き、自分のやりたいことをじっくり考える貴重な期間になります。

協力隊では、そうした偏差値を気にするような人は価値を発揮しづらく、どれだけ根性があるかとか柔道が強いか、どれだけ木材を使った工作がうまいかとかが評価される。そういった無力感や自分の小ささを感じるような経験をしてほしいですね。


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