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「マッキンゼーは全く関係なかった」 コンサルにはできない“ディスラプティブな技術”へのこだわり~戦コン出身起業家図鑑(1)


外資就活ドットコムのユーザーからの人気が大変高く、現に内定を獲得するのが難しい外資系戦略コンサルティングファーム。その内定者に入社理由を尋ねると、「やりたいことを探すためです」という答えを聞くことが少なくない。入社前の段階から、将来の起業を見据えている人もいる。

そんな外資系の戦コンに新卒で入社し、実際に起業した人たちは、どのようにして「やりたいこと」を見つけたのか。独立を決意した理由やタイミングは。そしてコンサルのキャリアは起業に役立つのかーー。
 


 

第1回の今回の主役は、東京大学大学院情報理工学系研究科を修了後、新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した清水信哉さん。「将来の起業のためにマッキンゼーに入った」ものの、実際の起業のきっかけはコンサルティングの中でつかんだものではなかったという。

〈Profile〉
清水信哉(しみず・しんや)
エレファンテック株式会社 代表取締役社長。
1988年生まれ。東京大学工学部電子情報工学科卒業、同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻修士課程修了。2012年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社、主に国内メーカーのコンサルティングに従事。2014年1月、エレファンテック共同創業、代表取締役社長就任。
同社の事業は、電子機器に使われる曲がるタイプのプリント基板の製造・販売。インクジェット印刷と銅めっきを用いた環境に優しい製法が特徴。

 

大好きな「技術」で起業したい ビジネスを学ぶためマッキンゼーへ

――就職活動を始めた当時、「将来やりたいこと」は明確にありましたか?

清水:当初はなかったです。東大からマッキンゼーに行く人は少なくないと思いますが、私のいた工学部の電気系からマッキンゼーに入る人は極めて少なくて。なぜなら、推薦や、一般の就活のような厳しい選抜なしに大手電機メーカーに入社する人が大多数だからです。

――そういう中でマッキンゼーの選考を受けたのはなぜですか?

清水:私も周囲と同じような就職先にするかなと思っていました。しかし偶然、東大で開かれたキャリアセミナーに興味本位で参加して、マッキンゼーの話を聞いたら面白そうだなと。正直、何をやる会社かあまり理解してなかったですが、受けてみました。

――マッキンゼーだけではなくコンサルティングファーム全般に関心が出てきたのですか?

清水:コンサル全般に関心を持ったわけではないです。メーカーに行くのは何となく面白くなさそうだと思い始めて、それ以外となったときにマッキンゼーは有名そうだし、いいなと。なのでマッキンゼーしか受けていません。

――入社前の段階で、将来の起業は選択肢にありましたか?

清水:はい、かなり考えていました。大学で研究をしていたこともあって「技術」がすごく好きで。ただ、大手メーカーに行くと、プロダクトオーナーになって自分のやりたい技術開発をしたり製品を作ったりというのはなかなか難しいと考えていました。

そこで、選択肢としてスタートアップを自ら立ち上げるのもありかと思いました。しかし当時は自分で事業をやったこともないし、ビジネスのことは全く分からなかった。なのでマッキンゼーで少し勉強して起業しようかなと。

組織より個人重視のカルチャー 「短期間で成長できると考えた」

――では、入社の目的は明確に「起業のため」ということですか?

清水:そうです。面接でも「ずっといるつもりはない」と伝えました。実際、入社するかどうかで散々悩みました。

――どういうところで悩んで、決め手は何だったのですか?

清水:内定はもらったものの、大学や企業で研究をしたいという気持ちも強くありました。研究者の道と比べると、コンサルの道は全然別世界ですし、何をやっているか率直に分からなかったため悩みました。

そこで会社からいろいろな社員を紹介してもらい、話を聞きました。その社員の皆さんが必ずしも「うちに来い」と言わなかったのです。中には「そういう考えなら、メーカー行くのもありじゃない?」と言ってくれる人もいて、良いカルチャーだなと思って。

――そのマッキンゼーのカルチャーが決め手だったのですね?

清水:シンプルにいうとそうですね。会社のためのポジショントークだけではなく、個人としての考えを言えるところ。個人を大切にする会社だなと。特に短期間で勉強して自分を成長させるには良い場所だと考えました。

 

「いい研究成果? あるよ」 マッキンゼーの語学留学で訪れた転機

――マッキンゼーに限らず、戦コンに入社する理由として「やりたいことを探すため」と言う人がいます。これは理にかなっていると思いますか?

清水:はい、いいと思います。私もある意味そうですし。「起業したい」と言っても具体的に何をやるかは全く決まっておらず、漠然としていました。

将来の選択肢として起業だけに絞ったわけでもありませんでした。私の好きな技術開発に関われるようなところがあれば、それを選ぶ可能性もあった。実際マッキンゼーで働きながら、スタートアップのトレンドや、どういうアイデアがあるかなどを調べていました。

――入社から1年9カ月後の2014年1月に退職し、起業していますが、いつごろから準備などを始めたのでしょうか?

清水:退職の半年ほど前の2013年8月ころから、主に休日を使って、さまざまな事業のアイデアを検討し、試したり、投資家にプレゼンテーションなどをしていました。退職の1カ月半ほど前には「このアイデアでいこう」と決めました。

――実際の起業のきっかけ、特に複数の事業アイデアから最終的に絞り込むまでの過程は、どのようなものでしたか?

清水:きっかけは、マッキンゼーの語学留学プログラムでアメリカ留学をさせてもらったときの出来事でした。

東大の恩師である川原圭博先生が偶然、同じくアメリカにいらして。現地で再会し、先生が最近取り組んでいる研究の話を聞いて「それ面白いじゃないですか」「一緒に起業するか」と盛り上がったのです。2013年の秋ごろでしたね。

――川原先生の研究成果をベースに事業化したのですね。

清水:その通りです。川原先生は私の指導教官ではなかったのですが、昔から仲良くさせていただいていて。年齢も私と大きく離れておらず、ベンチャービジネスに関心の高い先生です。

私が「起業を考えているのですが、いい研究成果とかないですか?」とお聞きしたら、先生が「あるよ」とおっしゃったのが始まりですね。先生には会社の技術アドバイザーに就任してもらい、もう一人別の共同創業者と起業しました。

 

コンサルとは“真逆” 「既存の仕組みを置き換える技術をやりたい」

――起業に至らなかった他のアイデアも含め、マッキンゼーにいたことでヒントを得たアイデアはありましたか?

清水:いえ、マッキンゼー時代のことは全く関係ないですね。例えばアイデアの一つは、テレビの視聴率の「質」を測る、というものでした。

テレビの電源がオンになっているだけではなく、その前にいる人が画面を見ているか、番組について会話しているかなどを検知するサービスです。このアイデアが生まれたのは、私の学生時代の専門が音声認識だったことに関係しています。

当時のアイデアをもう一つ挙げると、無線で電気を送ることを可能にする、というもの。これができれば、スマートフォンをはじめ電子機器の充電などがより手軽になります。

――たしかにコンサルティング業務から生まれたアイデアではなさそうですね。

清水:学生時代の研究内容由来のアイデアや、社会のニーズやビジネスにつながりそうなシーズを自分で週末に調べて生まれたものですね。

ちなみに私がマッキンゼーで担当した業界はほとんどが製造業でしたが、コンサル経験の中で生まれたアイデアはなかったです。

――コンサルで担当業界の根源的な課題を発見し、それを解決するような事業を自ら始める人もいますが、清水さんは違ったのですね。

清水:私はそこに興味がなかったのです。

コンサルは基本的にクライアントの売上を「100」から「105」とか「110」に伸ばす仕事。もちろんそれは非常に価値ある仕事です。ただ、多少失礼な言い方かもしれませんが、クライアントのビジネスを破壊するような提案をコンサルがすることはできません。

私がやりたかったのは、現在の世界の仕組みを根本的にガラッと置き換えるような、いわゆるディスラプティブなテクノロジーでした。それは既存産業の売上を「100」から「0」にしてしまいかねないものです。コンサルだとそれはやりづらいと感じていました。

――たしかにディスラプティブテクノロジーを志向したスタートアップは、特に日本では少ない印象です。

清水:少ないと思います。特にコンサル出身者のスタートアップとしてはかなり少ないかと。

コンサルとディスラプティブは、基本的には真逆にいます。コンサルは今の仕組みのまま、既存のリソースを使って改善するとか、そのリソースの一部をシステム化したり抜き出したりというのが非常に得意です。ディスラプティブテクノロジーとは対極の領域なのです。

 

起業の面白さは「失敗しても自分のキャリアにはプラスになること」

――起業して事業がうまくいく可能性はコンサル自体だったり、コンサルの中で見つけた領域のほうが高い気がします。ディスラプティブテクノロジーで起業するのはリスクが高そうですが、大きな覚悟をもって始めたのですか?

清水:いえ、覚悟というほどのものはありませんでした。失敗してもそこまでリスクはないと思っていたので。

25歳の当時、ここから先5年間マッキンゼーで働き続ける、あるいは他社に転職する、はたまた起業するという選択肢の中で、どの道が5年後に自分が最も成長しているかを考え、起業を決意しました。

たとえ失敗したとしても、そのままマッキンゼーに留まるよりも、キャリア的にいいかなという打算的なところも正直ありました。「マッキンゼーに行って、スタートアップ5年やって失敗しました」というのもそんなに悪いキャリアではない。そういう人を求めている会社はいくらでもあるので。

会社が失敗しても、自分の人生やキャリアの失敗ではない。仮に会社が失敗しても、自分のキャリアにはむしろプラスになるというのが起業の面白いところだと思っています。

――マッキンゼー退職時は、最も初めの役職である「ビジネスアナリスト」だったということですが、その役職の段階での起業と、さらに昇進してからの起業とで何か差はあると思いますか?

清水:全くないと考えています。極端な言い方かもしれませんが、コンサルはどの役職であってもやっていることの本質は同じだからです。特に私のような「ディスラプティブな起業」の場合、役職が上のほうが成功しやすいかというとそうではないでしょう。

一方でコンサルに長年いて役職が上がるほど、コンサルティングを通じて得られるニーズなどの発見の数は多くなるでしょうから、それを起点にした起業の場合には役職が多少は影響するかもしれません。

 

5年で1テーマしかチャレンジできない 「25歳ですでに焦っていた」

――改めて、起業したのはマッキンゼー入社から2年足らずですが、なぜそのタイミングだったのでしょうか? もう少しだけでも長く留まることも考えられたかと思います。

清水:現実的には、スタートアップを支援するTomyK(鎌田富久CEO)から、そのタイミングで後押しを決めていただいたからです。

あとは私自身、焦っていました。「一つの起業のチャレンジは5年くらいで成功か失敗か分かる」といわれています。つまり5年で1テーマにしか取り組めない。25歳の当時から計算すると、5テーマしかチャレンジできずに50歳を迎えてしまうなと。

なので、とにかく早くチャレンジすることで回数多く取り組めると考えました。30歳前後までマッキンゼーにいるとチャレンジ1回分の機会を失うなと思ったので、25歳ですでに焦っていたのです。

――総じて、コンサルのキャリアは起業の役に立ったと思いますか?

清水:ダイレクトには役立っていないですね。例えば調査スキルなどが直接役立ったかというとそうではない。

ただし、例えば「大企業はどういう力学で動き、一方で何ができないのか」とか「この世界にそもそも何が必要なのか」のような、一歩引いたかなり広い視点で物事を見ることができるようになったのはとてもよかったです。自分の視野を広げた上で起業できたかなと。

――学生からそのまま起業するより、コンサルに一度就職してよかったですか?

清水:それは少し難しいところで、結論から言えば、そのまま起業してもよかったかもしれないと思います。

今も後輩の学生たちからキャリアの相談を多く受けていまして、「今やりたいことがあるのであればやったほうがいい」と起業を勧めています。一方で、現時点では踏ん切りがつかないのであれば、とりあえずコンサルに就職するというのもすごくいいと思いますね。


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