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「マッキンゼーに入らなければ絶対に創業できなかった」 大きな課題を探しに行って、現に見つける“超計画的起業”~戦コン出身起業家図鑑(2)


特集「戦コン出身起業家図鑑」、第2回の今回登場してもらうのは、東京大学経済学部出身の加藤勇志郎さん。卒業後、将来の起業のために「ある業界全体レベルの大きさで、かつグローバルで普遍の課題を見つけたい」と新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した。実際にその「課題」を見つけて起業するまでの“超計画的”なキャリア戦略を明かしてもらった。

〈Profile〉
加藤勇志郎(かとう・ゆうしろう)
キャディ株式会社 代表取締役。
1991年生まれ。東京大学経済学部卒業後、2014年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2016年に同社マネージャーに昇進。日本・中国・アメリカ・オランダなどグローバルで、製造業メーカーを多方面から支援。特に重工業、大型輸送機器、建設機械、医療機器などの大手メーカーに対して購買・調達改革をサポートした。2017年11月にキャディを創業。
同社の事業は、製造業の受発注プラットフォームの提供。独自開発の原価計算アルゴリズムに則った自動見積もりシステムで、発注者と品質・納期・価格が最も適合する加工会社をマッチングするのが特徴。


 

業界を俯瞰できる&グローバルで強い&起業家輩出企業 「マッキンゼーしかなかった」

――就職活動をした当時、将来何か明確に「やりたいこと」はありましたか?

加藤:学生のときに自分で会社を経営していたので、それを続けるか、他に就職するかをまず考えました。

僕自身もそうでしたが学生のうちにできる事業は、学生のネットワークを活用した人材系か、ウェブメディアくらいしかない。それらで提供できる社会的な価値よりも、もっと大きなインパクトを生み出したいと考え、就職することにしました。そのためにはリアルな世界での大きな課題を見つけることができる会社がいいと思ったのです。

でも、3年くらい働いた後に再び起業しようとほぼ決めていました。

――入社先はマッキンゼーでしたが、コンサルティングファームである必要性はあったのでしょうか?

加藤:「コンサル」というより、「マッキンゼー」がいいと思って入りましたね。3つ理由があります。

まず、コンサルの中でもトップマネジメントのコンサルティングじゃないとダメだと考えました。なぜなら僕が知りたかったのは会社全体や業界全体レベルの課題だったからです。現場のメンバーを直接サポートするようなコンサルではなく、経営者がどういうことに悩み、業界としてどういう課題を抱えているのかが分かるコンサルがいいと思ったのです。

また、僕はグローバルでの経験があまりなかったので、グローバルで強い会社がいいと考えました。さらに、将来は起業するとほぼ決めていたので、起業家の輩出数が多く、起業を推奨するような空気感のある会社がよかったですね。これら3つの条件を満たす起業となると、マッキンゼー以外にほぼなかったのです。

――業界全体レベルの課題を見るとなると、例えば投資銀行も候補になりましたか?

加藤:当時、体育会のアイスホッケー部に所属していたこともあり、あまり就活に時間や労力を割けなかったのですが、投資銀行も考えて、インターンシップにも参加したことがあります。でも少し違うと感じました。

それは、課題を見るといったときの観点がファイナンスという狭い部分になってしまう点。ファイナンスだけではなく経営全体を見渡せるマッキンゼーのほうがいいと感じたのです。

もう一つ、「3年」という短期間のうちに可能な限り大きな裁量を持って仕事ができる環境がいいと考えたとき、マッキンゼーのほうが適していると思いました。

――「トップマネジメントコンサル」と投資銀行以外の候補はありましたか?

加藤:起業家がたくさんいて、短い期間で昇進できる可能性がある環境ということで、リクルートもいいなと思いました。リクルートはウェブサービスをたくさん開発しているので、もしもそれに近いことを僕がやりたかったら真剣に入社を考えていたかもしれません。

ただ当時の僕は、そもそもどういう業界があって、それらにどういう深い課題が存在しているのかということが知りたかった。そう考えるとマッキンゼーのほうがよかったのです。

 

「自分でやりたい」という想いを貫くために“3年で辞める”と公言

――「やりたいことを探すため」に戦コンに入るという人がいますが、それは理にかなっていると思いますか?

加藤:僕自身は、大きな課題に対して起業でチャレンジするということは決めていて、どこの分野でやるのかを探しにマッキンゼーに行ったところがあります。

ただ、中にはもっと漠然と、「起業するのか何になりたいのか分からないけど、とりあえず何かを探しに行く」という人もいますよね。そういう人がやりたいことを探せるのかというと、他の業界と比べてコンサルは探しやすい環境だとは思います。

なぜなら、やはり多様な業界の多様なクライアントとお付き合いするので、視野がすごく広がるからです。約3カ月ごとに新たなプロジェクトを担うたびに、それまで知らなかったことを知ることができる。3年経験すると10~15くらいの重要なイシューに触れられるわけです。他の会社に入って、視野をここまで広げることは難しいですよね。

あと実は重要だと思うのは、実際に「外」に出ていくようなマインドの人たちが集まっていることです。自然と会社の外にも目を向ける雰囲気がある。仮に周りが皆同じ会社でずっと働いていこうという中で、自分だけが視野を広げようと思うとすごくパワーが要りますよね。それがコンサルにいると、パワーをほとんどかけずして外の情報やOB・OGと接点を持てるのです。

――マッキンゼーで採用する側も担当されたことがあると聞きました。その立場からだと「やりたいことを探しに来る学生」はどう映りましたか?

加藤:僕は辞めることを推奨しているわけではありません。例えば「勉強のために入社する」というのは自分個人の目線でしかないですし、会社側の立場で見れば社員には長くいてほしい。会社は個人を育てるために存在しているわけではない、ということをわきまえるべきです。

僕は就活当時、「ずっといるくらいのインパクトを3年で残したい」と考えて、会社側とコミュニケーションをしていました。

――入社から約3年半で退職していますが、さらに早いタイミングでの起業はありえましたか?

加藤:可能性としてはありえましたが、実際に3年より前に辞めようと思ったことはなかったですね。辞めることが目的ではなかったですし、当時はまだ「大きな課題」が見つかっていなかったのでまだいいかなと。

ただ3年と決めていたし、同僚にもそれを公言していたので、2年経ったくらいから「あれ? 勇志郎まだいるの?」とか言われるようになったりして。ちょうどそのくらいの時期から、本格的に起業に向けて考え出しました。

――なぜ「3年」なのですか?

加藤:何となく25歳くらいまでには自分で何かを始めたいと考えていたからです。

また、3年では当然ながらコンサルの仕事のすべては分からないものの、3年やればそれなりにできるようになるのではないかとも考えていました。3年と5年の経験の差分と、1年と3年の経験の差分を比べると、後者のほうがだいぶ大きそうだなという感覚的なものですが。

あと、元マッキンゼーでディー・エヌ・エー創業メンバーの渡辺雅之さんから、「2年で辞めるのがいい。起業という意味ではそれ以上いても学べることはあまりない」と言われたのも頭にありました。僕は当時3カ月間、ロンドンにいた渡辺さんの下でインターンをしていまして。

彼からはさらに、「活躍して給与も上がれば絶対に居心地が良くなって辞められなくなる。だから本当に起業したいと思うなら、期限を区切ったほうがいい」とも言われましたね。これは僕自身、同僚に「3年」と公言することで、想いを貫き通すために自分へプレッシャーをかけ続けていました。

製造業の案件を積み重ねたことでたどり着けた、「調達」の普遍的イシュー

――起業を実際に決めたのはいつごろでしたか?

加藤:創業のちょうど1年ほど前でした。2016年の10~11月くらいに「このアイデアでいこう」と、共同創業者で最高技術責任者の小橋昭文と話して決めました。

彼は学生時代からの知り合いで、アップル米国本社などで働いていました。当時も米国にいたので、彼とのやり取りは主にFacebook上。お互い将来起業したいと言い続けてきて、最終的に一緒にやることにしました。

――そのアイデアにたどり着くまでの経緯を教えてください。

加藤:各プロジェクトに携わりながら、一つのクライアントへのコンサルティングでは解決できない課題は何か、それを解決するためにはこういう事業をやりたい、といったことを考えるのが好きでした。

その中で徐々に、製造業は明らかに面白そうだと感じるようになり、特に調達の領域に関心が増していきました。そのため、マッキンゼーでの後半1年半~2年間くらいは製造業に絞りました。するとやはりいろいろなことが深く分かってきて、最終的なアイデアにたどり着いたイメージです。

――では、何か一つの案件で起業のタネに気づいたわけではないのですね。

加藤:はい、案件を積み重ねる中で、考えて、アイデアが出てきたという感じです。

より具体的に説明すると、まず製造業の調達におけるコスト削減のアプローチがあります。簡単に言うと、製造にかかる時間や費用をものすごく細分化して特定し、各材料費や加工費を最適化していく。これは大変地道な努力が必要で、その業界のエキスパートだからこそできる、価値ある仕事です。

しかし、そのアプローチをしながら、例えば複数の部品製造業者に相見積もりを取ると、相見積もりで下がる金額のほうが圧倒的に大きい場合があることが分かりました。

でも、相見積もりにも「取引コスト」というネックがある。つまり、相応しいと思われる会社を探し出して、何か問題がないか監査し、部品の品質をチェックするといったプロセスが非常に重いのです。特に小さな部品になるほど、そのプロセスを丁寧に回すことは難しくなります。

そこで、発注側と受注側の間に僕らが入り、その両側が常に監査され尽くした状態に保って適切にマッチングできれば、取引コストを格段に小さくすることができると考え、このビジネスを始めたのです。

――製造業以外のアイデアも考えていたのですか?

加藤:他のアイデアもほとんどが製造業に関わるものでした。ただ、製造業が抱える課題と似たような構造的な問題がある業界は他にもあって。例えば飲食や建設などの業界のアイデアも考えはしましたね。

 

「ヘビーな産業領域で起業したい」まで決まっていればコンサルはお勧め

――加藤さんはシニアマネージャーまで昇進して退職しましたが、辞めるときの役職の違いで起業がうまくいく可能性にも違いは出ると思いますか?

加藤:役職はあまり関係ないと思いますね。僕が課題を見つけられたのも、役職によるものではないと考えています。

ただ、事業内容によっては多少違いが出るかもしれません。例えばアライアンス系のビジネスなら、パートナーなどある程度シニアな人間のほうが成功しやすいかもしれない。逆に、ディー・エヌ・エー代表取締役会長の南場智子さんが創業時にアンラーニングに苦労したように、一つの会社にフィットしすぎないほうがいいともいえるでしょう。

――コンサルのキャリアは起業に役立つと思いますか?

加藤:僕の場合は、マッキンゼーに入っていなければ絶対にこのビジネスで創業できていませんでした。というのは、仮に僕が大手メーカーの製造ラインで働いていてもこのビジネスアイデアには気づかなかったでしょうし、調達の担当者であっても他社と比べられないので分からない。

他のコンサルティングファームでアナリストをしていても気づけていなかったと思います。マッキンゼーは、3年という短期間で、マネジメントレベルのイシューまで認識できるようなキャリアを描かせてくれた。マッキンゼーだからこそ、この課題がグローバルで普遍なものだと分かったのです。

そういう意味では圧倒的に役に立っているのでしょうし、この結果を求めて入社したのです。

――もしも目の前にいる学生がすぐに起業するか、一度コンサルに行くかで悩んでいたら、何を伝えますか?

加藤:どういう領域で起業したいのかを聞いてみて、例えばそれが僕みたいなヘビーな産業に関連したことなのであれば、一度コンサルに行くのはすごくいいと思います。

ただ、将来の起業のために何となくビジネスの基礎力を付けたいからコンサルに、ということであれば、その基礎力とは何なのかをもう少し言語化したほうがいいですね。その基礎力の内容によっては、コンサルよりも例えばメガベンチャーなどのほうが相応しいといったこともあるかもしれません。


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