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出身者が激白! メガバンクの出世とキャリアパスの裏事情

はじめに

メガバンクと聞いて皆様は何を想像するでしょうか。転職とは縁遠く会社への忠誠心が高い、年功序列、高給取り、または「倍返し!」のような熾烈な出世競争を想像される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その実態や卒業後の仕事について詳しく語られることはあまりないのが現状ではないでしょうか。

今回は、給与、昇進のカギ、転職はできるのかなど、就活生が気になるけれどなかなか知りえない部分を、メガバンク出身の方にお聞きしました。ぜひお読みください。

「狩猟民族」の外資系投資銀行、「農耕民族」のメガバンク?

初めまして。私は新卒から某メガバンクに数年勤めた後、現在はM&AアドバイザリーをしているKwellerです。

おそらくこのサイトを見ている皆様のように、上昇志向の強い学生にとって人気なのは「戦略コンサル」「外資系投資銀行」「総合商社」といったところではないでしょうか。
これらの企業はアグレッシブな風土をもち、いわば“狩猟民族”です。一方、日系の銀行は概してことなかれ主義、官僚的であり、例えるならば“農耕民族”といえます。「アグレッシブな性格」でかつ積極的にキャリアを積みに行こうとしている学生にとって、あまりマッチする企業とは言い難いかもしれません。

しかしそれでも、「社会的信用・体裁」「高給・安定」「ワークライフバランス」「採用門戸の広さ」といった要素を勘案すると、簡単に選択肢から外し難いのもまた事実です。

以上を踏まえて、私がこれまで経験してきた銀行の内情についてお伝えします。

新卒の99%は営業から。最初の異動がキャリアを左右する

銀行でキャリアをスタートした場合どのような仕事をするのか、いかなるキャリアパスが用意されているのかについて、メガバンク3行を念頭に置いて解説します。
三菱東京UFJ銀行の募集情報
三井住友銀行の募集情報
みずほフィナンシャルグループの募集情報
3行の募集情報を見ればわかるように、銀行への入り口は大きく分けて2つあります。「総合職」と「コース別」 です(一般職はひとまず除外します)。

総合職はその名の通り、何でもアリの職種。共通しているのは99%、最初の配属は全国どこかの支店であり、1~4年の間、リテール業務、外為業務、法人営業業務に従事します。

その後、最初の異動でいわゆる「本部」に行く者が現れます。銀行にもよりますが全体の10~20%くらいが晴れて本部に異動します。(銀行の本丸である営業部も含みます)
その他の人は、違う支店で引き続き法人もしくは個人を相手に営業推進に従事することになります。

ちなみに本部の中でとりわけ多い異動先は、為替や金利商品を扱う「市場業務関連部署」、プロジェクトファイナンスやシンジケートローンを扱う「投資銀行業務関連部署」、人事や調査等の「コーポレートオフィス関連部署」です。

各部署の詳しい業務内容等についてここでは触れませんが、いずれも人気部署であり、その専門性の高さゆえ、その後のキャリアパスにも大きく影響してきます。会社員人生に渡り比較的良い異動を経験できる確率が高くなるというのが共通認識で、これらの部署に異動が決まると周りも「栄転だ!」と喜んでくれます。(もっとも、銀行ではどんな田舎の聞いたこともないような支店への異動でも「ご栄転」として送り出すのですが…)

ちなみに筆者は、営業拠点経験後は上記にもある「投資銀行業務関連部署」に所属し、新聞に載るような案件に携わるなど、非常に貴重な経験を積むことができました。

また、関連企業(多くは証券や信託)や官公庁・親密取引企業への出向、あるいは海外拠点への転勤も、少数ですがあり得ます。なおここでいう出向とは決してネガティブなものではなく、むしろ出世コースととらえるべきです(【メガバンク】出向後の出世コースって存在するの?)。

「30歳1,000万円」を達成できるのは今や5割前後

いずれの行員も、最初の難関は30歳前後に訪れる「調査役昇格」のタイミングです。
コンサルでいう「マネージャー昇進」、投資銀行でいう「VP昇進」だと思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。

バブル期は7~9割ぐらいがこの関門をクリアし、「30歳1,000万円」という待遇を手に入れていたのですが、度重なる合併によりポストが減り、最初の関門も今では突破率5割前後となっています。

この点は就活生ではなかなか掴めないポイントですが実は非常に重要です。大企業における一人前の証とも言える「30歳1,000万円」をどの程度の確率で達成できるのかというのは、企業によってだいぶ違ってきているからです。

企業ごとの実際の給与に関しては、以下の記事を参考にしてください。
三菱UFJ銀行(総合職)の年収・初任給・給与制度
三井住友銀行(総合職)の年収・初任給・給与制度

ちなみに、前出の「狩猟民族」系企業であればほぼ問題なくクリアします(これらの企業の報酬体系については、平均年収3000万円?!外資系投資銀行で働くバンカーの給与|現役I-bankerが語る業界事情(1)外資系投資銀行で働くといくら貰えるのかが詳しいです)。また同じ銀行系でも、国際協力銀行や農林中金等の政府系金融機関であれば、メガバンクに比べ業務領域が絞られていることから採用人数が少数かつ一定で世代間のブレがないので、この関門はほぼ全員がクリアし、相当数がいずれ課長以上に昇格します。

昇進の鍵を握るのは人事部

一般に営業成績がいい人が昇進すると思われがちですが、銀行においては成績が良ければイイということはなく、上司と人事部双方に「好かれている」ことが非常に重要です。

この人事部が重要という部分は、直属の上司が強力な人事権を持つ外資系との大きな違いの一つでもあります(外資系銀行の出世については外資系投資銀行で出世する方法をご覧ください)。

自分の与り知らないところで人事部から「銀行員として×」の烙印を押されている場合、たいていの場合は昇格の望みはありません。

「与り知らない」というのがミソで、×がついているかどうかは、自分はおろか大抵の場合上司も知らず、実際のところ一斉昇格のタイミングで初めてその疑いを持つことになります。

余談ですが、役員級への昇格は若いときの評価は意外と関係なく、最下級経営層である次長クラスになってからが勝負なので、ここで上手く上層部にアピールできた人がそのまま役員まで上り詰めることもあります。ある意味、次長までなんとかいければそこからまたリセットされて勝負に臨むことができます。

しかし、キャリアパスの自由はほぼないまま、30代中盤ごろには自分の「色」というものが決まってきてしまうので、そのころには本流(営業部や企画部)から外れていたり、管理職への道が遠のいていたりするリスクがあるのが留意点です。その時に、転職したいと思っても汎用性のスキルがあるわけでもないので転職することは簡単には望めません。

出世街道が保証された「コース別採用」

一方、コース別を大まかに分類すると、大企業を相手にしていくために必要な部署を回ることを約束されたコースや、プライベートバンキング等のリテールエリートの道、マーケットに特化したコース、会計系やテクノロジー系に特化したコース等があげられます。

ただし、皆様の多くが興味を持つとすれば某青銀行の「GCFコース」ではないでしょうか。

これらのコースは、上述の通り大企業担当エリートを育成することを目的に設立されたコースであり、最初から配属は大企業を担当する「営業部」です。そして数年後には「市場」「投資銀行・証券」「国際」のいずれかの関連部署へと異動し“行内的”には順当な大企業エリート街道を歩むことが約束されています。コミュニティでも、実際に専門コースに入社した人がその内情について語ってくれています(【メガバンク】専門コースで入社した人の、社内評価は実際どう?)。

人脈か、汎用スキルを身につけることが転職の鍵

最後に転職事情についても触れておきましょう。転職ありきのご時世ですから、転職市場でいかに評価されるかというのは読者の皆様も気になるポイントだと思われます。

初めに厳しいことを言えば、スキルを評価されて他業界へ転職することは難しいでしょう。ひとえに銀行員の仕事というのは汎用性がないからです。外資系投資銀行のバンカーはその業務の大半をExcelでこなしますが(まだマウス使ってるの?元・外資系バンカーが教える爆速Excel術【入門編】)、日経メガバンクは大企業であるが故に、自家製のアプリケーションが充実しており、Excelやパワーポイントを使うこともなければ、自ら調査をする必要もありません。

ただし、銀行内で上り詰めた暁には、その手腕とコネクションを目的に優良企業からの引き抜きがかかることは多くあります。(ちなみに役員級は同期で2、3人出るか出ないかという世界なので、いかにそのレベルに行くのが難しいのかは読み取っていただけるでしょう)

しかし、コース別の場合は話が異なり、銀行以外の企業でも使える仕事をしているとそのスキルを買われることはあります。私が投資銀行業務関連部署に勤めた後、現在M&Aアドバイザリー業務に従事できているのがその好例です。

他にも規制対応や海外進出支援、行内のシステム改良、業界再編・買収統合の分野に関連する部署に勤めた人が金融コンサルに転職したり(実際筆者の知り合いでも銀行からはこの業界への転職者が一番多いという肌感覚を持っています)、事業再生に関連する部署に勤めた人が再生ファンドや再生コンサルに転職したり、という例がみられます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。普段あまり外部に伝わることのない、メガバンクの内情をご理解いただけたら幸いです。

また、今回取材させていただいたKwellerさんは外資就活コミュニティでもKwellerとして質問に答えてくださるとのことです。ぜひコミュニティも利用してみてください。

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