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特集「『成長』の正体」の4回目は、プライベート・エクイティ(PE)ファンドのアドバンテッジパートナーズの創業者であり共同代表パートナーの笹沼泰助さんに聞く。根拠のない自信が就活で打ち砕かれる。笹沼さんもそんな経験をしたひとりだ。「本当は何をすべきなのか」。真剣に悩む20代を過ごしたという。【丸山紀一朗】

〈Profile〉
笹沼泰助(ささぬま・たいすけ)
アドバンテッジパートナーズ 共同代表パートナー。
慶應義塾大学法学部卒業後、積水化学工業に新卒入社。慶應義塾大学大学院経営管理研究科でMBA経営管理修士号取得。その後、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッドおよびモニターカンパニーにて日米欧有力企業の企業戦略の立案、個別事業の競争戦略の立案、収益性改善計画の立案と実行などの業務に従事。1992年にアドバンテッジパートナーズを創立、共同代表パートナーに就任。ハーバード大学ジョンエフケネディ政治行政大学院でMPA行政管理修士号取得。

 

「20代のお前は暗かった」。そう言われるほど、何をすべきか悩み続けていた

――就職活動前後の学生時代、笹沼さんは「成長したい」と考えていましたか。

笹沼:漠然と成長したいとはもちろん思っていたでしょう。でも、成長の定義まで深く考えずに就職活動を始めました。

しかし、会社訪問をして多くの人に会ったり、また当初入りたいと思った企業の面接で厳しいコメントを受けたりする中で、それまで根拠なく抱いてきた自信が失われました。自分の生き方を相当真剣に考えなければならないと感じるようになりました。さもないと、マズローの欲求5段階説でいう「自己実現」の領域に到達するような自分にはとてもなれないと。

ですから、まずは就職するものの、できるだけ早いタイミングで自分なりの成長の定義とイメージを作らないといけないという漠然とした恐怖心のようなものが芽生えました。積水化学で働き始めたころには、自分の人生についてものすごく真剣に考え始めましたね。

――積水化学ではずっと考えながら働いていたのですか。

笹沼:30歳で大学院に行くまで、とにかく考え続けました。私なりに仕事は一生懸命取り組み、一定の貢献はできたと思います。そうしてうまく振る舞っている自分の傍らに、生き方で悩む、「本当は何をすべきか」と考える自分もいて。

学生時代からの友人に言わせると、「20代のお前は暗かった」と。思い悩んでいた時代でした。

――「自信を失った」ということでしたが、就活では企業側とどういうやり取りがあったのですか。

笹沼:ある業界の大手2社の役員面接で、両方の人から「ビジネスマンと話しているみたいだ」と言われました。学生らしさがないと批判されたのです。私としては会社のことを一生懸命勉強してきて話しただけだったのですが。全てを否定されたような気分でしたね。

――それでも複数の内定先があったそうですが、なぜ積水化学を選んだのですか。

笹沼:大学のゼミの恩師である社会心理学の関本昌秀教授が「積水化学に素晴らしい人がいる」と紹介して下さったのが、後に社長・会長になる大久保尚武さんという方でした。

大久保さんは東京大学法学部出身で、在学中にローマ五輪にボート競技で出場したこともある。大変高いレベルで文武に優れていて、意思の強い方なのだろうと思いました。私は、そういう人の近くで学びたい、そうすれば自分にとっての成長のイメージもつかめるかもしれないと考えたのです。

――初めからその大久保さんの下で学べたのですか。

笹沼:いえ、初めはユニット住宅の営業部門に配属され、とにかく必死で毎日営業していました。成長とか崇高なことを考える余裕もなく。でも1年3カ月ほど経って、突然大阪本社に呼ばれ、当時人事勤労部の部長だった大久保さんにお仕えすることになりました。

それから4年間は、人事勤労部に在籍し、その後大久保さんが総合企画室の東京企画部に異動したときに私も一緒に引っ張ってくださった。計6年間お仕えしました。

それが非常に大きな経験になりました。今でも大きな判断をするときは、大久保さんだったらどうお考えになるだろうかと想像します。私にとって重要な指針になる方なのです。

――では、大久保さんの下を離れて大学院に行くのは、大きな決断でしたね。

笹沼:はい。自分の生き方を考えたり、試しに行動を起こしたりしているうちに、どうやら私は大きな組織の中で成熟していくことより、小さいことでもいいので何かを自分で始め、それを伸ばしていくような生き方のほうが合っているのでは、と思うようになったのです。

これも大学のゼミの関本先生の教えが影響しています。「経営学者として色んな人に会ってきて、ビジネスをゼロから起こして成功させる。それが難易度が最も高く、挑戦しがいのあることだ」という言葉。これがずっと頭の片隅にあり、会社で懸命に働きながらも、いつかは自分でという考えに傾いていきました。

やはり、大久保さんには仕事面でも大変にお世話になってきたので、心底悩みました。でも最終的には自分の道を進むことにしました。人生一回ですし、本当の意味で自分が納得できる選択をしないといけない。中途半端な気持ちで会社に居続けるのも失礼だと考えました。

――大企業においての生き方に迷いがあったということなのですね。

笹沼:今思い返してみると、大きい組織の中で誰かの指示を受けて動くことより、自分一人でやることの方が向いていると思いました。ただ、自分が生きてきたのはビジネスの世界なのでそれを捨てるのはもったいない、近いのは何かと考えて出した結論が、起業でした。

 

「個人の成長」と「社会の正しい発展」を結び付けて考えられる若者が増えている

――就活の場面では、「成長したいです」と口にする学生が少なくありません。この言葉が意味するものは何だと考えますか。

笹沼:私の子どももちょうど就職したくらいの年齢なので、同じくらいの世代の人たちですね。今の若い人たちが「成長」と言ったときに強く意識しているのは、おそらく「時間」のことだと思います。つまり何らかの地位や経済的・社会的な存在感を「早く」手に入れたいと。それは必ずしも悪いことではないでしょう。

ですから企業のほうもそのニーズに応えられるように、教育の仕方や仕事の与え方、責任の持たせ方を相当意識して工夫するようになっていると思います。

――若手と話す中で、他に感じることはありますか。

笹沼:「世界はどうあるべきか」「人間社会はどうなるべきか」という問題意識を相当強く持っているなと感じます。全員がとは言いませんが、我々の時代の人に比べれば、ものすごく真面目にそうしたことを考えている人が多い。自分がスピーディーに成長したいだけではなく、地球規模の正しい発展についても関心が強いなと思います。

これは健全なトレンドだと考えています。環境の面でも人権の面でも、さまざまな意味でこのままでは人間社会が成り立っていかないという危機感を、我々の時代より真面目に抱いているのでしょう。

「自分さえ成長すれば他はどうでもいい」という人も一定数いるでしょうが、そうではなく、自分の成長と社会をリンクさせて考えられている人が増えていると実感します。

――早く成長したいと考えることについて「必ずしも悪いことではない」とのことでしたが、そこに懸念があるとしたら何でしょう。

笹沼:生き急ぐことの問題点ですかね。「短期間であるレベルに到達しないとだめだ」と思い込み過ぎないほうがいいでしょう。

やはり、一定の時間をかけないとどうしても醸成されない価値観や人生観、人に対する思いやりの心などもあります。その両面をうまくバランスして持ち合わせ、人間として広義の成長ができるのが最もいいと思います。

 

「投資家とファンドだけが利益を出せれば良いのか」。PEならではの哲学的成長

――笹沼さんはMBA取得後にベインに入社していますが、そうしたプロフェッショナルファーム側も「うちには成長できる環境がある」と広告します。そこで得られる成長とは何を指すのでしょうか。

笹沼:プロフェッショナルファームでは、まさに「スピーディーにいろいろなスキルを身につけられる」プログラムがあります。それと同時に比較的高めの報酬や肩書も得られる。平均的な大企業よりも早く、そうした状況に身を置くことができると思います。

私はベインとモニターで働いて、実際その通りでしたね。当時から研修制度もありました。与えられる仕事の重要性も責任も大きかったので、それを成し遂げること自体が自信にもなった。ビジネスで必要な素養、つまりスキルや考え方、判断力なども身につきました。

――当時から、そうした成長を早く手にできる場だったわけですね。

笹沼:ただ、特に外資系のプロフェッショナルファームが語らないのは、その道のプロとして短期間に成長しなければ生き残れないということ。すなわち評価の厳しさです。

プロとしての素地を満たさないと評価されれば、その人は外に出ていくことになる。それを認識した上で、自分のキャリアには自分で責任を持つ必要がありますね。

――プロファームの中でも、特にPEファンドだからこその成長があるとすれば何ですか。

笹沼:我々はPEファンドの仕事を「ビジネスの総合格闘技」と呼んでいます。

まずはコンサルティングの要素、つまりビジネスがどうあるべきかを戦略と実行で支援していく側面がある。別の面では投資なので、緻密な投資分析・評価を行い、リターンの最大化を目指すという、いわば投資銀行の要素があります。これらが2大要素ですね。その周辺に契約関係で必要な法律的要素などもあります。

ただ、もう少し哲学的な要素もあります。我々が投資活動を続けることで、社会に対してどのような価値を提供できているか。投資家や我々だけが利益を出せれば良いのか、というような局面にいつも遭遇します。「企業とは何か」といった議論も日常的にする。そうした要素も含めて、とても多面的な経験を積むことになるわけです。

――あらためて、笹沼さんなりに「成長」という言葉を定義するとしたら、どう表現しますか。

笹沼:経験や思考の履歴、勉強したこと、そうしたものが積み重なってその人の財産になっていく過程、あるいはそれらによって人が変化していく途上が成長なのだと思います。ただ、人によって方向性やスピード感は全く異なるので、各個人なりの成長の姿というのが存在するのだと考えています。


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