メガベンチャーのAIサマーインターンで評価され、内定に繋げるために私が意識したこと

メガベンチャーのAIサマーインターンで評価され、内定に繋げるために私が意識したこと

2025/07/15

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eyecatch

こんにちは。国立大学の情報系大学院で博士課程に在籍している者です。先日、第一志望としていたエンタメ事業を手掛ける国内メガベンチャーより、AIエンジニア職の内定をいただくことができました。

私がこの企業とのご縁をいただく大きなきっかけとなったのが、修士時代に参加したAIエンジニア職のサマーインターンシップでした。このインターンでの経験とそこで得た評価が、後の本選考でいかに有利に働いたか、身をもって実感しています。この記事では、その経験を振り返りながら、インターンという機会を単なる経験で終わらせず、内定という結果に繋げるために何をすべきか、その要点を自身の経験に基づいて解説していきます。これからインターンに臨む方、そしてインターンでの経験をどう活かせば良いか考えている方にとって、少しでもヒントになれば嬉しく思います。

サマーインターンの内容、感想、学んだこと

開発の概要や期間中の過ごし方

私が参加したインターンシップは、AIエンジニアとして実践的な開発に深く没頭できる、非常に中身の濃いものでした。

開発テーマ:

企業が保有する音声データを用いて、AIを活用した新しい音声加工技術を開発するという、事業に直結したテーマでした。論文調査から実装、そして最終的な成果発表までを一貫して担当しました。

期間と進め方:

期間は約4週間。大まかなマイルストーンが設定されており、計画的に開発を進めることができました。

・1週目: 環境構築、関連論文のサーベイ、オープンソース実装の動作確認など
・2〜3週目: 本格的な開発・実験フェーズ
・4週目: 開発の仕上げ、成果のとりまとめ、最終発表

働き方とコミュニケーション:

・毎日、朝と夕方にメンターの社員さんや他のインターン生とのオンラインミーティングがあり、そこで進捗報告や技術的なディスカッションを行いました。それ以外の時間は、基本的に個人の裁量で開発を進めるスタイルでした。
・開発に関するやり取りはSlack上で密に行い、それ以外にもほぼ毎日オンラインでの雑談ランチタイムが設けられていました。また、期間中に2度ほどオフラインでの食事会にも参加させていただき、社員の方々と深く交流することができました。

会社の雰囲気やメンターの印象

技術的な経験だけでなく、企業のカルチャーを肌で感じられたことも大きな収穫でした。まず印象的だったのは、非常に自由でのびのびとした開発環境です。朝夕のミーティングで方向性を確認しさえすれば、日中の時間の使い方は個人の裁量に任されており、自分のペースで開発に集中することができました。

また、単に与えられたタスクをこなすだけでなく、「こういうアプローチも面白いのではないか」といった自分の意見を積極的に伝えると、メンターの方々は真摯に耳を傾け、それを尊重して開発方針に組み込んでくれました。社員の方々との距離感も非常に近く、「社員とインターン生」というよりは「研究室の先輩と後輩」のような、カジュアルで風通しの良い関係性を築けたと感じています。業務外の雑談も気軽にできる雰囲気で、メンターの方から頻繁にポジティブなフィードバックをいただけたことは、開発を進める上での大きな自信に繋がりました。

学んだこと

この4週間では、大学の研究室にいるだけでは得難い、 実践的なスキルと視点 を数多く得ることができました。

技術的な学び:

・クラウド環境(GCP/AWSなど)を駆使した、AIモデルの効率的な学習・実験の回し方
・チーム開発で用いられる業務管理ツールの実践的な活用法
・一般には公開されていない、リアルな事業データを用いた開発の難しさと面白さ

ソフトスキルの学び

完全リモート環境下で、自律的に開発を進めていくためのマイルストーンの立て方や、こまめな進捗報告の重要性

総じて、インターン生を一人の開発者として尊重し、リアルな課題に取り組ませてくれる、素晴らしい環境だったと感じています。

サマーインターン後から本選考まで

インターンシップは、参加して終わりではありません。むしろ、そこでの評価や築いた関係性が、 その後のキャリアに繋がる重要な布石 となります。

インターンシップ後の企業との関係性

インターンシップ終了後、参加者とメンターの方々での食事会が開催されました。また、特に評価が高かった一部の学生は、長期アルバイトのオファーを受けていました。私自身も幸いにもお声がけいただいたのですが、当時は大学のスケジュールの都合で、残念ながら参加することはできませんでした。しかし、企業との繋がりがそこで途絶えることはありませんでした。

私はインターン後に博士課程へ進学したのですが、採用担当の方から毎年「ぜひ本選考を受けてほしい」と、お電話やメールで丁寧なご連絡をいただけたました。この経験から私が感じたのは、 サマーインターンは、企業が「将来一緒に働きたい人材」に目星をつけるための場 でもある、ということです。インターン期間中に、技術力だけでなく、チームでの立ち居振る舞いや学習意欲を示すことで、「この学生は優秀だ」という評価を勝ち取ることができれば、たとえすぐに選考を受けなくとも、企業はあなたのことを覚えていてくれます。

就職活動でインターンの経験は、どう活きたか?

そして博士3年の時、私は満を持してこの企業の本選考に応募しました。当初、選考の優遇措置(一部面接の免除など)が予定されていたのですが、会社の事情でそれはなくなってしまいました。そのため、私は他の応募者と同じプロセスで選考を受けることになりました。また、実際の面接では、博士課程での研究内容に関する深掘りが中心となり、私自身が「サマーインターンではこんな活躍をしました」と能動的にアピールする機会は、正直なところ、あまりありませんでした。

面接官は、私が話す研究内容を聞きながら、その裏で「この学生は、あのサマーインターンでしっかりと成果を出した実績がある」という事実を当然把握しています。そのため、私が語る専門性やスキルに、インターンでの活躍という裏付けが加わり、言葉の説得力が増していたはずです。明示的な優遇措置はなくとも、面接官が私を見る目は、間違いなくインターン参加前とは異なっていたでしょう。これこそが、サマーインターンが就活に活きた、何より大きな価値だったと感じています。

まとめ

この記事では、私が経験したメガベンチャーのサマーインターンシップを題材に、その内容から、内定獲得という結果にどう繋がったのかを振り返ってきました。重要なのは、インターンの経験は、必ずしもエントリーシートや面接で直接語るためのアピール材料として機能するわけではない、ということです。私の経験がそうであったように、むしろインターン期間中の活躍や姿勢が、企業からの評価の基礎となり、選考過程全体を通して目に見えないアドバンテージとして働くことの価値は、非常に大きいと感じています。では、その評価を勝ち取るために、学生は何を意識すべきなのでしょうか。

私が最も重要だと考えるのは、「主体的に提案する姿勢」です。多くのインターンでは、学生一人ひとりに開発テーマが与えられます。もちろん、まずはそのテーマに沿って開発を進め、求められた成果を出すことが大前提です。しかし、評価される学生とそうでない学生の差は、そこから一歩踏み込めるかどうかにあります。

・ただ指示された通りに実装するのではなく、「こちらの論文の手法も応用できるのではないか?」と追加の提案をしてみる。
・与えられた環境で開発するだけでなく、「このツールを使えば、もっと効率的に進められるのではないか?」と改善案を提示してみる。
・行き詰まった時に、ただ質問して答えを待つのではなく、「自分はAとBの選択肢を考えたが、どちらが良いと思うか?」と自分なりの仮説を持って議論を挑む。

こうした行動の根底にあるのは、「 なんとかしてこのプロジェクトに貢献したい 」「 少しでも多くのことを学び、成果を残して帰ろう 」という貪欲な姿勢です。たとえその提案が的を射ていなかったとしても、その主体的な姿勢そのものが、メンターや社員の目にはこの学生は意欲が高く将来有望だと魅力的に映るはずです。サマーインターンは、学生にとっては企業を知るための機会ですが、企業にとっては未来の仲間を探すための真剣な場です。

受け身の姿勢で何かを教えてもらうのを待つのではなく、 自ら価値を提供しにいくくらいの主体性を持って臨むこと 。その意識の転換こそが、インターンシップという貴重な機会を自身のキャリアに繋がる確かな一歩へと変えるのだと、私は信じています。この記事が、皆さんのインターンシップをより実りあるものにするための一助となれば幸いです。

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