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理系大学院生が就職活動をいつから始めるべきかという疑問は、毎年多くの学生にとって重要なテーマです。特に、理系の研究や実験は時間を要するため、文系学生に比べて就活の準備が遅れがちになることも少なくありません。
しかし、 現代の就職市場は年々変化しており、早めの準備が成功の鍵を握ることが多くなっています。 本記事では、27卒理系大学院生を対象に、いつからどのように就活を進めるべきかを、最新のトレンドを交えながら解説します。
理系大学院生の就活スケジュール
一般的に、理系大学院生の就活は修士課程2年目に本格化します。しかし、昨今の就職活動は早期化しており、就職活動の準備はその1年前、つまり修士1年目(M1)から始めるのが理想的です。
ソフトウェアエンジニア志望者の人は、以下の記事も参考にしてください。
【徹底ガイド】ソフトウェアエンジニア就活の始め方と流れーー何をいつから始めればいいのか?疑問を解消しよう!
就活スケジュールの流れ
以下は、27卒の理系大学院生に推奨される就活スケジュールの概略です。人気の業界5つに共通して言えるのが、 M1(D2)の春に説明会やインターンシップへの応募がすでに始まっているということです。 このスケジュールを元に早めの準備を始めましょう。
M1の春(3月〜4月):
業界研究・企業研究を開始。理系の職種に関しては、R&D(研究開発)、エンジニアリング、製造技術など業界を横断して多岐にわたるため、自分の専攻に関するもの、または興味がある業界を調べておく必要があります。
大学院生は学会や論文発表などの研究活動が並行して行われるため、就活の準備を早めに始めることで、後のスケジュールに余裕を持たせることができます。
M1の夏〜冬(5月〜9月):
企業エントリー・インターンシップの応募を開始。この時期は企業が新卒採用に向けた説明会やインターンシップの募集を行うピークの時期です。特に大手企業では、インターンシップを通じて早期内定を得ることも可能です。
M2の春(2月〜4月):
本選考開始。夏以降は企業の本選考が始まりますが、理系大学院生の場合、研究活動との両立が求められるため、ここでのスケジュール管理が極めて重要です。また、内定を得た後も卒業論文や研究活動に集中できるよう、早めの内定を目指しましょう。
推薦と自由応募、どちらにする?
理系の就活において、文系との大きな違いは「自由応募」の他に大学を通した「推薦応募」が存在することでしょう。
自由応募は、興味のある複数の企業に応募でき、自分の適性や企業の人気に合わせて志望先を絞り込めることがメリットです。 選択肢の多さと技術職の人気が下がっていることから、最近は自由応募で就活を進める人が多いです。
対して、推薦応募は最優先の志望先として一企業を選び、大学からの推薦という有利なルートで就活を進めることができます。 勤務条件や場所は細かく気にせず、「一定の基準を満たした企業ならどこでも自分は活躍できる」と考えられる学生に向いています。
推薦の形態も様々で、その大学の学生であればどの分野でもOKという「学校推薦」、学科や専攻単位で人数が決まっている「学科・専攻推薦」、特定の研究室の院生を対象とした「研究室推薦」または「教授推薦」があります。
研究室によってケースバイケースの色が濃く、 人気の企業の推薦枠は非常に学内競争率が高くなる こともあるため、注意が必要です。
第一志望と第二志望で戦略を変える
推薦応募を考える上で注意しなければならないのは、 「推薦を得ても、内定獲得できないケースがある」 ということと、 「内定が出たら、原則辞退は難しい」 ということの2点です。
昔は推薦=内定という時代もありましたが、現在はコミュニケーション力を重視する潮流のために、推薦を受けた学生も面接などいくつかの関門をクリアしなければなりません。
また、研究室ごとに人数が決まっており、教授からの推薦で企業に応募するため、辞退するのは困難を極めます。
つまり、 「第一希望の企業で推薦応募が可能なら応募し、第二志望以下に関しては自由応募にする」 というのが手堅いといえるでしょう。
具体的な就活対策
「早めに始めなければいけないのは分かったけど、何から始めればいいのか分からない…。」という方も安心! 理系大学院生が就活を成功させるための具体的な対策として、以下のポイントが挙げられます。
キャリアセンターをフル活用しよう
皆さんの大学には、就職支援を専門とする部署の 「キャリアセンター」 が設置されています。
キャリアセンターでは、 エントリーシートの書き方講座や就活のガイダンスなどの各種セミナーが開催されており、無料で支援を受けることができます。
また、面接の模擬練習もすることができ、丁寧な指導体制が整っているため、有効に活用しましょう。
そして、キャリアセンターで得られる最も重要な情報は 「卒業生の連絡先」 です。キャリアセンターでは 企業ごとにOB・OGの名前と連絡先がリスト化されたものを閲覧することができるため、それを元にアポを取れば効率よくOB・OG訪問をこなすことができます。
OB・OG訪問は業界研究において欠かせないステップなので、積極的に行いましょう。
【専門家が語る】OB・OG訪問をすべき3つの理由と、誰に何を聞くべきか3つのポイント
試験対策をしよう
企業が学生に課しているのは、「就職試験」であり、受験と同じで対策なしで済ませることはできません。
受験であれば、どんな試験が行われているか調べたり、過去の入試問題で対策をしたりするはずです。就活も流れを知って、準備し、どんな点がその企業で重視されているかを企業研究でつかみ、その上で自分の話すエピソードをそれに合わせる工夫が必要です。
企業ごとのWEBテストの種類や技術面接の内容は選考体験記で調べることができるため、興味のある企業の過去のテスト内容は必ずチェックして準備に取り掛かりましょう。
インターンシップに積極的に参加しよう
インターンシップは実際の業務を経験できるだけでなく、企業とのネットワークを構築する絶好の機会です。
特に理系の職種では、インターンシップの評価がその後の選考に大きく影響し、早期選考にも繋がるため、積極的に参加することをおすすめします。
日経クロステックと、就職活動支援サービスなどを手掛け累計約5万人の理系学生データを持つLabBase(ラボベース、東京・千代田)が2024年修了予定の修士課程の理系大学院生(24卒理系院生)を対象に実施した調査では、 インターンに参加した社数を見ると、4~6社が最も多く、2社、3社、7~9社、10社以上と答えた人はほぼ同水準で、1社のみ、あるいはまったく参加しない人は少数派でした。
人気の企業は倍率も高くなるため、事前の準備が必要です。また、複数の会社にエントリーすることで面接やES、WEBテストの練習を積むことができます。
インターンシップの選考経験を活かして、本選考のエントリーシートや面接で自分の強みをアピールできるようにしましょう。
サマーインターンの実態は「本選考」の一部 ~サマーインターン攻略特集~
自分の研究をアピールする練習をしよう
就活では、 研究内容や実験で培ったスキルをどのように企業にアピールするかを考える必要があります。
理系大学院生は、専門的な知識や技術力を持っているため、それをどのように企業で活かせるかを具体的に伝えることが重要です。
また、 研究で得た問題解決能力やプロジェクト管理能力など、ソフトスキル もアピールポイントとして活用しましょう。
研究の概要は工学系など社会実装が近い領域であれば比較的書きやすいですが、理学など基礎研究で企業の人を振り向かせるには工夫が必要です。 いかに、「面白そう」と相手を引きつけ、身に付けた研究のスキルが幅広い分野で活かすことができるかを説得力と情熱を持ってアピールできるかが鍵となります。
少なくとも研究に携わっている本人であるあなたは、自分の研究分野を「面白い」と感じているはずです。平易な言葉でその現象をわかりやすいたとえに置き換え、魅力を感じてもらう等の工夫をしましょう。
研究と就活を両立するために
指導教員との関係
理系大学院生にとって、指導教員は非常に重要な存在です。 研究や就職の良し悪しさえも、指導教員との関係が良好であるかに左右されるといっても過言ではありません。
しかし、就活の期間には就活が忙しくて研究室に行く頻度が少なくなり、その後ろめたさからさらに研究室に行きづらくなるという悪循環が起こりがちです。
たとえ教員と気が合わなかったとしても、卒業までのことだと割り切って、関係を悪化させないように気を付けつつ指導を受ける必要があります。
時には先輩や同期に状況を打ち明け、指導教員との関係を取り持ってもらったり、口添えをお願いしたりする必要があります。
研究の進捗がなくても教員と定期的に質問や雑談などでコミュニケーションをとるなどの努力を怠らないようにしましょう。 研究室の中で培った上下関係を円滑に保つスキルは、社会に出てからも必ず役に立ちます。
ポスター発表に挑戦してみよう
理系文系に関わらず、就活で最も重視される能力は 「コミュニケーション能力」 です。
しかし、このコミュニケーション能力に不安を持つ理系の学生は少なくありません。
そんな学生におすすめなのが、 学会では口頭発表ではなく、ポスター発表に挑戦する 、ということです。
ポスター発表は口頭発表と比べ、来訪者とのやり取りが多くなります。ポスターに目をとめた人にすかさず声をかけ、1体1で研究に関する意見を引き出したり、厳しい意見に反論したり、企業関係者から直接コメントをもらったり、 就活の面接に使えるヒント が得られるいい機会になります。
研究も上手く活用しながら就活も進められるので、一石二鳥です。
まとめ
理系大学院生が就活を成功させるためには、早期の準備が重要です。M1から業界研究や自己分析を始め、インターンシップを活用して実践的な経験を積むことで、競争力を高めることができます。
27卒の大学院生の皆さんも、研究活動と就活を両立させながら、自分に合ったキャリアを見つけていきましょう。
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